2013/10/22 雇用対策、商店街振興等について質問しました
2013年10月22日、東京都労働委員会に労使紛争の解決に向けての取り組みを、産業労働局に商店街の振興、大規模事業所撤退への対応、ワークライフバランスの推進などについて議論しました。
1 労働委員会への質問
○中村委員 労働委員会の事務事業について質問します。
労働委員会は、労使間の紛争処理を行うことにより労働基本権の保護と労使関係の安定、正常化を図ることを目的として設置されています。東京では、昨年度四百二十四件と全国の約半数の不当労働行為事件を取り扱っているとのことで、委員、職員の皆様には日々ご尽力をいただいています。
さて、依然厳しい経済状況が続く中で、企業においては市場競争が激化し、人件費等のコスト削減にまで及び、雇用を取り巻くさまざまな規制緩和と相まって、昨今では非正規雇用労働者が雇用者の約四割を占めるようになっています。
非正規労働者は正社員と比べ雇用が不安定であり、待遇においても不利な取り扱いを受けることなどが指摘されており、実際にもさまざまな労使紛争に巻き込まれることが多いように思います。
そこで、最初の質問として、労働者はどのように紛争解決を図っていけばいいのか、現行の制度について伺います。
○岳野労働委員会事務局長 労使紛争につきましては、紛争の当事者が労働者個人である場合と、組合、すなわち集団である場合に大きく分けられます。
いわゆる集団的労使紛争につきましては、労働委員会が労働争議の調整や不当労働行為の判定を行う中で命令や和解を出すことによって解決機能を果たしております。
個別の労働紛争を取り扱う行政機関は、主なものでございますが、国が所管する都道府県労働局や産業労働局が所管する労働相談情報センターなどがございまして、こちらで労働相談やあっせんを行ってございます。
司法機関としましては、権利関係の争いについては従前から裁判所における民事訴訟が利用されておりましたが、個別の労働紛争が増加してまいりましたので、これを専門的に審理するものとして、平成十八年四月より労働審判制度が施行されているところでございます。
○中村委員 今のお話ですと、さまざまな解決手段があるようですが、労使紛争のうち集団的な紛争については労働委員会が専管しているとのことです。
昨今の労働争議の調整や不当労働行為などの事件の傾向はどうなっていますか、伺います。
○岳野労働委員会事務局長 今、まさに中村理事からお話がございましたとおり、厳しい経済状況を反映して、非正規雇用の雇いどめを初めとする解雇問題などが労使紛争に発展するケースが多いというふうに実感しております。
昨年度、平成二十四年度に労働争議のあっせんの調整事項で最も多かったのは、団体交渉を促進することでございました。その団体交渉で議題としているものは賃金に関する事項が最も多く、次いで解雇問題が多うございます。
一方、不当労働行為の申し立てで最も多かったのは団体交渉を拒否されたとするものでございまして、そこで取り上げられている議題は解雇問題が最も多く、次いで賃金に関するもの、そのほか配置転換、懲戒処分、支配介入の言動など、紛争の端緒は労使関係の全般にわたっておりますが、とりわけ昨今では、パワーハラスメントを会社から受けたことや、定年後の再雇用を拒否されたことなどを端緒とする事件が目立ってございます。
○中村委員 団体交渉の拒否やパワーハラスメントなどは、十分に労働法制が周知されていないことも原因かと思います。都労働委員会に申し立てられた不当労働行為などの状況を都の産業労働局にも伝えて、使用者、労働者双方が正しく労働法制を理解できるように取り組んでいただきたいと思います。
さて、先ほどの答弁では、非正規労働者の雇いどめなどが労使紛争に発展しているとのことです。そうした非正規労働者が合同労組に駆け込んで紛争の解決を図ろうとする動きがあるようですが、実際に合同労組が労働委員会に救済を求めて申し立てるケースは多いのでしょうか、伺います。
○岳野労働委員会事務局長 勤務先に労働組合が存在しない場合、企業の内部ではなく個人で加盟できる労働組合、いわゆるこれが合同労組でございますが、合同労組に加入して会社に団体交渉を求めるケースは増加してございます。
労働組合の組織率の低下等もございますのか、不当労働行為の審査事件において合同労組からの申し立ては大変多うございまして、平成二十四年度においては、新規受け付け件数の約七割を占めてございます。
