都議会で代表質問が行われ西沢幹事長が小池知事に質問しました
- 2023/02/21
- カテゴリー:都議会
2023年2月21日、都議会本会議が開かれ、各会派から小池都知事に代表質問が行われ、立憲民主党からは西沢幹事長が質問しました。東京都版子ども手当ともいえる0から18歳までの現金給付、学校給食の無償化、少子化対策、オリンピックの汚職と談合、英語スピーキングテスト、賃上げと中小企業支援、防災対策など都政に山積する課題について多岐にわたり議論しました。
質問と答弁は以下の通りです。
○百二十三番(西沢けいた君) 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、都政の諸課題について質問をいたします。
初めに、知事の基本姿勢について伺います。
東京都の令和五年度予算は、法人税収、地方消費税等の都税収入の増加を背景に、昨年に続き過去最高の一般歳出予算額となっています。東京都予算案の説明を見ると、夢いっぱい、きらきらに描かれています。
一方で、コロナ禍で苦しんだ末に、急激な物価上昇にあえぐ都民、中小零細事業者に寄り添った支援策の強化やその文言が見受けられず、私たちは強い違和感を覚えました。
日本の首都東京が輝き続けるための未来への投資をしっかりと行うのはもちろんですが、それに加えて、行政がより注力すべきは、困難を抱える人たちに寄り添い、支えることだと考えます。
令和五年度予算案における様々な困難を抱える都民に対する支援強化について、知事の見解を伺います。
次に、都財政の長期見通しについて伺います。
物価上昇に賃上げが追いつかず、二〇二二年の実質賃金の速報値は前年比〇・九%減、年金も上がらない状況です。このままでは物価上昇が一定の水準を超えた時点で消費を減少させる圧力がかかってしまい、企業が努力しても物が売れず、賃上げの原資もない、いわゆる悪いインフレの懸念もあります。
リーマンショック級の突発事態や経済成長が最悪のシナリオとなった場合、果たして東京都の財政は持ちこたえることができるのか、潤沢な税収を背景に行った施策は維持できるのか、新たな子供家庭支援策の安定財源の確保についてどう考えるのか。
私たちは、従前から都財政の長期見通しについて、最も厳しいシナリオでの想定を求めてきました。コロナ禍、急激な物価高騰、予想を超えた少子化の進行を踏まえ、長期的な財源確保に問題ないことを都民に示すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、基金の統廃合について伺います。
障害者スポーツ振興基金、芸術文化振興基金などと東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金を一つにまとめて、新しく東京二〇二〇大会レガシー基金を設置する条例案が提案されています。
レガシーは、長期に及ぶ特にポジティブな影響とされ、非常に広範です。また、新造設にもかかわらず、来年度予算では基金に新たな積み増しがなく、逮捕者が出ているオリンピックの準備基金残額を取り崩す形で予算が組まれていることにも違和感を感じます。
また、まとめることで使途が広がって、障害者スポーツなどの元の基金条例の目的が希薄化し、新たな分野に支出が偏ることがないのかという懸念もあります。
基金の使途を徒に広げることなく、障害者スポーツの振興、バリアフリー化の推進など、使途を明確にしておく必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。
次に、オリンピック汚職について伺います。
二月八日、談合事件に関して大会組織委員会大会運営局の元次長と広告大手電通の幹部が逮捕されました。都民、国民に対する背信行為であり、到底許されることではありません。談合によって大会経費がどれほど膨らんだのか、容疑者の刑事責任とともに、徹底究明が求められます。
逮捕翌日の二月九日には、三月末と目されていた組織委員会清算法人の解散時期が延期になると報じられ、また、東京都は、電通など三社を指名停止措置を講じることを公表しましたが、いずれも知事から積極的な説明責任を果たそうとする姿勢が見られません。
この間、知事は、清算法人には今後とも全面的に捜査に協力するよう伝えましたなどと繰り返し、まるで人ごとのようないい方でした。
国際的な大会において最も大切なのは、都民、国民からの信頼です。私は、談合をはじめとするオリンピック汚職について、開催都市のトップとして、徹底して調査するとともに、説明責任を果たすべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
オリンピック汚職に関して、東京都は副知事をリーダーとする調査チームの中間報告、当面の捜査状況を十二月二十六日に公表いたしました。しかし、我が会派はこれまで、副知事では公平性もなく中立さに欠けており、第三者による調査が必要だと述べてきました。実際に調査チームが公表した中間報告は、規約などの確認にとどまり、談合の実態に迫る内容ではありません。二日に公表された有識者についても、あくまで外部から関与するものです。これでは都民の理解は得られません。
改めて、第三者による調査機関を設置するなど、賄賂や談合を含む不正事件について、真相を解明すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
十三日、国会で文部科学大臣が、今後不正行為が明らかになり、仮に国費が過大に支出されている場合には返還を命じるなど、法令にのっとって厳正に対処すると答弁しており、国も談合事件を受け、国の過大支出分について返還命令請求をする可能性に言及しています。
東京都も談合によって過大に経費が支出されたのかを確認し、過大に支出されたのであれば、関係企業に対して返還を求めるべきと考えますが、見解を伺います。
次に、いわゆるヤミバイト対策について伺います。
全国で、ダイレクトメッセージやテレグラムなどでメンバーを集めたいわゆるヤミバイトによる広域、国際的な強盗、窃盗事件が相次いでいます。都内でも高齢女性が殺害される凶悪な強盗殺人事件が発生しました。犯人逮捕はもちろんのこと、ネットなどを使った犯罪の企図や勧誘への対応もより一層強化する必要があります。
