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都議会質問記録

2013/10/24 築地市場の移転、調布飛行場について質問しました

2013年10月24日、中央卸売市場に公設市場の役割と築地市場移転について、港湾局に調布飛行場、臨海副都心の開発等について質問しました。

1 中央卸売市場への質問

○中村委員 それでは、中央卸売市場の事務事業について質問します。
  市場は取引の適正化や流通の円滑化を図り、都民の消費生活の安定に資することを目的にしています。しかし昨今では、大手量販店の拡大やインターネットの発達により、市場外の流通もふえてきました。消費者の立場からすると、安くて便利ということなのかもしれませんが、よい品質の食料品が適正な価格で販売され続けるかということを考えると、やはり市場の役割は大変重要になります。消費者が安全なものを安く手に入れることは大切ですが、市場がその機能を発揮するには、生産者や卸売業者などの事業も成り立っていかなければなりません。
  そこで、改めて公設市場が果たしている役割を伺います。

○日浦市場政策担当部長 生鮮食料品等は生産段階で天候等の影響を受けやすく、供給が不安定でございますが、中央卸売市場は年間を通して全国各地から多種多様な品目を大量に集荷することができ、量販店であっても単独では仕入れが困難な多様な品ぞろえを実現しております。
  また、卸売市場では,競り売り等で取引されることで公正な価格が形成され、衛生管理の徹底や品質の保持を図ることができる施設内で新鮮で安全・安心な商品が適切に取り扱われ、小売業者さん等へ迅速に分荷、販売されております。
  出荷者さんの方にとりましても、市場へ大量に輸送することで流通経費の削減が図られるほか、即日払いの原則や代払い制度によりまして確実な取引の決済が行われ、安心して出荷することができます。
  市場がこうした役割を果たしていることから、流通チャネルが多元化している今日であってもなお、日本全国、世界中から多様で豊富な生鮮食料品等が集まり、適正な価格で日々安定的に流通することによりまして消費者が安心して購入できるなど、卸売市場は社会的インフラとして重要な役割を果たしております。

○中村委員 公設市場の役割について、大変重要だということでお答えいただいたわけです。ただ、そうはいっても、市場での取引数量が減少して、取引金額も減少しています。市場は公営企業会計として使用料収入によって賄われていますが、使用料は取引金額が反映されるため、取引金額の減少により使用料収入も減少することになります。事業者の経営状況などを考えると、使用料の改定も状況に応じて行ってきてはいるようですが、これを過度に上げることもできないため、そうなると経営努力ということが必要になります。
  そこで、市場経営における財政状況改善のための取り組みと、今後の使用料についてどのように考えているのか伺います。

○飯田財政調整担当部長 中央卸売市場会計は独立採算の公営企業会計であり、これまでも人員削減や企業債の繰り上げ償還等のコスト縮減に取り組むとともに、市場用地貸付等の資産の有効活用を図るなど、不断の努力で経常収支の黒字を確保してきております。
  もとより、市場会計の健全性の維持には、市場が活性化し、市場業者の取扱数量、売り上げが拡大し、より発展していくことも重要であると考えております。
  現在、市場の活性化を図るものとして、市場業者と開設者である都が一体となって、集荷力や販売力の強化など経営戦略的な視点から、それぞれの市場の特色、特性を生かした取り組みを行っているところでございます。
  今後の市場使用料につきましては、これまでと同様に、行政においてコスト縮減に努めるとともに、その時々の市場会計の収支状況、市場業者の経営状況等を踏まえ、適切に対応してまいります。

○中村委員 いろいろご努力をいただいているということですけれども、なかなかコスト削減の努力だけでは難しいところもあるでしょうから、やはり売り上げが拡大していくということがいいと思いますので、そういった努力の方は事業者さんと一緒になって取り組んでいただきたいと思います。
  さて、市場の取り組みですが、築地市場の移転については注目されていますが、豊洲以外の市場の整備ということもあるかと思いますが、どうなっているでしょうか。今後、コールドチェーンシステムの確立を初めとしたさまざまなニーズへの対応も必要になりますが、これは、整備事業には国庫からの補助もあるとはいえ、今後の財政の見通しをどのように見ているのでしょうか。整備事業は使用料にどうはね返るかも含めてお答えを願います。

