2026/03/16 環境局にゼロエミッション、ごみの減量を質問
2026年3月16日、都議会環境・建設委員会で環境局の来年度予算等について質疑を行いました。環境政策は大変重要であり、1 ゼロエミッション東京の実現、2 環境交通施策、3 有機フッ素化合物PFOS、4 市区町村との連携、5 データセンター、リチウムイオン電池、7 ごみの減量化について質問しました。
1 ゼロエミッション東京の実現について
Q1:記録的な猛暑が続く中で、地球温暖化対策の重要性が言われます。しかし、あまりに暑いので温暖化が注目されますが、冬も寒く、また、都市型水害も起こるように、「温暖化」だけではなく、さまざまな影響が出ていることから、「気候危機」という方が合っていて、厳しい状況を認識することが必要です。そうした状況において、都は来年度予算に「世界のモデルとなる持続可能な環境先進都市」として今年度から900億円以上増額した3,880億円が計上しました。環境政策は待ったなしなので早急に対応することが必要です。
そこでまず、「ゼロエミッション東京の実現」について質問します。これは是非やってほしいのですが、示されている数値を見ると実現できるのか心配になります。予算書110ページに掲載された数値によると、温室効果ガス排出量は、基準の2000年は6,243万tで、最新の数値である2023年は5,621万tでした。2030年はカーボンハーフを掲げているで、数値は6,243万tを単純に2で割ると3,121万tになります。今後7年間で2,500万t、単純計算で毎年357万tずつ減らすことが可能なのでしょうか、個々の施策の数値の積み上げが必要だと考えますが、具体的な施策を伺います。
(意見)温室効果ガスの削減に向けて、簡単ではないと思います。だからこそ、2030年、2035年、2050年という節目の年だけの数値目標ではなく、毎年数値目標を掲げて取り組む必要があるとたびたび求めてきました。
60以上削減するとして2035年には、数値は予算書に記載がありませんが、60%以上削減だとすると、6,243万t×0.6=3,745万t以上削減するということになります。そうすると2000年度6,243万tから引くと、2,498万t以下の数値を目指すことになります。60%と示しているのなら、計算すればわかる数値を目標値として掲げて記載するよう求めます。
Q2:2030年から2035年の5年間を考えると、3,121万t―2,498万t=623万t減らす必要があります。5年間なので単純に5で割ると、1年間に124万t削減することになります。その前の7年間が毎年357万t減らすという高い目標だったことを考えると随分低い目標ではないかと思います。このような数値になった考え方を伺います。
(意見)最終的な目標を掲げて取り組むのは当然ですが、2050年というのはだいぶ先で、その時に達成できませんでした、というわけにはいきません。これまでも述べてきましたが、私は2050年に至るまでの毎年の数値目標を定めて取り組む必要があると思います。カーボンハーフ、カーボンニュートラルの達成に向けて取り組むことを求めます。
2 環境交通施策について
Q1:次に環境交通施策について伺います。主要な交通手段である自動車については、ガソリンから電気への転換がありますが、そもそもエネルギーを使わない、環境にやさしい乗り物として、都は自動車から自転車への転換を促しています。自転車はもとより気軽に乗れる便利な乗り物ですが、近年のスマートフォンなどICTの発展により、自転車シェアリングの仕組みができるようになったのは、自転車の利用促進にとって大きかったと思います。昨今では、23区だけではなく、多摩地域にもかなりポートも増え、まちなかでもレンタル自転車に乗る方の姿を日常的に見かけるようになってきました。そこで、まず、現状ポートの設置はどのくらいの市区町村に広がっているのか伺います。
(意見)区域内に1つ以上ということでしたので、ほとんどの市区町村にあることになります。もちろん、採算の問題もあるので、ポートの数という点では感覚的ではありますが、より都心においてポートを多く見かけます。
Q2:一方で、自転車が関係する事故は多く、自動車からは被害を受けますが、歩行者に対しては加害者になります。そこで4月から自転車の規制が強化され、青切符制度も始まり、警察の取り締まりも厳しくなるそうです。環境局としても、自転車シェアリングを進めるのは環境上大切な施策ですが、進める以上は、ルールやマナーを守り、安全運転をすることもセットでなければなりません。見解を伺います。