○中村委員 労働委員会では、先ほども議論がありましたが、審査の目標期間を、平成十七年には二年としていたものを平成二十年には一年六カ月にしました。和解に至る場合には比較的期間が短くてよいようですが、命令の場合には長期間に及んでいるものもあるようです。審査は拙速でもいけないのですが、長期化すると労働者の方は生活が厳しくなる場合も出てきます。せっかくこうした紛争解決の手段が用意されていても、結果的に泣き寝入りになってしまうことがないように、引き続き迅速な対応に努めていただくようお願いします。
さて、最終的に和解ができずに救済命令まで至った場合、労使の関係が複雑化していることが多いのでしょうが、救済命令がきちんと守られることが大切です。東京都労働委員会が発出した救済命令を使用者が守るかどうか、だれがどのように監視をしているのか伺います。
○岳野労働委員会事務局長 私ども労働委員会が使用者に具体的な作為を命じる救済命令を出す場合には履行報告を義務づけております。そして、当事者が再審査の申し立てや行政訴訟の提起を行わず、私どもが出した命令が確定したときは、使用者に対してその履行の報告を求めております。使用者が確定した救済命令に従わないときは、労働委員会または労働組合は裁判所に過料の決定を求め、命令の履行を担保する制度も設けられてございます。
なお、平成二十四年度で救済命令が確定した事件は三件ございまして、うち二件は使用者から履行報告を受けており、うち一件は履行中というふうに聞いております。
○中村委員 ぜひ救済命令がきちんと履行されるようにしていただきたいと思います。
さて、先ほどの答弁で、二十四年度の確定は三件ということは、他の件数は再審査や訴訟になったと想定されます。命令後、不服申し立てを、中央労働委員会に再審査を申し立てたり、裁判所に命令の取り消しを求める訴訟を起こす場合はどのくらいあるのでしょうか。また、そこで都労働委員会の命令が覆ることはあるのでしょうか。
労働委員会は、準司法機関としての命令として判例的な効力があると考えられますので、その命令の内容が普及されることで紛争を未然に防ぎ、正しい労働法制が広まることにつながりますので、広報をよりすべきとも考えます。どのように考えるのか伺います。
○岳野労働委員会事務局長 平成二十四年度に都労委が出した命令のうち、再審査申し立てがなされたものが十六件、行政訴訟の提起がなされたものが二件、合計十八件で、出した命令全体の約七割が不服申し立て等がなされております。
再審査命令や行政訴訟の判決において、これまで、都労委の命令に対し一部の変更が加えられることは時折ございますが、中村理事がおっしゃるように、結論は、ほとんどが維持されております。
また、理事がお話しされたとおり、都労委の命令は、その後、最高裁において支持され、労組法上の従来の判断枠組みを新たに変えるというような例もございまして、今後の労使関係において規範的な効果をもたらすことがあると考えております。
そのため、都のホームページに命令の概要を掲載して周知しているほか、命令を出した際にはツイッター等も活用して広く都民にも周知しているところでございます。こうした取り組みを着実に今後も行ってまいりたいと思っております。
○中村委員 七割の件数で不服申し立てなどがされていても覆ることが少ないのは、都労働委員会の判断の多くが適正にされているともいえます。そのため、その内容が規範的な効果をもたらしているとのことですから、ぜひ積極的に広報していただき、正しく労働法制が理解されるようにしていただきたいと思います。
冒頭にも述べましたが、そうした活動の積み重ねにより、まさしく労働委員会の設置目的である労働基本権の保護と労使関係の安定、正常化を図っていただくことを要望して質問を終わります。
2 産業動労局への質問
○中村委員 それでは、産業労働局の事務事業について、まず初めに商店街振興について伺います。
近年、商店街は、社会、経済状況の変化により、大変厳しい状況にあります。大規模小売店舗立地法の施行により、大型店に対する規制が緩み、大手スーパーなどに客足をとられる商店街も多くなっています。また、住宅街に点在するコンビニエンスストアの増加は、高齢者の買い物に役立つ面などもあるものの、商店街の集客力低下の一因になっているのも事実です。
このように大型店やコンビニエンスストアの出店が地元商店街に与える影響は非常に大きいものですが、なかなか出店を規制できないという状況下では、そのような店舗に地域に貢献していただき、商店街と共存共栄することができれば、地域全体の経済の活性化につなげられなくもありません。
そこで、都は市区町村とも連携して、こうした店舗の商店街への加入や協力促進を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