プログラムを使った大量の自動書き込みも行われているといわれ、警察庁では三月からネット情報の監視強化のため、インターネット上の違法、有害情報の通報受付やサイト管理者らへの削除依頼の対象に、強盗、殺人などを追加し、監視強化を明らかにしました。警視庁においても、対策の一層の強化が急務と考えますが、見解をお伺いいたします。
次に、NPO法人の適正管理について伺います。
昨年十二月、我が会派の都議がNPO法人の適正管理について質問しましたが、その後、法人理事長が臓器移植法違反容疑で逮捕されました。もとより私たちは、ボランティア活動をはじめとする市民の自由な社会貢献活動を積極的に推進していくという立場ですが、NPO法人理事長逮捕などネガティブなニュースが社会をにぎわすと、ほかの真面目なNPOの活動を阻害することになりかねません。こうした観点から、東京都には法に基づく適切な対応が求められます。
そこで、都は、法令などに違反のあるNPO法人に対し、どのように指導監督してきたのか、実績を含めお伺いをいたします。
また、今回、理事長が逮捕されたNPOの認証について、今後どのように対応していくのか、見解を伺います。
次に、少子化対策について伺います。
令和五年度予算案では、都内在住の十八歳までの子供に対して、一人当たり月額五千円を給付することなど、少子化対策が注目をされていますが、私たち東京都議会立憲民主党も二〇二一年の都議選政策の中で、子供最優先として経済的な支援拡充を掲げていたので、このいわば東京都版子供手当ともいえる〇一八サポート事業についても前向きに捉えています。
しかし、一方で、少子化対策で子育て世代の可処分所得を増やすことは当然のことですが、現金給付にとどまらず、若い世代の賃金引上げや雇用の安定化、非正規雇用の正規雇用化などに取り組み、子供を産み育てたいと思える社会を実現することが極めて重要であると考えます。
そこでまず、少子化対策について小池知事の基本認識をお伺いいたします。
子供一人当たり月額五千円を給付するよりも、教育など目的を定めて支援すべきだという声も聞かれます。私たちも都議選政策の中で、経済的な支援策として、例えば学校給食の無償化を掲げていましたが、この間、学校給食の無償化に踏み出す基礎自治体が急増していることを見るまでもなく、こちらの方が施策の優先度が高いのではないかと考えています。
そこで、経済的な支援策として、この東京都版子供手当ともいえる〇一八サポート事業を実施することとした理由についてお伺いいたします。
また、東京都として、区市町村を支援するなどして学校給食の無償化に取り組むべきと考えますが、併せて知事の見解をお伺いいたします。
さらに、二〇二〇年三月九日の予算特別委員会で、東京都が学校給食の無償化に取り組んだ場合、その予算額は、小学校で約二百八十億円、中学校で約百三十億円と答弁をしていましたが、現時点で必要な予算額は幾らと想定されるのかお伺いをいたします。
区市町村における学校給食の無償化が進む中、都立特別支援学校では令和三年度、小学部高学年では月額平均五千七百六十二円、中学部では月額平均六千七百七十一円の保護者負担が生じています。もちろん、定時制高校や中高一貫など、全ての都立学校で給食の無償化が望まれますが、区市町村立の小中学校は無償で、都立特別支援学校では保護者負担が生じるということは好ましいことではありません。
学校給食法は、食材費は保護者負担としているものの、負担の範囲を明らかにしたものにすぎず、法律上、保護者に負担義務を課したものではありません。
そこで、都立特別支援学校の給食の無償化を求めるものですが、見解をお伺いいたします。
大学生への支援について、令和五年度予算で東京都立大学などの授業料実質無償化の実施に向けての準備経費が計上されたことは評価したいと思いますが、困窮している大学生は、都立大学だけにいるわけではありません。
東京都は、長らく大学生への支援策は国の所管だとしていましたが、区市町村の中でも足立区や府中市、青梅市などが大学課程も含めた奨学金制度を独自に実施しています。
そこで、私は、都としても大学生に対する奨学金制度の創設に取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
改めて、所得制限の撤廃に関して、当時、民主党が掲げた所得制限のない子供手当について、今再評価されています。
この間、国会でも所得制限のない子供手当に対して、愚か者めがと叫んでいた参議院議員や岸田総理が反省の弁を述べるに至りましたが、当時、自民党の国会議員として党の広報に携わっていた小池知事も、愚か者めがTシャツを自ら考えて販売していたことを誇らしげに語っておられました。
出生数が過去最少の八十万人割れといっても、一・五七ショック以降、少子化対策は常に指摘をされてきた大問題であり、小池知事が東京都知事として初当選をされた二〇一六年の東京都の合計特殊出生率は、全国最低の一・二四。今の全国平均一・三〇を下回る水準であったことを踏まえれば、国が遅いとやゆする立場にはないのではないでしょうか。
この東京都版子供手当ともいえる〇一八サポート事業で所得制限を撤廃した意義について、知事の見解をお伺いいたします。
所得制限を設けることで、知事の言葉を借りれば、一生懸命働いている人が罰を受けているという状態になっているのは、子育て世代だけではありませんが、とりわけ子供、子育て支援策での所得制限を解消していくべきです。
特に私立高等学校の特別奨学金制度は、年収九百十万円を超えると支援が受けられなくなることで、その差額はまさに罰を受けているかのごとくです。
また、高校生をはじめとした乳幼児、子供に対する医療費助成については、市長会などからも、所得制限があることなどに対して厳しい意見が寄せられています。
加えて、児童育成手当や受験生チャレンジ支援貸付事業などなど、多くの子供、子育て支援策に所得制限が設けられているのです。
