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都議会質問記録

【5】2012/03/16 自転車の安全対策、防災対策、全国都市緑化フェア等について質問しました。

環境・建設委員会 質問(2012年3月16日)

2012年3月16日、東京都議会 環境・建設委員会において、議案である平成24年度東京都一般会計予算等について、建設局に対して議案について質問しました。以下に質問と答弁を掲載します。

自転車の安全対策について

〇中村委員 平成二十四年度東京都一般会計予算の建設局分について質問します。
 初めに、自転車の安全対策について伺います。
 最近は、自転車に関する報道が頻繁にされ、都民の関心も高くなっています。東京都でも、警視庁や青少年・治安対策本部等が自転車の安全対策を検討し、建 設局も参加をされていると伺ってはいますが、ハードの整備として、建設局としてどのように取り組むのか伺いたいと思います。
 自転車専用レーンを整備できるだけの幅はすべての道路にはないのですが、歩行者と自転車と自動車が共存できるような道路が必要です。歩道と車道との段差も、かえってそれぞれを狭めてしまう危険な場合もあるため、段差の解消なども検討されてもよいのではないかと思います。
 そこで、都市整備局とも連携して、自転車交通を加味した計画や道路の整備ができるよう検討を行う必要があると考えますが、ご所見を伺います。

〇鈴木道路保全担当部長 自転車は都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者、自転車、自動車それぞれの安全・安心を確保しながら、自転車走行空間の整備を進めることが重要でございます。
 車道に自転車レーンを整備するには、歩道や植樹帯を含め、全体でおおむね十五メートル以上の道路幅員があれば可能でございます。また、沿道店舗の荷さば きやパーキングメーター等の施設への対応、違法路上駐車の排除等、さまざまな連携についての関係者間の合意形成が肝要でございます。
 一方、歩道と車道の段差をなくし、自転車が容易に歩道と車道を行き来できる構造とすることは、歩行者の乱横断の抑止、視覚障害者の車道への誤進入の防止など、歩行者の安全確保の観点から困難であります。
 したがって、今後、交通管理者や関係各局と連携し、車道の活用を基本に、個々の現場の道路交通状況に合わせた検討を行い、自動車及び歩行者と分離された自転車走行空間の整備を推進し、だれもが安全で安心して利用できる道路空間を創出してまいります。

〇中村委員 道路の状況によって違うとは思うんですけれども、十五メートルあれば自転車レーンはできるということであれば、都道でもかなり多くのところでできると思いますので、計画的な整備の方をお願いいたします。

防災対策について

〇中村委員 次に、防災対策について何点か伺います。
 都は、木造密集地域の対策として、ことし一月に、木密地域不燃化十年プロジェクト実施方針を建設局と都市整備局が発表しました。市街地の不燃化の促進と、建設局の担当である延焼遮断帯を形成する特定整備路線の整備があります。
 これまで優先整備路線に入っていなかった路線では、都市計画線ではあったので、お住まいの方も認識はあるとは思いますが、唐突な感を抱く住民の方もいる と思います。高齢化した方にとっても、住居を建てかえたり移ったりすることは大変なことです。しかし、防災上、大変重要であることから、既に、都市整備局 と区が協力をして、二月から説明会を始めているとのことですが、今後も住民への理解と説明を丁寧に行うことが大切です。
 また、平成三十二年度までに一〇〇%の達成目標が示されましたが、これまで発表されていた都市計画道路の優先整備路線に加えて整備を行うことになりますので、大変厳しい目標だと思います。
 そこで、都としては、どのように事業を進めて、住民にどう理解を得ていただくのか、また、予算の確保という点では、都だけではなく、国の予算確保も必要になると思いますので、国への働きかけを含めてお答えをお願いします。

〇吉原道路建設部長 特定整備路線の整備は、延焼遮断帯の形成や沿道建物等の不燃化を促進し、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域の早期改善に大きな効果を有する事業でございます。
 首都直下地震の切迫性が危惧される中、震災時の延焼から多くの都民の命や暮らしを守るため、早急に整備を進める必要があります。
 住民説明に当たっては、防災都市づくりの重要性や木密地域における道路整備の必要性などについてきめ細かに説明し、理解と協力が得られるよう努めてまいります。さらに、関係権利者の移転先の確保等、生活再建のための特別な支援策を講じてまいります。
 今後とも、国に対し、東京の道路整備に必要な財源を確実に措置するよう、区と連携を図りながら強く求めてまいります。

