都議会で各会派から小池知事に代表質問を行いました
- 2025/09/30
- カテゴリー:都議会
2025年9月30日、都議会本会議が開会され、各会派からの代表質問が行われ、竹井幹事長が会派を代表して小池都知事に質問しました。通告した項目として、1 知事の基本姿勢、2 物価高騰対策、都政の検証、4 共生社会、女性活躍条例案、5 住宅施策、6 医療・介護・福祉施策、7 火葬料金、8 教育施策、9 平和施策、10 警察、1 豪雨対策、防災、12 神宮外苑について質問し、知事等から一定の回答を得ました。毎定例会、議論が集中するテーマがありますが、今回は、火葬場の体制強化、物価高騰対策、不動産投機対策、警視庁の冤罪事件等が注目されました。
質問の概要は以下の通りです。
私は会派を代表して都政の諸課題について質問します。
私たちは会派「東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会」を立ち上げました。多様なバックグラウンドがありながらも志や理念を同じくする22名です。私たちは小池都知事をはじめ執行部の皆さんと真摯な議論を交わし、改革を進め都民のための都政を実現していきたい。人権を尊重し、多様性を認め合い、誰しもがそのひとらしく生きられる東京を目指します。小池都知事においては異論を排することなく、積極的に答弁に立ち、ともに熟議の都議会を形成していただきたいということを冒頭強く要望します。
知事の所信表明を拝聴しました。多彩な政策を進めて国をもリードしていくというその心意気やよし、です。しかし、期待と不安の両方に耳を澄ますと仰いましたが、知事の耳には本当に「不安の声」は届いているのでしょうか。最低賃金が少し上がっても物価高の勢いには全く届かず、必死の思いでやりくりする人々。人手不足で従業員に負荷がかかり、その結果従業員がやめていくという悪循環に喘ぐ小規模事業者。国籍、ジェンダー、障害…自分ではどうしようもないことでいわれなき差別を受ける人たち。困った、苦しいという声に、あるいは声なき声にしっかりと応えていくという視点が足りていないのではないでしょうか。堅調な企業実績を背景に税収が伸びている今だからこそ、困難を抱える人、苦しい立場の人々に積極的に財源を振り向けていくべきであると申し上げておきます。
1.まず、知事の基本姿勢について伺います。
先日の所信表明も「世界で加速する分断、各地で強まる排他的な流れ」という一文から始まりました。7月の参院選に際して知事は記者の問いに対し、「ヘイトスピーチなどの問題や、競い合って排他主義につながることは非常に危険だ」との認識を示されました。その思いの通り、これからも排外主義としっかり対峙して、人権尊重と多文化共生の取り組みを進めていくことを期待しますが、知事の見解を伺います。●1(知事・総務局、共管生活文化局)
2. 次に、物価高騰対策について伺います。
日本の消費者物価指数は、2022年以降、日銀の目標である2%を上回り続けており、同様の傾向が続くと予想されています。適度なインフレは、大企業の業績は上がり、株価も上がるため、都の税収も増え、インフレを歓迎する人もいます。しかし、公の立場にある者は、インフレが引き起こす、格差の拡大という負の側面から目を背けてはいけません。
我が会派は本年も、多くの福祉団体、障害者団体等からご要望をお聞きしました。ひとり親家庭や生活困窮者への給付金、障害者手当、補助単価など、都の給付や手当では長らく見直されていないものが散見され、多くの人が物価高騰に苦しめられています。
そこで提案します。
30年の長きにわたって続いたデフレ時代が終わった今、これまでのマインドセットを打ち破る、インフレ時代にふさわしい対応が必要です。
毎年、物価上昇や最低賃金の見直し等にあわせ、各種給付金や手当、謝金など、取り残されるものなく見直すための仕組みが必要と考えます。都として総点検すべきと考えますが、見解を伺います。●1(財務局)
食料品などの価格が高止まりしています。私たちは、物価高を上回る持続的な賃上げを進めることが重要と考えます。地方税収は、企業業績の拡大により4年連続の最高を更新、都においても8.5%の税収増となっており、困っている人への対策を充実すべきです。先月、都は、物価高騰緊急対策13事業の支援期間について延長しましたが、生産性向上、販路拡大、取引先企業への価格転嫁など、賃上げの原資が不十分となっている中小企業などに対する支援を拡充、新たな支援をしたり、賃金上昇を促すべきだと考えます。