所得制限は一つの大きな段差です。知事は、段差解消を政策の一つの目標に掲げていますが、最低限、子供、子育て支援に関わるこれらの段差を解消すべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
次に、教育施策について伺います。
児童生徒の不登校は毎年増加している状況であり、誰一人取り残すことのない教育実現のために不登校対策は大変重要です。
昨年二月の代表質問でも、私は、不登校対策における民間団体との連携強化とフリースクール等に通う不登校児童生徒への支援を求めてきました。
昨年の四年度予算では、フリースクール等に通う児童生徒及び保護者に対し、必要な支援を把握する調査研究事業として、協力金として一万円が支給されることになり、五年度予算では、これを倍増するとしています。
しかし、私は、公立学校に通えていれば当然受けられるであろう公費負担分と同額を振り向けるなど、フリースクールに通う子供たちへの経済的支援を抜本的に拡充すべきと考えます。
また、フリースクールに通う子供たちが増えていますが、学習指導を行えるようにすることも必要であり、学習の状況を学校として把握することが大切です。
そこで、フリースクールに通う子供たちへの支援をさらに強化するため、学校とフリースクールの連携を促進するべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
次に、英語スピーキングテストについて伺います。
本日二月二十一日、この時間は都立高校の入学試験も終わり、受検生は、あとは合否を待つばかりです。
このような中、今年から高校入試に活用するとした英語スピーキングテストについては、受験生八人に採点ミスがあったことが明らかになりました。解答音声が録音されていなかったとのことですが、まさに受験生の人生に影響を与える大きなミスです。
七万人分のデータを十日間で再点検したとのことですが、八人以外に採点ミスがなかったとはいい切れません。
なぜ解答音声が録音されていなかったのか、結果通知前にチェックできなかったのか、八人以外に採点ミスはないといい切れるのか、それぞれ見解をお伺いいたします。
採点ミス以外にも、この間、指摘されていた不受験者の取扱いや採点者による公平性、音漏れの問題などの課題に対して、委員会などの質疑を通じても、公平性、平等性に対する懸念が払拭されたとはいえませんでした。
そこで、改めて、英語スピーキングテストの結果を高校入試に活用しないことを求めますが、見解をお伺いいたします。
令和五年度予算案では、中一、中二においても、新たに英語のスピーキング力を測るテストを実施するとして三十五億円が計上されています。まさに順番が逆で、テストの結果を英語指導に生かすことが重要であり、さらにいえば、三十五億円もの予算をテストに投入するよりも、語学教育の基本である少人数での学習環境を整備する方が自然かつ効果的であると考えますが、改めて見解をお伺いいたします。
次に、平和施策について伺います。
昨年十二月、私たちは、大阪国際平和センター、ピースおおさかを視察いたしました。
東京都平和祈念館は、展示内容についてさらに検討を加えるなどとした付帯決議によって、事実上凍結状態ですが、ピースおおさかも、二〇一五年の展示リニューアルに際して、様々なご指摘があったと説明を受けました。
以前の展示を知る方からは、今の展示内容は不満だという声もあるそうですが、私たちが館内視察をさせていただいた際には、多くの中学生たちも来館し、様々な展示物を熱心に見入っていた姿が印象的でした。
東京都平和祈念館が凍結されてから二十四年、この間、東京に暮らす多くの子供たち、大人たちにとって、戦争や平和について学び、感じ、考えたりできるような場所がなかったという、この失われた時間の大きさを改めて実感しました。
東京都平和祈念館の整備に向けて、一歩踏み出すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
令和五年度予算案では、東京空襲関連資料のデジタル化について、新規事業として六千四百二万円が計上されています。
一方で、現在、証言映像に関して、公開、活用に関する当事者からの意向確認が進められており、多くの方から同意する旨の回答があったと聞いております。
そこで、現時点において、証言映像の当事者の意向確認状況はどうなっているのか、今後のデジタル化のスケジュールも含め、見解をお伺いいたします。
次に、同性婚について伺います。
令和三年三月二十三日の予算特別委員会で、知事は、同性婚について、導入には国民的合意が必要とご答弁をされました。
しかし、その後の昨年十一月、東京地裁は、同性愛者がパートナーと家族になる制度が存在しないのは、憲法二十四条二項に違反する状態との判決を出しました。
二月一日、岸田首相が国会で、同性婚制度を認めると社会が変わってしまうと答弁したことに大きな批判の声が上がりました。
世論調査によると、同性婚を認める方がよいとの回答が六四%に上り、認めない方がよいの二四・九%を上回るとの報道もあります。
東京都では、新たにパートナーシップ宣誓制度が施行されました。同性婚について、東京都が先頭に立って、さらにもう一歩前に踏み出すときです。
東京都として、同性婚を認める法改正を行うよう国に明確にメッセージを発信すべきと考えますが、同性婚に対する現時点の知事の見解をお伺いいたします。
次に、障害者施策について伺います。
私たちは、昨年十二月、全国で初めて手話言語・障害者コミュニケーション条例を制定した明石市を視察いたしました。
テナントから消費者金融やゲームセンターなどに出ていってもらい、子供と本と優しいの三つをコンセプトにつくり直した駅前ビル、パピオスあかしは興味深くて、まさに明石市がやりたかったことを見える化した象徴的な施設でした。
建物二階には、聴覚障害者向けの公衆電話、手話フォンが備え付けられ、また、各フロアの受付だけでなく、JR明石駅に付設した案内所の案内など、そこかしこに筆談ボードが据え付けられるなど、大変参考になりました。
