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都議会質問記録

2018/03/01 小池知事に高齢者施策、受動喫煙防止、豊洲市場移転など代表質問しました

(実際には質問と答弁をまとめて行っていますが、1問1答に並べ替えています)

○中村:私は、都議会民進党・立憲民主党を代表して、都政の諸課題について質問します。
  まず、知事の基本姿勢について伺います。
  都政に専念すると述べられた小池知事ですが、年末の地方消費税の清算基準の見直しを初め、東京23区の大学の定員抑制など、地方創生に名をかりた政府自民党による東京バッシングは、日本の将来に大きな禍根を残すものと憂慮するものです。
  今、地方創生に必要なことは、東京対地方の構図を殊さらあおるのではなく、国の持っている権限を地方に移譲し、国と地方との税財政制度を抜本的に見直すことで、地方分権を一層進めることにほかなりません。いつまでも国の顔色をうかがうのではなく、自立した地方がそれぞれの地域の課題に自主的に取り組めるようにすることこそ求められているのです。
  小池知事においては、他の道府県や都内自治体などとの問題意識の共有や連携強化に向けて取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
  
○小池知事:中村ひろし議員の代表質問にお答えいたします。
  まず、地方創生と他の自治体との連携についてご質問がございました。
  地方消費税の清算基準の見直しにしろ、大学の定員抑制にしろ、私が懸念しているのは目の前の課題に対して、つじつま合わせではなく、肝心の日本はどうあるべきかという議論が抜け落ちていることに対してでございます。
  地方創生の重要性は論をまちません。そうであるからこそ、この重要な課題の解決に向けて必要なこと、それは東京対その他の地方という安易な構造を構えることではなくて、国民的な議論を幅広く、腰を据えて展開していくことだと考えております。
  東京都は、国の動きに応じましてリーフレット、小冊子を作成したり、シンポジウムを開催したりいたしまして、問題点を明らかにする取り組みを粘り強く進めております。都内の自治体とは、首長同士の懇談会で問題意識を共有して、他の道府県とも全国知事会議などの場を通じて、東京都の意思を明確に伝えて理解の促進に努めているところでございます。
  さらに、2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピック、これらは日本全体を盛り上げ、地方創生にも結びつく貴重な機会でございます。全国各地と連携を強化して、一緒になって具体的な行動を積み重ねる中で、2020年とその後の日本のあり方についても考えてまいりたいと思います。
  国とは、国家戦略特区を初め、東京と日本の持続的な成長に向けた施策をともに推し進める一方、本質を踏まえた議論をさらに強く求めていく所存でございます。

○中村:次に、高齢者施策について伺います。医療の進歩により、人生100年時代が到来します。本来、健康長寿は喜ぶべきことですが、貯蓄や住まいなど、老後破産への不安は尽きません。これはひとえに国民年金だけでは暮らしが成り立たないといった国のセーフティーネットの不備によるものですが、ひとり暮らし高齢者などが圧倒的に多い東京においては、国に先駆けてでも率先して取り組まなければなりません。
  知事は昨年八8月、就任2年目は高齢者問題に取り組むと述べましたが、知事自身のビジョンや方向性は見えず、有識者による超高齢社会における東京のあり方懇談会に委ねられた形です。
  人生100年時代に向けて、介護などの福祉分野だけではない雇用、住宅、医療なども含めた総合的な対策は喫緊の課題であり、早急に全庁的な対応に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○知事:人生100年時代に向けた取り組みについてでございます。
  高齢者人口が多くを占める超高齢社会にありましても、高齢者が抱える健康や雇用、住宅といった不安が払拭されて、全ての世代が生き生きと活躍できる活力ある東京の実現が求められております。
  そのためには、地域包括ケアシステムの構築はもとより、介護予防の取り組みは重要でございます。すなわち、元気な高齢者が仕事や地域活動、あるいは学び直しによって生涯現役として社会と密接にかかわることのできる、その方策をとる必要がございます。
  加えて、空き家の活用といったまちづくりや、ICTの導入などの取り組みも不可欠でございまして、こうした施策を、来年度予算案におきましても可能な限り講じたところでございます。
  今後、専門家による懇談会におきましては、さらに議論を深めていただき、東京におけるこれからの地域のあり方を提言もしていただくこととなっております。
  こうした提言なども踏まえまして、全庁横断的な検討を通じ、引き続き総合的な対策に取り組み、高齢者を初めとした都民一人一人が輝き続けるダイバーシティー東京を実現してまいります。