東京都として物価高騰対策を全力で進め、都民の暮らし向きを支えるべきですが、知事の見解を伺います。●2(産労 G)
物価高騰対策について都や中小企業、そして働く人々で認識を深め、賃上げに結びつける取組が必要です。都の公労使会議においては、過去に、公労使で部会をつくり、計画運休時の出退勤のあり方、ガイドラインをまとめるとともに、カスタマーハラスメントへの対応のあり方として、日本で初めての防止条例策定へとつなげた実績があります。
賃上げについても、公労使で議論する組織づくりを検討すべきと考えますが、見解を伺います。●3(産労)
物価高騰に医療機関や事業者等が喘ぐ中、物価高騰緊急対策事業の支援期間を延長することは不可欠ですが、問題はその手法です。
現行の予算は、政府の臨時交付金を活用し、昨年度の最終補正で153億円を計上し、今月末までの6ヶ月間を対象としています。そもそも政府が追加措置を実施していないことに問題があるとは言え、新たな財源を確保せず3ヶ月間の延長を行うことには、かなり無理があったことが想定され、本来は補正予算を組むべきであったと考えます。
歳入には財政調整基金からの繰り出しも考えられますし、水道の基本料金無償措置の際には、歳入・歳出からかき集めて財源を捻出したではありませんか。
まさに今、第3回定例会が開かれています。財源の問題によって都民に影響を与えかねない対応について、補正予算を措置せず執行対応とすることは、議会軽視・ひいては都民軽視とも取られかねません。
そこで、物価高騰緊急対策事業に係る補正予算を編成しなかった理由を伺います。●(財務局)
3.次に、都政の検証について伺います。
私はこれまで一貫して、都事業の検証が不十分であると指摘してきました。
近年、都の方針や戦略が上書きされるたびに、成果がどうだったのか、たちまち検証不可能となり、新たな取り組みが妥当であったかの検証も不十分なまま、再び上書きされることが繰り返されてきました。
都が巨額を投じる事業の目的、成果が判然としないことは、東京一極集中批判が高まる中、首都固有の課題に財源が必要という反駁を弱めかねないことも危惧します。
そこで、都の事業において、適切な定量評価の指標すなわちKPIを設定し、成果を見える化し、各事業の評価や存廃の是非を議論しやすい取り組みを進めることが必要であると考えますが、見解を伺います。●(財務局)
4.共生社会、女性活躍条例について伺います。
「女性の活躍に関する条例(仮称)の基本的な考え方」が示されています。知事は、所信表明でも、特に「雇用分野等において、女性がその個性や能力を発揮して活躍することができるよう、基本的な考え方を取りまとめている」と述べました。私たちは、女性の生き方が多様化する中で、女性活躍とは、雇用・就労分野に限定しない、様々な生き方を尊重することが求められると考えています。
知事の考える「女性活躍」について、見解を伺います。●(産労 G)
都においては、男女平等参画基本条例を制定し、総合計画の具体的な施策として、女性活躍推進計画を推進しています。しかしながら、今回の考え方の中では、日々の子育てと介護で暮らしが精一杯である女性や、就職氷河期世代で非正規雇用から抜け出せない女性などが、個性や能力を発揮して活躍できる具体的な取組を想定しているのでしょうか。
新たな条例に求められている、誰もが社会のあらゆる分野に等しく参画し、生き生きと暮らす社会を実現するために、女性が個性や能力を発揮して活躍できることを後押しする、新たな取組の推進について、松本副知事の見解を伺います。●(産労 VG)
5.次に、住宅施策について伺います。
都内新築マンション1戸当たりの平均価格は、23区では前年同期比で20.4%高い1億3064万円にまで高騰し、賃貸マンションの平均募集家賃も上昇傾向にあります。都は、住宅総数は世帯数を上回り、量的には充足しているとの認識です。
千代田区では、市街地再開発事業などで販売するマンションについて、業界に原則5年間は物件を転売できないように特約を付すことなどを求める要請をしました。