〇中村委員 首都東京の都民の生命を守るというのは大変重要な事業でありますから、私たちからも国への要望をしていきたいと考えておりますので、国と都が連携をして早期に事業を進めていただきたいというふうに思います。
 次に、震災時に備えた建設局の訓練について伺います。
 建設局は、首都東京における道路、河川、公園等の都市施設の管理を担っています。首都直下型地震の発生が危惧される中、仮にこれらの施設が被災した場合 には、首都機能の迅速な回復に向けた一刻も早い復旧が求められます。中でも、緊急輸送道路等の障害物を速やかに除去し、緊急車両の通行路を迅速に確保する ことは極めて重要です。
 建設局では、建設業団体などと資機材や労力の提供等に関する項目を定めた協定を阪神・淡路大震災を契機に結び、早期に障害物除去を行う体制を既に整えているとのことです。しかし、こうした体制も、平常時の訓練が大切です。
 そこで、建設局は、災害時のための訓練をどのように行っているのか伺います。

〇今村総合調整担当部長 建設局におきましては、災害発生時の対応能力の強化を目的として、毎年、定期的に災害訓練を実施しております。
 昨年十月、都が小金井公園で小平、西東京、武蔵野、小金井の各市と合同開催した総合防災訓練におきましては、建設局からは約百六十名の職員が参集し、瓦 れき等の障害物を協力会社と共同除去する道路啓開作業、災害用トイレなど公園防災施設のPR、土のう積み作業の体験などを実施しました。同時に、臨海部を 中心とする地域におきましては、水門閉鎖等の訓練を実施したところでございます。
 また、本年二月には、大規模地震の発生を想定し、建設局独自の初動対応訓練を実施したところでございます。訓練当日におきましては、職員、ボランティ ア、延べ約八百名を動員し、勤務時間外に発災時刻を設定して、自宅からの参集、東京消防庁を含む他機関との情報連絡、現場点検、要員の交代など、実践的な 内容とする初動訓練を本庁、事務所を挙げて実施したところでございます。
 さらに、各建設事務所においては、河川水を利用した東京消防庁との合同訓練なども実施しております。
 今後とも、消防など他の防災機関とも連携し、都民の参加も得ながら訓練を継続し、対応能力のさらなる強化を図ってまいります。

〇中村委員 震災だけではなく、集中豪雨等があれば、建設局の皆さん、本当に大変重要な任務があるんだと思います。前の都技監の道家さんが退任された後に お話しをする機会があったときに、在任中には、本当にいつ何どきどうなるかわからないので、本当に緊張していたというような趣旨のことをお話しをされて、 退任されて少しほっとされていたようでした。それぐらい皆さんのやっている仕事というのは本当に重いものだと思いますので、今後の対応ということを改めて お願いしたいと思います。
 また、同じように、こうした災害時の体制においては、地域の建設業団体の皆様にもご協力をいただいているということで、その方々にも大変な負担というこ ともあるわけですから、例えば公共事業におけるときに、総合評価方式などにおいて、より地域への貢献度が反映される仕組みの中で、災害体制の強化につな がっていくようにしていくことも大切だと思います。
 さて、次に都立公園について伺います。
 災害時に避難所に位置づけられている都立公園において、管理者はどのような役割を担っているのでしょうか。また、現在都立公園は、上野公園と井の頭公園 以外は指定管理者が管理しているため、都の職員は現場にはいないわけです。指定管理者は、災害時にどのような役割を果たすことになっているのか伺います。

〇滝澤公園管理担当部長 都立公園は、震災時に発生する延焼火災やその他の危険から都民を安全に保護する避難場所となるなど、防災上、大きな役割を果たすものと位置づけられております。
 避難場所に位置づけられている都立公園において、公園管理者としての都は、震災時、公園利用者等の被災状況を把握し、必要に応じて応急処置を行うとともに、医療機関への搬送を依頼いたします。
 また、施設の被害状況を把握し、危険箇所の応急復旧、障害物の除去を行うなど、被災者が避難できるオープンスペースや避難ルートを確保する役割を担っております。
 これらの考え方は、都立公園共通のものでありまして、指定管理者におきましても、都と同様の役割を果たすこととなっております。

〇中村委員 都立公園は防災機能の役割を持ったものもあり、多くの方が避難されると予想もされます。市区町村が防災倉庫を設置したり、防災訓練の会場になることも多いと思いますので、そうした場合にはぜひとも協力をしていただき、地域住民の安全確保の協力をお願いします。
 また、同じような役割を指定管理者の方々も担うわけですから、公的な役割や使命感を持っていただくよう、常に啓発もしていただきたいというふうに思います。
 
