都議会定例会で宮瀬政務調査会長が小池知事に代表質問
- 2018/12/11
- カテゴリー:都議会
2018年12月11日、都議会本会議で代表質問が行われ、会派「都議会立憲民主党・民主クラブ」を代表して宮瀬英治政務調査会長(板橋区選出)が小池知事に質問しました。情報公開、災害対策、中小企業支援、がん検診など都政の争点を質問しました。積極的な提案を行い前向きな答弁を引き出すことができました。
以下に質問と答弁(速報版)を掲載します。代表質問は先に全問質問し、答弁はまとめて行われますが、掲載上、一つ一つの質問に対して答弁するように並べ替えていますので、実際の議事録とは違うことをご了承願います。
○宮瀬英治議員:都議会立憲民主党・民主クラブを代表し、質問いたします。
まず、知事の政治姿勢です。
オリンピック経費が立候補時点から二倍近い一兆三千五百億円にも膨らんでいます。都と国と組織委員会による会議が行われましたが、いまだその交渉過程が不明です。
新たにその内容を記録したA4判五十八枚の手書き文書が見つかりましたが、局は、個人的なメモであって公文書ではないとして、非公開としています。結果、この重大な会議の議事録や議事要旨がどこにもありません。
どんなに都民の関心の高い、かつ公の会議であっても、参加者がいわゆる秘密会議として参加者のみで合意してしまえば、その交渉過程や議事を記録せずに済んでしまうことが問題です。これでは後の検証もできません。都の情報公開審査会までもが疑問を呈し、まさにブラックボックスとなっております。
情報公開は知事の都政改革の一丁目一番地であり、こういったことがないよう見直すべきですが、所見を伺います。
なお、公文書管理条例の施行後の現在も、この交渉過程が検証できない状態が続いていることを改めて指摘しておきます。
○小池知事:ご指摘いただきましたように、情報公開の推進は東京大改革の一丁目一番地でございまして、その基盤となる適正な公文書管理の推進のために、公文書の管理に関する条例を制定し、昨年七月から施行しているところでございます。
この条例におきましては、政策の形成過程を明らかにする文書の作成義務などを規定いたしており、政策形成過程の会議に該当するものならば、その議事要旨を作成するとしております。
しかしながら、ご指摘の平成二十八年に開示請求のあった事案の対象文書でございますが、組織委員会において作成及び説明の後で回収されたと聞いておりまして、都の公文書として存在をしておりません。東京都情報公開審査会が事務局に行わせた探索におきましても、存在を確認できなかったと聞いております。
今回の事案につきましては条例制定前のものではございましたが、今後、情報公開の基盤となります公文書の作成、保存を適切に行うとともに、引き続き情報公開を積極的に推進することで、全庁を挙げまして、都政のより一層の透明性の向上を目指してまいります。
○議員:次に、都の支払い先です。
都民の納めた税金が何にどう支払われているのかを明らかにすることは重要です。
そこで、昨年より都は、年間七十万件に及ぶ公金の支出について、件名、金額などをホームページで公開しています。これにより、都の支出の全貌が初めて明らかになり、画期的な取り組みと評価しています。
しかし、都の支払い先が明記されておりません。これでは事業や費用検証には不十分であり、都民が支払い先の全体像を知ることができません。
また、支払い先の金額順位を都に確認したところ、明示できないとの答弁がありました。つまり、都そのものが支払い先の全体像を把握できていません。
都は、個人情報を主な理由としておりますが、一部の自治体では個人情報を除き、全支払い先を公開しています。都も事業や費用検証に生かせるよう支払い先を公開すべきですが、所見をお伺いいたします。
○土渕会計管理局長:公金支出情報における支払い先の公開についてでございますが、平成二十九年九月より、公金支出情報をホームページで公開し、都政の見える化に向けて一歩踏み出したところでございます。
毎月のデータは、都民が自由に加工できるエクセル形式などでも提供しており、これを蓄積することによって、さまざまな分析が可能となります。
ご指摘の支払い先の公開につきましては、年間七十万件に及ぶ支出が個人情報などの非開示情報に該当するか否かを職員の手で一件一件チェックする必要があること、その上でも個人情報が誤って公開されてしまうリスクがあること、さらにシステム改修に時間とコストがかかることなど、さまざまな課題があります。
