予算委員会で締め括り総括質疑が行われました
- 2023/03/20
- カテゴリー:都議会
2023年3月20日、都議会の予算特別委員会で締め括り総括質疑が行われ、立憲民主党からは竹井政務調査会副会長が代表して小池都知事等に質問しました。子ども子育て施策、英語のスピーキングテストの入試への採用の問題点、高齢者施策などについて知事と議論しました。質問と答弁の概要は以下の通りです。
★はじめに、子ども・子育て支援について伺います。
018サポート事業について、小池知事による「所得制限があることで、夫婦で一生懸命働いて納税をしているがゆえに、給付が受けられないのは、ある意味で子育てに対しての罰ゲームのよう」との発言は、私も大変強く共感するものです。
都は、018サポート事業を予算化するに至った課題背景を「希望する数の子供を持つことを躊躇する理由は、教育費など子育てに多額の費用がかかる」こととしています。
また、知事は「018サポート事業を通じて、子どもを産み育てたいという願いを応援するというメッセージを発信していく」と答弁しましたが、改めて、その意義について知事の見解を伺います。●1(G・福保)
(知事)
(1)「018サポート」は、子供一人ひとりの成長を等しく支えるため、所得制限は設けず、ゼロ歳から18歳までの全ての子供に月額5千円を給付する。
(2)本事業など、子供・子育て政策を推進し、子供を産み育てたいという願いを支援していく。
一般的には、子どもに対する給付金は、養育している親などに支払われますが、018サポート事業は、0歳から18歳の子どもに支払われます。
それはそれで、子育て世帯の経済的負担軽減の一助になるとは理解しますが、子どもを産み育てたいという願いを応援するというメッセージには、直接なりにくいと思います。
所得制限を撤廃したのであれば、子どもを養育している親への支給でもよかったと思いますが、あえて子どもに対する支給とすることについて、見解を伺います。●2(福保)
(健康福祉部長)
本事業はこどもひとりひとりの成長を等しく支えるためゼロ歳から18歳の子どもに対して給付するものである。
中学生、ましてや高校生にもなれば、お金の管理は自分ですることがほとんどです。
金融広報中央委員会の「子どものくらしとお金に関する調査」によれば、お年玉は、高校生、中学生とも「おこづかいとして自分で管理し、不足する部分にあてる」との回答が最多です。
今回、月額5千円分を一括して来年1月に6万円を支給することになっており、大金を支給された高校生、中学生がトラブルに巻き込まれることも想定されます。
ご答弁では、子ども一人一人の成長を等しく支えるため、親ではなくて子どもに支給する、とのことでした。本来の事業の意義を損なわない配慮が必要ですが、極めて分かりにくい、伝えにくいものとなっています。改めて、一括して6万円を受け取る高校生など、子どもたちに、どのようなメッセージを届けようとしているのか、見解を伺います。●3(福保)
(福祉保健局長)
(1)本事業など、子供・子育て政策は、子供を産み育てたいという願いを社会全体で支え、応援していくという趣旨である。
私は018サポート事業で、親ではなくて、敢えて、子ども達ひとりひとりに毎月5000円ずつ配るというので、それにはそれ相応の子どもへのメッセージがあるべきだろうと思い質問しましたが、それにはお答えがなく、本事業も含めて子ども子育て政策全体の話にすり替えてお答えになりました。他の子ども子育て政策と同じで、子どもを産み育てたいという願いを応援していくなら、他の事業も、子ども一人一人に渡すことになりますが、これだけは違うので、メッセージがあるのだろうと思ったのですが。
そもそも、いきなり出てきたこの事業です。他の施策とは違って、子どもの口座に(子どもが口座を持っていない場合は親の口座を指定するでしょうけど)一人ずつ5000円配るんだ、というところまでは何となく決まっていたけれど、いつまで持続可能なのかもよくわからず、今回子どもへのメッセージを聞いてもよくわからない、後付けのようなことばかり仰るわけで、パフォーマンスと捉えられても仕方ありません。こうした大きな事業を行う際は、しっかり議論を積み上げたうえで政策決定していただきたいと申し上げておきます。