○日浦市場政策担当部長 都は、それぞれ特色を有する十一の中央卸売市場を開設しており、第九次整備計画に基づいて着実に整備を進めております。具体的には、平成二十四年度は、淀橋市場におきまして仲卸業者売り場棟の建設、大田市場におきましては第四荷さばき場建てかえなどを行いました。これらの整備によりまして、単なる老朽施設の更新にとどまらず、物流の改善や品質管理の向上などの機能強化を図っております。
  このように市場会計の中長期的な財政面への影響や収支状況を考慮しつつ、市場施設の整備を行っております。

○中村委員 財政状況の見通し等でいろいろと計画的にやっていただいていると思いますので、いっときにやると使用料等、いろいろとはね返って大変なこともありますから、ぜひとも、そういったことを長期的に見通しながら進めていただきたいと思います。
  次に、地方卸売市場について伺います。
  地方卸売市場は、とりわけ多摩地域の流通において大きな役割を果たしていますが、全体の数値で見ると、水産物と花きの落ち込みが激しくなっています。かつては三鷹市にあった市場も、国立市にある市場に統合されてなくなりました。
  仮に、こうした動きが続くと地域には大きな影響が出るのですが、どう対応しているのでしょうか。都は、地方卸売市場にも支援を行っていますが、とりわけ多摩地域の生活を支える、この地方卸売市場への取り組みについて伺います。

○野口事業部長 多摩地区には、現在、青果四市場、水産三市場、花き四市場、計十一の地方卸売市場があり、生鮮食料品等の集配拠点として地域の実情に応じた運営が行われ、生鮮食料品等の安定供給に大きく寄与しております。
  しかしながら、卸売市場を取り巻く状況は、産地である出荷団体の大型化による出荷先の絞り込み、一方、小売側では専門小売店が急速に減少し、食料品スーパーが主流となるなど厳しい経営環境に置かれており,多摩地域における地方卸市場も例外ではございません。特に地方卸売市場の水産物や花きを取り扱う市場におきましては、経営規模が小さく、効率的な集荷や、量販店やスーパーへの対応など、近年の流通環境の変化に十分に対応できていないことが取扱量を下げる要因となっております。
  一方、青果物を扱っておりました三鷹地方卸売市場につきましては、国立地方卸売市場に保冷施設を整備し、物流機能を高度化するなど、産地や小売のニーズに応えた機能強化を図り、移転統合を行った後も、取扱量は高い水準が維持され、地域への商品供給も支障なく行われております。
  こうした状況を踏まえ、都といたしましては、品質衛生管理や施設整備の補助のほか、巡回指導を通じた経営改善指導や地域特性を生かした取り組みなど、地方卸売市場の活性化を進めるための支援を今後とも積極的に行っていく方針でございます。

○中村委員 国は平成二十二年に卸売市場方針を定めて、それを受けて、都は平成二十四年、第九次東京都卸売市場整備計画を策定しました。
  その冒頭には岐路に立つ卸売市場と銘打っているのですが、なかなか具体的な方向性について、はっきりと読み取れません。国の方針では市場の適正な配置を求めていますが、地域によって状況は違いますし、統合を進めるとその近くの流通状況に大きな影響を与えかねません。都はどのように考えているのでしょうか。
  とりわけ多摩地域は地方卸売市場が多く、唯一、多摩ニュータウン市場もあるのですが、以前から今後のあり方が検討されているようですけれども、どのようなことが検討されているのか伺います。

○日浦市場政策担当部長 東京都の十一の中央卸売市場は、首都圏の基幹的な役割を担っている市場や地域のニーズに対応した役割を担っている市場など、それぞれ特色を有しております。
  第九次東京都卸売市場整備計画では、都は、それぞれの市場が持つ特徴や強みなどを生かしながら、整備運営を行うとともに、卸売市場全体のネットワークによる総合力を強化することとしております。
  多摩ニュータウン市場は多摩地域における唯一の中央卸売市場であり、多摩地域の地方卸売市場とネットワークを形成し、相互に補完することによりまして、多摩地域の生鮮食料品流通を支えている市場でございます。
  取扱量はこれまで減少傾向でございましたが、平成二十四年は前年比で約一七%増加しているという状況もございまして、今後のあり方については、取扱量の推移などの客観的なデータにより、生鮮食料品流通の状況や取引状況等を見ながら検討してまいります。

