【9】2011/06/27 都立病院の震災時の事業継続計画について質問
2011年6月27日、東京都議会 厚生委員会において、議案審議と報告事項への質問が行われ、震災時の都立病院の事業継続計画の策定について東京都 病院経営本部に質問しました。以下に質問と答弁を掲載します。
〇中村委員 それでは、質問いたします。定例会前の委員会で大震災に対する支援をご報告いただきましたが、病院経営本部からも被災地への派遣が行われ、現在でも活動が継続されていることに敬意を表します。
今回、補正予算に関して、災害時に維持すべき病院機能に関する調査について質問いたします。災害時における公立病院の役割は大変重要であり、今回は東京では大きな被害がなかったので被災地への支援になりましたが、東京で震災が発生すれば、災害拠点病院として重要な役割を担うことになります。とりわけ広尾病院は救急・災害医療センターに位置づけられ、都の広域基幹災害医療センターとして全都を対象とした災害時の医療提供体制の一翼を担うとされています。そこで、質問の前提として、災害時における都立病院の役割について改めてお伺いします。また、今回の震災から新たに発生した課題は何かあわせて伺います。
〇黒田経営企画部長 都立病院は、神経病院を除きまして、災害拠点病院に指定されておりまして、発災時には都知事の要請によりまして、災害拠点病院としての機能を発揮することが求められております。その役割は、傷病者の方の受け入れや、医療救護班の派遣など、災害時の拠点病院として医療救護活動を行うことにございます。お話のございました都立広尾病院は、都内に二カ所ございます広域基幹災害医療センターの一つとして区部の災害拠点病院の中心となるとともに、平常時におきましては、他の災害拠点病院に対しましても、訓練や研修を行う役割を担っております。
今回の震災から新たに発生した課題につきましては、今回の震災では想定していなかった計画停電が実施されたことや、地震や津波の被害によりまして輸送路が途絶え、物流状況が悪化したため、燃料、医薬品や食料品の供給が不安定となったことから、災害時にはこれらの課題への備えも重要であると認識してございます。
〇中村委員 災害時の都立病院の重要な役割を伺いましたので、事業継続計画であるBCPが大変重要であることがいえます。さて、先週の都議会民主党の代表質問で、都内の医療機関のBCP策定について福祉保健局長に質問しましたが、昨年10月の調査で、検討中を含めて災害拠点病院の7割が取り組んでいるとの答弁がありました。他の病院も先行して取り組んでいますので、ぜひ病院経営本部におきましても取り組みをお願いします。そこで、今回の補正予算では、BCPについて調査がなされるとのことですが、課題をどのように認識し、どのような内容を策定するのか伺います。
〇黒田経営企画部長 災害時におきましても、都立病院は災害拠点病院として傷病者の方の対応を確実に行い、そして、できる限り早期に医療機能を回復させ、都民の皆様に安心・安全の医療を提供することが重要であると認識をしております。今回の震災で起こったさまざまな事象を踏まえまして、今後、必要人員、役員、診療材料の状況を総点検いたしまして、病院ごとの診療特性に合わせ、災害時においても可能な限り診療が継続できるようBCPを作成してまいります。
〇中村委員 ご答弁ありがとうございました。今回は都立病院のBCP策定の調査ということですが、病院経営本部としては、公社病院におけるBCP策定についても今後は進めていただきたいと思います。今回の震災では、想定外という言葉がよく使われますが、この東京がいかに震災に弱いか露呈してしまいました。病院そのものが地震で崩れなくても、交通などの遮断で人や物が来なくなってしまうことも起こり得ます。いつ東京にも震災が起こるかわかりませんので、いざというときに備えてBCPの策定についてよろしくお願いします。
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