2019/11/22 決算委員会で会派を代表して意見を述べました
11月22日、都議会で決算特別委員会に出席し 、会派を代表して意見を述べました。前週までで質疑を終えたので、本日は各会派から意見表明が行われました。これまでの質疑で判明した事実への指摘や今後の対応などを中心に主張しました。各議員が述べた意見は、委員会としての報告書としてまとめられ、本会議での採決後、知事に出されます。
平成30年度各会計決算特別委員会意見開陳
私は、都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、平成30年度各会計決算について意見開陳を行います。
平成30年度一般会計予算について、私たちは、補正予算(第3号)について反対しました。その理由は、築地市場跡地の有償所管換えについて、小池知事が、十分に説明責任を果たしていないことでした。併せて、知事の公約を信じて期待した都民、仲卸の人たちに対して、謝罪をしないなど、知事の不誠実な対応もあったからです。
補正予算の採決後、築地まちづくり方針が正式に策定され、その段階で、都議会の付帯決議であった「食文化の拠点」という方針がより明確になりました。私たちは、まだまだ課題は残るにせよ、7兆2348億円という一般会計決算全体を見た場合、これだけをもって不認定にするには至らないと考えています。
しかしながら、築地のまちづくり、知事のAI発言に象徴される政策決定過程の不透明さ、とりわけ知事自身が不都合な課題に対しての説明不足もまだまだ散見されます。
今後、都民との信頼構築を図る観点から、都政全般について、より一層の透明化、説明責任の徹底に取り組まれることを改めて強く求めておきます。
併せて、決算資料においても、予算の審議で示された資料を基に決算数字や事業の成果を書き込むなど、分かりやすい資料づくりを求めるものです。
以上、総括的な意見を述べ、以下、各局別事項について、意見を申し上げます。
まず、政策企画局関係について
一 新たな長期計画の策定にあたっては、現行ビジョンや実行プランで示した数値目標等の進捗状況を総括するとともに、その結果を公表し、都民に対する説明責任を果たすこと。また、ポスト・オリンピックの景気や人口動態など、厳しい将来予測であっても、しっかりと踏まえて策定すること。
次に、都民安全推進本部関係について
一 振り込め詐欺をはじめ、架空投資などの振り込め類似詐欺の被害防止に向けて、普及啓発事業や取り締まりを強化すること。
次に、戦略政策推進本部関係について
一 society5.0の実現に向けた取組みにおいては、稼ぐ力の強化に確実につながるよう、費用対効果を見極めた取組みを推進すること。
次に、総務局関係について
一 組織再編については、スクラップアンドビルドを原則とし、行政のスリム化に逆行した都庁組織の肥大化につながらないよう、十分留意すること。
一 監理団体への特命随意契約については、その事業効果や効率性・妥当性を厳しく検証し、一般競争入札の導入を進めること。
次に、財務局関係について
一 超高齢社会の到来による社会保障関係費や社会資本ストックの維持・更新経費の増加等の歳出に関する見通しに対応する、基金の目標残高や財源、歳出削減なども含む中長期の財政計画・財政見通しを明らかにすること。
次に、生活文化局関係について
一 成人年齢の引き下げで高校3年生も18歳になると成人になり、契約を取り消すことができなくなったことから、悪質商法の被害に遭わないよう、消費者教育、啓発活動を強化すること。
一 戦後74年を経過し、東京都平和の日や東京大空襲を知らない都民も増えたことから、平和の日式典だけでなく、日常的に平和そのものへの取組みを強化すること。
一 私立学校の財務情報の公開、教職員の身分が安定し賃金が向上する仕組みについて検討すること。
次に、オリンピック・パラリンピック準備局関係について
一 東京2020大会の準備については、大会組織委員会等との緊密な連携を図り、遅滞なく進めること。加えて、各局との協力体制を強化し、都の関連支出が大会終了後にも都民生活に資するよう取組むこと。
また、共同実施事業の契約情報の公開を進めるとともに、組織委員会の資料の保存についても取り組むこと。
一 東京都スポーツ推進総合計画に掲げる、スポーツ実施率の目標達成に向けて、身近なスポーツの場の確保・整備を積極的に推進すること。
次に、都市整備局関係について
一 耐震改修促進計画の目標達成に向け、昭和56年以前の木造住宅、マンション、緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断・耐震改修を促進するため、より一層の支援を行うこと。
一 ブロック塀の倒壊対策は急務であり、補助対象の拡大、通学路沿道の耐震を義務化するなど、安全確保を促進すること。
