2017/03/30 歩道整備や都立公園など地域のまちづくりについて文書質問
2017年3月30日、平成29年第一回都議会定例会に文書質問を提出しました。回答は第二回定例会の初日6月1日に提出されました。1 都道の安全な歩行空間の確保等、2 都立公園の管理運営、3 崖地の開発規制の3項目について質問しました。
質問1 都道の安全な歩行空間の確保等について
質問1-1 都道の整備については、都市計画に基づいて進められていますが、一方では、現状ある都道において、都市計画道路になっていないものも多くあります。そうした都道において大変狭く、地域から安全な歩行空間の確保が求められている箇所も多くあります。歩行者の安全を考えると拡幅に取り組むべきと考えますが、どのように対応するのか伺います。
回答1-1 都市計画道路以外の都道の歩行空間の確保に当たっては、自動車や歩行者の交通量、学校、病院など公共施設の立地状況や沿道状況等を総合的に勘案して整備箇所の選定を行い、拡幅による歩道整備を計画的に進めています。
一方で、既に密集した市街地が形成され、マンションなど堅ろうな建物や店舗が緊密に建ち並んでいる都道については、拡幅による歩道整備は極めて困難なため、歩車道の分離やカラー舗装による歩行部分の明示を行うなど、歩行者の安全確保に努めています。
質問1-2 狭い道路で拡幅が難しい場合に、電線の地中化が対応として考えられます。都では無電柱化を重要な政策と位置付けていますが、歩行者の安全確保が必要な箇所については優先して進める必要があると考えます。今後の取り組みについて伺います。
回答1-2 都は、平成26年12月に策定した東京都無電柱化推進計画に基づき、センター・コア・エリア内において、計画幅員で完成した都道の無電柱化を東京2020大会開催までに完了させるとともに、周辺区部や多摩地域の第一次緊急輸送道路を中心に無電柱化の整備を推進しています。
加えて、狭い道路で無電柱化が困難な箇所では、歩行空間の確保のため、当面の対策として、例えば道路外や歩行者に支障のない位置への電柱移設などを行い、歩行者の安全確保を図るよう取り組んでいます。
質問1-3 三鷹市内において都道連雀通りについて都市 計画道路になっている部分の拡幅が現在進められています。一方、都市計画道路になっていない箇所についても拡幅を望む声が地域から出されています。とりわけ、杏林大学井の頭キャンパスの新設によるバスの増便による交通量の増加により交差点改良の声が強まっています。連雀通りにおける安全な歩行空間の確保について取り組みを伺います。
回答1-3 都はこれまで、連雀通りの三鷹市井口地区において、歩道整備を行うなど、連雀通りにおける歩行者の安全確保に積極的に取り組んできました。
引き続き、交通量や公共施設の立地状況等を総合的に勘案して整備箇所の選定を行い、歩道整備を計画的に進めるなど、連雀通りにおける歩行者の安全確保に積極的に取り組んでいきます。
なお、連雀通りと並行する三鷹3・4・7号線を第四次事業化計画の都施行の優先整備路線に選定しました。本路線と市施行である三鷹3・4・13号線の整備により、連雀通りの交通分散を図り、歩行者の安全確保に努めていきます。
質問1-4 三鷹市内の都道人見街道において、都市計画道路になっていない箇所について地域住民の協力により一部拡幅が進められています。しかし、市役所近辺のように交通量の多い箇所、また第一小学校近くのように児童が通る箇所など、地域から強く拡幅を求める声が出されています。人見街道において、歩行者の安全確保が重要と考えますが、今後の都の取り組み を伺います。
回答1-4 都は現在、人見街道の三鷹市野崎地区において、延長約580メートルの歩道整備事業を進めており、平成28年度までに約410メートルの区間で歩道が完成しています。
また、人見街道と三鷹通りが交差する三鷹市役所交差点は、第3次交差点すいすいプランに位置付けられており、右折車線等の整備に併せて歩道を整備することで、歩行者の安全も確保する予定です。
引き続き、交通量や公共施設の立地状況等を総合的に勘案して整備箇所の選定を行い、歩道整備を計画的に進めるなど、歩行者の安全確保に積極的に取り組んでいきます。
質問2 都立公園の管理運営について
質問2-1 都立公園は地域の方々の憩いの場としてだけではなく、災害時は広域避難場所になるなど大変重要な役割も果します。地域住民や所在する市区町村との連携は欠かせません。都は都立公園の管理運営について地域住民や所在する市区町村との連携をどのように行っているのか伺います。
