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都議会質問記録

2020/12/16 新型コロナ対策の補正予算等の採決に際して本会議で討論

2020年12月16日、都議会定例会の最終日、本会議で議案の採決を行い閉会しました。まず、議案の賛否への意見表明が行われ、会派を代表して登壇し討論しました。新型コロナ対策として、保健所体制の強化、検証と説明を丁寧に行うことなど求めました。また、条例改正に伴い、職員の福利厚生における同性パートナーを家族として認めることを求めました。また、総務委員会に提出した核兵器廃絶に関する意見書(本文末尾に掲載)は与党会派等の賛同が得られず採決されませんでしたが、平和へのアピールの重要性を述べました。討論後、採決になり、新型コロナウイルス対応の2千300億円の補正予算や条例改正等が可決しました。

 以下、討論の全文です。

 

 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、知事提出の全議案に賛成の立場から討論を行います。

 はじめに、第194号議案「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例」ほか、関係条例について申し上げます。
 この改正は、職員等の介護と仕事との両立を支援するため、介護休暇等の対象となる要介護者の範囲に、「同一の世帯に属する者」を追加するものであり、改正そのものは意義があると考えています。
 しかし、その発端となった当事者たちからの要望は、そもそも同性パートナーを夫婦として認めてほしいということにあり、そうした本質的な部分に全く配慮せず、制度の枠を広げただけでは、納得を得られないのも当然です。
 都として多様な性や家族について差別や偏見のないよう条例まで制定しているのに、いまだに都白身がそれを認めないようとしないのは残念でなりません。
 都として同性パートナーを家族として認め、福利厚生制度が普通に利用できるようにすることを強く求めておきます。

 次に、第187号議案 令和2年度東京都一般会計補正予算案について申し上げます。
 第187号議案については、新型コロナウイルス感染症対策として医療従事者への慰労金119億円、診療体制の確保70億円、PCR検査の自己負担分の負担78億円、生活福祉資金652億円などが計上されました。特に生活に困窮した方への支援、医療体制の維持強化については、しっかりとした取組を求めるものです。
 また、私たちが提案した、より早くより多くの感染を探知するための自主検査への助成、保健所体制の強化、介護・福祉現場の処遇改善についても、早急に検討し予算をつけることを求めます。

 東京もGoToキャンペーンが一時停止となりました。感染拡大が続く状況で政府がお金を出してまで旅行を推奨すべきではない、という常識的都民感覚が事態を動かした形です。
 この感覚は、しごくまっとうであると同時に、私たちが生きていくため、社会を動かすために、感染防止に細心の注意を払い、徹底する取組をどう強化するのかという課題を、改めて突きつけました。その答えを得るためには、GoTоにかかる感染者がどのくらいの割合発生していて、どのような行為で感染した人が多いのか、数字のエビデンスを出し、検証することが不可欠です。

 営業時間の短縮要請も、同じです。
 マスクを外しての飲食はリスクがあること、お酒が入れば拍車がかかることは、誰もが理解しています。時短で、その機会が幾分か減ることもわかります。しかし、夜10時以降の飲酒が現在の感染状況にどれだけ寄与しており、時短でどれだけ改善するのか、いつまで続ければ感染が落ち着くのかがわかりません。先の見通しや数字を示し、検証することが不可欠です。結果によっては、一回200億円以上かかる予算を他の有効な対策に振り向ける可能性を無視してはなりません。
 
 私たちは、この間、新型コロナ対策の検証を繰り返し求めて来ましたが、行われないまま、みたび三度、感染拡大期を迎え、営業時間も店ごとにまちまちであり、レインボーマークを掲げて感染防止に努力している店かどうかも関係なく一律に時短を要請する根拠の説明、効果の検証が全く不十分なまま、年明け1月11日までの延長としました。
 さすがに今回は、これまで応じてきて、協力金では到底まかない切れない大変な思いをしてきたことなどから、協力できない事業者も数多くいるようです。
 本当に検証もしないままで延長して、予算と都民の犠牲に見合う効果があるのか、第4波が来ても同じ手法をとっていいのか。検証が是非とも必要です。改めて、都がこれまで行ってきた施策をしっかりと検証することを強く求めます。

 17日までを期限とする時短要請について、延長の判断が14日の夜ではあまりに遅すぎます。1月11日の時短要請期間の終了に際しての対応も、早めに判断を示さなければ、関係する都民は気が気ではない年明けとなってしまいます。
 都のコロナ対策についても、議会でしっかりと審議し、都民の声を反映させる機会を確保するため、新型コロナウイルス感染症対策特別委員会の設置、開催を強く求めるものです。

また、今回延長した時短要請、GoToトラベルの停止、もっと東京キャンペーンの新規受付停止の効果について把握・検証し、どうなるまで止めてどう動かすのかの見通しも示せていません。
 状況が改善しないまま、時短や停止措置を解除できない膠着状態に置かれる関係事業者にとっては、まさに塗炭の苦しみとなります。これら措置にともなう支援策も示されていません。早急に実行することを求めます。
 
 コロナの最後に、11月末からの3週間あまりにわたって、知事はGoToについては政府が対応をと言い続け、停止を求めず、都のトップとしてどう考えるのか明言もしないまま過ごしました。停止させたくない政権与党・菅総理と同じ考えだったのか、自身の政策である都民向けGoToキャンペーン=もっと東京キャンペーンの新規受付停止との整合性はどうとったのか、考え方を明確にすべきであることも申し添えておきます。

 最後に、核兵器の廃絶について申し上げます。
 私たちは、総務委員会において、「核兵器禁止条約への署名及び批准に関する意見書」を提出しました。
 結果、調整がつかず、本会議での上程には至りませんでしたが、来年1月に「核兵器禁止条約」が発効するという中において、東京都及び都議会から、核兵器廃絶に向けたメッセージを何一つ発することができない現状は残念でなりません。
 ましてや東京都は、平和の祭典である東京2020大会の主催都市でもあるのです。
 1995年3月に東京都が採択した「東京都民平和アピール」にもありますが、私たち東京都議会立憲民主党は、軍縮と核兵器の廃絶を機会あるごとに強く、まさに機会あるごとに強く訴えていくことを申し上げ、討論を終わります。

 

 立憲民主党から総務委員会に提案した意見書(案)です。与党会派等の賛同が得られず採決されませんでした。

「核兵器禁止条約への署名及び批准に関する意見書(案)」

 2020年10月24日、核兵器の開発、保有、使用等を禁じる核兵器禁止条約(以下「条約」という。)が、発効に必要な50の国・地域の批准を達成し、2021年1月22日に発効することとなった。
 条約の前文では、日本語に由来する「ヒバクシャ」という文言が盛り込まれ、人道の諸原則の推進のために、核兵器廃絶に向けて被爆者などが行ってきた努力にも言及している。
 一方、日本政府は、条約への署名及び批准をしておらず、唯一の戦争被爆国として、核兵器廃絶に向けた強いイニシアチブを発揮することが求められている。
 既に都は、平成7年3月の、第5回東京都平和の日記念式典において採択された「東京都民平和アピール」の中で、「私たちは、軍縮と核兵器の廃絶を機会あるごとに強く訴え、戦争の惨禍を再び繰り返さないごとを誓います。」とうたい、核兵器廃絶の立場を明確にしている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、条約への署名及び批准をするよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 

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