今後は、これらの課題につきまして一つ一つ洗い出し、検討を進めてまいります。
○議員:次に、都のマネジメントです。
国の不当な偏在是正措置は、日本と東京の成長には決してプラスにはなりません。地方分権の実現、そのための地方税財政制度の抜本的な改革こそが重要です。
一方、都は、支出のみで収入に予測がなく、収支の推計がありません。都は景気の変動を受けやすく、過去の大幅減収を理由に見通しは困難としていますが、難しいからといって収支見通しを立てない民間企業はありません。そういった事態をも想定したパターンを設ければよいのです。都に次ぐ経済規模の神奈川県など多くの自治体では、既に発表しています。
都も十九年度から三カ年の財政推計を出していたように、税収が安定している今こそ、将来やリスクに備え、再び財政推計を打ち出すべきです。このように将来予測を立てた都政運営を行うべきですが、知事の見解を伺います。
○知事:次に、都政運営についてのご質問でございます。
世界に例を見ない規模、そして速度で進む高齢化、急速に進展する都市の老朽化への対応、そして、いつ起こるとも知れない大規模災害への備えなど、都の財政が抱える財政需要は極めて膨大でございます。
一方で、歳入面におきましては、リーマンショックの影響の際は、都税収入が一年で一兆円の減収をこうむるなど、景気の荒波に翻弄されやすく、加えて、地方交付税の不交付団体であるなど、不安定な構造も有しているところでございます。
こうしたことなどから、いかなる社会経済情勢の変化に対しましても、東京の将来を見据えた取り組みを揺るぎなく進める必要があります。現在編成中の平成三十一年度予算におきましても、事業評価の取り組みで無駄の排除を徹底する、そして基金、都債の計画的かつ戦略的な活用に努めることといたしております。
社会経済構造の変化に適応し得るような持続可能な財政運営を行う、将来にわたって都民の負託にしっかりと応えていく都政運営を行っていきたいと考えております。
○議員:次に、市場問題です。
都は、市場会計の持続可能性について、築地市場跡地を一般会計に所管がえすることも視野に入れ、検討しています。しかし、この政策決定には、とりわけ丁寧な対応が必要です。
平成元年に閉場した神田市場跡地は、一般会計に三千七百億円で所管がえされ、その後、一般会計から民間に四百億円で売却されました。単純に計算をすると数千億円の減です。これに倣えば、築地は守るとしたはずの知事の公約が、損失だけが残ったと後々いわれかねません。
そこで、神田市場跡地の所管がえ及び売却にかかわる事実関係の確認と、この経過をどう総括し、市場会計の持続可能性とその後に生かそうと考えているのかお伺いいたします。
○武市財務局長:築地市場跡地の取り扱いについてでございますが、お話しのありました神田市場跡地につきましては、平成元年に、約二万七千平方メートルの土地を三千六百七十七億円で、中央卸売市場会計から一般会計に有償所管がえをしたものでございます。
その後、当該地区の土地区画整理事業を経て、道路や公園などの公共施設を整備するとともに、地価の変動を反映させた上で、平成十四年に、民間企業に対し市場跡地のうち約一万六千平方メートルの土地を四百五億円で売却し、現在は秋葉原クロスフィールドとして、まちのにぎわい創出に貢献をしております。
市場会計の持続可能性の検証や、その後の築地市場跡地のまちづくりに当たりましては、こうした過去の事例なども踏まえつつ、社会経済情勢の変化等にも留意しながら適切に対応してまいります。
○議員:この政策決定がブラックボックスといわれぬよう改めて求めますが、知事の所見をお伺いいたします。
○知事:築地の市場跡地についてのご質問がございました。
昨年六月、市場のあり方戦略本部で、市場会計の持続可能性の検証に当たりましては、築地市場の跡地について、有償所管がえを行った場合、そして長期貸付を行った場合の収支試算をお示ししております。
市場会計の持続可能性につきましては、その後の市場全体を取り巻きます環境の変化を踏まえまして、今後改めて収支試算を行うことといたしております。先般の市場移転に関する関係局長会議におきましては、検証に当たっての留意点を示すなど、オープンな場で議論を進めているところでございます。
今後、築地まちづくり方針の検討状況を踏まえながら、予算編成過程の中で築地市場跡地の取り扱いについて明らかにしてまいります。
○議員:次に、中小企業の振興です。
昨年三月の代表質問で私たちが求めていた中小企業・小規模企業振興条例が提案されたことを率直に評価いたします。