こうした施策を進めるに当たっては、当然、当事者意見が欠かせませんが、明石市では、視察をした翌日に、市の審議会に障害者を一割以上必ず加えるという全国初の条例が可決、制定されました。女性や子供のみならず、多様な意見を吸い上げ、都政の様々な施策に反映させることは極めて重要です。
そこで、都庁全ての審議会において障害者を一定数以上割り当てるなど、障害者当事者の意見反映について積極的に取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
障害者の雇用促進は、障害者の自立のみならず、強くてしなやかな行政運営を図っていく上でも重要です。
現在、国においては、法定雇用率を現行二・三%から二・七%に引き上げる議論が進んでおり、民間よりも高いレベルが求められる地方公共団体は三・〇%に、教育委員会は二・九%に、来年四月と二〇二六年度中の二段階で引き上げることが見込まれています。
一方、東京都教育委員会の障害者雇用率は、現在の法定雇用率二・五%さえ大きく下回る一・八四%。四十七都道府県中、下から八番目という状況です。
教員免許を持つ障害者の確保が難しいなど、構造的な課題があることは承知をしておりますが、今後の見込みと都教委の対応策についてお伺いいたします。
また、令和四年六月一日現在の東京都の政策連携団体三十三のうち、障害者雇用率がワーストの一・〇七%である公益財団法人東京都スポーツ文化事業団をはじめ、四団体が法律上の雇用義務を達成していません。
政策連携団体の社会的責任からしても、最低限、法定雇用率は達成すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
今定例会では、障害者スポーツ振興基金条例の廃止が提案されていますが、一月二十七日に発表された都民のスポーツ活動等に関する調査結果の速報では、パラスポーツに関心のある都民の割合が前年比マイナス九・八%ポイントの四三・二%と二〇一五年の調査開始以来、最低を記録しました。また、障害のある都民のスポーツ実施率は三五・二%と前年とほぼ横ばいとなっています。
パラスポーツを一過性のものに終わらせてはなりません。二〇二五年にはデフリンピックも控えていることから、景気動向に左右されず、安定した財源を確保して、障害者スポーツの振興を図っていくことは極めて重要です。
私は、より多くの都民が体験、体感することを通じて、障害者スポーツ、その認知度を高めるとともに、より多くの障害のある人たちがスポーツに取り組めるようにすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
今年三月十八日に新たにオープンするJR大阪駅の地下ホームで、ドアやガラス壁全体が自在に動く世界初のフルスクリーンホームドアが設置されます。車両によって乗降口の位置が異なっても、それに合わせて自在に開口部を構成できるということです。
このように新たな技術やアイデアを活用すれば、これまで設置が難しかった駅ホームへの設置もさらに進むのではないかと考えます。
ホームドア、ホーム柵の一〇〇%設置を目指し、より積極的な取組を求めるものですが、見解を伺います。
私は、昨年九月の代表質問で、聞こえない乳幼児の手話言語獲得に向けての環境を整備するなど、難聴児への支援拡充を求めてきました。そして、年末十二月に大阪の府立福祉情報コミュニケーションセンターを訪れ、NPOが実施する手話言語習得支援を視察してきました。
そこでは、耳の聞こえない子供だけでなく、聞こえないかもしれない子、自分は聞こえるが親や兄弟が聞こえない子など、多様な状況にある子供たちが、遊びを通して、楽しみながら手話を獲得、習得していました。まさに手話は言語であるということを強く認識いたしました。
手話獲得と聴覚活用は支援の両輪です。人工内耳にも限界はあり、早い段階で手話を学んでおいても何ら損することはありません。
そこで、大阪の取組を参考にするなどして、都として改めて、乳幼児の手話言語獲得に向けての環境整備を求めるものですが、見解をお伺いいたします。
次に、賃上げ、産業労働対策について伺います。
昨年十二月には、実に四十一年ぶりの物価高が大きなニュースとなりましたが、この二月にも五千品目以上が値上げとなり、再び値上げラッシュが家計を直撃しています。
物価上昇を上回る賃上げが必須ですが、民間の調査では、中小企業の七割が賃上げの予定はないと回答するなど、長く賃金が伸び悩んできた中で、記録的な物価上昇を上回る賃上げ実現は簡単ではありません。
物価高に負けない賃上げへの機運を盛り上げるために、他県の知事たちも積極的に動いています。
小池都知事においても、率先して賃上げ機運を盛り上げるとともに、中小企業においても賃上げが行われるよう支援が必要だと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
次に、収益力向上の企業支援です。
賃上げへのよい好循環をつくり出すには、技術革新や人材投資、成長産業分野への再就職を促進させる取組が必要です。
技術革新の一つであるデジタル化やDX化を進めることでは、戦略づくりのフォローアップや成果を確認していくなど、賃金が上がり、消費を増やし、成長するといったよい循環を構築できるかが課題です。
収益力を向上させ、賃上げに結びつくデジタル化、DX化の企業支援策に取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
次に、荷物の三割が運べなくなるともいわれる二〇二四年問題への対策です。
ドライバーの長時間労働が課題となってきた運送業界にも、ようやく来年四月から時間外労働の上限規制が適用されます。労働環境の改善は当然必要ですが、人口減少による人手不足がより一層深刻化し、物流の維持が難しくなると懸念されています。
ドライバーの労働環境を改善し、賃上げを図る中で、輸送力を維持するためには、荷主側の協力による荷下ろしの効率化や空荷で走る空車、回送を減らすなど、DXによる効率化、私たち消費者の再配達を減らす工夫や送料無料といった表現を改めるなど、川上から川下まで一貫した取組が必要です。