子供が大金を受領するということについては指導要領の改訂で、昨年(2022年)4月から、金融教育が義務化されていますが、学校教育にばかり頼っていてはなりません。
来年1月の支給時期までに、さまざまな課題の解決に取り組み、円滑な支給を改めて求めます。
また、018は所得制限を撤廃されましたが、所得制限は多くの補助金にかかっています。「子育ては罰ゲーム」をやめる、また「こどもひとりひとりの成長を等しく支える」というメッセージならば、子育てにかかわるその他の補助金の所得制限もやめるべきだと思います。改めて申しあげておきます。
★次に、ジェンダー平等について伺います。
相変わらず、日本のジェンダーギャップ指数は146か国中116位、「経済」は121位、「政治」は139位。女性の政治への参画、経済的自立の困難さを表しています。
かたや、男性は、男はバリバリ働かなければならない、という固定観念に捉われて、家族との時間を増やしたくても増やせないジレンマに陥っている人もいるのではないかと思います。
「男は仕事、女は家庭」はもう古い「男も女も仕事も家庭も」の時代・・そう思っていても、例えば、昨年9月のニッセイ基礎研究所の調査結果では「配偶者のいる女性は、テレワークで生産性の低下を感じた傾向」があり、「年収300~700万円未満の女性の間で特に、同居の配偶者がいると生産性が低下した人が多い」とのこと。テレワークで「新たに昼食用意などの家事」や「家事分担割合」が増え、「仕事の生産性が下がったと感じた」とまとめています。
まず、家事や育児における男性の実施率の向上について見解を伺います●1(生文ス)
生活文化スポーツ局長
〇男性の家事・育児参画に向け、ウェブサイト「TEAM家事・育児」で男性も取り組み易い家事などの役立つ情報発信
〇プロスポーツチームイベントで選手から男性の家事育児についてメッセージを発生んしてもらい普及啓発
〇性別による無意識の思い込みについてエピソードを募集しそれを基に制作した動画をSNSで配信
〇こうした取り組みを通じ、男性の家事育児参画に向けた意識改革に取り組む
ジェンダー平等に向けては、無意識の思い込み=アンコンシャス・バイアスを学ぶ必要があります。子どもたちがアンコンシャス・バイアスにとらわれることなく、将来の選択肢を増やしていくためには、指導する教員がアンコンシャス・バイアスに気付き、子どもたちを適切に指導していくことが大切であると考えますが、見解を伺います。●3(教育)
教育庁
子供たちが男女平等の意識を身に着けられるようにするためには教員自身がアンコンシャス・バイアスを意識して適切な指導の在り方を確認していくことが重要である。
そのため都教育委員会はすべての教員に配布している指導資料「人権教育プログラム」にアンコンシャス・バイアスの例や男女平等に関する指導事例を掲載するなど教員の理解を深め指導力の向上を図っている
女性が年齢を重ねながら健康を保持して働き続けるためには、生理や妊娠・出産、更年期など女性の健康への配慮に関する課題を点検し、環境整備と制度導入を進めることが必要です。労働団体も『生理・更年期障害に関するハンドブック』を作成、頒布するなど取組んでいます。
女性の健康を支える企業の環境整備を促すことで、キャリア構築も支援すべきと考えますが、見解を伺います。●4(産労)
産業労働局長
都は来年度、働く女性が職場において直面する健康上のテーマを把握するためのアンケートをオンラインにより実施
また企業に対し女性社員の健康の維持や向上のための取り組みに関する調査をウェブにより実施する。これを通じ女性社員の健康について優れたサポートを行う会社の事例を集め幅広く紹介
男女格差の問題をつきつめると、単身女性の課題への対応につながります。高齢単身女性の貧困問題も含めて、幅広い政策での支援が必要になると考えます。
さて、今回の予算では「出会い、結婚への希望を叶える支援等」13億円計上されています。目標を掲げにくい施策であると同時に、これがひとたび、「少子化対策」だと言われると、非常に違和感を覚えます。知事は施政方針で「少子化の要因の一つと言われるのが未婚化・晩婚化。そのため議員のころから婚活支援に力を注いできた」と仰っていますが、男性も女性もその人らしく生きることができ、その結果が結婚という形であるべきであって、子どもを産み増やす目的のために官製婚活のような形をとるのは違和感があります。推進するべきは、縷々指摘してきたようなジェンダーギャップをとりのぞき、多様性を尊重し、女性も男性もその人らしく生きられる社会を作っていくこと。そして、若者が経済問題で結婚したくてもできないという環境を変えることだと考えます。
