> 都議会質問 > 都議会豊洲市場移転問題特別委員会 > 豊洲市場で追加対策工事の安全安心の検証を求める

都議会質問記録

2017/05/09 豊洲市場で追加対策工事の安全安心の検証を求める

5月9日、都議会豊洲市場移転問題特別委員会で質問しました。都が設置したプロジェクトチームの報告書素案について質疑しました。民進党としては食の安全安心の立場から、盛り土や地下水汚染への対策がない現状での移転は容認できないとし、専門家会議で検討している追加対策工事の案を早急に作成し、安全安心と都民の納得が得られるかを検証することが重要と主張しました。

○中村委員 それでは、第八回の市場問題プロジェクトチームについて質問します。
 今回、第一次報告書素案が示される中で、豊洲と築地が両論併記となっており、私たちもこれまでの経過から唐突感が否めません。
 過去、当時の民主党は、汚染のある土地への移転には関係者の合意がない中では慎重であるべきとして、今はオリンピックの選手村予定地になっている晴海が空き地だったときには、そこに一旦移転して、築地で建てかえる案を具体的に提案もしていました。しかし、当時の石原知事が強引に移転を決めたため、議会での議論で付帯決議をつけ、法基準以上の対応をすることで、安心・安全の確保を移転の条件としてきました。
 今、豊洲市場は、法基準以上の対策として求めた盛り土がなく、都独自の判断として行った地下水のモニタリング調査において百倍の汚染が見つかりました。このまま何も対策をせずに移転するわけにいきませんが、築地は老朽化もしており、土壌汚染の調査も始まりました。
 小池知事は、昨年十一月に示した工程表に基づいて判断すると述べており、今月十八日には、専門家会議で、地下ピットの対策案など追加対策が示されていくと考えます。この追加対策で安全・安心が得られるかどうか、今一番注目すべきはここなんではないかというふうに思っています。
 しかし、プロジェクトチームの小島座長が、今回、築地市場の再整備案を打ち出したことは、こうした流れから鑑みて唐突感を感じました。
 都民からは、移転か再整備か一体どちらなのかとの声が聞こえます。このまま移転が決まらないと補償費や築地と豊洲の両方の維持費がかかるなど、都民からは不安の声も出ています。都民の安全・安心が最優先の立場から、追加対策工事に加えて、情報公開の徹底と都民の理解と納得が必要です。情報の公表は進みましたが、今回の築地再整備案の打ち出し方によって、問題解決に向け複雑化したとの見方もあります。
 こうした状況についてどのように受けとめているのでしょうか、きちんとした説明が必要ではないかと考えますが、見解を伺います。
○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチーム会議は、専門委員が知事への報告を行うまでの審議の過程を公開しているものでございます。
 第八回市場問題プロジェクトチーム会議におきましては、小島座長から、豊洲の移転案と築地の改修案の二つの案について、どちらの案を採用すべきということではなく、いずれの案もよい面とともに課題もあり、案を採用する場合には、その課題があることを認識し、それを受け入れた上で判断をしなければいけない、そのための材料を整理した旨の説明がございました。
○中村委員 なかなか先ほどまでの議論と同じように、中身はなかなか関知しないということのようなんですけれども、事務局をやるということですから、この間のこういった議論の経過等を含めて、こういう議論の持っていき方をしたらどうなるのかということは当然わかるわけでしょうし、そういったことを都民に、じゃあどう説明していくのかということもあるでしょうから、事務局としての役割、今後もしっかりと受けとめていただきたいと思っています。
 あと、この築地の再整備の案も、あくまでプロジェクトチームの案でしかないようですけれども、これを受けて、都としては検証が必要だと考えますし、そうした上で、知事が判断すべきだと思います。
 通常の審議会でも専門家の意見が即、都の意見として是非を議論することは余りなくて、都が検証を加えて最後に決裁するのではないかと思いますが、見解を伺います。
○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチームの報告書は、知事に報告されるとともに、市場のあり方戦略本部で検討されることと考えております。
○中村委員 両論併記はされていますけれども、金額や工期など、豊洲と築地とで違う段階で検討されているように見えます。築地の汚染の問題や市場関係者の合意など、当時とは違い、業者数が減ったなどの状況の一部変化はあると認識しますが、課題の多くへの回答、明確な方向性は明らかにされていないのではないでしょうか。
 東日本大震災などがあり、建築資材の高騰などで建築費が高騰するなどの事情はあるものの、豊洲市場の建設費は、当初計画から大幅に膨らみました。計画と実際の比較はどこまで妥当な判断といえるのでしょうか、見解を伺います。
○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチーム会議における審議内容は、小島座長を初め、各専門委員が判断するものであり、総務局では関与する立場にはございません。
 なお、第八回市場問題プロジェクトチーム会議において、豊洲市場と築地市場の維持管理経費や、築地市場改修案に対する工期、工費の妥当性等について議論が交わされております。