住居費の動向を見る限り、賃金動向とは異なる、投機マネーの流入など不均衡な形で高騰していると思われ、多角的な施策を検討し、地域社会を支える人材が住み続けることができる環境を作る必要があります。
今後の住宅政策について、知事の見解を伺います。●1(G・住宅)
具体的には、都においては、都施行事業に関し、投機対策を進める方針と伺っておりますが、都市開発諸制度の活用により住宅が供給される場合についても投機対策を行うべきと考えます。見解を伺います。●2(都市)
併せて、東京都都市居住再生促進事業を活用した集合住宅の転売対策を進めるべきと考えますが、見解を伺います。●3(住宅)
都内で働くエッセンシャルワーカーの住居費については、介護職員や看護職員、保育士などへの住宅支援が行われていますが、人手不足が課題となっているエッセンシャルワークはこれらの分野だけではありません。住居費が高騰する中で、人手不足が深刻な分野を中心に、広く地域を支えるエッセンシャルワーカーへの住宅支援を行うべきと考えます。都の見解を伺います。●(住宅)
単身高齢者の住まいについて伺います。
都内の高齢者単身世帯は、2020年の約 92 万世帯から2030 年には約 101 万世帯に増加すると予測されています。単身高齢者が賃貸住宅を借りようとしても、貸主(大家)の不安が大きく、なかなか借りることができません。また、家賃の問題は、相対的貧困率44.1%という数字に表れた、生涯賃金の低さゆえの高齢女性に重くのしかかっています。
課題解決のためには家賃補助に加え、地域の支えが必要です。サブリースを活用した支援は都も実施していますが、居住支援法人だけでなく、地域におけるNPOなどの中間支援組織への財政や運営支援を、都としてもより積極的に行うことは有効と考えます。見解を伺います。●(住宅)
2023年度以降、都は、都営住宅等事業会計にかかる消費税を納め始めました。この特別会計では、コインパーキング事業者への貸付料や太陽光発電による売電収入などに課税が生じており、消費税を申告し納付する義務がありました。
今年5月に東京国税局から「2022年以前も納付の必要があるのではないか」との指摘を受け、都が調べたところ、納付漏れが発覚しました。
2002年度から2018年度の17年間は納税の時効であるとのことですが、日頃都民に税納付を求めている都に、説明を求めるものですが、事務方の責任者である副知事に見解を伺います。●(住宅)
あわせて、事業収入がある他の特別会計にこのような事案がないのか、伺います。●(財務・会計)
6.次に、医療・介護・福祉施策について伺います。
東京都を「誰もが自己実現でき 全ての『人』がいきいきと暮らすまち」にするためには、介護・医療・福祉を社会全体で担う施策の充実は不可欠です。
なかでも、国の報酬制度のもとにある介護・医療については、報酬改定が物価高騰に追い付かず、人材流出が顕著です。知事は、「介護職員昇給制度」を公約に掲げていますが、その早期実現が求められます。
また医療現場においても、診療報酬の抑制や人件費高騰の中で経営が厳しさを増し、看護師やコメディカルを中心に人材確保が難しくなっており、都民の生活や命を支える基盤を揺るがしかねない深刻な課題です。
介護・医療従事者の処遇改善や人材確保に向けて、より踏み込んだ都独自の補填や賃上げ支援を行うべきと考えますが、現場の継続的な運営を支えるための施策強化について、見解を伺います。●1(福祉局)
ケアラー支援について伺います。
高齢者介護の場合、主たる介護者の約7割は親族であり、介護の社会化とは程遠い状況です。少子高齢社会において、ケアを受ける人だけでなく、ケアする人の健康と生活を保障することは重要であり、包括的・横断的な施策を行うためには、ケアラー支援条例を制定することが有効と考えています。
国の制度はケアを受ける人が対象となっており、ケアする人を対象とした法整備はされていません。都は現在も介護離職を防止するための介護と仕事の両立支援事業や認知症家族介護者の相談事業、ヤングケアラー支援などを行っていますが、ケアラーの負担軽減に向けた取り組みを一層推進すべきと考えます。知事の見解を伺います。●2(知事・福祉局)
障害者の住まいについて問います。