○中村委員 二十四年度は一七%増加ということでかなり数字が上がっていますから、努力をしていただいているんだと思います。今後もこういったご努力を続けていただければと思います。
  最後に、豊洲新市場について伺います。
  豊洲新市場においては土壌汚染対策が進められています。都議会民主党はこれまで、食の安全を求めて、土壌汚染処理を求めてきました。当初の予定から開場を一年おくらせたわけですから、汚染処理についてはしっかりと行っていただきたいと思います。
  そこで、汚染処理の進捗状況について伺います。
  また、十月三日に開催された土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会で、豊洲新市場について、建物は二〇一六年三月末までに完成させるが業務開始時期は未定と明らかにしたとの話が出たと聞いています。具体的に開始時期をどのように見ているのか伺います。また、築地からの引っ越しの期間については、使用料をどのように扱うのかあわせて伺います。

○志村新市場整備部長 豊洲新市場における土壌汚染対策の進捗状況でございますが、三街区のうち、五街区及び七街区におきましては、本年九月末現在、操業に由来する汚染対策を実施する区画のうち、土壌及び地下水ともに約九割で対策を完了しており、対策が完了した箇所から液状化対策や盛り土を進めているところでございます。
  六街区におきましては、既に仮設土壌処理プラントを敷地の東端に移設をいたしまして、敷地の西側から操業地盤面以下の対策を鋭意進めるとともに、移設したプラント跡地の対策に着手してございます。
  今後、土壌及び地下水におけるガス工場操業に由来する汚染の対策が完了したことについて、客観的データをもとに技術会議において確認した後、施設建設のくい打ち工事に着手し、平成二十七年度中の施設の竣工に向け、整備を進めてまいります。
  そして、施設の竣工後は速やかな開場を目指し、市場業者や関係団体と調整した上、具体的な時期を確定してまいります。
  なお、築地市場から豊洲新市場への引っ越しの期間における使用料の取り扱いにつきましては、過去の事例なども参考に検討してまいります。

○中村委員 市場の役割として食の安全というのは何より大切なことですから、この点についてはしっかりとしていただきたいということを申し述べて、質問を終わります。

2 港湾局への質問

○中村委員 港湾局の事務事業について質問します。
  初めに、調布飛行場について伺います。
  調布飛行場は、私の地元の三鷹市を初め、府中市、調布市の三市にまたがる飛行場で、本土と大島、新島、神津島を結ぶ航空路は島民生活を支える交通インフラの重要な拠点となっています。この飛行場で、今年度、島しょ航空路線に計器飛行方式が導入され、来年度からは三宅島航空路も新設されることになっています。
  島しょ振興につながることは喜ばしいことですが、一方では、調布飛行場の周辺住民にとっては安全や騒音などの環境についての心配もあり、地元周辺地域への配慮が大切です。住宅街にある飛行場なので、都と地元三市がその利用について協定を結び、運営されてきました。
  既に、以前から島の側では計器飛行の方式が導入されていましたが、調布飛行場の側で導入されてこなかったのは、安全面への懸念だけではなくて、島しょ航空路線以外の利用拡大につながることへの懸念もあったんだろうと思います。
  今回、三宅島の航空路線が羽田から調布に移ることも契機となり、島しょ航空路線限定ですが、初めて計器飛行方式が導入されることになりました。私も三鷹市で開催された住民への説明会に参加をして地域の方の意見を聞かせていただきましたが、そうした経過も踏まえて導入になりました。
  そこで、計器飛行方式が導入されてから飛行回数がふえたと思いますが、その安全面について、大丈夫なのか伺いたいと思います。