★次に、同性婚について伺います。
2月21日の西沢けいた議員の同性婚を認める法改正の代表質問に、知事は「法整備は国において議論がなされるもの」と、地方自治体は無関係と言わんばかりの答弁をされました。
都のパートナーシップ制度は、同性パートナーと家族になりたい当事者に寄り添い、日常生活でのサービスや手続きを円滑化するもので、法律婚の同性カップルと同様の法的保護はありません。法改正の壁は残っています。
岸田首相は同性婚を「社会が変わってしまう」と答弁し、同性婚に否定的と捉えられています。首相補佐官のひどい差別発言と相まって、当事者には本当に酷な状況です。
ニュージーランドの元国会議員モーリスウィリアムソンさんの同性婚に賛成する有名な演説の中にこんなフレーズがあります。
「この法案は愛し合う2人が結婚でその愛を認められるようにするという、ただそれだけのこと。当事者からすれば素晴らしいもの、残りの我々からすれば昨日と同じ日々が続くだけ。法案が成立しても明日も太陽は昇る。世界はそのまま続いていく。だから大ごとにしないで」
知事は「多様性の輪を大きく広げる」としてパートナーシップ宣誓制度を創設されました。
重要なことです。
知事にお聞きします。知事は岸田首相同様、同性婚により社会が変わってしまう、とお考えですか、知事の見解を伺います。●1(G・総務局)
知事
都はこれまでも誰もが認め合う共生社会を実現するため、人権尊重条例等に基づき多様な性に関する啓発等の推進や相談体制の充実を図ってきた
昨年11月に運用を開始したパートナーシップ宣誓制度においてはこれまでに600組を超える方々に受理証明書を交付
法整備を含む同性婚については国において議論がなされるものと認識
政治家として、「社会が変わってしまう」と否定的な立場をとるのかとお聞きしています。
もう一度。
日本は主要7カ国(G7)で唯一、同性婚を認めていない国です。立場を明確にし、パートナーシップ制度を作った地方自治体の長として、法改正による課題解決に向けて動いていくのは自然なことだと思いますのでぜひご一考頂きたいと思います。
★次に、がん対策について伺います。
AYA世代のがん患者への支援について伺います。
私もいわゆるAYA世代にがんに罹患した一人です。
子供たちもまだ小さく、悲観的な気持ちになったこともありました。通院時も病室でも同性代の患者さんは殆どいない状況で、お互いの悩みを相談したり情報交換もしづらい状況でした。
AYA世代のがん患者の多くは経済的な問題に直面します。とりわけ、在宅で介護サービスを利用する場合、介護保険の対象外のため、全額自己負担となってしまいます。AYA世代のがん患者による介護サービスについて支援すべきです。また加えてこの間私は経済的負担の重いウィッグ等の購入費やがん治療後の不妊療法費用などの支援について提案してきました。
AYA世代のがん患者に対する支援について取り組みを伺います。●1(福保)
福祉保健局長
都はAYA世代のがん患者の療養環境充実に向け、介護保険制度と同様の支援が受けられる仕組みを構築するよう、国に提案要求している。
また生殖機能温存治療費助成事業を実施するとともに、来年度からアピアランスケア支援事業を開始するなどAYA世代の多様なニーズに応じた取り組みを進めている。
都は介護サービスについて国への提案要求にとどまっていますが、千葉市では40歳未満のがん患者の介護サービス利用費用を助成しており、和歌山県や鹿児島県など県単位でも取りんでいます。国への要求にとどまらず、都として是非とも実現させてください。
2021年12月の中村議員の代表質問では、コロナ禍のワクチン接種で、職域での取り組みが意識されたことを踏まえ、職域でのがん予防対策に積極的に取り組むべきだと主張しました。
昨今、国においても、職域におけるがん検診受診率向上と治療と仕事の両立支援を企業連携で推進していく取り組みが進んでいます。東京都としての職域でのがん検診に積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。●2(福保)