「親なき後」への不安の声を多く聞きます。都の統計では、施設への入所を待っている方は1,232人。他県への施設入所を余儀なくされるケースもあります。
自己決定を尊重し、住まいを選択できるようにするためには、グループホームにも共同生活タイプ、サテライト型など、多様な種類が必要です。同時に日中活動の在り方や移行プロセス、充分な訪問支援や訪問医療の整備なども併せてトータルにとらえて環境整備をする必要があります。都内の自治体と連携して調査を行い、今後の整備計画に反映させることが重要と考えますが、見解を伺います。●3(福祉局)
医療について問います。
医療が発達したことで、救える命が増えた一方、小児期から成人期にわたり医療を必要とする人が増えています。成人医療と小児医療をつなぎ、複合的に診察できる医療機関や医師が少ないという課題もあります。
患者の成長に合わせた医療を行うために、「小児科と成人科の合同診療」や「成人医療移行期外来」などの体制が必要です。都立病院での切れ目のない体制づくりについて見解を伺います。●4(保健医療局)
都立病院の経営と役割について伺います。
地方自治体は公立病院を設置することで、民間では採算性の観点から運営が難しい救急や小児・周産期、高度医療等を提供し、地域住民の健康を守る役割を担っています。
地方独立行政法人東京都立病院機構では、令和6年度に239億円の赤字決算となりました。同時に、現場からは深刻な人材不足の声もきかれます。病院や法人の自助努力はもちろんですが、行政サービスの一環として、財政面をはじめとした都からの支援を強化すべきと考えますが、見解を伺います。●5(保健医療局)
東京都内の公立病院への支援について伺います。
病院の経営は、民間・公立ともに物価高騰による負の影響を受けており、全国の約7割の病院が赤字となっております。病院の物価高騰対策は国の責務でありますが、動きは極めて鈍く、緊急の支援が待たれます。9月補正で市内の病院への緊急支援を行う武蔵野市のような例もあります。
とりわけ公立病院は、地域医療を支えるためになくてはならない存在ですが、設置区市町村の財政状況によっては、十分な支援を行うが難しいのが現状です。
そこで、都内区市町村と連携し、公立病院における財政面の把握、及び、より一層の手厚い支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。●6(保健医療局)
7.次に、火葬料金の引き下げについて伺います。
多死社会を迎え、とりわけ区部においては、火葬料金の高騰が大きな問題となっています。また、東京全域の課題として、火葬場不足も深刻です。
わが会派では「火葬料金引き下げPT」を設置し、さまざまな関係者へのヒアリングなどを実施し、9月22日、小池知事あてに要望書を提出しました。
知事が所信表明で、「法の見直しを国に求めていく」「火葬能力の強化に向けた取組を検討していく」と述べたことは率直に評価するものです。
しかし、東京博善の区民葬からの撤退表明で、来年3月31日以降、23区でほぼ独占状態の東京博善で火葬を行う場合、その費用がいくらになっても、私たちはあらがうことができません。時間がないのです。
迅速かつ具体的な対応が求められますが、そのスケジュール感も含め、火葬問題の解決に向けた知事の決意を伺います。●1(G・保医)
8.次に、教育施策について伺います。
私たちは、この間、中学校英語スピーキングテスト=ESAT-Jについて、採点方法や音漏れの問題、不受験者の取扱いや不適切な運営など、あまりに課題が多いことから、都立高校入試に使うべきではない、と繰り返し主張してきました。
令和5年9月15日の文教委員会における都民ファーストの会の委員の質疑において、「試験を受けた子どもたちから抽出アンケートを取るなど現場の子どもたちの声を拾い改善する努力をすべきではないか。」との問いに、当時のグローバル人材育成部長は、「改善につなげていく方法についてはご提案も含めて検討する。」と答弁しました。2年経っていますが、これまで都教委は、かたくなに受験した生徒の声を聞かず、改善もしていません。
誰も、受験した子どもたちのアンケートを拒むべきではありません。東京都はこども基本条例の理念に基づき「子どもの声を」施策や事業に反映するため、ESAT-J実施直後に受験生全員と各学校(教員)等に実施状況に関する調査を行い、すみやかにその結果を公表するとともに、ESAT-J結果を都立高校入試への活用を中止することを強く求めるものですが、見解を伺います。●1(教育)
