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人権条例について総務委員会で附帯決議を提出

2018年10月3日、都議会で総務委員会が開会されました。焦点になっていたLGBT差別やヘイトスピーチの禁止を定める人権条例について審議しました。会派「都議会立憲民主党・民主クラブ」を代表して西沢議員から附帯決議を提案し、ヘイトスピーチは許されないが、それ以外の表現の自由を侵さないことを求めました。残念ながら附帯決議は賛成少数で否決されましたが、条例そのものには賛成し、可決されました。明後日5日の定例会最終日の本会議でも可決される見通しです。

〇自民党の継続審議の動議に対する反対討論

 条例に対する継続の動議について申し上げます。
 都議会立憲民主党・民主クラブは、ひとつひとつの議案について慎重に審議することは必要であるとは考えるものの、事前の調査・検討を踏まえ、決まられた会期中の日程の中で、最大限の審議を行って参りましたので、採決すべきと考えます。


〇付帯決議の提案理由の説明

 都議会立憲民主党・民主クラブとして、本条例への付帯決議を提案致します。
 本条例案については、東京2020年オリンピック・パラリンピック大会に向けて、またLGBT差別、ヘイトスピーチを許さないことについて、前進させるものとして一定の理解を致します。
 しかし、条例制定にあたっては、なお留意すべき点が多い事から、以下の点についての付帯決議を求めます。

1 オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現に当たっては、東京都人権施策推進指針に掲げられている17の人権課題を含めて取り組むこと。

2 都は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いがなされることのないよう、都営住宅への入居を始め、各種施策についての検証を行い、適切な措置を講ずること。

3 都は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動について、どのような言動が該当するか、具体的な例を列挙・明示するなど、都民等にわかりやすく示すこと。

4 都は、公の施設の利用制限について、必要不可欠な場合に限定するとの認識の下、利用制限する場合の基準を明確にするなど、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないよう具体的措置を講ずること。

5 都は、都民等の本邦外出身者に対する不当な差別的言動以外の表現活動が萎縮しないよう、積極的に啓発をすること。

  以上、皆さまのご賛同をお願いし、提案理由の説明と致します。


〇共産党の修正案に対する反対討論

 修正案については、3年を経過した場合において検討を加え、必要な措置を講ずる旨の規定などを設けるものです。私たちは、東京都人権施策推進指針にある17課題、とりわけ先の定例会では、犯罪被害者支援の条例化などを提案しており、3年を経過せずとも、必要に応じて、人権施策の推進に必要な措置を講じるべきと考えますので、反対致します。

 

〇条例案、付帯決議に対する賛成討論

 私たちは、条例の概要が示された段階から、繰り返し、東京都人権施策推進指針に示された17の人権課題についても、条例に規定し施策を前進させるべきであると求めてきました。
 本条例案については、東京2020年大会に向けて、またLGBT差別、ヘイトスピーチを許さないための施策が前進するものとして一定の理解を致します。性自認性的志向による差別で苦しむ方に少しでも都が手を差し伸べていくことは極めて重要です。
 しかし、この条例でLGBTやヘイトスピーチのほかの人権課題はどう具体的に前進させるのかということに対し、まだまだ関係者の皆さんの不安を完全に解消するにいたる答弁はありませんでした。
 また、この条例によって都営住宅への入居、パートナーシップ制度など、当事者から要望のある点について、具体的にどう変わるのかについても、十分なお答えがありませんでした。
 第3章のヘイトスピーチに関しては、絶対に許さない姿勢は極めて大事です。本邦外出身者に対する不当な差別的言動以外の表現活動に携わる方からは、公の施設の利用制限や拡散防止措置に際して、表現活動の萎縮につながるのではないか、との不安・疑問の声も寄せられています。本邦外出身者に対する不当な差別的言動以外の表現活動に携わる、多くの方の自由な表現活動の萎縮につながることないよう、議会としての意志を示すことが必要であると考えます。
 従って、さきほど提案いたしました5項目の付帯決議を付して賛成するものです。

 

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