(意見)リーフレットで、ヘルメットの着用も求めるようですが、盗難や衛生の問題もあるので自転車とセットでレンタルはされていません。折り畳みのヘルメットもあるようですが、それほど普及はしていません。自転車は気軽に乗れる便利な乗り物ですが、それがゆえに、乱暴な運転がされないよう、環境だけの取り組みだけでないのは承知していますが、他の部門とも連携して安全の確保をしていただくことを求めます。
Q3:環境のためという点では、そもそも自家用車ということではなく、公共交通の利用も重要です。電車やバスなどの乗り合いの移動手段を使えば、一人一人が自動車に乗るよりも環境への影響を低減できます。いかに環境性能に良いからと補助金をつけても、環境への負荷がなくなるわけではないので、まずは、公共交通機関の利用を促すことも重要です。見解を伺います。
(意見)都内、とりわけ都心部はかなり公共交通機関が発達しているので、自家用車に乗らなくても移動ができます。自家用車を減らすと渋滞も減るのでより環境にもやさしいことになります。バスやタクシーなどの交通機関で働く運転手さんの労働組合が公共交通機関を利用しようと定期的にキャンペーン活動を行っているので趣旨に賛同して参加しています。環境局も、ホームページで環境にやさしい交通手段での移動を促進しているとのことですが、より積極的な取り組みを求めます。
3 有機フッ素化合物、PFOSについて
Q1:PFASの対策については、新年度予算にも5億34百万円と昨年より1億51百万円増加になりました。私もたびたび質問してきましたが、都民の関心も高く、水道局や保健医療局など他局にもかかわる問題ですが、何より環境局にとっては、引き続き重要な事業となります。来年度の事業として、要監視項目の地下水の調査や、市区町村と連携した地下水調査促進も行うとのことです。この問題は多摩地域の方が関心が高いのですが、必ずしも地域限定ではなく都全体の課題です。都としての現状とどのように把握し、どのように対応するのか伺います。
(意見)PFOS等については、これまでも調査をしてきていただいていますが、来年度も調査を実施するとのことでした。PFOSは実態がわからないこともあるので、それがゆえに継続的な監視、調査、情報公開が必要になります。引き続きの取り組みを求めます。
Q2:PFOSについて、含有泡消火薬剤の転換促進事業に取り組んでいますが、どのくらいの量が存在しているのでしょうか。実態はどうなっており、それがどのくらいの見通しをもって行われるのか伺います。
(意見)この委員会に配布された資料では、令和6年度の交付申請件数は5件と少ないようです。とはいえ、重要な課題なので、大変ではありますが、戸別訪問により状況を明らかにし、事業者にご理解をいただくよう引き続きの対応を求めます。
4 市区町村との連携について
Q1:「市区町村との連携による環境政策高度化事業」に14億円が新規事業して計上されています。暑さ対策や広域的環境課題の解決に資するとありますが、その内容について伺います。
(意見)従来も名称は違いますが、同様の制度があったようですが、今回は名称を変えて、暑さ対策などについては補助率を上げて、力を入れるようです。暑さ対策も様々な取り組みがありますので、各自治体の取り組みを支援しただくことはよいかと思います。また、補助を受けた市区町村が自らの取り組みを他の自治体にPRするというのはよいと思います。これは環境施策だけではなく、都庁全体に通じることですが、政策には著作権はありませんから、良い政策があれば、他に先を越されたとかは関係なく、積極的に取り入れていくことが必要です。むしろ真似をすることで1から考える労力を省略できることもあります。是非、アンテナを高くして積極的に良いものを取り入れていただきたいと思います。
5 データセンターについて
Q1:AIの普及などますます多くの情報量が扱われる中、データセンターが必要になることは事実としてあります。これには災害にも強い安定的な地盤に建設することが必要だと思いますが、昨今では、都市部に建設されれば圧迫感や熱の排出などが問題になり、郊外であれば樹木の伐採など自然環境への影響などが問題になっています。必要な施設ではありますが、新たな施設として、整備に何ら規制がないと周辺との摩擦が起きます。
今回、新規予算で、スタートアップによる未利用熱活用促進事業が計上されました。この事業はデータセンターがあるという前提での事業であり、熱を利用するからその設置を前向きにとらえるということでもありません。データセンターの設置についてはその特殊性から一定の法規制が必要だと考えますが見解を伺います。