(福祉保健局長答弁) 〇 都は、職域におけるがん予防対策を推進するため、東京商工会議所と連携し、がん検診受診の重要性などについて健康経営アドバイザーを通じて企業経営層に啓発するとともに、従業員の健康に配慮した企業の取組を支援する職域健康促進サポート事業を実施
○ 引き続き、職域のがん検診の実施状況等を把握しながら、企業や働く世代への普及啓発等を 通じて、がん予防に取り組んでいく
★次に、デフリンピックの準備について伺います。
昨年末に、会派で明石市を視察した際、駅前のパピオス明石という市の各種相談窓口が入ったビルにある全ての窓口に筆談ボードがあり、総合案内所の近くに「手話フォン」が設置され、JR明石駅の案内所にも筆談ボードがあるなど、そこかしこに聞こえない人に対する配慮がされていました。
東京都としても、2025年のデフリンピックを見据え、より多くの窓口で手話や筆談ボードやアプリの活用などを通じて、すべての聴覚障がい者が不自由なく、案内・相談を受けられる体制を整備するとともに、あわせて民間での筆談対応も進むよう筆談対応ができることを示すマークの周知もすべきと考えますが、見解を伺います。●1(福保)
A(局長答弁)
都は、都庁舎や事業所の窓口等で聴覚障害者のコミュニケーションを支援するためタブレット端末等を活用し、文字情報や遠隔手話通訳を利用できる環境を整備している。
また、障害者の差別解消に関するハンドブックなどで筆談の方法や筆談マーク等を紹介しており事業者団体に周知するなど、引き続き聴覚障害者の情報コミュニケーションに関する取り組みを進めていく。
案内窓口・相談窓口だけでなく、都民の多くが聴覚障害を理解し、聞こえない人にフレンドリーな環境を整備する必要があります。東京2020大会では、学校教育でオリ・パラの精神を学び、育む教育に力を入れましたが、デフリンピック大会を契機により踏み込んだ障害理解教育を実践すべきです。
例えば、2025年までにすべての高校生が片言の手話ならば理解し実践できるようになるなど、言語としての「手話」の普及を図るべきと考えますが、見解を伺います。●2(教育)
教育長
都教育委員会は来年度ろう学校の児童・生徒の意見を取り入れながら、聴覚障害への理解を深めるための映像教材を作成し、都内公立小中高等学校等での活用を促進していく
当事者の意見を聞いて取り入れていくということでした。大変重要なことだと思います。よろしくお願いします。
手話への言及はありませんでしたが、言語としての手話の理解を深めていくことは重要だと考えます。
昨年末の会派の視察では、斉藤りえ都議とも同じホテルに泊まりましたが、改めて聞こえない人に配慮したホテルの必要性を感じました。
例えば、火災などの緊急事態を知らせる非常ベルはもちろん、来訪を伝えるドアのノック音やモーニングコールなどを、光などで伝えるような配慮がなされるべきです。
2025年にデフリンピックを迎えるに当たり、万全の準備を整えるべきと考えますが、ホテルなど宿泊施設の聴覚障害者への配慮に向けて、福祉保健局長と産業労働局長の見解を伺います。●3(福保・産労)
福祉保健局長
A1 局長答弁(骨子)
○ 都は、福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルで、宿泊施設における工夫として、客室内の聴覚障害者へ円滑に連絡するためドアのノック音等を点滅や振動等により室内に伝える信号装置の貸し出しや、メールによる携帯電話への情報配信等を行うことを記載し、事業者に周知している。
産業労働局長
これまで都は障害のある方が宿泊施設を安全で快適に利用できるよう客室等のバリアフリー化を支援
具体的には施設の改修や備品の購入について補助を行い、聴覚などに障害のある方にも使いやすい客室等の整備を促進
これにより聴覚に障害のある方に配慮した環境を整える
デフリンピックに向け文教委員会の斉藤議員の質疑にもありましたが、国際的な手話人材の育成・活用を含め、コミュニケーションは大会運営の肝になります。
