令和7年第3回都議会定例会が閉会しました
- 2025/10/09
- カテゴリー:都議会
2025年10月9日、令和7年第3回都議会定例会が閉会しました。最終日の本会議では、各会派から議案に対する討論が行われ、立憲民主党系会派からは三雲政務調会副会長から議案に対する意見を述べました。議案の採決が行われ、知事提出の全議案が可決しました。議案の採決が終わり会議が閉じられ、定例会が閉会しました。閉会にあたり竹井幹事長が談話を発表しました。
◆議案への討論
私は、都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会を代表して、知事提出の全議案に賛成、議員提出議案第9号に反対の立場から討論を行います。
今回は、都議選後、最初の定例会でしたが、私たちの代表質問に対して、小池知事は、7回、7問に答弁しました。副知事をはじめ、関係局長からも答弁がありましたが、議論を深めるという観点からは、まだまだ課題が多かったと思います。
私たちは、引き続き小池都知事をはじめ執行機関の皆さんと真摯な議論を交わし、改革を進め、都民のための都政を実現していきたいと考えています。
私たちは、人権を尊重し、多様性を認め合い、誰もがその人らしく生きられる東京を目指しています。
人権尊重と多文化共生の取組推進を求める私たちの代表質問に対して、知事は、人権尊重条例を定め、ヘイトスピーチ解消に向けて取り組んでいる、東京都多文化共生推進指針に基づいて真の共生社会の実現を目指している、と述べ、「今後もこうした取組を着実に進めていく」と答弁しました。
引き続き、「世界で加速する分断、各地で強まる排他的な流れ」に対して、しっかりと対峙し、人権尊重と多文化共生の取組を進めていくべきです。
食料品などの価格が高止まりするなか、私たちは、物価高を上回る持続的な賃上げを進めることが重要であると考えています。
こうした観点から、代表質問では、東京都や中小企業、そして働く人々で認識を深め、賃上げに結びつける取組が必要だと主張し、公労使で議論することを求めました。
私たちの求めに応じ、一昨日には、「公労使による『新しい東京』実現会議」を10月14日に開催することが発表され、会議のテーマとして「持続可能な賃上げ」が盛り込まれました。このことは評価しますが、持続可能な賃上げが確実に実現されることが必要であり、私たちはその取組を注視して参ります。
住宅施策について、都内の住宅販売価格が高騰し、家賃も上昇しています。
私たちの代表質問に対して、知事の答弁は「今後とも、都民が多様な選択肢からニーズに応じた住まいを適切に選択できる環境を整備していく」という内容にとどまりましたが、私たちが代表質問で述べた、地域社会を支える人材が住み続けることができる環境づくり、エッセンシャルワーカーへの住宅支援、単身高齢者の住まいの確保に向けた支援などには、早急に取組むべきです。
住宅関連では、都営住宅等事業会計に係る消費税の納付漏れが発覚しました。
私たちの代表質問に、中村副知事は、「徹底した原因究明を行うために、総務局が行っている監察の結果を踏まえ、必要な措置を講じ、これにより都民の皆様の信頼回復に努めていく」と答弁しました。
過去20年以上にわたり、都営住宅事業会計において、都が都民などから預かった消費税が国に納められておらず、未納であったことについて、まず、都知事は、自身の責任を認め、謝罪すべきです。その上で、監察結果を受けた厳正な対応、また内部統制制度に基づく徹底した再発防止策やその検証・評価など、東京都として早急に全庁的に適切な対応をとるよう、強く求めます。
火葬料金の引き下げについて、私たちは会派内にPTを設置し、関係者へのヒアリングなどを踏まえ、知事宛てに都内の火葬の実態把握、今後のあり方の検討、区市町村との協議の場、公営火葬場の新設を含めた火葬能力強化、民間火葬場の料金透明化、適正化のための法改正などを求める提言を行いました。
その後、知事が所信表明で、「法の見直しを国に求めていく」「火葬能力の強化に向けた取組を検討していく」と述べたことは、率直に評価いたしますが、その後の私たちの代表質問や関口健太郎議員の一般質問などにおいて、所信表明以上に踏み込んだ答弁はありませんでした。
小池知事には、是非とも、スピード感をもって取り組むことを強く求めておきます。
大川原化工機の冤罪事件では、答弁の冒頭に警視総監から「改めておわびを申し上げます」との発言がありました。
また、今後2度とこのようなことを起こさないためにも、人権意識を涵養するため教育すべきとの私たちの代表質問に対して、「今後とも、様々な機会を捉え、人権に配慮した適正な職務執行を期するための教育を徹底していく」との答弁がありました。再発防止策の徹底を求めるものです。
あわせて、検察審査会において「不起訴不当」の議決があったことを真摯に受け止め、再捜査にしっかりと協力していくことを求めます。
今定例会では、女性の活躍に関する条例の基本的な考え方についての報告・質疑がありました。
私たちの代表質問に、小池知事は「東京が今後も持続的に発展するためには、雇用分野等において、女性が個性や能力を発揮して活躍することを一層推進することが重要」との認識を示しました。