 緑地の確保について 

〇中村委員 次に、都内の緑地の確保について質問します。
 建設局では、都市計画に基づいて都立公園の整備を行っていますが、計画区域内に住居がある場合、土地の買収は、道路に比べると長い時間をかけて行ってい ます。その一方で、都市に残る貴重な緑地や農地が相続などで失われたり、民間の事業者が撤退をしたり、市区町村の公有地が役割を終えて売却されたりと、貴 重な都市部における緑地や空地が宅地化するなどして失われつつあります。
 都立公園は、面積がおおよそ十ヘクタール以上とのことですから、かなり広大です。しかし、数ヘクタールでもかなり広い土地ですが、都立公園とするほどではなく、市が買収するには財政的な負担が大きく、空地や緑地が失われてしまいます。
 そうならないような手だてが必要と考えますが、市が公園を整備するための東京都の支援について伺います。

〇上杉公園緑地部長 緑あふれる東京を次世代に継承するためには、都と区市町村が一体となって公園整備に取り組むことが必要です。
 副委員長お尋ねの、市が公園を整備するための支援についてですが、市が都市計画事業として公園を整備する場合は、都の補助の対象となっております。
 したがいまして、市が都市緑地法で定めます緑の基本計画等に基づき公園の都市計画決定を行うことが必要になります。

〇中村委員 市が都市計画決定をすれば、都の補助などで購入する道はあるとのことでしたので、ぜひとも支援をお願いします。
 ただ、あくまで市の事業への補助ですから、都立公園ほどの広さではなくても、かなり広大な土地であれば、市として緑地を確保できない場合も出てきます。 補助の割合を上げることも対策の一つだと思いますが、それでも困難な場合も想定できます。都立公園ではなくても、貴重な緑地を保全するために、都や市が連 携した新しい枠組みにより、都市における貴重な緑地を保全できるような仕組みも検討していただきたいと要望しておきます。

全国都市緑化フェアについて

〇中村委員  次に、全国都市緑化フェアTOKYOについて質問します。
 私の地元、三鷹市にある井の頭恩賜公園もメーン会場の一つになっています。ことしの九月二十九日から十月二十八日まで開催され、先進的な緑施策を全国に発信することになっています。
 このフェアは二十九回目の開催で、ということは、まだ全国を一巡していませんが、東京都は二回目の開催となります。改めて、今回、東京で開催する意義や開催の趣旨について伺います。またあわせて、都が全国に発信していく先進的な緑施策はどのようなものかお伺いします。

〇町田緑化推進担当部長 昭和五十九年、都は、モアグリーン東京をテーマとして、第二回全国都市緑化フェアを開催いたしました。
 当時、約三千六百ヘクタールだった都内の都市公園等の面積は、平成二十三年度現在、約七千五百ヘクタールへと倍増するなど、これまで都は、緑あふれる東 京の実現に向け、緑の拠点となる都市公園の整備や海の森の整備、街路樹の充実、校庭の芝生化などを進めるとともに、規制や誘導により民間の緑の保全、創出 を図るなど、先進的な緑の施策を多角的に展開してまいりました。
 こうした都が進める多様で先進的な緑施策の取り組みの成果を全国的に発信し、さらなる力強い緑のムーブメントの展開によって、緑あふれる東京を次世代に継承する契機とすべく、緑化フェアを開催してまいります。

〇中村委員 それでは、開催の体制についても伺います。
 全国都市緑化フェアは、国土交通省が提唱して、東京都と国土交通省の外郭団体である財団法人都市緑化機構等が中心となって実行委員会をつくって開催され ます。五月三十日に第一回総会が都庁で開会されたようですが、会長は都知事、副会長は、副知事のほか、都市緑化機構の理事長と東京商工会議所の会頭が名を 連ねています。
 そこで、国、都、実行委員会、市区町村、財団法人都市緑化機構の役割はどうなっているのでしょうか、伺います。

〇町田緑化推進担当部長 緑化フェアにおける国の役割につきましては、国は、緑化フェアの提唱者であるとともに、メーン会場の一つである国営昭和記念公園会場の企画運営主体となっております。
 次に、東京都及び財団法人都市緑化機構は主催者であり、緑化フェア実行委員会は緑化フェアの運営主体となっております。
 区市町村につきましては、区長会長、市長会長、町村会長等が緑化フェア実行委員会委員としてフェア全体の運営に参画していただいているとともに、サテライト会場の企画運営主体として協力していただく体制となっております。