運輸、物流は社会のインフラであり、滞れば都民生活は成り立ちません。物流は広域で行われるものであり、国において全国的な施策構築が必要ではありますが、都としても、交通の円滑化など都市づくりを行っていく立場から、物流の効率化について支援すべきと考えますが、見解をお伺いします。
また、労働環境の改善や人材確保についても積極的に取り組むべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
次に、防災対策について伺います。
六日に起きたトルコ・シリア地震は、内陸で起きた地震としては最大級で、建物倒壊などによる死者は四万七千人を超えています。心からお悔やみ、お見舞いを申し上げます。
都からは、東京消防庁や警視庁の救助隊が派遣され、救助活動などに取り組みました。改めて感謝を申し上げます。
今年は一九二三年の関東大震災から百年です。関東大震災で東京は壊滅的な被害を被りました。東京市の震災復興計画は、今日の東京の都市空間の礎を築き、街路、公園、橋、学校、病院、住宅、鉄道などを今日の私たちに残しています。
一方で、いまだ未完の街路、残された木密など、多くの宿題も残されました。この宿題に対して、これからの百年での取組を考え、進めなければなりません。
令和五年度予算案には、関東大震災百年と題した事業が幾つも計上されていますが、物を配ったり、一過性のイベントが多いように見受けます。
新たな被害想定を受け、地域防災計画の見直しも行われますが、今後百年を見据えた東京の防災対策について、知事の見解をお伺いします。
私たちは、阪神・淡路大震災において、住宅の倒壊などによる圧死者が圧倒的であったこと、その後の火災で亡くなった方も、多くは壊れた住宅から逃げ出すことができずに亡くなられたことからも、まずもって住宅の耐震化を進めることを求めてきました。
さらに、二万八千棟もの住家被害が発生した熊本地震においては、昭和五十六年以前の旧耐震建築物ばかりではなく、新耐震基準の建物も大きく損傷しました。この被害状況を受け、都においても早急に対策を検討するよう求めてきたところです。
耐震化助成の対象拡大について、都の見解をお伺いします。
旧耐震のマンションは、耐震性が不十分なものが数多く存在し、阪神・淡路大震災では倒壊や大破など甚大な被害を出しました。先日、旧耐震マンションのうち耐震性があることを確認できているのは僅か一六%との報道がありました。都内では、いまだ耐震性が確認できていないマンションに多くの方が暮らしています。
震災時に住民の命を守ることはもちろん、過去の震災において被災したマンションでは、復旧、復興に向けた合意形成が困難を極めたことからも、事前に耐震診断、耐震補強を行っておくことが極めて重要です。
大地震発生時に備え、旧耐震マンションの震災対策への取組を拡充すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
TOKYO強靱化プロジェクトでは、私たちが求めてきた気候変動や富士山噴火への対応策など、施策のレベルアップが盛り込まれたことを評価しております。東京の防災力を高めるためには、耐震化などの基盤の上に、日頃の備えで被害を減らす減災への取組など、ソフト対策をより重視して強力に進める必要があると考えます。
都民、事業者など多様な主体がより一層積極的に災害への備えを講じられるよう、都としての支援を充実させる必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。
耐震化が進めば、多くの方が在宅で避難することが可能となります。都内人口一千四百万人に対して避難所の収容人数は三百二十万人でしかなく、在宅避難が可能となるよう支援することが極めて重要です。
中でもマンションは、一棟が在宅避難できなくなると多くの方が避難所を必要とすることになります。
そこで、電源や備蓄の確保、避難者の身近な支えとなるコミュニティ活動の醸成など、マンションでの在宅避難を可能にする支援策を積極的に進めていくべきだと考えますが、見解を伺います。
以上で東京都議会立憲民主党を代表しての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕
○知事(小池百合子君) 西沢けいた議員の代表質問にお答えいたします。
まず、令和五年度予算についてのご質問です。
都はこれまでも、コロナ禍や物価高騰などにより苦境に立たされている都民への支援など、刻一刻と変化する状況を見極めながら、きめ細かな対策を講じてまいりました。
令和五年度予算におきましても、住居喪失者や離職者等に対する生活相談、フードバンクなどを通じた食の提供支援など、様々な困難を抱える方々へのサポート体制の強化を図っております。
また、原油価格高騰等に対する事業者支援など、経営の改善、安定化に向けました取組も後押しをしてまいります。
今後とも、困難を抱える方々を含めまして、誰もが希望を持って暮らすことができる社会の実現に向け、必要な施策を迅速かつ的確に講じてまいります。
次に、東京二〇二〇大会についてであります。
国際大会には、都民、国民の信頼が何よりも重要であります。
談合事件は、その重大性に鑑み、速やかに調査チームを設置いたしました。
なお、組織委員会の元理事の事件につきましては、公判により事実関係が明らかになると考えております。
調査チームについてでありますが、現在、外部有識者の下で、第三者の専門的見地から調査を進めております。
なお、組織委員会元理事の事件につきましては、公判により事実関係が明らかになると考えております。
大会の経費についてであります。
談合による排除措置命令等に基づき事業者に対する損害賠償請求を行うなど、法令にのっとり対処するよう清算法人に求めてまいります。
次に、少子化対策でありますが、少子化の要因は、未婚化や高い子育て費用のほか、雇用の不安定化や仕事と育児の両立の困難さなど多岐にわたっております。
新年度予算案では、〇一八サポートなどの経済的支援のみならず、結婚支援策、就労支援の充実、職場環境整備の推進等、課題に応じた様々な対策を講じていくことといたしております。
次に、学校給食費についてです。