○小幡島しょ・小笠原空港整備担当部長 計器飛行方式は、六月十八日から運用を開始して、開始から九月末までの三カ月半で九十七回ございました。
  現在、都では、騒音対策として住宅防音工事補助等を実施しておりますが、実施に当たりましては、地元三市との協定で定められている年間飛行回数の上限、二万三千回の飛行があるものとして実施しております。現状の飛行回数は年間一万五、六千回程度であるため、計器飛行方式による増加分を加えても、飛行回数は十分協定の範囲内となります。
  安全面に関しては、毎月開催される運航担当者会議等におきまして、運航の基本手順等の徹底を図るとともに、都独自の取り組みとして、事業者を対象に安全啓発講習会を開催するなどして対策に努めてきており、引き続き、さらなる安全確保に万全を期してまいります。

○中村委員 計器飛行方式の導入による騒音への問題は生じないということですが、引き続き充実した騒音対策を継続するとともに、安全にも十分配慮していただくことを求めます。
  今回、就航率が上がったためだとは思うんですけれども、最近、小型の飛行機が上空を飛んでいるのがふえたような気もします。計器飛行の導入によって航路が変わることもあるでしょうし、そういったことでまた違った影響も出ると思いますので、十分そういったことも現状把握をしていただきたいというふうに思います。
  さて、次に、新ターミナルビルについて伺います。
  ことし四月から新ターミナルビルが供用開始になり、私も完成記念式典に列席しました。広く、明るく、開放的な施設となり、喜ばしいことです。
  新ターミナルビルは地元にも親しまれる施設にしたということのようですが、具体的にはどのような考え方で整備をしたのか伺います。

○小幡島しょ・小笠原空港整備担当部長 新ターミナルビルは、ガラス張りで、白を基調にすっきりとしたデザインで仕上げ、旧ターミナルの約三倍の広さを確保いたしました。
  建物内には広いロビーと展望デッキなどを備えたほか、地元にも親しまれるよう、多目的に利用できるユーティリティースペースを設け、地域コミュニティの場としても活用できるものといたしました。
  また、防災等会議室も設け、地域の学校の社会科見学や飛行場に関係のある地域の会議などの際にも利用できるようにいたしました。
  最近では、ユーティリティースペースでくつろぐ方々もふえてきており、地元にも親しまれる施設として徐々に地域に浸透してきております。

○中村委員 ユーティリティースペースが地域の人々が集える場所として大いに利用されることは、調布飛行場を通して島しょ振興について理解する人をふやすことにもつながると考えます。地域に役立つ施設として、地元に活用していただきたいと思います。
  ただ、交通が不便な地域ですので、今後は地元自治体とも協力しながら、交通の利便性の向上ということも図っていただきたいというふうに思っています。
  次に、調布の飛行場まつりについて伺います。
  今年度の調布飛行場まつりは、台風二十六号による大島の土砂災害の影響のこともあり、残念ながら中止になりましたが、被害の状況を鑑みると、それは妥当な判断ではなかったのかと思います。
  この祭りの目的の一つは、飛行場への地元理解の促進もあると認識していますが、最近では、来場する車のナンバーを見ていると、どうもかなり遠くからも多くの飛行機ファンが訪れる一大イベントになっているようで、地元の町会はむしろ出店側になっていて、来客者をもてなしています。
  地域としても来客者をこういうふうに迎えているわけですが、祭り本来の原点である島しょと地元地域の交流ということがきちんとなされているのかどうか伺います。

○小幡島しょ・小笠原空港整備担当部長 飛行場まつりは、理事ご指摘のとおり、調布飛行場への周辺住民の理解促進や、多摩地域と島しょの交流促進等を目的として開催しております。今では、来場者数が二万五千人を数えるなど、地域でも指折りの大きなイベントと位置づけられるまでになってまいりました。
  祭りでは、島しょと地元地域の交流を図るために、特産品の展示即売やステージでの芸の披露を実施してきており、今年度は中止となりましたけれども、実施されれば、展示即売については四十八店中、島側、地元町会等合わせて十九店の出店が予定されておりました。ステージにつきましても、十五の出し物のうち、十が島と地元三市からの出し物の予定でございました。
  このように、十分島と地元との交流を深めてきており、今後とも、この祭りを通じて相互理解を深めてまいります。

