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都議会予算委員会で五十嵐議員が予算案に反対討論

2024年3月26日、予算特別委員会で、各会派から議案に対する討論を行い、立憲民主党からは五十嵐議員が代表して意見を述べました。知事が提案した来年度予算案の採決が行われ、立憲民主党は、知事の都民に対する姿勢として問題があり、内容も不十分なことから一般会計予算案に反対しました。討論の内容は以下の通りです。

私は、東京都議会立憲民主党を代表して、本特別委員会に付託された知事提案の第一号議案 令和6年度 東京都一般会計予算に反対の立場から討論を行います。
 
 私たちが、第1号議案に反対する理由の第一は、知事の基本姿勢です。
知事は、都民の代表である私たちの知事自らの答弁を求める質問に対して、答弁に立たない場面が目立ちました。「答弁拒否」というべきものです。その上、わが会派の関口議員の質疑では、答弁に立つ議員と立たない議員との間に極端な差があることが明らかになり「答弁差別」であるとも指摘しています。知事自ら答弁すべき内容についても、部下に答弁させ、意見が異なる議員に対しては答弁しない姿勢が明らかになりました。
また、都は、議員が再質問をした場合にも、再質問の前と全く同じ内容の答弁を繰り返し、私たちの疑問に答えようという真摯な態度は見えませんでした。
一般会計予算8兆4530億円もの巨額な予算提案権を持つ知事に対して、知事がどのような理念、考え方に基づいて編成をしているのか、質すのは当然のことです。
度重なる答弁拒否をする知事の姿勢は、都民に対する姿勢として、極めて問題があると指摘せざるを得ません。
 
令和6年度予算にも盛り込まれた、話題となった都庁舎プロジェクションマッピング。これは今の東京都を象徴するものだと思います。表向き、外向きには、派手なこと、目立つことに対しては、採算度外視で巨額の税金を投入しますが、足元で日々の食事にも困っている人たちの暮らしには目を向けるそぶりもありません。新宿にいる路上生活者は、都がきらびやかなイベントを開催するために場所を追われて「排除」されていますが、東京都は知らぬ素振りです。

 都知事のもとで、自由や多様性、公正さが失われてきました。障がい者や非正規労働者、マイノリティや弱い立場の人たちが置き去りになっています。

 私たちはそうした人たちを包摂する東京都を目指すべく、昨年から、都議会立憲東京ビジョンを掲げ、貧困や格差解消、多様性のある東京、全ての自治体での学校給食費の無償化、義務教育の完全無償化、家賃補助などの一つ一つの政策に対して、要望を求めてきました。

しかし、令和6年度予算については、それらの政策に対しても不十分と言わざるを得ません。

 立憲東京ビジョンで私たちが求めてきた学校給食の無償化は、令和6年度予算案で保護者の負担軽減として、2分の1補助となり、前進はしたものの、実際には無償化を実施できない自治体が多摩地域で続出し、「新たな三多摩格差」が生じています。教育の無償化の理念に反するどころか、多摩格差ゼロの理念にも反しています。
 
 私立高校授業料の実質無償化における所得制限撤廃は、ようやく2010年の民主党政権時に追いつきましたが、外にも、入学金や施設費などの負担があり、都としての補助制度新設が必要です。また、私立高校の特別奨学金は早期支給を図るなど、保護者の負担感の解消が必要です。

 英語スピーキングテスト、E-SATJは、都立高校の入試で活用すべきではありません。入試で他人の点数から推測した点数が使われることはあってはなりません。そのほかにも、隣の人の喋る声が漏れてきたなど多くの問題が指摘されています。こうした私たちが指摘してきたさまざまな課題について、都は真摯に受け止め、来年度受験する生徒のためにも、検証し、報告し、改善すべきです。

少子化対策ありきではなく、まず、若い世代の賃上げや雇用の正規化など、生活基盤を安定させ、産休や育休期間が終わっても仕事と家庭を両立できるよう働き方を見直すなど、都民が安心して働けるようにすることが不可欠です。
 