(意見)省エネや再エネ利用など実効性ある対策について、義務制度を強化して行うとのことでした。ただ、大規模建築物ということの一般論ではなく、データセンターという新たな施設が登場してきたので、あらためて、環境の視点から新たな対応が必要になると考えます。今後、ますます大容量のデータを扱うようになると、施設もより大きくなる可能性があります。産業面からは必要という判断になるので、環境面からどのような問題があるのか含めて検証し、対策を講じ、都だけでは対応は難しければ国に対して要望することなど、対策を求めます。
Q2:また、スタートアップとの協力による未利用熱活用は評価しますが、象徴的な取り組みではありますが、データセンターに限らず、他の事業所でも同様の取り組みを行うことが望ましいと思いますが見解を伺います。
(意見)今回は新規事業として質問しましたが、事業所における未利用熱の活用はデータセンターに限らず積極的に行っていただきたいのですが、未利用熱を活用するから、そのことがデータセンターの設置をそのまま良しとするものではないということです。新たな法規制が必要ですが、それができる前でも設置する場合には地域住民に対して丁寧な説明と対応を求めるものです。
6 リチウムイオン電池について
Q1:リチウムイオン電池対策について伺います。リチウムイオン電池について、一般ごみと一緒に捨てる方がいるため、ごみ処理過程で火災が発生するなど事故が頻発しています。まずは、都内における事故の件数やその状況について伺います。
(意見)リチウムイオン電池は充電をして繰り返し使え、大変便利です。それがゆえに気軽に使え、簡単に捨ててしまうと、ごみを収集する方にとっては大変危険なことになります。対策が必要になります。
Q2:新規事業として廃棄物処理施設に対する対策の予算を計上したことは、捨て方を誤る人がいるために仕方がない予算だとは思います。一方、それを捨てるのをやめさせないと、ますますこうした事故が増えてしまいます。そもそもごみではなくても夏に高熱になる自動車内に置いておいて火災になるなど他の場面でも事故が多くみられます。そもそもの危険性を広報し、また、他のごみと混ぜて捨てないようより啓発することがまずは必要だと考えますが、見解を伺います。
(意見)リチウムイオン電池は充電をして繰り返し使え、大変便利です。また、小型化もできるので、パソコンやスマホのように当然に入っていると分かるものは捨ててはいけないと認識されることが多いようですが、小型の扇風機とか、入っていることに気付きにくいところにも使われている場合には、故意ではなくとも気付かず捨ててしまうこともあるようです。知っていれば防げるという点では、まさに広報、啓発活動が重要になります。是非、収集される方々の安全を守るためにも積極的な広報を求めます。
7 ごみの減量化について
Q1:環境問題への取り組みとしては、ごみの分別を徹底し資源化し、燃やしたり埋めたりするのを減らすことです。多摩地域では、自区内処理の原則から、自らの自治体では最終処分できないことから日の出町にお願いしています。そのため、ごみを減らす努力をして、多摩地域の市町村は全国でも冠たるリサイクル率を誇っています。一方では、多摩地域から23区に通う人は最初驚くのですが、23区のリサイクルはそこまで徹底していません。都としてこのように23区と多摩地域の違いをどう考えているのか伺います。
(意見)多摩地域では日の出町の最初の処分場である谷戸沢処分場が満杯となり、2か所目の二ツ塚処分場も限界に近づいていました。そのため、二ツ塚処分場にエコセメントの工場を設置し、焼却灰として持ち込み製品化することで、さらに埋めるごみを減らす取り組みをしています。ごみを日の出町へ持ち込むことを極力減らすため、多くの自治体で分別を徹底しました。住民も協力した結果、多摩地域では分別が進みました。このことは都として環境行政を行う際には、多摩地域が大きく貢献していることを是非ご認識いただきたいと思います。
Q2:23区でもさらなるごみの減量を進める必要があります。もちろん、都は、埋め立てには限界が近づいている中央防波堤を管理する立場からは23区に減量を強く言うべきとは思います。都としてどのように23区のごみの減量を進めるのか伺います。
(意見)多摩地域の日の出町のように、23区にとっての埋め立て地である中央防波堤を管理する立場から都としてごみの減量を求めることが必要です。ただ、一方、どういう手段で減量するかは23区が自治として判断するとのことですので、ご答弁があったように、財政面からの後押し、技術面の助言をお願いします。以上、ごみの減量について質問しました。環境負荷を減らすにはリサイクルの前に減量だと思います。特に、石油から生成されるプラスチックについては、中東情勢が厳しさを増す中、石油への依存を減らしていくことが必要であることからますます減量が求められます。さらなる取り組みを求めて質問を終わります。