○十河商工部長 商店街を活性化させるためには、事業者間の一層の連携や協働が求められます。
このため都は、平成二十年度から、新・元気を出せ商店街事業において、区市町村と連携して商店街の組織力強化支援事業を実施しており、商店街の連合会等が商店街と連携して行う商店街加入、協力促進のためのマニュアル作成やイベント開催などの取り組みを支援しております。
こうした取り組みにより、引き続き商店街への加入や協力の促進を図ってまいります。
○中村委員 市区町村では条例によってコンビニエンスストアの商店街への加入促進を進めているところもありますので、都としてもそうした政策の後押しをしていただきたいと思います。
また、商店街では、先ほど述べたような外部的な要因に加えて、後継者不足や集客の核となる店舗が少ないといった問題も抱えており、都内でも衰退してしまった商店街というのも見られます。
しかし、商店街は、防災や防犯活動や高齢者の買い物支援など、地域コミュニティを強めるような重要な公共的役割を持っています。今後はこういった公共的役割を評価して、その活動を支援できるような取り組みもしていただければと思いますけれども、こういったような公共的役割を持つ商店街を活性化するためには、商店街を構成する個店の経営改善を図るなど、何よりも個々の店舗の活力を向上させることが重要だと考えますが、ご所見を伺います。
○十河商工部長 商店街の活性化を図る上で、集客の核となるような店舗の存在は重要であります。
そこで都は、専門家の派遣や講習会の開催などにより、商店主の経営力向上や魅力的な店舗づくりへの支援に努めており、引き続き、これらの支援により商店街を構成する各店舗の経営基盤の強化を図ってまいります。
○中村委員 個々の店舗の支援に加えて、商店街全体の活力を高めていくことも重要です。各商店街では、地域に応じたイベントの開催や商店街の魅力を高めるための施設整備など、さまざまな取り組みをしていますが、さらなる創意工夫を凝らすことで、その効果を高めることができると思います。
しかし、先ほど述べたように商店街の置かれている状況は大変厳しいものがあります。都は、商店街に対し、新・元気を出せ商店街事業など、さまざまな支援を行っていますが、より効果的な施策を構築するため、商店街の現状を把握するとともに、都の支援策などを活用してすぐれた取り組みを行い、高い成果を上げている商店街の秘訣を分析し、それを他の商店街に広く知ってもらえれば、都内商店街全体の底上げにもつながると考えますが、所見を伺います。
○十河商工部長 都は、三年ごとに都内全商店街を対象に実態調査を行っており、都内商店街の置かれている状況や課題などについて調査し、商店街施策に反映しております。
また、すぐれた取り組みを表彰する東京商店街グランプリの開催や優良事例集の作成などにより、先進的な商店街の取り組みを他の商店街に広くフィードバックし、数多くの意欲的な取り組みが促進されるよう努めております。
○中村委員 この新・元気を出せ商店街事業では、都が市区町村に補助金を交付して、それを活用して各市区町村が商店街の支援を行っていますが、私は、地域に密着した市区町村がもう少し自由な裁量で商店街の実態を踏まえた支援を行うのがまず第一だと考えます。
都議会民主党からも毎年、事業の拡大を求めていますので、引き続きそれにはご尽力いただきたいんですが、その取り組みの仕方として、都はそうした市区町村を包括的に支援して、余り細かい制度設計をしない方がより使い勝手のよいものになるのではないでしょうか。
こうした問題とも関連しますが、補助金の申請手続で提出書類が複雑であるというのは、これは東京都市長会からも要望の中で書類の簡素化というのを求められています。小規模な商店街では、人手不足から、代表者などが自分の本業を行いながら申請書類の作成を行うことが多く、負担となっているという声もありますので、そうした中でも一生懸命に活性化に取り組む商店街の負担を軽減するため、市区町村に任せるものは任せて、申請書類の簡素化をすべきと考えますが、いかがかでしょうか。
○十河商工部長 新・元気を出せ商店街事業における申請書類につきましては、都は簡素化の観点から、これまでも必要最小限の資料の提出を求めているところでございます。
また、書類の記入に当たってはきめ細かくサポートするなど、十分な対応を行っております。
○中村委員 税を投入する事業ですから、きちんとした書類の整備というのは必要だと思うんですけれども、そういった点でもより近いところで市区町村等が見ていることによって、事業の評価ができると思いますから、そういったことも含めて今後ご検討いただければというふうに思っています。