○中村委員 調布飛行場まつりには、私も毎年出かけておりまして、その盛況ぶりは近年、目覚ましいものがあります。ぜひ地元や島しょの人々がより一層交流できるような祭りになるようにしていただきたいと思います。
  今現在、大島の方は大変な状況ですから、東京都としても全力で支援していただきたいと思いますし、そういった状況もありますけれども、ぜひ来年にはきちんと開けるような状況になっていることを心から願うものでもございます。
  この質問の最後ですが、調布飛行場の災害時の役割について伺いたいと思います。
  調布飛行場は防災拠点に位置づけられていると思いますが、いざ災害が発生したときには、この調布飛行場がどういう役割を果たすのか伺います。

○小幡島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場は、東京都地域防災計画で輸送拠点として位置づけられておりまして、広域緊急援助隊や緊急消防援助隊等の活動拠点としての役割を担っております。
  具体的には、都内で地震等大規模な災害が発生した場合や、調布飛行場周辺で大規模な事故が発生した場合には、全国からこれらの援助隊等のヘリが飛来し、救援活動を指揮したり、隊員が待機する場所となります。

○中村委員 震災など大規模な災害が発生した際には救助隊が集結し、また、救援物資も運ばれてくると予想され、地域にとっても心強く思います。
  調布飛行場は、島しょと多摩を結ぶ大切なコミューター空港と位置づけられているのみならず、災害の際にも、地域だけではなく東京全体にとって重要な機能を持つ施設であるということです。だからこそ、こうした重要な施設のある周辺の地域への配慮を忘れず、調布飛行場を有効に活用していただきたいと思います。
  次に、東京オリンピック・パラリンピックの開催と晴海臨海副都心の開発について伺います。
  二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まりましたが、コンパクトオリンピックということで、臨海部で多くの競技が行われ、また、施設も整備されます。既定のまちづくり計画の見直しが必要になる部分も出てくるのではないでしょうか。
  特に選手村ができる晴海地区は、これまでと計画が大きく変わることになります。前回オリンピック招致のときはスタジアムが建設される予定でしたが、招致には至りませんでしたが、今回は晴海地区に選手村を整備するという立候補ファイルで招致が決定されています。
  いずれも晴海地区の計画を変更したわけではなかったのですが、今回は開催が決まったので、具体的に取り組むことになりますし、それには何よりも地元区や地域住民の理解を得ていくことが必要になります。
  今後、晴海地区のまちづくりにどのように取り組んでいくのか伺います。

○石原臨海開発部長 現在、晴海地区では、調和のとれた複合市街地の形成を目指して策定しました豊洲・晴海開発整備計画に基づきまして、地元の住民や地権者と調整を図りながら、まちづくりに取り組んでいるところでございます。
  この計画では、選手村エリアの土地利用計画は、大部分が国際交流拠点となっております。東京オリンピック・パラリンピック終了後には、選手村の建物を住宅に改修しまして、分譲、賃貸して活用する予定となっているため、現行計画を改定して土地利用を国際交流拠点から住宅地へと変える必要がございます。
  今後のまちづくりに当たりましては、地元区や晴海地区の住民、地権者の理解を得ることが不可欠でございまして、十分に意見交換をしながら計画の改定を進めてまいります。

○中村委員 当初、国際交流拠点という予定が選手村になって、そしてオリンピック・パラリンピック後は住宅になるわけですから、人口の計画も変わるでしょうし、交通状況も変わってくることになると思います。
  近隣地域にも当然影響が出ることになりますので、地元区や晴海地区の住民の皆様には丁寧な対応をお願いします。
  さて、東京オリンピック・パラリンピックでは、臨海副都心にも多数の競技会場が配置され、多くの人が集まります。東京は安全であることを強調して開催が決まったのですが、防災対策は十分でしょうか、見解を伺います。