教育現場における慢性的な教員不足と人手不足は深刻です。
長時間労働の常態化に加え、保護者対応の複雑化による精神的負担の増大に伴う長期病休者の増加や若手職員の離職が後をたちません。教員の負担軽減のためのスクールサポートスタッフやエデュケーション・アシスタントは、区市町村の裁量で地域の人材を登用することができるため、予算拡充が求められています。特に副校長は多忙を極めており、学校全体を的確に把握し、迅速な意思決定と指導支援を行うという職務遂行が困難になっている、との現場の声が上がっています。
都内すべての小中学校に対し、副校長補佐の常設的な配置の制度化、学校に応じた柔軟な運用と必要な予算措置、人材確保、副校長補佐の役割を明確化し管理職と連携した学校運営を支える体制の整備を早急に行っていくべきだと考えますが、見解を伺います。●2(教育)
教員の産休・育休休暇に伴う代替教員の確保や講師の配置が遅れるケースが多く、担任不在による生活や学習への影響が出ています。都教委は、TEPROの採用マッチング支援システムを導入し代替教員を探す負担を軽減できていると言いますが、そもそも学校が代替教員を探すという前提が我々の認識と全く違っています。産休、育休の代替教員の確保は本来、教員の人事権を持つ都教委が行うべきであり、都教委は自らの職責を果たすべきだと考えます。
代替教員の確保については、都教委の責任と主導のもと、地域ごとに人材プールの仕組みの構築と複数校をまたぐ講師の配置等、調整できる人材の配置など抜本的な見直しを強く求めるものですが、見解を伺います。●3(教育)
義務教育は、日本という国の基礎を創るものであり、授業料以外の教育費の無償化は重要な課題です。
私たちの求めに対して、都は、最高裁判決を読み上げるばかりですが、最高裁判決は、都による支援を否定しているわけではありません。実際都は、自らの判断で学校給食費の補助などに踏み切っており、「設置者がそれぞれの判断で対応するもの」という理屈では、「授業料以外の学校での教育費」を補助しない理由にはなりません。
要は政策の優先順位の問題です。
私は、子どもに係る教育費の負担軽減という観点から、「義務教育の完全無償化」の優先順位は極めて高いと考えますが、「義務教育の完全無償化」をなぜ実施しないのか、見解を伺います。●4(教育)
国では、自民党・公明党が日本維新の会が予算案に賛成する条件として2026年度からの「高校授業料無償化」を全国的に実施することになりました。国は45万7,000円を上限として授業料を補助する予定です。
私たちは 高校無償化という重要な政策が、国会で議論されることなく、予算成立のために政党間の数合わせで決定されることに疑問を持ちますが、文部科学省では、「高校無償化の大幅拡充が、どのように高校教育の質の向上や子供たちの学びの充実につながるのか、高校教育の質を確保させる仕組みづくりの検討が必要」だとして、「スクール・ミッションやスクール・ポリシー等を踏まえた学校評価等の活用によるPDCAの徹底や、学校選択や生徒・保護者の学校理解促進のため⼀定の要件・基準による積極的な情報公開の促進を図るなど」の措置を講じることを奨励しています。
国に先行して無償化を実施した東京都として、高校無償化の政策評価をどのように行うのか、見解を伺います。●5(生文、教育庁)
9.豪雨対策、防災について伺います。
9月11日の記録的な豪雨は、目黒区で一時間134ミリを観測するなど、まさに気候危機そのものです。私の地元小平市でも、都道2か所で市が管理するマンホールのふたが吹き飛び、通行していた車に当たって激しく損傷しました。人的被害がなかったことは幸いでしたが、40キロ以上もあるマンホールのふたが万が一通行人を直撃すれば大けがは免れません。
急激な雨水の流入で下水管内の圧力が高まりマンホールのふたが吹き飛ぶ、いわゆる「エアーハンマー」現象によるものと考えられます。すでに都の管理している下水道管では、圧力開放型マンホールの設置など、対策は行われていますが、ノウハウや財政力が乏しい市の管理する下水道管では、いつ同じことが起こらないとも限りません。そこで私は、再発防止に向けて、都としても積極的に財政的・技術的支援を行っていくべきと考えますが、見解を伺います。●1(下水道局)