一 雨水流出抑制事業は、自治体により取組みに温度差があるため、都の支援を拡大し、より一層取組みを推進すること。
一 鉄道駅と周辺のバリアフリー化、ホームドア設置をより一層促進するため、助成対象の拡充等を迅速に行うこと。
一 築地のまちづくりについては、引き続き、都民や関係者等の理解と納得を得られるよう、説明責任を果たすこと。
次に、住宅政策本部関係について
一 家賃補助など都が直接住宅を建設する以外の方法での支援策拡充、都営住宅のコスト計算など、低所得かつ住宅に困窮する都民の多くに対して平等な住宅政策の構築に向けて取組むこと。
一 地域の居住支援協議会設置促進、運営充実に取組むこと。
次に、環境局関係について
一 住宅の省エネルギー化については、建材や設備等の価格低下にもつながるよう、競争性を担保できる形で推進すること。また、より多くの方が東京ゼロエミ住宅を建築できるよう取組むこと。
一 クールスポットによる暑熱環境の改善について、面的な対策もあわせて推進すること。また、近年の災害級の暑さに対し、人工排熱の低減や樹木による緑陰増加など、地球温暖化の緩和やCO2 削減にもなる対策、風の道や緑地・水面の確保などヒートアイランド現象の緩和対策を積極的に進めること。
一 廃棄物の3R施策を推進し、最終処分量を削減するとともに、食品ロスの半減など、資源消費の無駄をなくす取組みを推進すること。
次に、福祉保健局関係について
一 待機児童0を早期に実現するため、潜在的需要をしっかりと把握し必要とする都民が利用できるよう保育所整備を支援すること。
一 子ども食堂については、幅広い支援を行う貧困対策を包含した子どもの居場所づくりが進むよう、より積極的に支援すること。
一 介護離職ゼロの実現に向けて、介護施策の面から特別養護老人ホームやグループホームなどの介護基盤整備、介護人材確保を進めること。
一 ホームレス自立支援を推進するため、夜の実態調査を行って正確な人数を把握し、支援策の規模や長期化・高齢化などに対応した手法の充実に向けて検討すること。
一 中国帰国者等の援護については、二世・三世の支援を継続すること。
一 ひきこもり対策については、これまでの福祉保健分野における対応実績を活かし、中間的就労を含む居場所づくりなど地域と協働した相談支援体制が、都内どの自治体に住んでいても年齢制限なく受けられるよう、早急に取組みを進めること。
一 青年・成人障害者の余暇活動の充実を図る居場所づくりをより一層支援すること。また、就労中の障害福祉サービス利用について、国の対応をまたず早急に改善すること。
次に、産業労働局関係について
一 介護離職ゼロを実現するため、介護休暇の日数を増やし有給とするなど、労働者の使い勝手を良くし、企業の負担を軽減するための助成制度を確立すること。
一 就職氷河期世代、ロスジェネのひとり1人に寄り添った多様な就労支援を拡充すること。
一 障害者雇用について、勤続年数が長い方の特徴や定着率の高い企業の取組も参考にしながら、更なる促進と定着率の向上に取組むこと。
次に、建設局関係について
一 豪雨対策として、中小河川の護岸や調節池の整備を早急に進めること。
一 幹線道路ネットワークの整備推進のため、都市の骨格を形成する幹線道路や地域幹線道路の整備を進めること。
次に、港湾局関係について
一 災害に強い東京港を実現するために、水門や排水機場、防潮堤などの海岸保全施設の耐震対策等を推進すること。
一 船舶の大型化や貨物の増加への対応、大型クルーズ客船に対応可能な埠頭整備を進めるとともに、客船誘致への取組みを強化すること。
次に、教育庁関係について
一 勤務実態調査の結果を踏まえ、教員と生徒が向き合う時間を確保するとともに、とりわけ負担の重い副校長の多忙解消についても早急に取組むこと。
一 いじめ、体罰から子どもを守るため、スクルカウンセラーならびにスクールソーシャルワーカーの配置時間数を増やすこと。メンタルヘルスについて、ひとり1人の状況に応じた支援ができるよう、教員の資質向上や関係機関との連携を進めること。
一 メディア・リテラシーを高め、ネット情報やSNSを正しく活用できるようにするための教育に取組むこと。
一 災害時に避難所となる学校におけるバリアフリー化を推進すること。
次に、警視庁関係について
一 危機に強い都市を実現するため、官民パートナーシップの構築を進めるなど、テロ対策に万全を期すること。また、中小企業に対する危機管理対策に取り組むこと。
次に、消防庁関係について
一 救急活動体制の充実強化のために、救急車の大幅な増車や特殊機動部隊の増強を図るとともに、ビッグデータを活用した救急隊の効果的な配置と運用を図ること。
以上で、意見の開陳を終わります。
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