私たちは、女性の生き方が多様化する中で、女性活躍とは、雇用、就労分野に限定しない様々な生き方を尊重することが求められていると考えており、こうした観点からも、女性活躍に向けた積極的な取組を求めます。
ケアラー支援について、私たちは、ケアを受ける人だけでなく、ケアする人の健康と生活を保障することは重要であるとの認識のもと、包括的、横断的な施策を行うためにも、ケアラー支援条例の制定が有効であると訴えました。
知事は「家族介護者の負担軽減に向けた取組を進めることは重要」との認識を示しましたが、そのための取組は、現状の施策を述べるだけにとどまりました。
是非とも、ケアラー支援条例の制定を含め、ケアラーの負担軽減に積極的に取り組まれるよう要望します。
戦後80年の節目を迎える中で、平和施策をさらに進めていくことは重要です。
東京都平和祈念館の整備に向けて、一歩踏み出すことを求める私たちの代表質問に対して、知事が「都議会での一定の審議と合意が必要である」と、従来の答弁を繰り返しました。
また、私たち会派の細貝悠議員の一般質問に対し、知事は「さきの大戦で戦争の惨禍を被った歴史を持つ都民にとって、恒久平和の実現は最大の願いである」との認識を示し、「引き続き、平和の大切さを次世代に伝えていく」と答弁しました。
是非とも、平和施策を強力に推進するよう求めます。
また、一般質問では、児童虐待への対応力向上を求める、私たち会派のおけやまさと議員の一般質問に対して、知事は「区市町村の実情に即したきめ細かな児童相談体制を構築し、児童虐待防止に取り組んでいく」と答弁されました。
引き続き、児童虐待防止に向けても積極的な取組を求めておきます。
最後に、第222号議案「東京都給水条例の一部を改正する条例」ほか、関連条例について申し上げます。
当該条例は、災害その他非常の場合にも、給水装置工事が適正に実施されるよう、東京都以外の水道事業者等も工事を可能とするものです。実際に災害が起きた際に、都民が適切に事業者にアプローチできるよう取り組むとともに、都内の未登録事業者に対する協力等を働きかけるなど、災害時に迅速かつ円滑な対応をとることができる対策に取組むことを求めます。
冒頭で申し上げた通り、私たちは、これまでに述べた点を含む都政の諸課題につき、引き続き小池都知事をはじめ執行機関の皆さんと真摯な議論を交わし、改革を進め、都民のための都政を実現していきたいと考えています。それは全て、物価高や住宅問題に直面する都民の暮らしを守り、都政への信頼を回復するためです。
私たち都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会は、人権を尊重し、多様性を認め合い、誰もがその人らしく生きられる東京の実現に向け、全力で働くことを都民の皆様にお約束し、討論を終わります。
ご静聴ありがとうございました。
◆幹事長談話の全文
本日、第22期東京都議会最初の定例会となる第3回定例会が終了しました。
東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会は、知事提出の全議案に賛成しました。
私たちの代表質問に対して、小池知事から7問の答弁がありましたが、議論の深さという点では課題が多く残りました。私たちは、引き続き、知事ら執行機関と真摯な議論を交わし、都民のための都政実現を目指していきます。
人権尊重と多文化共生についても知事から答弁がありましたが、世界的な分断や排他的な流れに対峙し、取り組みを一層進めるべきとも主張しました。
持続可能な賃上げでも、私の求めに応じて、「公労使による『新しい東京』実現会議」で「持続可能な賃上げ」をテーマとすることになりましたが、賃上げが確実に実行されることが必要で有り、その取組を注視していきたいと考えています。
都営住宅会計の消費税納付漏れ問題では、私たちは、知事の自身の責任を認める謝罪を求め、監察結果に基づく厳正な対応と、全庁的な徹底した再発防止策を強く求めました。
火葬料金の引き下げでは、私たち提言を受け、知事が所信表明で「法の見直し」や「火葬能力の強化」に言及したことは評価しつつも、スピード感をもった対応を求めました。
東京都平和祈念館の整備では、知事が「都議会での一定の審議と合意が必要」と従来の答弁を繰り返したことは残念ですが、私たちは、引き続き、平和施策の前進に取り組んでいく決意です。
大川原化工機の冤罪事件では、警視総監に対して、人権意識を涵養するため教育をすべきと求めるなど、再発防止の徹底を求めました。
また、一般質問では、関口健太郎都議が、火葬料金の引き上げや住宅施策、美容医療などについて、おけやまさと都議が、子どもへの虐待や社会的養護、新空港線などについて、
細貝 悠都議が、自動運転や不登校問題、障害者施策や平和施策などについて、それぞれ質問しました。
東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会は、人権を尊重し、多様性を認め合い、誰もがその人らしく生きられる東京の実現に向け、全力で取り組んでいく決意です。