次に、大規模事業所の撤退についての対応について伺います。
近年、特に多摩地域では大規模事業所の撤退が相次いでいます。戦前から多くの製造業が立地する私の地元三鷹市においても、昨年、市内有数の企業で、昔から三鷹を本拠としてきた日本無線が撤退を発表しました。これに対して、三鷹市からも会社に要望書を提出するなど、地域経済や市民生活へ与える影響を少なくするため、懸命な取り組みを行っています。
大規模事業所の撤退は、下請の中小企業や地域の雇用、地元の商店街などにさまざまな影響を与えます。大規模事業所はその社会的責任として、撤退が地域のまちづくりに及ぼす影響の大きさを十分認識すべきと考えます。
大規模事業所の撤退は一地域の問題ではなく、全都的な問題として捉えるべきと考えますが、都は、こうした大規模事業所の撤退問題に対し、どのように取り組んでいるのか伺います。
○十河商工部長 生産拠点の移転等による空洞化の無秩序な進行は、東京の産業の将来に大きな影響を与えるおそれがあり、適切な対応を行うことが必要でございます。
そのため都は、昨年度より、ものづくり産業集積強化支援事業を実施し、企業誘致を促進するための助成や工場アパートの整備など、地域の産業集積の確保に向けた区市町村の主体的な取り組みを支援しているところでございます。
また、付加価値の高い製品、技術の開発に取り組む中小企業を後押しするとともに、今後の成長が見込まれる産業分野での創業を促進するなど、東京における生産活動の継続や新たな事業の創出を支援しております。
○中村委員 こうした大規模事業所の撤退になると、本当にそこで働いていた方々がこれからどうするかということを考えたり、地元でも商工会等を中心にして周辺の事業者等がこれからどうしていこうかということを本当に真剣に悩んでいるところもありますから、都としても、こういった問題は各地域で起きてきている問題だと思いますので、ぜひとも対策を検討していただきたいというふうに思います。
次に、雇用対策について伺います。
今、国の経済政策により、一部に大きな企業で賃上げの動きがあるとの報道もありますが、地域を回っていても、まだまだ多くの勤労者にとってみると、賃金が上がって生活がよくなったという実感はなかなか聞こえてこないというのが率直なところではないでしょうか。東京都の方としても、ぜひともこういった勤労者の方々の生活の現状というのを把握して、政策に生かしていただきたいというふうに思います。
とりわけ、また、こういった円安による物価への影響が出ていることもあり、収入が不安定な非正規で働く若者を直撃するということも予想がされます。都が全庁的なプロジェクトチームをつくって検討を始めた少子化対策という観点からも、まずは若い世代が本人の希望に沿った仕事につき、安定した生活を送り、いずれは結婚して安心して子供を産み育てる環境をつくることが重要です。
そこで、若い世代で非正規雇用が増加している現状について、都はどのように考えているのか伺います。
○矢田部雇用就業部長 若者を取り巻く雇用情勢を見ますと、新卒者の内定率は改善の傾向にある一方で、既卒者の就職環境は依然として厳しく、非正規雇用を余儀なくされている若者も多くおります。
このため都は、東京しごとセンターにおいて、きめ細かい支援を行っているほか、紹介予定派遣制度を活用して、正規雇用化に向けた支援などを実施しております。
こうした取り組みを通じ、正規雇用を目指す若者を後押ししております。
○中村委員 知事も少子化対策ということでプロジェクトチームをつくって、まだその中身というのは見えてはきませんけれども、保育園等そういった子育て支援策も必要ですけれども、若い世代の生活が安定するということも本当に大切なことだと思っていますので、ぜひとも産業労働局の取り組みの方もお願いしたいと思います。
また昨今、雇用のミスマッチがいわれて、求人と求職がうまくかみ合っていない場合もあります。正社員になりたくてもなれない若者がいる一方で、優秀な人材を得るのに苦労している中小企業も多いと思います。
こうした雇用のミスマッチに対応するために、都ではどのような対策をとっているのか伺います。
○矢田部雇用就業部長 民間会社の調査によれば、若者は依然として大企業志向が強い一方、人材確保に苦慮する中小企業もあるという雇用のミスマッチが存在しております。
このため都は、合同就職面接会の実施により、若者と中小企業とのマッチング機会を提供するほか、民間のノウハウを活用して中小企業の求人情報等を発信し、若者の中小企業に対する理解を促進しています。
こうした取り組みを通じ、若者と中小企業のマッチングを図っております。