次に、豪雨時を含めた障害者・難病患者の災害時対応について伺います。
東京都はこれまで、防災アプリの開発や、区市町村への個別避難計画作成の促進など、災害時における障害者や高齢者を含む避難行動要支援者への対応を進めてきたことは評価いたします。しかし、まだ多くの課題が残されています。
第一、災害時の要配慮者対応としてお聞きします。
区市町村によって個別避難計画策定の進み具合に大きな差があり、災害時に支援が行き届かないおそれがあります。人工呼吸器を利用する重度障害者や難病患者などを含めた避難行動要支援者の避難先の確保も重要な課題です。これまで、当事者や家族からの不安の声も寄せられており、都への要望もしてきました。計画の作成と実効性確保をどのように進めていくのか、伺います。●2(福祉局)
第二に、区市町村を跨いだ対応についてです。東京は昼夜間人口差が大きく、また通勤・通学・観光などで通過・滞在する人の数も膨大で、自宅から離れた地域で被災する障害者や難病患者などの要配慮者も少なくありません。
居住地以外で被災した方が支援を受けられるようにするためには、広域自治体である東京都が、自治体間の調整や支援の仕組みを整備・強化することが不可欠と考えます。
都として、区市町村を跨いで被災した障害者や難病患者などの配慮を必要とする方が、安心して支援を受けられるよう、どのように広域的な仕組みを強化していくのか伺います。●2(福祉局)
10.次に、神宮外苑について伺います。
歴史と文化、自然環境を保って都民に親しまれてきた神宮外苑の環境を大幅に変える再開発が進んでいます。今夏、日本スポーツ振興センター(JSC)が、秩父宮ラグビー場を移転、建て替えするための財産処分認可を文科大臣に求めて認可されましたが、JSCにおいては「都知事から二つの認可が得られること」などの処分条件を示しています。
26日に知事は、一つの認可である事業計画変更を認めてしまいました。しかし、まだ、ボールは都知事にあります。
私は今、知事が立ち止まるべきだとの強い思いを込めて質問しますが、これから施行者が知事に申請しようとしている、神宮外苑再開発に関する権利変換計画の認可を行わないよう求めるものですが、見解を伺います。●(都市)
11.次に、警視庁に伺います。
冤罪は人の一生を狂わせる、絶対あってはならないことです。大川原化工機のえん罪事件では、捜査段階から、立ち止まるチャンスが幾度となくあったにもかかわらず、容疑をかけられた人の人権に対する警察の意識の低さが、ひいては起訴後の勾留中にお一人が命を落とすことにつながったのではないかと言わざるを得ません。今後二度とこのようなことをおこさないためにも、人権意識を涵養するため、教育をするべきです。警視総監の見解を伺います。●(警視庁)
12.次に、平和施策について伺います。
昨年、ノーベル平和賞受賞を受賞した被団協は、若い世代への継承を願いつつ一層頑張ることを誓うとの声明を公表しましたが、戦後80年の節目を迎えるなかで、若い世代への継承は、大きな課題であると認識しています。
都は、東京都平和の日に合わせた周知活動や空襲資料展の展示などに取り組んでいますが、私は、今後さらに、平和の意義や大切さを継承すべく、若い世代に向けた取組を強化していくべきと考えます。見解を伺います。●1(生文)
2022年12月、私は、大阪国際平和センター、ピースおおさかを会派の仲間と視察しましたが、その際、ピースおおさかの館長から「東京に、平和について学び感じ考えたりする場所がないことは、極めて不幸なことだ」といったご指摘を受けたことを今でも重く受け止めています。
議会の付帯決議で凍結状態にある東京都平和祈念館ですが、戦後80年の節目を迎え、もはや一刻の猶予もありません。
東京都平和祈念館整備に向けて、一歩踏み出すべきと考えますが、知事の見解を伺います。●(G・生文)
以上、東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会を代表しての質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。