2017/05/30 築地市場の土壌汚染について質問、調査と説明を求める
5月30日、都議会豊洲市場移転問題特別委員会に出席し、築地市場の土壌汚染調査について質問しました。 都が施設の工事を行った際に必要な土壌汚染調査を行ったところ、30地点で5物質が基準を超過したとの結果でした。 豊洲も築地も安全・安心の確保が重要であり、調査結果を受けて、さらに調査をしっかり行い科学的に安全かどうかを冷静に分析し、都民に説明することを強く求めました。
○中村委員 それでは、報告事項である築地市場の土壌調査について質問します。
私たちは、市場移転問題については、食の安全・安心の確保が何より最優先であり、豊洲も築地もどちらも安全・安心が大切なのは当然です。築地市場においても、建物が老朽化しているだけではなく、土壌汚染についても検出されたわけですから、しっかりと調べ、必要な対策を講ずることが必要です。今回の調査結果に対しても、きちんとした対応をすることで、築地市場における安全・安心を確保していくことが重要と考えます。
さて、五月二十五日の築地市場の土壌調査の結果を発表した際に、報道機関や議会に対して、専門家会議の座長である平田健正先生と、事務局の中島誠氏の、肩書のない個人名での連名による見解が出されました。重く受けとめるべき、空気測定を実施する必要がある、ボーリング調査を実施し、詳細に汚染状況を把握する必要があるとしています。まず、この見解はどういう立場からの見解だったのか、伺います。
○白川中央卸売市場事業部長 今回の調査結果についてのコメントは、土壌汚染に関し、専門家の立場として、お話の平田氏、中島氏から連名でいただいているものでございます。
具体的な指摘といたしましては、検出された物質については、水銀は常温でも揮発する物質であり、表層での検出は重く受けとめるべきとされております。また、六価クロム及び鉛は人為的な可能性が考えられ、ヒ素及びフッ素は自然由来で検出される可能性があるとされているところでございます。
都といたしましても、専門家の意見を踏まえ、七月中に、ベンゼンと水銀の地上の空気測定を行ってまいります。
○中村委員 都としての見解ではないようですが、専門家に意見を求め、それを踏まえた対応をするとの趣旨の答弁でした。
発表において、個人名で見解が掲載されていたので、どういう経過でこの方々の見解を掲載したのか、都はどういう考え方かを示し、きちんとした情報公開のあり方をしていただきたいと思います。
さて、今回の調査結果を受けて、築地は安全なのかと不安になる都民も多いかと思います。また、先ほどの他の委員への答弁では、市場業者からは、想定していたとか、風評が心配だとかの声もあったとのことでした。
こうしたことから、科学的にしっかりとした検証を説明する必要があります。仮に安全でないのに営業が継続しているから黙認するということではいけませんし、逆に、安全なのに殊さら騒ぎを大きくして不安を与えてもいけません。そのため、冷静な科学的な知見を持って、さらなる調査を行い、検出された汚染への対応を行い、都民への説明を丁寧に行うことなどが必要になります。
先ほどは、専門家の先生の見解でしたので、改めて、この結果を受けての都の見解はいかがか、伺います。
○白川中央卸売市場事業部長 築地市場の敷地は、コンクリートやアスファルトで舗装されておりまして、土壌に接することはないため安全上の問題はないと考えております。
○中村委員 今、安全上の問題はないとの答弁でした。しかし、そもそも今回の調査は、本来すべき調査ができていなかったことからの調査であり、また、これまで、盛り土がなかったのにあったと議会での答弁をするなど、残念ながら都民の信頼を失っているわけです。
改めて、都政そのものの改革を行う中で信頼回復をしなければ、都民が本当に安心とはいえなくなってしまいます。こういった状況においては、条例で必要な調査だけではなくて、都民が安心できるような調査をしっかりと行っていくことが大切であり、そのことを求めたいと思います。
今後は、先ほど述べた専門家会議の委員の見解を踏まえて、都民への説明も必要になりますが、どのように対応するのか、伺います。
○白川中央卸売市場事業部長 都といたしましても、専門家会議の座長である平田先生の見解を踏まえて、今後、詳細に汚染状況を把握するため、ベンゼンについては六月中を目途に、土壌につきましては十一月中を目途に、ボーリング調査に加えまして地下水の採取をする予定でございます。
また、ベンゼンや水銀といった揮発性の物質につきましては、七月中を目途に、地上の空気測定を実施し、調査結果について専門家の見解とあわせて公表するなど、適切に対応してまいります。
○中村委員 今後の具体的な調査のスケジュールも示されました。営業しながらの調査は大変だとは思いますが、不安な状況のままでというわけにはいきません。
今後、七月とか十一月に調査という答弁ではありましたが、拙速な調査であってはなりませんが、迅速かつ丁寧な調査、対応、説明を行っていただくことが重要です。これは、今、プロジェクトチームの方では、築地再整備の案も検討されているようですが、当然、今後の豊洲への移転の判断そのものにもこれは考慮されなければならないのだろうと危惧を持っています。
プロジェクトチームの報告書の素案については、豊洲に関しては独自の経緯と理由があるということで特別な扱いになっているようですけれども、そういうことではなくて、これは、安全・安心の観点から議論しているわけであって、そこで働く人や、訪れる人、扱われる食べる物の安全・安心が確保されることが重要だと思っています。そのためにも、しっかりとした調査を行うということを求めまして、質問を終わります。
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