インフラ、教育、コミュニケーション促進等々、デフリンピックに向けてやるべきことは山積しています。2025年東京デフリンピック大会の開催を通じ、東京にどのようなレガシーを遺していくのか、知事の見解を伺います。●4(知事・生文ス)
知事
〇 デフリンピックを契機に、社会の多様性や包摂性を一層高め、共生社会実現への弾みとしていくことが重要
〇 大会の開催を通じ、手話人材の育成や障害理解を促す教育、最新技術を活用したユニバーサルコミュニケーションを促進
〇 これらの取組を通じて、インクルーシブな街・東京の実現を目指す
知事から、大変重要かつ力強い決意の答弁を頂きました。
是非ともよろしくお願いします。
インフラ部分についても、ホテルの一例をあげましたが、ホテルに限らず、インクルーシブな街東京の名に恥じないインフラ整備がされますように、先ほどは現状の確認になりましたが今後より一層取り組みが進むように期待します。
★アニメ・まんが産業の振興について
「不健全図書」の名称変更を
東京都青少年健全育成条例では、不健全図書を指定し、区分して販売する仕組みです。区分に異論はないものの、「不健全」と、社会的に排除するような表現に、クリエーターから異論が出ています。
自身の表現、著作物に「不健全」との呼称を用いられることは、表現者として大変な苦痛であることは、容易に想像できるところです。ひいては表現活動の萎縮につながりかねず、都の表現活動に対する基本的な姿勢をも問われかねません。条例を改正し、適切な呼称に改めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。●1(G・生文ス)
生活安全担当局長
東京都青少年の健全な育成に関する条例は青少年の健全な育成を図る事が目的
青少年の健全な育成を阻害するおそれのある図書類については「青少年の健全な育成を阻害すること」を意味する「不健全な」という表現を用い不健全な図書類と呼称しており条例の目的に照らして適切
本件に関しては、多くの漫画家の皆さんからのご要望があり、社会の注目を集めています。
見直してほしいという声が大きなうねりになってきていますので、私達は引き続き見直しを求めてまいります。
次に、インボイスによるフリーランス等の方への影響についてです。
立憲民主党は、インボイス制度の中止を求めており、都議会でも意見書を提案するなど、反対の立場から取組んでいます。
インボイス制度については、フリーランスや一人親方などから、悲痛な声が届いています。中でもアニメ産業に欠かせない声優さんは、年収300万円以下の零細な個人事業主が7割とのことです。オウンリスクと思いがちですが、やりたい人に対して仕事が限られ、発注企業と零細な事業主とは情報・交渉力に大きな差があることから、契約・取引にかかる下請法や独占禁止法の問題も生じかねません。声優は、スタジオが集中する東京の職業といわれ、東京問題とも言えるこの問題に寄り添うため、相談窓口を設置するなど考えてもいいと思います。インボイス実施による都内個人事業主にかかるこうした懸念について、都としてどのように認識し対処していくのか伺います。●2(産労)
産業労働局長
フリーランスの方が安心して業務を担うためのサポートは必要
このため都は発注者との契約上の問題等で支援が必要な場合専門の相談員が解決に向けたサポートを行っている
コメント:この相談体制はコロナ禍でできたものですが、インボイスでは、声優さん、建設業の一人親方なども含めて、一方的な契約の打ち切りや値下げなど、大きな懸念がありますので、都としてもインボイスの相談にも丁寧に対応して頂きたいですし、寄せられた相談から課題を把握して、国にもモノ申していただきたいと思います。
インボイスは中止すべきですが、そもそも、産業を支える人に公平公正な取引は、経済の好循環や産業、東京の発展につながると考えますので、しっかりとお願い致します。
さて、都はアニメを活用したスタンプラリーなどの観光振興、つい先日開催された東京アニメアワードフェスティバル2023の共催、制作会社の海外展開の支援、マンホールの蓋にアニメを使う取組みの支援など、アニメコンテンツ産業が集積する地の利を活かした取組みを行っています。東京、特に多摩地域にはアニメ制作会社の4割近くが集積していると言われています。JR中央線や西武沿線には多くの制作会社があり「東京ひいては多摩地域の地場産業」と言っても過言ではありません。都としてしっかりと後押しして頂きたいと思います。