○中村:内閣府の調査によると、働けるうちはいつまででも働きたいとする高齢者は4割、70歳くらいまで、もしくはそれ以上と合わせると約8割が高い就業意欲を持っています。
  しかし、定年退職後は従来と同じ会社で働きたいという人が約5割であるのに対して、実際に希望どおりの職場で働ける人は約3割にとどまっています。
  高齢者が定年を契機に、新たな分野で生き生きと活躍できるようにしていくためには、企業側の受け入れ体制整備も必要です。都としてしっかりと後押ししていくべきと考えますが、見解を伺います。

○藤田産業労働局長:高齢者の就業支援についてでございますが、元気で意欲のある高齢者が個々の希望や能力に応じて働き続けるためには、受け入れる企業の理解促進を図り、就業の場を拡大していくことが重要であります。
  このため、都は来年度、シニアが活躍している企業の好事例を経済誌等で広く紹介するなど、高齢者の雇用促進に向けた啓発を行いますとともに、合同就職面接会を開催し、企業と高齢者のマッチングを図ってまいります。
  また、シニアインターンとして、高齢者を企業へ派遣する仕組みを新たにつくり、さまざまな仕事を体験して、みずからの可能性を再発見すると同時に、受け入れ側の企業にも高齢者雇用のメリットを実感していただくことで、継続的な雇用に向けた環境づくりを促してまいります。
  こうした取り組みを総合的に展開することで、高齢者の活躍の場を広げてまいります。

○中村:平成28年度、都内における介護職の有効求人倍率は、前年度比0.91ポイントアップの5.86倍。保育士の4.86倍よりも高く、全職種の1.74倍という数値と比較しても、大変な人手不足です。
  都はこれまでも、福祉施設で高齢者が活躍できる仕組みづくりを行う区市町村を支援してきました。福祉の現場からも、社会経験豊富な中高年の採用を歓迎する声が聞かれます。
  経験のない方にも福祉の仕事に関心を持っていただき、この分野に参入していただけるような取り組みをより一層推進すべきと考えますが、見解を伺います。

〇梶原福祉保健局長:福祉職場で高齢者が活躍できる仕組みづくりについてでありますが、都は、高齢者が福祉施設で食事の配膳などのサポート業務を担うための研修を実施いたしますほか、生活支援サービスの担い手や保育所での読み聞かせ等で活躍できる取り組みを行う区市町村を支援しております。
  また、福祉分野に多様な人材を確保するため、福祉人材情報バンクシステムふくむすびを本年1月に開設をいたしまして、登録していただいた福祉職場に関心のある方に、福祉事業者による働きやすい職場づくりの取り組み、職員やボランティアの募集、職場体験の実施などの情報を発信しております。
  来年度は、新たに退職前の従業員等に対して、介護技術に関する研修等を実施する企業を支援し、研修受講生が希望する場合には就職支援を行うなど、高齢者が福祉職場で活躍できる取り組みを進めてまいります。

○中村:次に、子供、子育て支援について伺います。
  私たちがかねてより提案、要望してきたベビーシッターの利用支援について、都においては極めて限定的な国制度に加えて独自の支援も行っており、積極的な施策展開を評価するものです。
  しかしながら、こうした都事業の利用はまだまだ進んでおらず、保育を必要としていながら、保育所に入れず、本当に困っている都民が使えるサービスとして、希望すれば利用できる状況にはなっていません。
  より多くの自治体でベビーシッター利用への支援が行われるよう、対象の拡大、区市町村への支援拡充、サービスの質向上、供給の拡大に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○知事:いわゆるベビーシッターの活用についてのご質問でございます。
  現在、都内42の区市におきましては、家庭的保育者、つまり保育ママが約1,900人の児童を保育しております。また、14の区市におきましては、区市町村が認可する居託訪問型保育事業、いわゆる認可型のベビーシッターを活用いたしました保育を実施しておりまして、都は、利用者が負担する交通費を独自に支援をしているところでございます。
  また、都は、認可外のベビーシッターの利用料の軽減に取り組む三市についても支援を行っております。
  来年度からは、区市町村が認可型のベビーシッターを活用いたしまして、待機児童対策に取り組む場合に、自治体の負担を都が全額支援をいたします。
  また、育児休業の取得などを支援するため、認可外のベビーシッターを利用する場合にも都独自の助成を開始いたします。
  保育者に対しましては、質の確保のため、認可型、そして認可型と同様の研修を実施いたします。
  こうした取り組みによりまして、質、そして量の確保を図って、安心してベビーシッターを利用できる環境を整備してまいります。