しかし、問題は実効性です。とりわけ、大企業が優越的な地位を濫用しないよう、中小企業との公正な取引慣行の実施に向けた施策が必要です。
例えば、和歌山県では経産省と連携協定を締結し、県内中小企業に聞き取り調査をすることで、商慣行の是正や取引適正化に取り組んでいくことを発表しました。都でもこうした取り組みに加え、専門相談員の増員など、下請センター東京の強化も必要です。
中小企業が公正な取引慣行を実感できるよう取り組むべきですが、知事の所見をお伺いいたします。
○知事:公正な取引慣行の実現に向けた取り組みについてでございます。
東京の中小企業の経営の持続的な成長を図る、そのためには適正な利益を確保できる公正な取引慣行を確立することは重要でございます。
そのためには、経済の活性化や地域の発展に貢献するという中小企業の役割についての理解を促進して、取引を公正に行う共通の認識を広げていくという視点が不可欠と存じます。
こうした考えのもとで、条例においては、中小企業が重要な存在であることを理念として掲げ、さまざまな主体に都の振興施策への協力を働きかけております。
中小企業の振興に向けたビジョンにおきましても、取引が公正な形で行われますように、さまざまな業界団体と協力をいたしまして、ルールの徹底を進めていくことといたしております。
こうした理念に基づいて多様な施策を展開することで、適正な取引慣行の実現を図って、中小企業の発展を後押ししてまいる所存でございます。
○議員:都の経済成長率は、直近三カ年平均でマイナス〇・七%と低迷しています。一方、上海は同条件でプラス六・九%であるなど、アジアが勢いを増しています。
知事は、世界から人と金を呼び込むと述べられましたが、実は、そのルートが都にはほぼありません。東京都中小企業振興公社には、都内中小企業がアジア進出をするための海外拠点がタイなどにはありますが、現地で確認をすると、その業務内容には現地ローカル企業が東京に進出するための機能がなく、また、東京を現地でPRする役割もありません。
さらには、都は海外から東京へ進出している企業の誘致数と、その進出経路の全体像をも把握しておらず、目標数値もありません。それぞれ改善すべきですが、所見をお伺いいたします。
○藤田産業労働局長:東京への海外企業の誘致についてでございますが、東京の経済を活性化する上で、海外から進出した会社が都内の中小企業と取引を行い、互いの事業の発展を図ることは重要でございます。
都では、東京に進出する外国企業に対し、法人を設立する手続などをワンストップで支援いたしますほか、都内の中小企業と商談を行う機会も設け、海外企業の誘致に結びつけているところでございます。
一方、東南アジアの地域では、将来の成長を見込み、市場への進出を目指す都内中小企業のニーズが高い状況にもございます。そのため、現在、中小企業振興公社が現地拠点を設け、都内中小企業の販路開拓を支援しているところでございます。
今後は、関係機関と連携しながら、それらの動向の把握に努めますほか、東京のPRの方法について研究し、海外の企業による都内進出の後押しにつなげてまいります。
○議員:次に、補正予算です。
このたびの予算案には基本的に賛成するものの、なお懸念点もあります。区市町村庁舎の非常用電源の整備補助が計上されていますが、非常用発電機はいざというときに作動しなければ意味がありません。熊本地震などでは、一部の公共施設や病院などで、整備不良のため非常用発電が機能しませんでした。設置と点検はセットです。
そこでまず、災害拠点病院や連携病院の非常用電源が全て法令点検されているのか、また、その点検実施率はどれくらいなのか伺うとともに、該当病院が災害時に機能維持ができるよう都が尽力すべきですが、見解を伺います。
○内藤福祉保健局長:災害拠点病院等の自家発電装置の点検についてでございますが、平成二十八年に発生した熊本地震では、メンテナンスの不足などにより自家発電装置が始動しなかった事例が報告されたことから、都は昨年度、災害拠点病院を対象に、自家発電装置の具体的な点検方法の調査を行ったところでございます。
その結果、全ての災害拠点病院が今年度中に指定要件に見合った十分な電力を供給できるかを確認する試験を実施予定であることを確認いたしました。
災害拠点連携病院につきましては、自家発電装置の保有を指定要件としているものの、これまで点検の実施状況の調査は実施しておりません。
今後、災害拠点連携病院の機能強化に向けた検討とあわせまして、各病院の状況を把握するとともに、点検を実施するよう促してまいります。