回答2-1 都立公園では、地域住民やボランティア等と連携し、植栽や花壇の管理、園内清掃による美化活動を行うなど、都民との協働による公園管理に取り組んでいます。
また、市区町村と連携し、公園のにぎわいを創出するイベントの開催や、地域防災力の強化や防災意識の普及啓発に寄与する訓練等を実施しています。
質問2-2 現在、都立公園は、上野恩賜公園と井の頭恩賜公園だけが直営で、他は指定管理者が運営しています。都が直接運営することで、直接利用者の声を聴いたり、地域住民や所在する市区町村との連携も図れると考えます。都立公園の管理運営についての見解を伺います。
回答2-2 都が直営で管理する上野恩賜公園及び井の頭恩賜公園では、直接利用者の声を把握するなど、職員が貴重な現場経験を積むとともに、「井の頭恩賜公園開園100年事業」など、地域と一体となった管理運営にも取り組んでいます。
こうした経験や蓄積されたノウハウを、指定管理者への指導監督を通じて、他の都立公園においても生かしています。
質問2-3 都立井の頭恩賜公園は、三鷹市と武蔵野市にまたがる公園で、今年、開設100周年を迎えます。都と両市、 地域住民が協力して記念事業の準備を進めています。とりわけ、池の水がにごっているため2度にわたって「かいぼり」という水を抜いて外来種を除去しきれいにしようという取り組みを行いましたが、報道でも大きく注目されました。都立井の頭恩賜公園100周年に際して、地域住民、地域団体、三鷹市、武蔵野市等と連携して取り組んできたことの意義を伺います。さらには、そうした取り組みを今後の公園の運営にどのように活かしていくのか見解を伺います。
回答2-3 都では、井の頭恩賜公園の開園100周年を迎えるに当たり、地元市や地元商工会など地域民間団体とともに「井の頭恩賜公園開園100年実行委員会」を設立し、地元の機運を高める事業を実施してきました。
井の頭池の「かいぼり」をはじめ、都とボランティアや地域の方々と協働して様々な事業を実施できたことは、公園の管理運営上、有意義であったと認識しています。
今後とも、地域と連携し、井の頭恩賜公園の魅力を更に高めていきます。
質問2-4 100年事業の一つである「井の頭公園アートマーケッツ」として、公園を核とした賑わいの創出のため、手作り作品の出展や、パフォーマンスの出展を、登録制で実施しています。公園に賑わいが創出される取り組みとして継続しての取り組みを求め る声がありますが、今後の展開を伺います。
回答2-4 「井の頭公園アートマーケッツ」は、井の頭恩賜公園開園100周年に向けた事業の一つとして、井の頭恩賜公園100年実行委員会が出展者を募り、実施しています。
事業の終了後については、公園利用者のニーズなどを踏まえ、適切に対応していきます。
質問3 崖地の開発規制について
昨年、三鷹市内の崖地における開発に関して、隣接する市道が陥没し長期間にわたり通行止めになった事例がありました。周辺にお住まいの方にも不安を与えてしまいます。その後、都が指導し、事業者に対して周辺住民への丁寧な対応をするようにしたと聞いています。三鷹市だけではなく、都内各地の崖地において、次々と住宅開発が進められています。都によると、これら崖地における造成工事は、法律の手続きを経て適切に行われている、ということではありますが、周辺住民は不安感を抱いています。そこで、崖地における宅地造成の指導や監督をさらに強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。
回答3 崖地における宅地造成については、都市計画法や宅地造成等規制法に従い、申請された造成内容について的確に審査を行い、許可処分をすることとなっています。
完了検査においても、許可条件に従って行われる災害の防止に必要な措置などについて確認し、造成後の宅地の安全性を確保しています。
さらに、法定の手続に加えて、崖地における造成工事中の箇所についても、現場パトロールや擁壁などの中間検査の実施頻度を高くし、安全管理の面から事業者を指導しています。
今後とも、関連する法令の趣旨に基づき、事業者を適切に指導し、安全確保に努めていきます。
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