子供一人一人の成長をひとしく支えるため、ゼロ歳から十八歳までの子供に対し、月額五千円の給付を都独自に開始することといたしました。
なお、学校給食費の無償化につきましては、財源確保などの対応を国の責任において行うべきものと考えております。
区市町村立小中学校の学校給食につきましては、学校設置者である区市町村が実施をしておりまして、保護者の負担軽減についても適切に対応していると認識しております。
〇一八サポートについてでございます。
〇一八サポートは、子供一人一人の成長をひとしく支えるため、所得制限は設けず、ゼロ歳から十八歳までの全ての子供に給付をいたします。
本事業を通じまして、子供を産み育てたいという願いを応援するというメッセージを発信してまいります。
子供、子育て支援施策の所得制限についてであります。
施策における対象範囲の設定に当たりましては、それぞれの施策の目的などを踏まえまして、適切に判断されるべきものでございます。
東京都平和祈念館についてでございます。
平和祈念館の建設につきましては、平成十一年の予算審議におきまして、都議会の合意を得た上で実施することとの付帯決議がなされた経緯がございまして、その重みを十分認識しております。
したがって、都議会での一定の審議と合意が必要であると、このように考えております。
性的マイノリティーに関する取組でございます。
都はこれまでも、人権尊重条例等に基づき、啓発等の推進や相談体制の充実に取り組んできておりまして、昨年十一月には、パートナーシップ宣誓制度の運用も開始をいたしました。
こうした取組を通じて、多様性が尊重され、誰もが認め合う共生社会の実現に取り組んでおります。
ご質問の法整備を含む同性婚につきましては、国において議論がなされるものと認識をいたしております。
中小企業の賃金引上げの支援についてでございます。
賃金などの労働条件は、労働者と使用者が対等な立場において労使間の協議で自律的に定めることが基本でございます。
都は、労働者の処遇改善に向けた中小企業による様々な取組につきまして、経営や職場づくりの面から促進してまいります。
こうした取組により、働く方の所得水準の向上を後押ししてまいります。
次に、防災対策の推進についてでございます。
切迫性が高いといわれる首都直下地震や南海トラフ地震発生時の被害を最小限に抑える、そのためには、こうした災害への備えに万全を期す必要がございます。
このため、先般公表いたしました東京都地域防災計画の修正素案におきまして、二〇三〇年度までに、人的、物的被害をおおむね半減させる減災目標を掲げまして、防災対策を加速化していくことといたしました。
今後、この目標達成に向けまして、住宅の耐震化や不燃化、都民や地域の防災意識を高める普及啓発など、ハードとソフトの両面から必要な対策を着実に進めてまいります。
残余のご質問につきましては、警視総監、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
〔警視総監小島裕史君登壇〕
○警視総監(小島裕史君) いわゆるヤミバイトへの対策等についてでありますが、警視庁では、狛江市の事件に関し、昨年来、主に関東地方で連続発生している同種事件等の被疑者を逮捕し、事件の全容解明に向けて鋭意捜査を進めているところであります。
また、近年、SNS等においてヤミバイトを募集し、犯罪に加担させる手口が見られることから、当庁では、こうした募集や応募への抑止活動として、返信機能を活用し、動画や静止画を使用した投稿者への警告、たたきなどの隠語を検索した者への注意喚起等を実施しているほか、サイト管理者等に対し、違法と見られる投稿の削除を要請しております。
引き続き、ヤミバイト募集や応募を抑止するための取組を進めてまいります。
〔教育長浜佳葉子君登壇〕
○教育長(浜佳葉子君) 七点のご質問にお答えいたします。
まず、学校給食の無償化に必要な予算額についてでございますが、区市町村立小中学校の学校給食費につきましては学校設置者が決定しており、都教育委員会としてはお答えする立場にございません。
次に、特別支援学校の給食費についてでございますが、学校給食法では、食材費等の学校給食費は児童または生徒の保護者が負担することとされており、その支援については、国の責任と負担によるべきものと考えております。
次に、フリースクールとの連携についてでございますが、都教育委員会は、学校とフリースクールとの連携を推進するため、令和二年度から、区市町村教育委員会、学校、フリースクールの教職員による協議会を開催し、効果的事例について共有を図るなどしてきました。
今後とも、本協議会で学習指導や相談対応等に関する取組について協議を深めるなど、不登校の子供への支援を行ってまいります。
次に、スピーキングテストの評価についてでございますが、都立高校入試への活用等に向けて万全を期すため、予備日の結果返却以降、受験者全てについて、予定していた解答音声データの再確認を行いました。
その結果、八人の受験者の音声の一部に、一定の機械音のみが録音され、音声が確認できない箇所があることが判明しました。
そこで、当該受験者について、タブレットの内蔵マイクで録音したバックアップ音声により再度採点を行い、評価を修正いたしました。
今回の事象は、使用する機材の不具合に起因すると考えられますが、受験者全ての解答音声データの点検を行い、ほかに同様の事例はないことを確認しております。
また、全ての受験者の採点については適切に実施されたことを確認しております。
次に、スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用についてでございますが、事故や病気などやむを得ない理由によりテストを受験することができなかった生徒等に対する不受験者の措置は、様々な事情、状況にある多様な生徒が受検する都立高校入試においては合理的で最善な方策であります。
また、スピーキングテストについては、事業者及び配置した都職員からの報告、区市町村教育委員会への聞き取りなどにより、解答に影響を与えるような事例はなく行われたことを確認しております。