○小野開発調整担当部長 臨海副都心では、従来から災害に強いまちを目標にまちづくりを進めてきたところでございます。橋梁や「ゆりかもめ」などの公共施設は、十分な耐震、液状化対策がとられておりますとともに、上下水道、電気、ガス、情報通信などのライフラインも、耐震性が高く液状化対策を施した共同溝内に収容されており、安全性が十分確保されております。
  また、民間の建物につきましても、臨海副都心まちづくりガイドラインに基づきまして液状化対策を行っているところでございます。
  このように、臨海副都心では、さまざまな対策を講ずることによりまして、全体として地震に強い安全なまちとなっているところでございます。
  また、津波、高潮対策につきましても、伊勢湾台風級の台風による高潮に耐えられるよう、地盤高をTP五・四メートルで整備しておりまして、その高さは東京都防災会議の想定最大津波高でございますTP二・六メートルよりも高く、十分な安全性が確保されているところでございます。
  なお、臨海副都心は、安全なまちとして災害時の地区内残留地区にも指定されておりまして、避難の必要のない区域となっております。

○中村委員 オリンピック・パラリンピックの開催に向けた晴海地区の計画改定や、臨海副都心の防災対策の現状はわかりました。
  もちろん安全についてはオリンピックやパラリンピックの間の短期間だけの話ではなくて、日常的に求められるものであり、また、今後、MICEの機能も整備すれば、ますます多くの人の出入りがあることで、さまざまな場面を想定することにもなります。
  今後は、海外から多くの観光客が日本に来て、中には地震を体験したことのない方も来ることもありますので、ハード的な対応だけではなくて、ソフト的な対応も含めて、より一層の安全対策をお願いします。
  ところで、この臨海副都心では、土地処分の七割が完了したと聞いていますが、人口はどの程度集積をしているんでしょうか。計画人口や開発コンセプトなど、当初の計画どおりに進んでいるのかお伺いします。

○石原臨海開発部長 臨海副都心では、平成二十四年末で就業人口は約五万二千人、居住人口は約一万三千人に達しました。
  また、平成二十四年の来訪者数は約五千百八十万人となり、平成元年の開発着手以来、初めて五千万人を超え、平日、土休日ともに、にぎわうまちへと成長しております。
  計画人口は、就業人口が九万人、居住人口が四万七千人となっておりまして、今後、青海地区北側にMICE、国際観光拠点、有明北地区一区域に集合住宅を中心に開発を進める予定でございます。
  就業人口、居住人口ともに着実に増加しており、開発コンセプトの職、住、学、遊のバランスのとれたまちとして着実に開発を進めてまいります。

○中村委員 臨海副都心は七番目の副都心として開発をされて、今、七割の土地処分で、既に年間五千万人を超える人が訪問されるということになっています。
  今後、有明の北地区は集合住宅予定地なんですけれども、オリンピックに際して仮設の競技施設が整備されることになるわけですから、集合住宅の整備は必然的にオリンピック後になりますので、財政等を見直す必要も出てくるかと思います。
  この地区の居住人口は、計画で三万八千人で、職、住、学、遊のバランスのとれたまちのうち、住の多くの割合を占めることになる大きな開発になりますので、社会状況の変化をしっかりと見据えた対応をしていただきたいと思います。
  また、今後、開発予定分の青海地区北側を中心として臨海副都心のMICE、国際観光拠点化を進めるとのことですが、目指すまちの姿はどのようなものか伺います。

○石原臨海開発部長 臨海副都心には、既にMICE施設として日本最大の展示面積を有します東京ビッグサイトが立地するとともに、五つのホテルや多彩な商業施設など観光資源も集積しているところでございます。
  今後、青海地区北側に東京ビッグサイトと連携、補完する国際会議場などのMICE施設やホテル、劇場、ミュージアム、ブランドショップなどの集客力のある国際観光資源を充実させ、世界中から人、物、情報、技術が集まり、日本経済を牽引する国際的な戦略拠点へと発展させてまいります。

○中村委員 オリンピックについても、立候補ファイルから次の具体的な計画が整備されてくれば、それに伴い臨海副都心の開発の方も変更になる部分も出てくるかと思っています。
  オリンピックというだけではなくて、その後も見据えた長期的な展望を持ってまちづくりに取り組んでいただくよう申し述べ、質問を終わります。

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