○中村委員 私も先日、この合同就職面接会の見学をさせていただきました。学生さんも本当に一生懸命、仕事を探していたところだったんですけれども、そこに出展している中小企業の方に話を聞いたら、なかなか人材の確保が大変なのでこういうのはいい機会だというふうに喜んでいましたので、ある意味で雇用のミスマッチの解消に向けて、これは若者に対してもですし、中小企業に対してもですけれども、またこういう取り組みを進めていただきたいというふうに思っています。
さて、今、東京都は深夜の時間帯も楽しめるような政策ということを進めているようですけれども、まずはなるべく仕事を定時に終えて余暇を楽しむことができる社会である方がいいなというふうに思います。
オリンピックやパラリンピックも開催されますけれども、豊かな人だけにスポーツを楽しむゆとりがあるというだけではなくて、多くの勤労者にもそうしたスポーツに楽しめるようなゆとりも必要だというふうにも思っています。
賃金の大幅上昇が見出しにくい中、賃金を下げずに勤労時間の短縮を図り、生活の質の向上を目指すことが大切です。そのためには働き方を見直す、育児と仕事との両立を図るなどのワークライフバランスを推進するための雇用環境を整備することが重要です。都はどのような支援をしているのか、その内容と実績を伺います。
○矢田部雇用就業部長 都は、長時間労働削減など、働き方の見直しに係る取り組みを社会全体で推進するため、すぐれた取り組みを進める中小企業を認定し、公表しており、これまでの認定企業は五十四社でございます。
また、平成十九年度から平成二十四年度まで、労働者が生き生きと働きながら、子育てなど家庭における役割を果たせるよう、社内での意識啓発やルールづくりなど、仕事と育児の両立に取り組む企業に対する支援を行いました。
なお、今年度からは、東京都中小企業ワークライフバランス実践支援事業により、引き続き企業の支援を行っております。
○中村委員 都としてもワークライフバランスの推進を進めていただいているんですが、中小企業の数は本当にたくさんありますので、ぜひともこれからしっかりとそういったところが推進できるよう取り組んでいただきたいと思います。
また、今、子育てについて伺ったんですが、子育てについては、多くの場合、子供と同居して、小学校入学前という限られた期間でもあります。また、比較的若い世代のライフプランの一環となっています。こうした若い世代を支援する先進的な企業の取り組みを積極的に取り入れ、業績向上に努めている企業も少なくありません。
ところが、介護の問題はもっと深刻です。親の介護の問題は、性別や年齢、役職に関係なく、これまではワークライフバランスを自分の問題と考えてこなかった層も含めて、例えば親が遠隔地にいる場合であっても、ある日突然、介護の問題に直面する可能性があります。
さらに、介護は子育てと違って、いつまで続くかわからないものでもあります。企業にとって欠かせない人材でありながらも、退職を余儀なくされるケースも多く、本人にとっても、企業にとっても、介護の問題は深刻です。子育てとの両立を図る企業でさえも、その対策には困惑しており、国の調査によれば、介護休業の取得率は、制度がある事業所でも六・八%にすぎません。
団塊の世代が六十歳後半に達し、今後ますます介護との両立の課題が大きくなるものと予想されますけれども、介護と仕事との両立に関する都の取り組みについて伺います。
○矢田部雇用就業部長 先ほどお答えいたしました東京都中小企業ワークライフバランス実践支援事業では、介護も視野に入れて、仕事と家庭生活の両立のための雇用環境整備に取り組む企業を支援しております。
具体的には、在宅勤務や、また情報端末などを活用した場所にとらわれない働き方であるモバイル勤務といった多様な勤務形態の実現などに必要な経費を助成するほか、専門家を派遣し、仕事と家庭生活の両立を推進するための助言を行っております。
○中村委員 高齢化社会に向けて介護の問題は大変深刻になっていくと思っていますが、先ほどお話ししました子育てのことにしても、介護の問題にしても、早目に会社を終わって、そういうことをやるだけということよりも、スポーツの話もしましたが、ゆとりであり、また、いろんな時間に使えていいんだというふうに思っています。働き方がいろいろ変わってはきますけれども、生き生きと働けるような社会の実現ということが必要だと思っていますので、そういった取り組みに向けて今後とも取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
Twitter
@Nakamura_Mitaka からのツイートfacebook