これらを踏まえ、スピーキングテストは適切に実施されており、その結果を都立高校入試に活用してまいります。
次に、中学一、二年生でのスピーキングテストの実施についてでございますが、都教育委員会は、小中高等学校における一貫した英語教育の推進により、使える英語力の育成を目指しており、スピーキングテストはその多様な取組の一つです。
中学校における全ての学年でスピーキングテストを実施することにより、小学校から継続して生徒が学んできた学習の到達度を各学年で客観的に把握し、中学校や高校における指導に活用してまいります。
次に、障害者雇用における今後の見通しと対応策についてでございますが、都教育委員会ではこれまで、就労支援を目的とするチャレンジ雇用を実施するとともに、会計年度任用職員として継続的に雇用するために教育庁サポートオフィスを開設するなど障害者の雇用に取り組んでまいりました。
今年度から教育庁サポートオフィスの受入れ規模を拡大するとともに、年度途中の採用選考を積極的に実施し、障害者雇用率は改善しましたが、さらに障害者の採用を増やし、定着を図る必要がございます。
引き続き、法定雇用率の達成に向けて、障害者雇用の推進に取り組んでまいります。
〔財務局長吉村憲彦君登壇〕
○財務局長(吉村憲彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、今後の財政運営についてでございますが、令和五年度予算では、少子化などの困難な状況を踏まえ、チルドレンファースト社会の実現に向けた取組など、未来への投資に積極的に財源を振り向けました。
一方で、予算要求段階のマイナスシーリングの実施、事業評価の取組を通じた見直しの徹底、社会情勢を見据えた施策の終了、転換など、あらゆる手だてを講じることで財源確保に努めております。
さらに、税収増も活用しつつ基金残高を確保したほか、都債発行の抑制に努めるなど、将来に向けた財政対応力を一層強化しております。
今後も、積極的な施策展開を継続的、安定的に講じることができるよう、持続可能な財政運営に努めてまいります。
次に、東京二〇二〇大会レガシー基金についてでございますが、都はこれまでも、東京二〇二〇大会の成功に向け、ハード、ソフト両面で様々な取組を推進してまいりました。
大会後は、これらの取組を都市のレガシーとして発展させていくことが重要でございます。
こうした考えの下、令和四年度最終補正予算において、大会開催に向けた五つの基金を再編し、東京二〇二〇大会レガシー基金を創設いたします。
五年度予算におきましても、障害者スポーツや芸術文化の振興、バリアフリー化の推進、観光都市東京の実現に向けた取組をはじめとした事業に充当しており、今後もこうした取組の財源として有効に活用してまいります。
〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕
○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、NPO法人の指導監督についてでありますが、都は、NPO法人に法令違反等の疑いがある場合に、事実確認や文書による報告徴収、必要に応じた立入検査を実施いたします。法令違反等が確認された場合は改善命令を行い、改善されない場合またはその余地がない場合、認証を取り消します。
過去三年の指導監督件数は、事実確認百九十四件、報告徴収百一件、改善命令は三十六件でありまして、立入検査が必要な事案はございませんでした。法令違反等による認証取消しは二十三件でありました。
今後も、NPO法に基づき適切に対応してまいります。
次に、お話のNPO法人への対応についてでございますが、臓器売買疑惑の報道以後、複数回、事実確認などを行ってきております。
臓器移植法の無許可あっせんにより理事長が逮捕されたとの報道を受け、関係者から改めて事実関係のヒアリング等を行うなど、NPO法に基づき適切に対応してきております。
今後、司法の場等において法令違反が確定した場合、認証取消しも視野に必要な措置を行います。
次に、大学生等への支援についてでございますが、大学生等高等教育機関に通う学生への支援は、本来、国の責任において行うべきものであり、国は、いわゆる高等教育の無償化の制度において、授業料等の負担軽減を図っております。
このうち、都内私立専門学校につきましては、都も財政負担を行うとともに、学校が制度利用の申請をした場合の審査や負担金の交付等を行っております。
次に、証言映像の公開への意向確認についてでございますが、対象者三百三十人のうち、一月末現在で百十三人の方から公開や活用についての同意をいただいております。
来年度以降、資料のデジタル化に着手し、より広く活用してまいります。
次に、パラスポーツの振興についてでございますが、都は、都民のパラスポーツへの関心を高めるため、誰もが参加できる体験型イベントやSNSによるパラスポーツの魅力発信などを通じて普及啓発を図っております。
また、障害者のスポーツ活動の充実に向け、特別支援学校の体育施設を活用した体験教室の開催や指導員等の育成など、スポーツに親しみやすい環境を整備しております。
引き続き、新たに設置される予定の東京二〇二〇大会レガシー基金も活用しながら、パラスポーツの振興に向けて様々な取組を実施してまいります。
〔福祉保健局長西山智之君登壇〕
○福祉保健局長(西山智之君) 二点のご質問にお答えをいたします。
まず、障害者の審議会への参加についてでございますが、都は、障害者のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、東京都障害者施策推進協議会を設置しており、障害当事者の方も委員として参加しております。
協議会は、障害者の社会参加等について、障害当事者の意見をいただきながら幅広く議論を行ってございます。
次に、難聴児への支援についてでございますが、都立聴覚障害特別支援学校では、乳幼児教育相談において手話の獲得を支援しているほか、都内には、手話を中心とした療育を行っている民間の事業者もございます。