〇中村委員 次に、予算について伺います。
 来年度の予算に、都市緑化フェアの都の予算としては十三億円が計上されています。ただ、多くの団体がかかわっているため、そもそも緑化フェア全体の予算 はどうなっているのか。都の支出、国からの予算、市区町村への補助は幾らでしょうか。十三億円の主な支出内容についても伺います。
 また、市区町村等が都立公園などを会場に行うサテライト会場はどういう催しになるのでしょうか。市区町村に協賛してもらい開催するのか、その場合には財政的な支援はあるのか伺います。

〇町田緑化推進担当部長 緑化フェアに係る予算といたしましては、平成二十四年度東京都予算案に十三億円計上させていただいておりますが、そのうち、国からの交付金としては、国費ベースで約六億三千万円を見込んでおります。
 支出内容は、会場建設費、展示、出展費、会場運営費、行催事費、広報宣伝費等となっております。
 次に、サテライト会場につきましては、協賛会場の一つのカテゴリーでありまして、緑化フェアの開催趣旨に賛同する市区町村の企画運営により、メーン六会場と連携して、都市緑化の普及啓発を都内全域で展開してまいります。
 市区町村への補助は行いませんが、横断幕、のぼり等の広報ツールや花の種などを提供するほか、メーン会場の地元に対しては、地元主催のイベント等の企画運営や、会場周辺での緑や花の修景などに係る費用の一部を負担する予定となっております。

〇中村委員 市区町村への財政的な支援がないというのは少し寂しいところはあるんですが、緑化のムーブメントを広げるためには、そういった協力も必要ですから、積極的な支援、連携をお願いしたいと思います。
 フェアが、イベントだけではなく、どう継続的な緑化につながるかが大切です。来場者数を五百万人と見込んでいますが、成果は、来場者数、人数だけではな く、イベントのレガシーを含めて、どう都市緑化を進めるかではないかと思います。イベントを契機にして、さらに緑化を進める起爆剤にするぐらいでないとい けないと考えますが、ご所見を伺います。
 また、緑化フェアは幾つかメーン会場がありますが、その中で井の頭恩賜公園の西園での会場もあるわけですが、その会場コンセプトも伺いたいと思います。

〇町田緑化推進担当部長 副委員長のおっしゃるとおり、今回の緑化フェアの開催を契機に、これまで都が進めてきました緑のムーブメントをさらに加速させ、 国、地域や都民、民間事業者などとの多様な連携の創出、強化を図り、緑あふれる東京の実現に向けた施策を強力に推進する原動力となる緑化フェアを目指すこ とを、昨年開催した実行委員会でオーソライズいたしました基本計画において定めているところでございます。
 次に、井の頭恩賜公園会場のコンセプトにつきましては、武蔵野という場所、秋という季節にもこだわり、日常生活の中で、花と緑の価値や機能を、視覚だけでなく、嗅覚や味覚など五感で感じることをコンセプトとするテーマガーデン群で構成してまいります。
 具体的には、実りの秋にふさわしい実りの庭、食の庭、香りの庭などの展示により、花や緑との新たな触れ合いや豊かなライフスタイルを提案してまいります。

〇中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 さて、この井の頭恩賜公園の西園が会場として使用されますけれども、まさに今、拡張整備を行う際に、公園としてはどう整備を進めていくのか伺います。

〇上杉公園緑地部長 平成二十二年度に用地取得しました井の頭恩賜公園西側の区域では、これまでの開園区域と一体となり、全体がつながりのある森のイメージとなるよう整備することとしております。
 二十三年度は、敷地の造成、給排水や電気等の埋設管布設、周辺道路と一帯となる外周部や子どもたちの遊び場の広場の整備を行い、二十四年度はトイレ二棟を設置するなど、緑化フェアの開催時にも使用できるよう整備いたします。
 フェア終了後は、計画に基づき、豊かな森を形成する樹木の植栽、野球場の整備などを行い、緑の中でレクリエーションやスポーツを楽しめる場としてまいります。

〇中村委員 ご答弁ありがとうございます。
 井の頭公園、本当に多くの方が期待をしています。外周については、周辺道路が狭くて、特に南側の三鷹の市道である明星学園通りは大変狭かったため、公園 の敷地の内側に歩行空間を整備することを委員会での質問を通じて求めてきました。地域の方が待ち望んでいますので、公園の開園を待たずとも、そこだけでも 早期に利用開始できることもご検討願います。
 また、西園全体の工事を行うと、既に利用している部分の利用者には不便になる部分もできてきますので、地元でもいろんな行事も開催していますので、市とも連携して広報していただくことをお願いします。
 以上のことを要望して、質問を終わります。

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