しかし、都内の不本意な非正規労働者の数は、小池知事の初当選時と比べて増加しています。その上、東京都の計画から「不本意非正規を半減させる」という目標が消えています。

不本意に非正規で働く人の正規雇用化を目指して、都自ら真剣に取り組むべきです。
 
東京都自身が、多くの会計年度任用職員を抱えています。都の会計年度任用職員については、最低賃金に近い時給での募集が見られること、スクールカウンセラーを始め専門性の高い人材の流出といった様々な課題があります。新年度まで残り僅かですが、会計年度任用職員に対して、未だ継続になるかの通知もないという状況です。

会会計年度任用職員の皆さんに安心して働いてもらえる雇用環境の整備が急務です。

給料が安くて生活できないという声がありますが、賃上げについては、未だに知事の見解を聞くことができていません。

立憲東京ビジョンでも求めてきた、カスハラ条例は働く人の権利が守られるよう、実効性を確保する体制を作るよう求めます。

 住まいも、生活の基盤です。私たちが、立憲ビジョンで求めてきた家賃補助に対して都は、極めて冷たい答弁です。都営住宅にも入れず、住まいに困っている人たちがたくさんいます。
私たちは、課題を整理した上で、家賃補助の実施を検討するよう求めてきましたが、東京都は逆に課題ばかりをあげ、前向きな姿勢は見られません。
今まさに住宅に困っている人たちは、どうやって暮らしていけばよいのか、都は、住宅に困窮する都民に着目して、どう住まいを保障するのかについて、知恵を絞り政策を実行していくべきですが、そうした姿勢が見られません。

今の東京都には、弱い立場の人たち、マイノリティの人たちを守るという姿勢に乏しいと思います。
 こころや体の不調などケアの必要な家族や近親者を無償でケアするケアラーの人たちは、社会から隔離され、孤独な状態になっています。
立憲東京ビジョンでは、ヤングケアラー対策として条例を制定し、教育機会の確保や心理的なサポート、経済的な支援など対策の強化を求めてきましたが、積極的な支援策が必要です。

多様性を守っていくことも重要です。
 事実婚の方など、多様な家族のあり方を求めていながら、未だ法制度から漏れて、社会に認められていないと感じる方々が大勢います。東京都のパートナーシップ宣誓制度をさらに拡大し、多様な家族のあり方を正面から認めるべきです。

障害がある方への支援も重要です。
都は、2025デフリンピック大会は障害を持っている方たちが居場所ややりがいを感じられるよう、より一層、手話言語、デジタル技術を使った情報コミュニケーション保障の実現、街中の音声情報の視覚化など、変革を進めていくことを求めます。

他方で、都の大規模工事や再開発に前のめりな姿勢には、疑問を覚えます。

神宮外苑再開発事業については、多くの都民が東京の100年の森を守ってほしいと要望しています。都は事業者のことだと一蹴するのではなく、都民や事業者への責任を果たすべきです。

災害への備えは極めて重要ですが、適切な根拠に基づく費用対効果をきちんと都民に示すべきです。私は、石神井川上流地下調節池についてはその費用便益分析の算出根拠に国交省のマニュアルに反する重大な問題があると指摘しましたが、それに対する答弁も合理的なものとは思えません。
善福寺川上流地下調節池についても、多くの住民が都の説明を求めています。

 都の新型コロナ対策については、法令を無視したロックダウン発言やあれだけ病床やICUの不足が指摘されたにもかかわらず、それらに対して検証された形跡がないことは問題です。不足している資源があればそれを増やすための施策を予算案に盛り込むべきですが、それがなされていません。都の感染症予防計画は、こうした検証を欠いて作成されたものであり、問題があると考えます。

 以上の通り、知事も、私たち議員から指摘された質問や問題に真剣に向き合わない、重要ないくつかの政策について、見通しもなければ、立法事実もない、検証もないなど、今の都政の態度には、重大な問題があります。
よって、私たちは、一般会計予算案に反対します。

以上で、東京都議会立憲民主党を代表しての討論を終わります。

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