都は、適切な支援により、難聴児一人一人に応じたコミュニケーション手段を獲得できるよう、相談対応や情報提供などを担う中核的機能を有する体制を確保することとしてございます。
〔総務局長野間達也君登壇〕
○総務局長(野間達也君) 政策連携団体の障害者雇用についてでございますが、都はこれまでも、障害者の職場環境を整えるため、ハローワーク講師による障害者雇用に関する講義や東京しごと財団の支援メニューの紹介を行う研修会を開催するなど、政策連携団体の障害者雇用を促進してまいりました。
今後とも、未達成団体に対しましては進捗や雇用に向けた取組状況を確認するなど、対象となる全団体が法定雇用率を達成するよう取り組んでまいります。
〔都市整備局長福田至君登壇〕
○都市整備局長(福田至君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、ホームドアの整備についてでございます。
大阪駅の地下ホームに新設されるホームドアは、開口の位置や幅を自在に変えることができるとされており、ホームドア整備の技術的な課題である、扉位置の異なる列車への対応事例の一つと考えられます。技術的な課題には、ほかにもホームの補強などがございます。
このため、都は、令和三年度に鉄道事業者との検討会を設置し、取組事例の研究及び共有化を図っております。
こうした取組に加え、優先整備の考え方に基づき、令和二年度に拡充した補助制度も活用し、鉄道事業者に対し、ホームドア整備の一層の推進を働きかけてまいります。
次に、物流の効率化についてでございます。
円滑な物流の確保は都市の活動に極めて重要であり、労働力不足や二酸化炭素排出量の抑制などの観点からも一層の効率化が求められております。
都はこれまで、物流ネットワークを支える幹線道路の整備やまちづくりに合わせた荷さばきスペースの確保などに取り組んでまいりました。
また、再配達やドライバーの労働時間の削減等を進めるため、事業者と連携し、オープン型宅配ボックスの設置や貨客混載の取組を推進しております。
引き続き、都市づくりの側面から物流の効率化に向けた取組を進めてまいります。
最後に、住宅の耐震化助成の対象拡大についてでございます。
地震による住宅の倒壊を防ぐことは、都民の生命と財産を守るとともに、都市の防災力向上の観点からも重要であるため、都は、住宅の耐震化に取り組んでまいりました。
昨年公表した被害想定において、平成十二年以前に建築された新耐震基準の建築物の耐震化が進むと被害がさらに軽減されることが示されました。
このため、来年度から新たに、平成十二年以前に建築された新耐震基準の木造住宅に対しても耐震化助成を開始いたします。
区市町村と連携し、住宅の耐震化を促進してまいります。
〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕
○産業労働局長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、賃金の引上げに向けた取組についてでございますが、中小企業が事業の発展に向け、生産性を高め、賃金の引上げを図ることは必要でございます。
このため、都は、中小企業がデジタル技術を活用した設備を導入する支援について、その成果を計画的に従業員の収入増加に結びつける場合、助成率を引き上げております。
こうした取組によりまして、引き続き中小企業を支援いたします。
次に、運輸や物流の事業者の働き方改革についてでございますが、運輸や物流の分野の中小企業が働き方改革を進めることのできるよう支援することは必要でございます。
このため、都は、そうした会社の働き方の見直しなどに向け、相談窓口を設け、専門家の派遣を行っております。
また、現場での人材を確保するための知識を提供するセミナーで、採用を円滑に進めた事例などを紹介してまいります。
これらによりまして、中小企業の働き方改革を支援いたします。
〔住宅政策本部長山口真君登壇〕
○住宅政策本部長(山口真君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、旧耐震マンションの震災対策についてでございますが、耐震性が不足するマンションにつきましては、耐震化を進め、都民の生命と財産を守ることが重要でございまして、これまで都は、管理組合に対して専門家を派遣するとともに、区市と連携しまして、耐震診断や耐震改修等に対する助成を実施してまいりました。
今後、耐震改修等が未実施の旧耐震マンションに対し、専門家派遣の回数等を拡充しまして合意形成を促進するほか、倒壊等の危険性が高いピロティーを有するマンションの補強等に対する補助を開始しまして耐震化を促進してまいります。
次に、マンションの在宅避難に向けた支援策についてでございますが、災害による停電時にマンションでの生活を継続するためには、ハード、ソフトの両面での対策が重要でございます。
都は、電源確保や防災訓練などを行うマンションを東京とどまるマンションとして登録しまして公表しております。
今後、防災訓練などの取組を行っているマンションに対しアンケート等を行いまして、このうち東京とどまるマンションに登録する場合は、コミュニティ活動の醸成にも資する防災備蓄資器材の整備費用の一部を支援いたします。
こうした取組を通じまして、マンションにおける災害時の在宅避難を後押ししてまいります。
〔政策企画局長中村倫治君登壇〕
○政策企画局長(中村倫治君) 災害への備えに対する支援についてであります。
TOKYO強靱化プロジェクトでは、インフラ整備などハード施策に多様な主体との連携などソフト対策を組み合わせた実効性の高い施策の展開を掲げております。
このプロジェクトの下、自助、共助を促進する区市町村への支援や、備蓄など在宅避難環境の整備促進、中小企業のBCP策定支援など、都民や事業者の災害への備えを促進する施策を強化しております。
今後も、こうした取組などを着実に進め、被害を最小限に抑えられるよう、災害に強い東京を実現してまいります。
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