○中村:次に、小中学校の給食費等無償化について伺います。
  私たちは、教育は原則として無償であるべきと考え、高校無償化、給付型奨学金の充実など、さまざまな政策を提案、実現してきました。無償の理念を徹底すべき義務教育において、導入すべきと考えているのが給食の無償化です。
  近年、偏った栄養、朝ご飯抜きといった食生活の乱れ、肥満、痩身など、子供の健康課題が深刻になっています。また、食を通じて地域を理解したり、食文化の継承を図るためにも、学校において行われる食育の役割はますます大きくなっています。
  そのためには、栄養教諭制度の実施を初めとした食に関する指導体制の充実に加えて、学校における食育の生きた教材となる学校給食の充実、質向上を図ることも重要です。
  小池知事は、無償化を初めとした小中学校における学校給食について、どのように捉えているのか、知事の見解を伺います。

○知事:公立小中学校におけます学校給食についてでございますが、栄養バランスのとれた学校給食は、子供たちの健やかな成長に資するとともに、生産者の思いやマナーを学ぶ食育の機会ともなり、食に対する正しい理解や望ましい食習慣の形成などにとりましては、重要でございます。
  なお、現在、学校給食費は、法に基づいて保護者の負担とされております。学校給食実施者である区市町村が保護者負担の軽減策なども含めて決定をしていると承知しております。

○中村:次に、医療、保健施策について伺います。
  まず、受動喫煙ゼロ、今定例会に提案予定であった受動喫煙防止条例について申し上げます。
  昨年9月、私の代表質問に小池知事が答弁されたとおり、スモークフリーはもはや世界的な潮流です。1月末からこの間、慎重な物いいが続いており、知事がスモークフリーを放棄したのではないかとの懸念もあります。
  私は、知事として都民の健康を守るためにも、一歩も後退することなく、受動喫煙防止条例を制定すべきと考えます。また、延期の原因となった国に対しては、高い水準で取り組みを進めるよう改めて求める必要があります。
  さらに、知事が明確に答弁された2019年のラグビーワールドカップ日本大会開催までに実効性の高い条例を施行するには、周知や準備に相応の期間が必要です。国への対応や施行時期も含めた条例制定について、スモークフリーを放棄したのか、あわせて知事の見解を伺います。

○小池知事:受動喫煙の防止条例についてでございますが、IOCが唱えますスモークフリーの取り組みは、世界的な潮流でございます。また、WHOとIOCは、たばこのないオリンピックを共同で推進することに合意をしております。
  都は、都民の健康増進の観点から、また、オリンピック・パラリンピックのホストシティーとして、受動喫煙防止対策を一層推進していく必要がございます。
  これまで国に対しましては、受動喫煙防止対策を強化するための法律を早期に整備するように繰り返し求めてまいりました。現在、国において健康増進法改正に向けた議論がされているところでございますが、ぜひとも実効性のある法律を制定していただきたいと存じます。
  都は今後、法律との整合を図りながら、区市町村とも連携協力してオリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市にふさわしい実効性のある条例案を検討してまいります。

○中村:都が昨年9月に発表した受動喫煙防止条例の基本的な考え方には異論も多くありました。それでも私たちは、都民の健康を守るため、条例の早期制定を求め、あわせて区市町村との連携や店舗などへの支援強化、禁煙支援など受動喫煙を減らす総合的施策を一貫して求めてきました。
  また、九月議会でも、東京都みずから率先してできる都立施設や都立公園などにおける受動喫煙防止の徹底について、一日も早く決断、実行されるよう求めました。条例提案の延期にかかわらず、これら受動喫煙防止対策を強化、推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○知事:受動喫煙防止のための取り組みについてでございます。
  都は、東京都がん対策推進計画に基づいて、喫煙率の減少と受動喫煙防止に向けた取り組みを推進しております。現在改定中の計画におきましては、条例の制定、施行に向けた取り組みを盛り込んで、来年度は、飲食店や事業者等に対しまして、受動喫煙防止に向けたアドバイスや相談を実施する。区市町村に対しましても実施に向けた支援を行うこととしております。
  また、都民の憩いの場でもあります都立公園では、引き続き、妊娠中の女性や子供の周囲では喫煙しないよう呼びかけるなど、利用者のマナー向上に努めてまいります。
  そして、都の全ての職場におきましては、4月1日から建物内の禁煙を徹底することを基本といたしまして、全庁で準備を進めており、今後、受動喫煙防止対策の取り組みを一層推進してまいります。