○中村委員 地下水から汚染が見つかったことで専門家会議の予定が今おくれています。しかし、セカンドオピニオンであるはずのプロジェクトチームはそのまま進み、第一次の報告書を発表しようとしています。状況が変わっているので、おくれている部分は後で検証するとはしていますが、先に築地と豊洲の両論併記案の報告書を議論していることになります。
 工程表によれば、まずは、豊洲市場の安全が確認されるかどうかを判断し、万が一、安全基準を超えられないから移転しないというときのことは書かれてはいません。その場合には、ほかの方策を考えざるを得ないのかもしれないのですが、現時点では、なぜ今、豊洲市場の追加対策の案が出る前から急いで一次報告書を出そうとしているのか、見解を伺います。
○池上総務局都政改革担当部長 第八回市場問題プロジェクトチーム会議におきまして、小島座長から、豊洲市場の土壌汚染対策については、専門家会議の結論がまとまった段階で、その部分の議論を行うこととなるため、それを除く部分について、ロードマップのスケジュールどおり五月に報告書をまとめたいという旨の発言がございました。
○中村委員 先にできているところからということなんでしょうけど、一番大事なところなわけですから、そこを除いて進めるというのにはやはり少し違和感を感じます。
 両論併記ということになってはいるわけですけれども、豊洲市場について、専門家会議が盛り土の問題等の追加の対策工事について発表したら、それを受けてプロジェクトチームで検討するということでよいのでしょうか。そうであれば、今後のプロジェクトチームの予定はどうなっているのでしょうか。その場合は、追加工事をした豊洲市場と築地市場の両論併記となるのでしょうか。今後の見通しを伺います。
○池上総務局都政改革担当部長 市場問題プロジェクトチーム会議における審議内容は、小島座長を初め各専門委員が判断するもので、総務局では関与する立場にはございません。
 なお、市場問題プロジェクトチーム第一次報告書素案(案)によれば、市場問題プロジェクトチームの所掌事務のうち、豊洲市場の建物の地下ピットその他の土壌汚染対策に係る事項については、専門家会議の結論を待って、第一次報告書の当該部分に係る事項について必要な修正を行いつつ第二次報告書を作成する旨記載されております。
○中村委員 ここが一番大事なところだと思うので、何か先ほどの繰り返しになりますけれども、何でそこを除いて先にというところが疑問にも思います。対策をとって、安全かどうかというところを待って都民の人にも見てもらえばよかったんですけれども、その大事な部分が抜けてしまって、今のままの豊洲と築地の部分を比較するというのは、やはり少し違和感を感じます。
 そういった点で、もともとこの豊洲移転の可否について、盛り土がなかったり高濃度の汚染が見つかったりと新たな課題が見つかって問題になっているわけですから、その対策についてプロジェクトチームで議論する必要はないのでしょうか。専門家会議の予定が変わったならば、プロジェクトチームも予定を変える必要があるのではないかと思いますが、見解を伺います。
○池上総務局都政改革担当部長 第八回市場問題プロジェクトチーム会議において、小島座長から、豊洲市場の土壌汚染対策については、専門家会議の結論がまとまった段階で、その部分の議論を行うことになるため、それを除く部分について、ロードマップのスケジュールどおり、五月に報告書をまとめたいという旨の発言がございました。
○中村委員 今の豊洲市場のままでは即座に移転というわけにいきません。専門家会議も法的には安全とはいいますが、もともとの法律以上に上乗せした基準は満たしていませんし、世論もこのままで移転でいいとは見てはいません。追加対策工事が大切であり、それが可能か、それをした上で都民の理解が得られるかが重要です。
 多くの都民の方々が通常考えるのは、今のままではなくて、追加工事したものが安全・安心だといえることをしっかり検証することではないかと思いますが、見解を伺います。
○池上総務局都政改革担当部長 第八回市場問題プロジェクトチーム会議におきまして、小島座長からは、豊洲の移転案と築地の改修案の二つの案について、どちらの案を採用すべきということではなく、いずれもよい面とともに課題もあり、案を採用する場合にはその課題があることを認識し、それを受け入れた上で判断をしなければならない、そのための材料を整理した旨の説明がございました。
○中村委員 いろいろ聞いたんですけど、同じような答えが返ってきたんですけれども、本当に、この追加の対策の工事のところが本当に大事だと思っていますので、そこはぜひ今後また議論していただきたいと思っています。
 今、この移転の判断を知事がまだ行ってないのは、十一月に発表された工程表によれば、専門家会議とプロジェクトチームの報告を受けてから判断することになっているからだと思われます。しかし、地下水の汚染で専門家会議がおくれて、プロジェクトチームだけが先に進んでしまっているようになります。専門家会議の先生方もお忙しいと思いますし、拙速であってはいけませんが、この盛り土にかわる対策や地下水の汚染対策などについての議論を丁寧かつ速やかに進めていかなければなりません。その過程やスケジュールをはっきり明示していくことも大切です。
 中央卸売市場の担当者の方々においても、専門家会議の事務局として、そうした点を意識して会議の設定などをしていただいて、知事が総合的な判断ができるようにしていただくように述べまして、質問を終わります。

ユーティリティ

都議会質問内検索

Search

過去ログ