日本のアニメコンテンツ産業は世界的に大きな存在感があり、2兆円もの黒字を計上する有力な輸出産業ですが、グローバル市場では中国や韓国が躍進し相対的なシェアは低下気味です。
そこで、東京が中心地であるアニメコンテンツ産業の発展、躍進に向けた、知事の所見を伺います。●3(知事・産労)
知事
世界で根強いファンを持つアニメに関連する産業の成長を促すためその国際競争力を高めることは必要。都は優れた企画力を持つアニメ制作会社が海外の見本市に出展する支援など事業者の外国でのプロモーション活動を後押ししている。こうした取り組みにより東京のアニメ関連産業をサポート
コメント:知事から力強い答弁を頂きました。
繰り返しますが、声優は、収録スタジオが集中する東京固有といってもいい職業であり、日本が世界に誇るアニメ産業を支える方々です。この方達を大切にしなければ、アニメ産業の発展もないと思います。
しかし、インボイス実施を契機に3割が廃業を検討しているそうです。こういう現状をしっかりと捉えて、都の施策を推進し、国にも物申して頂きたいと思います。
★次に、ネットリテラシーについて伺います。
大手回転スシチェーンにおける迷惑行為の動画が拡散され、持株会社の時価総額が一時170億円近く下がるなど経営に大きな損害を与えたのは記憶に新しいところですが、3.11を揶揄する不謹慎動画、ホームレスに嫌がらせをする動画等、未成年がSNSに不適切な投稿をして炎上する事件が後を絶ちません。
厳しく批判された少年が学校を自主退学するなど「たたきすぎだ」との議論も起こりました。
しかし、ネットの世界では、デジタルタトゥーと呼ばれるように、一度投稿されたものは完全に消去することは難しく、後々就職や結婚、友人関係などに影響を及ぼしかねず、投稿した子ども達自身が大きな負の遺産を背負うことになります。子ども達に対し、SNSの適切な使用法をについて指導することが必要と考えますが、都の見解を伺います。●(教育)
都教育委員会は、子どもたちがSNSで思いがけないトラブルに巻き込まれず利用できるよう平成27年度より補助教材SNS東京ノートを都内公立学校に展開し情報モラル教育を推進してきた
小中学生向けにはSNSへの投稿のリスクなどを学べる動画教材を令和3年度末に制作した
さらに教員向けには今年度子ども達のネットリテラシーを高める好事例を指導資料学びのアップデートに掲載し都内全公立学校に配信した
SNS東京ノートは毎年内容を更新しており動画教材や教員向け指導資料と併せて活用し、今後とも子ども達が将来ネットで情報を適切に発信できるよう学校を支援していく
★英語スピーキングテストについて伺います。
英語スピーキングテスト(ESAT-J)を高校入試に活用することについて、生徒、保護者、専門家等から多くの疑問の声、反対の声があがっているにもかかわらず、入試活用されたことは大変残念です。
試験当日の「他人の回答が聞こえた」との訴えについて都教委は「試験の結果には影響を与えていない」という答弁を繰り返し、生徒からの聞き取り調査をするべきとの指摘には「区市教育委」を通じて聞いている」と強弁、直接子どもの声を聞かないのはこども基本条例違反ではないかという指摘には「聞き取り方まで条例に決められているわけではないから問題ない」と東京都の教育のトップとの言葉とは思えないような答弁でした。
音声データの開示請求が始まりました。周りの音を消して(そのこと自体が、様々な声が録音されていたことの証左ですが)提供するのではなく、採点者が聞いたままの音声を開示するべきです。
また回答例について、模範とする読み方が書かれた紙が配られたようですが、音声データで聞けるようにするべきです。
〇この間都教委は都合よくアチーブメントテストと入試を使い分けてきましたが、アチーブメントテストであるならば生徒の今後の学習に役立たせるべきです。卒業式の直前に回答を配るだけでは現場の先生方も指導のしようがありません。開示申請する人もしない人も音声データを開示して、役立たせるべきではありませんか。中3生、入学した都立高校それぞれで、今後の学習にどのように活かしていくのか。伺います。●1(教育)
教育長