○議員:次に、知事は、避難所にもなる体育館に空調設置を述べていましたが、発災後に停電が続けば使えません。そのときのために、体育館を含む避難所の自立電源確保は喫緊の課題でありますが、今回、何ら手だてがありません。
避難所にまず必要なのは、防災行政無線、照明、ラジオ、携帯などの電源確保です。例えば、全ての避難所にソーラーパネルと蓄電システムを導入していくなど、災害時に求められる最優先の機能確保にも取り組むべきですが、所見をお伺いいたします。
○遠藤総務局長:避難所における非常用電源の導入についてでございますが、災害発生時に住民の生活空間となる避難所において非常用電源が確保されることは重要でございます。
このため、東京都地域防災計画は、区市町村が指定する避難所における非常用電源について、区市町村がその整備に努めることとしております。
また、都は、区市町村が、避難所等において非常時に必要となる電力の一部を賄うことができる太陽光発電設備等の設置を行う場合、その経費を支援する補助制度を設けております。
今後も、区市町村に対し、当該補助制度の活用について周知を図るなど、避難所における非常用電源の整備を促してまいります。
○議員:次に、生命と財産を守ることについてです。
年間三・四万人。これは、都民の死因一位、がんによる死者数です。早期発見が大切ですが、がん検診の平均受診率はわずか三割程度です。
都の調査によると、検診率向上のためには、まずは費用補助、次に一般健診との同時受診、複数のがんの一括検診と続きます。答弁によると、まず、がんそのものに対する都の総予算は、わずか八億円にすぎません。また、がん検診も健康診断とは別に、それぞれの部位ごとに受ける必要があります。
そのような状況下、国立がん研究センターが、血液一滴で十三種類のがんが超早期に発見できる検査方法を発表いたしました。責任者に直接話を伺うと、七万人分の検体を解析し、がん発見率はほぼ一〇〇%、今後さまざまなプロセスを経て、一般診療に活用されるとのことです。
課題は費用負担などでありますが、ついに福井県、山形県とはさまざまな提携がスタート。先方は、東京都との連携も希望されていました。
貧富の格差を寿命の格差にしてはなりません。一日当たり九十三名もの方が命を落としていることから、私は、国立センターのこの検診の実効性を都が確認できたと同時に、受診率七割である健康診断や企業健診に組み込むことを提案します。
また、杉並区では、がん発見の見落としが問題となるなど、区市町村によるがん検診では、この新検査でないと発見できないケースもあります。まず、区市町村において質の高い検診が実施されるよう、新たな取り組みが必要ですが、所見をお伺いいたします。
○福祉保険局長:がん検診の精度管理についてでありますが、がんを早期発見、早期治療し、死亡者数の減少につなげるためには、検診の精度管理の向上が重要でございます。
都は、区市町村が質の高いがん検診を実施できるよう、検診方法や精度管理について具体的に示した技術的指針や、効果的な取り組み事例を盛り込んだ手引を作成するほか、独自に制度管理の向上に取り組む場合には、包括補助で支援しております。
また、精度管理を適切に行うためのチェックリスト等を活用した自己点検を区市町村に促すとともに、担当部署を直接訪問して取り組み状況を把握し、必要な助言等を行っているところでございます。
今後、訪問の実施体制を充実するとともに、自己点検の結果や改善事例を集約し情報提供するなど、区市町村の精度管理の取り組みが進むよう積極的に支援してまいります。
○議員:次に、人数は不明。これは、都がパチンコなどギャンブル依存症の実態を把握していないためです。
パチンコなどのギャンブルは、鬱病、借金苦、虐待などに発展する可能性がありますが、都には専用の相談窓口もありません。
まず、都は、パチンコをギャンブル依存症対策の対象にどのような理由で加え、どのように対応してきたのか伺います。
○福祉保険局長:ギャンブル等依存症対策についてでありますが、ギャンブル等依存症対策基本法では、ギャンブル等とは、競馬等の公営競技、パチンコ屋に係る遊技その他の射幸行為とされております。
また、ギャンブル等依存症は、国際疾病分類で病的賭博として分類されている心の病であり、本人が病気であるという認識が薄く、破産や家庭崩壊など深刻な状態になるおそれもあることから、家族や周囲の人が早期に気づき、適切な相談や支援につなげることが重要でございます。