○中村:次に、国民健康保険について伺います。
  国民健康保険は、加入者の年齢が高い、医療費水準が高い、低所得者が多い、区市町村単位のため財政基盤が弱いといった構造的な課題がありましたが、制度改正により、今後は、国民健康保険財政については都道府県が中心的役割を果たし、対処していくことになります。
  12月の本会議討論でも求めたとおり、私は新制度への移行によって、区市町村及び被保険者に過大な負担が生じないよう、都としても激変緩和措置を実施するとともに、特定保健指導や健診、検診など、予防、早期発見、重症化防止、さらには健康増進などへの支援をより一層強化すべきと考えますが、見解を伺います。

〇福祉保健局長:次に、国保制度改革についてでありますが、新制度における納付金の仕組みでは、医療費水準や所得水準が高い区市町村の保険料が上昇する場合があるため、国が追加で負担する公費と都道府県の繰入金の一部を活用して、激変緩和措置を行うこととされました。
  都の繰入金をこの措置に用いますと、その分、区市町村への交付額が減少することから、都独自の財政支援として、激変緩和措置に用いた額と同額を支援いたします。
  また、区市町村が被保険者の健康の保持増進を図り、医療費の伸びを抑制できるよう、国の保険者努力支援制度の交付金や都の繰入金を活用しまして、特定健診、特定保健指導の実施率等に応じた支援を行うほか、区市町村による糖尿病の重症化予防の取り組みを推進するため、都独自の予防プログラムを作成してまいります。


○中村:次に、雇用、産業施策について伺います。
  私は、2014年6月の代表質問において、有期労働契約の無期転換ルールの周知徹底を初め、非正規の正社員化の推進を求めてきましたが、いよいよ今年4月から無期転換ルールがスタートします。
  しかし、当時から危惧されていたとおり、無期転換の権利が取得できる5年を前に雇いどめに遭う非正規労働者も少なくありません。都においては、特にパート、契約社員など、労働者の特性に合わせた周知徹底が必要です。
  また、都は、正規雇用等転換促進事業を創設し、平成27年度から3年間で1万5千人の計画を超える正規雇用化を実現させていますが、今年度は予算を上回る申請があったと聞いており、より多くの人たちが正規雇用に転換できるよう取り組んでいくべきです。
  そこで、私は、無期転換ルールの開始に向けた周知徹底を求めるとともに、非正規労働者の正規雇用化に積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

 

○産業労働局長:次に、非正規雇用対策についてでございますが、有期労働契約の無期転換ルールへの対応に向け、都は、平成24年の法改正直後から、啓発資料の配布や街頭労働相談の実施等、さまざまな場面で制度の周知に積極的に取り組んできたところでございます。
  本年4月からの本格化を目前に控え、今月にはパートや契約社員向けセミナーのほか、東京労働局と連携した特別電話相談会を開催するなど、啓発をさらに強化してまいります。
  また、非正規労働者の正規雇用化につきましては、都独自の助成事業により、社内での正社員転換を促進しており、今年度も計画を大幅に上回る見込みとなっております。
  企業の人手不足を背景に正社員化の動きが活発化していることから、来年度は、計画的な育成に取り組む企業への助成制度を創設し、正規雇用に転換した従業員が安心して働き続けられる職場環境の整備を後押ししてまいります。

○中村:次に、働き方改革についてです。
  安倍政権は、裁量労働制の拡大を撤回しましたが、長時間労働を是認するような働き方改革には反対です。
  一方、現在、東京都においても、働き方改革を宣言した企業に対して助成金を支給するなどしていますが、肝心なのは、長時間労働の是正、賃金上昇につながる生産性向上など、実態を伴う改革の実行です。働き方改革が、生産性が高まらないままで残業代を減らすための道具になってはならないのです。
  長時間労働の是正や生産性向上など、働き方改革の推進に向けて、知事の見解を伺います。

