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会派を代表して西沢議員が議案への意見を表明

都議会定例会最終日にあたり本会議が開会されました。議案に対する各会派からの討論が順次行われ、会派「都議会立憲民主党・民主クラブ」を代表して西沢政務調査会副会長が登壇し、議案についての意見を述べるとともに、知事に対して情報公開の徹底等の都政改革に邁進するよう求めました。焦点になった震災・猛暑対策の補正予算、中小企業・小規模企業振興条例、昨年度決算など知事提出の全議案が可決しました。

以下は、西沢議員の意見表明です。

私は、都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、小池知事提出の全議案に賛成、議員提出議案第21号に反対の立場から、討論を行います。

 去る12月14日、いわゆる「偏在是正措置」の導入が2019年度の与党税制大綱で決まりましたが、この政府の決定は、極めて不当であり、日本と東京の成長にとって、決して、プラスになるものではありません。
 私たちは、地域の責任と創意工夫によって地域の自主性と自律性が発揮できる、地域主権型社会の構築こそが必要であると考えており、そのために引き続き、取り組んでいく所存です。
 また、今回の決定によって、東京都の財政運営は、ボディブローのようにジワジワとかつ確実にダメージを被ることになります。
 代表質問でも申し上げましたが、今後の都政運営に当たっては、長期的な財政収支見通しをたてた上でのぞまれることを改めて求めるものです。

 次に、第201号議案「平成30年度東京都一般会計補正予算(第2号)」について申し上げます。
 今回の補正予算、とりわけブロック塀対策には、懸念すべき課題もあります。
 このブロック塀対策は、大阪北部地震で子どもの命が失われたことを肝に銘じ、東京で同じことを繰り返さないために全力をあげる、この一点に尽きます。
 そのために、私たちは、通学路等を最優先で撤去し安全対策を進めることが必要であると述べ、さらに、燃えにくいまちづくりを進めている最中、都の助成による木塀の設置で、火災延焼の危険性を高めることが、あってはならないと主張してきました。
 都市整備委員会の質疑において、東京都からは、「木密地域においては、補助の条件設定等について検討する」との答弁がありましたが、引き続き、都民の安全・安心のために、効果的・効率的な予算の執行を求めておきたいと思います。

 また、補正予算の区市町村庁舎の非常用電源の設置に関連して、非常用発電機に対する課題についても取り上げました。
 災害拠点病院や連携病院の非常用電源に限らず、法令点検の実施などにより、災害拠点における電源が、非常時においても、確実に機能するよう万全の対応を改めて求めておきます。

 次に、第215号議案「東京都中小企業・小規模企業振興条例」についてです。
 昨年3月の代表質問で私たちが求めていた中小企業・小規模企業振興条例が提案されたことを率直に評価いたします。
 私たちは、条例制定を契機に、特に、中小企業が「公正な取引慣行」を実感できるよう取り組むべきだと主張してきましたが、代表質問で提案した都内中小企業に対する聞き取り調査を踏まえた商慣行の是正や取引適正化への取り組み、あるいは、専門相談員の増員をはじめとする下請けセンター東京の強化などに、積極的に取り組まれることを要望するものです。

 次に、第233号議案「東京都営住宅等の指定管理者の指定について」です。
 指定管理者制度は、それまで自治体等に独占されていた公の施設の管理について、民間事業者に対しても門戸を開くことで、住民サービスの向上と行政の効率化を図ることを目的として、導入された制度です。
 今回は5年間、東京都の監理団体である東京都住宅供給公社=JKKを特命で選定するとの提案ですが、すでに大阪府や神奈川県など他の自治体では、民間事業者が公営住宅の管理を受託しております。
 しかし、指定管理者選定委員会の議事要旨を拝読しても、検討議題にすらあがっていません。都は過去2回、公募を行い、結果的にJKKが選定されました。今回、民間参入の門戸を閉ざしたまま、昭和46年から都営住宅の管理を行ってきた、都からの再就職の幹部職員等が7名もいるJKKを特命で指定することには、はなはだ疑問が残ります。
 私たちは、JKKそのものを否定するものではありません。しかしながら、都は、指定管理者制度が始まった平成18年から11年もの間、総額1,000億円以上の委託料を支払い続けてきました。最近5年間の指定管理委託金額を見ても、79億円から90億円へと10億円近く上がっています。日常的な管理業務である指定管理以外の、委託を全て含めると総額5,400億円以上です。そこに競争原理が働かないことで、サービス低下を招いたり、余計な税金をかけてしまうリスクを懸念しているということを申し上げていきます。

 最後に、第217号議案「東京都環境影響評価条例の一部を改正する条例」についてです。
 今回の条例改正は、これまで明確でなかった「施設の更新の定義」を追加するもので、それ自体は、適切な対応であると考えます。
 しかし一方で、計画段階環境アセスメントについては、平成14年の条例改正時からの課題が残っています。
 今回の条例改正に先立つ、審議会答申でも、計画段階アセスについて、「制度適用の対象事業のあり方など制度の見直しについて検討する必要がある」とされています。
 今、築地のまちづくりが注目されていますが、環境・建設委員会での私の質問に対して、東京都は「現時点では、築地再開発が計画段階アセスの対象となるかは不明」と答弁しています。
 私は、「アセス逃れ」といった批判を浴びることのないよう、築地のまちづくりが、環境面においても、適切な手続きを経て行われることを求めるものです。

 代表質問では、知事の改革の姿勢についても、言及しました。
 情報公開について、私たちの代表質問に、知事自らも「情報公開の推進は東京大改革の一丁目一番地」であるとの認識を示されました。
 しかし、個々個別の情報公開はさることながら、小池知事の意思や行動は何を基準に判断しているのか、その決定過程が、非常に分かりづらい、全く分からないという声があるのも事実です。
 今年度中に判断が迫られる市場会計の持続可能性についても、私たちは、過去の例も引き合いに、誤解を受けるリスクがあることを申し上げてきました。
 小池知事においては、是非とも、情報公開の徹底とそれに伴う丁寧な説明を通じて、都政改革に邁進していただきたいと強く要望するものです。
 また、ここ数年間で3度目となる水道局の談合事件が発覚しました。第三者の調査は来年度ではなく早急に実施すべきであり、癒着の温床ともなりかねない「いわゆる『天下り』」の禁止など、身内に甘いと言われないよう徹底的に膿を出し切ることを求めます。

 以上で、都議会立憲民主党・民主クラブを代表しての討論を終わります。

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