スピーキングテストを受験した中学三年生に対しては今後の学習に役立つ要必要なアドバイスが記載されたスコアレポートを返却するとともに
設問ごとに多数の回答例を示しコミュニケーションの達成度など観点別の評価結果を記載した資料を提供している
これに加えて希望するすべての生徒に対しオンラインで音声データを提供することにより自分の音声と回答例を照らし合わせて学習の成果に基づいた目標を立てることができるようにするなどテストの結果を話すことの力の向上に活用することが可能となる仕組みとしている
さらに都立高校では海外交流プレゼンテーションコンテスト全校でのオンライン英会話を実施するなど使える英語力の強化に向けたとりくみを拡充していく
それであればなおさら、すべての生徒が自分の音声データを聞いて、力の向上に活用するようにしていくべきではないですか。合格者の開示請求は5月、もう本人たちも忘れてしまう頃です。アチーブメントテストであるならば、最大限に活用できるようにするべきです
〇来年度は、中1中2にこのテストを受けさせるとのことで35億円の予算が計上されています。今年度の5億円に比べ、7倍の予算となりました。そもそも、まず中3の入試に使ってから、中1中2にもテストを導入するというのは順番が逆。
この予算があるのなら、語学学習の基本である少人数でのスピーキング授業の実践などに使うべきですが見解を伺います。●2(教育)
スピーキングテストは義務教育終了段階において授業で学んだ内容の到達度を把握するとともに英語指導の改善充実を図ることを目的に実施したものである
来年度は中学校におけるすべての学年でスピーキングテストを実施することにより小学校から継続して生徒が学んできた学習の到達度を各学年で客観的に把握し中学校や高校における指導に活用していく
なお中学校では既に英語の授業において少人数習熟度別の指導ペアワークやグループワークなど様々な学習形態を工夫しているほかICT機器の活用により英語が堪能な地域人材や他校の生徒等の英語を用いた交流を実施するなど学習集団の規模に関わらず様々な形態の指導を効果的に行うことによりスピーキング力を伸ばしている
この1年半にわたり、私達はスピーキングテストの受験への導入に反対の声を上げてきました。しかし、都教委は次から次へとわいてくる疑問と瑕疵を認めてきませんでした。
〇高校受験において、学力試験とスピーキング試験の相関関係があるかどうか不明であるにもかかわらず、不受験者に学力試験から類推した他人の得点の平均点を与えるという前代未聞の措置が行われました。都教委は何の裏付けもなく「合理的で最善の方法である」と繰り返しますが、私達が指摘してきた「逆転現象」について、平均点を与えた人数と、そのことで前後の受験生に与えた影響など、すべて検証を行うべきであると考えますが見解を伺います。●3(教育)
スピーキングテストにおける不受験者の措置は吃音等の障害のある生徒や病気等でテストを当日受験できなかった生徒などが著しく不利にならないよう入試において最も参考になりうる本人の英語学力検査の得点を基にテストに相当する点数を算出し付与するものである。こうした措置は様々な事情状況にある多様な生徒が受験する都立高校入試においては必要な対応であり合理的で最善の方策である
なお、不受験者にはそもそもスピーキングテストの点数がないためにこうした点数の算出方法を定めているのであり逆転現象という考え方自体成り立たないものと考えている
障害のある生徒や病気の生徒の話をされますが、そもそも指摘してきたのは、「受験機会が与えられなかった子たち」すなわち、ESAT-J実施日以降の転入生や、私立学校からの直前に都立希望した生徒たちです。
そして逆転現象についても、様々な専門家が声をあげて都教委に対しても意見を述べられていることをご存知ないわけはない。成り立たないと切り捨てるのであれば、専門家が指摘することに客観的にデータを用いて否定していただきたいと思います。
〇もしも、都教委がこの施策をより良いものにしていこうという気概があるのであれば、生徒の実際の生の声や、現場の先生方の声、不備を指摘する声にも真摯に耳を傾け、採点ミスの原因究明も行い、データを開示し、検証を行うべきです。
議会で指摘してきた不備や瑕疵についても検証を行うべきですが、見解を伺います。●4(教育)