○知事:働き方についてのご質問でございます。
  働く方のライフワークバランスや企業の生産性の向上につながる働き方改革は、東京の持続的な成長を実現する鍵でございます。都もみずから昨年11月に、私を筆頭といたしまして、特別職、全局長、都庁働き方改革宣言を行っております。各組織のトップの強いリーダーシップによって、全ての職員が生き生きと働ける、生産性の高い都庁の実現に向けて取り組んでいるところでございます。
  企業の取り組みにつきましても、都の宣言企業制度によりまして、着実に推進しておりまして、今年度も宣言企業は1千社に達する見込みでございます。本事業の実効性を高めるため、社会保険労務士などが全ての宣言企業を巡回して助言を行うほか、生産性の向上に取り組む企業へのコンサルティングも行っております。
  また、宣言企業を集めた交流会を開催いたしまして、互いに情報交換を行うことによって、改革に向けたさらなる取り組み意欲を喚起しているところでございます。
  さらに、働き方改革の意義をわかりやすく伝えるPR動画を作成いたしまして、渋谷のスクランブル交差点の大型ビジョンやトレインチャンネルなどを活用して、広く都民に発信をしているところでございます。
  こうした取り組みにより、社会全体に改革の輪をさらに広げていって、東京から大きなムーブメントを先導してまいります。

○中村:次に、中小企業の振興についてです。
  アベノミクスから既に5年がたちましたが、中小企業の多くが景気回復を実感できないといわれています。知事は施政方針で、中小企業の振興に関するビジョンを新たに策定すると述べましたが、経済のグローバル化や第4次産業革命など、環境が劇的に変化をする中で、東京の経済を支えている中小企業が飛躍、発展できるよう、将来を見据えた大胆な支援策が求められています。
  一方、中小企業の振興に向けては、既に44の道府県で制定されている基本条例の制定について、都内中小企業団体から、毎年のように要望が出されているところです。
  そこで、私は、新たなビジョンの策定に当たっては、中小企業振興基本条例の制定も含め、将来を見据えた大胆な支援策を盛り込んでいくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○知事:中小企業の振興に係るビジョンについてでございますが、ご存じのように、都内の企業数の99%を占める中小企業でございます。東京の経済や雇用を支える重要な役割を担っています。
  中小企業を取り巻く環境は急速に変化を遂げておりまして、現在のグローバル化やIT技術などの進展によって、産業構造の大きな転換も予想されます。
  東京2020大会後の2025年をピークに、東京の人口は減少することが見込まれており、今後の働き手の不足は大きな課題ともなります。こうした変化に的確に対応いたしまして、中小企業への支援を計画的に進めるための新しいビジョンを2019年からおおむね10年間を対象として策定をいたします。
  先月立ち上げました有識者会議におきましては、中小企業の業界や働き手の実情に詳しい団体のほか、経営者や研究者を交えて議論を開始いたしております。
  今後の有識者会議におきまして議論を重ねながら、来年1月にはビジョンを取りまとめて、これに基づいて中小企業の振興に取り組んでいく所存でございます。

○中村:最後に、市場問題について伺います。
  2月17日、小池知事は、築地市場の業界団体との意見交換の場において、安全宣言をする旨述べたと報じられましたが、さきの施政方針では、何ら言及がなかったことは残念でなりません。
  この間、私たちは、豊洲市場での追加対策が着実に実施をされ、その効果が確認された段階で、知事の責任において安全宣言がなされることを強く求めてきました。今後も豊洲市場で環境基準を超える検出の可能性のある中で、専門家がいっているなどの責任転嫁ではなく、確実に知事の責任において安全宣言をすべきと考えます。
  また、小池知事は、私たちの質問に、農林水産大臣の認可手続などの一連のステップを経て、しかるべき段階で安全・安心について発信すると答弁していましたが、私は農水大臣に責任転嫁するのではなく、認可申請前に安全宣言すべきと考えます。宣言の時期について、あわせて見解を伺います。

○小池知事:豊洲市場の安全宣言についてのご質問でございます。
  豊洲市場用地の法的、科学的な安全性は、専門家会議でも確認されております。
  現在、同会議の提言に基づいて、さらなる追加対策工事を進めておりまして、これを着実に実施をすることで、さらなる安全性の向上を図っていくところでございます。
  また、追加対策工事の完了後は、専門家会議による対策の有効性を確認していただき、農林水産大臣の認可手続を進めていく、このような手続となっております。
  食の安全・安心について都民の理解を得るために、こうした一連のステップを着実に進めて、手続面も含めた条件が整った段階で、安全・安心な市場であることについての発信をしてまいります。
 

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