そのため、都は、パチンコを含めたギャンブル等の依存症の特徴や相談先等を盛り込んだリーフレットを作成するとともに、精神保健福祉センターでの専門相談や関係機関向けの研修を実施するなど、関係機関と連携を図りながら依存症対策に取り組んでおります。
○議員:都は、パチンコの定義は国が判断すべきとの見解でありますが、国はパチンコはギャンブルではないとしています。一方で、パチンコはギャンブル依存症対策の対象となるという矛盾があります。ことし十月に施行されたギャンブル等依存症対策基本法では、入場制限などを事業者に義務づける予定ですが、パチンコは含まれておりません。この宙に浮いたパチンコ事業に対し、多くの都民は疑問を抱いています。
全国最多、約一千店舗を抱える東京が、五輪大会を前にした今、パチンコに対して一定の方針を示すべき時期に来ていると考えますが、知事の政治家としての見解を伺います。
○知事:最後に、パチンコに対しての都の方針についてのご質問がございました。
パチンコ営業というのは、法律的にはいわゆる風営適正化法に基づいております。そして、その法律に基づいて所要の規制が行われているものと認識をいたしているところでございます。
○議員:十六万人。首都直下地震での死傷者の見込みです。
発災直後にいち早く正確な被害状況を把握することは重要ですが、三・一一の際には、消防庁は都庁と紙でやりとりするなど、多くの時間を要しました。
また、豊島区では、都の地震計の設置箇所では震度五弱であったため、災害対策本部が立ち上がらず、池袋駅などで多くの帰宅困難者があふれました。
そこで、新たに、民間や研究所が持つ画期的な情報の活用を提案します。
都には百十三の地震計がありますが、例えば東京ガスは、都の十五倍に当たる震度計を保有し、三・一一の際には一キロメッシュでの震度情報や六万本のボーリングデータから、液状化箇所や建物の被害状況を発災後十分で自動的かつ俯瞰的に把握していました。また、防災科学技術研究所も二百五十メートルメッシュで震度情報を把握することができます。
これらの情報に災害時要援護者データを重ね合わせれば、まずどこから救助や対策を行えばよいか、都は瞬時に把握できるのではないでしょうか。所見をお伺いいたします。
○総務局長:民間企業や研究所が持つさまざまな災害情報の活用についてでございます。
地震発生時の震度に関する情報につきましては、気象庁や東京消防庁と連携し、区市町村ごとの情報が得られるよう、島しょ地域も含めた都全域に地震計を整備しております。さらに、地域ごとのより詳細な震度情報を入手するため、防災科学技術研究所と連携を進めているところでございます。
また、都では、発災後、災害情報システムなどさまざまなツールを用いて、区市町村やライフライン事業者などから被害状況に関する情報を収集し、その確認や分析を行うこととしております。
今後とも、災害に関するさまざまな情報の収集、活用に関する仕組みの充実を図り、より一層の防災対策の強化を進めてまいります。
○議員:百二十六万人。これは、荒川水系での洪水浸水想定区域内に住む人々の数です。
水害時に都民はどこに避難すればよいか。都が指定する避難場所は火災のみを想定したものでありますが、その旨がはっきりと表示されておらず、これでは都民が混同しかねません。浸水地域にある避難所もあります。また、避難に対して十分な避難場所が確保できるのか。
そこでまず、避難を必要とする想定人数と現在避難場所等に収容できる人数、その実態を端的に伺います。それを踏まえ、都は早急に大規模水害を想定した避難場所について確保すべきでありますが、所見をお伺いし、私の代表質問を終わります。
○総務局長:大規模水害時の避難場所の確保についてでございますが、東京の東部低地帯において大規模水害が発生した場合、多くの都民が広域的な避難を余儀なくされることから、あらかじめその対応策を定めておくことが重要でございます。
都はこれまで、広域避難に関し、江東五区の協議会や国のワーキンググループに参加し、検討を進めてまいりました。
これらを踏まえ、広域避難の具体化を図るため、本年六月、都は、国と共同で、都内自治体、近隣県等で構成される検討会を設置し、避難場所の確保に関する課題を整理し、対応の方向性について検討を行っております。
また、避難者数や避難場所の収容可能人員については、現在推計を行っているところでございます。
都としては、引き続きこの検討会を活用しながら、広域避難に関する関係者の取り組みを促進してまいります。
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