スピーキングテストは事業者及び派遣した都職員からの報告区市町村教育委員会への聞き取り等により適切に実施されていることを確認しており、テストの結果を都立高校入試に活用したところである
今後使える英語力の育成に向けて生徒の英語力や教員の指導力向上をはかるためさらに効果的に活用できるようスピーキングテスト事業を実施していく。
検証ということは絶対おっしゃらない。
だったらこれだけ議会や専門家から指摘がはいるわけがないです。とにかく、きちんと受け止めて検証してから。そこからです。それでなければ、7倍もの予算をかけてやるべきではない。
★次に、高齢者施策について伺います。
先日(1月31日)私は、都庁の隣、小田急第一生命ビルにある(公益財団法人)東京都福祉保健財団で、次世代介護機器の体験展示コーナーを視察してきました。
ベッドから落ちそうな高齢者を検知したり、高齢者が目覚めたことを知らせるなど、介護スタッフの負担軽減につながる介護機器を実際に見させて頂いたり、また、ベッドから車イスやトイレへの移動をサポートする介護機器を体験させて頂きました。
さらに、私も、実際に着て、体験させて頂きましたが、力仕事で足腰の負担を軽減するマッスルスーツなどは、工事現場や運送業など、力仕事の多い他の現場でも、活用できるのではないかと感じました。
私は、こうした次世代介護機器の導入促進を積極的に進めるなど、介護現場の負担軽減、高齢者のQOLの向上に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。●1(福保)
都は介護事業者に対し職員の負担軽減とサービスの質の向上を目的に以上介護機器、見守り支援機器等の次世代介護機器の導入経費を補助している
また専門家の助言の下に機器を体験利用できる展示スペースを設置するほか導入事例を紹介するセミナーなども開催しており引き続き次世代介護機器の活用を促進していく。
高齢者のニーズに即した新ビジネスの創出について
グリーンブックP83では新規事業として「高齢者向け新ビジネス創出支援事業」1億円を計上し、「高齢者のニーズに即したビジネステーマを設定し、それに基づく製品・サービスの開発や事業展開等を支援することで、高齢者市場の活性化と中小企業の成長を促進」するとしています。
高齢者のニーズに即したビジネステーマには、住まいや介護、健康づくりや趣味娯楽などなど、多様ですが、いれにせよ、社会課題に解決に向けて、現場のニーズ、お困りごとを掘り起こし、共有して問題解決に向けて取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。
現場との共同作業による高齢者のニーズに即した新ビジネス創出に向けて、見解を伺います。●2(産労)
都は来年度中小企業がその技術力を生かしシニア市場でのビジネス展開を図る取組への支援を開始
具体的には様々な機関と連携して高齢者のニーズを把握しそれに対応した製品やサービスの開発を進める中小企業の必要経費に助成を行う。また都がそうした商品を活用することなどにより販路開拓を後押しこれらにより中小企業を支援
令和5年度予算では、新たに「高齢者のQOL向上のためのデジタル活用支援」として、「区市町村等と連携し、公民館などにスマホの相談や交流のスペースを開設し、スマホをきっかけにしたつながりを創出すること」が盛り込まれています。
一方で、NTTドコモをはじめ、KDDIやソフトバンク、楽天モバイルなど通信大手もシニア向けのスマホ教室を開催しており、スマホ教室をきっかけに、外出するようになったとか、同じ趣味の人と知り合いになれたなど、生き甲斐創出、つながり創出にも役立っているとも聞いています。(それを行政が肩代わりしてくれれば、NTTなどは大助かりです)
そこで改めて、行政が、高齢者のデジタル活用支援に取り組むことの意義について、見解を伺います。●3(デジ)
デジタル化が進展していく中で誰一人取り残されずその恩恵を享受できる社会を実現するため都はデジタルに不慣れな高齢者向けの様々なデジタルデバイド対策を実施
区市町村等とも連携しながら高齢者に身近な施設でデジタルについて相談交流できる場の世知や定期的な相談会を実施していく。
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