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都議会質問記録

2015/12/16 12月16日、都議会本会議で、文書質問「障がい者施策の推進について」を知事に提出しました。

1 障がい者施策の推進について

 障がい者施策について質問します。12月1日の都議会定例会の初日には、知事は所信表明演説で、「障害者への理解とパラリンピック教育の充実、ボランティアマインドの醸成に重点的に取り組」み、「『共生社会』を東京にしっかりと根付かせ」ると述べました。これまでの知事の発言ではあまり述べられなかった言葉であり、その点は評価します。演説では、都市としてのバリアフリー化、無電柱化についてはさらに推進することも述べられていますが、実際に障がいがある方が暮らす中で、必要な政策は多岐にわたり、社会の理解が進むことも必要です。以下、障がい者施策の推進について質問します。

(1)民主党は綱領において「共生社会をつくる」との項目において「一人一人がかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ互いに支え合い、すべての人に居場所と出番がある、強くてしなやかな共に生きる社会をつくる」として「共生社会」を目指して取り組んでいます。都が目指す「共生社会」とはどのような社会を目指すのか伺います。

回答1:都は、これまで障害のある人もない人も社会の一員として、お互いに尊重し、支え合いながら、地域の中で共に生活する社会の実現を目指し、障害者施策を推進してきました。平成27年4月に策定した東京都障害者計画・第4期東京都障害福祉計画においても、「障害者が地域で安心して暮らせる社会」、「障害者がいきいきと働ける社会」、「全ての都民が共に暮らす地域社会」の実現を基本理念に掲げ、障害者の地域生活基盤の整備や就労支援、心のバリアフリーの推進など様々な施策を進めています。

 

(2)障害者差別解消法が来年4月から施行されますが、差別の「解消」だけでなく「禁止」に向けて、国に対してさらなる取り組みの推進を求めることや、都として障害者差別禁止条例を制定することも重要です。施行日が間近に迫っており、円滑な法の施行に向けて、都には着実な準備が求められますが、対応状況について伺います。

回答2:障害者差別解消法は、行政機関と民間事業者に対して、障害者への不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供を求めています。都では、平成28年4月からの法の施行に向けて、職員が合理的配慮の提供等に適切に対応するための対応要領を、現在作成しています。また、国の対応指針等を踏まえ、合理的配慮の事例等について民間事業者や都民への普及啓発を行うとともに、相談体制等について検討しており、今後とも、関係機関と連携し、障害者の方の意見も聴きながら、着実に準備を進めていきます。



(3)2012 年の第三回定例会の文書質問として「『障害者虐待防止法』の10月1日施行の対応等について」を提出し、法律が施行されるに際して都の対応を質問しました。障害者虐待防止法の施行を受け、都は、使用者による障がい者虐待の通報窓口となる東京都障害者権利擁護センターを開設し、東京労働局や市区町村と連携し対応しています。法の施行から3年経ちましたが、都内における障がい者虐待の相談等の実績と都の取り組みについて伺います。

回答3:障害者虐待防止法が施行された平成24年10月から平成27年3月までの間に、東京都障害者権利擁護センター及び区市町村が受理した障害者虐待の相談・通報等の件数は1,462件、虐待があったと判断された件数は東京労働局が把握したものを含め404件です。これらの相談・通報に対して、都は、区市町村や東京労働局と連携を図りながら、事案に応じて各々が、法に基づいて事実確認調査等を実施するとともに、虐待があったと判断した場合には、必要な指導・助言や勧告等を行っています。また、区市町村の職員等に対して、「障害者虐待防止・権利擁護研修」を行っています。



(4)障がい者支援の現場では、障がい種別によって求められるスキルも多様であり、とりわけ、重度重複障がいの方を支えるヘルパーの不足が言われています。また、多様な種別の難病の方に対応する現場においてもヘルパーが不足していると言われており 、難病の方のケアをするヘルパーの人材の養成と確保も必要です。近年、高齢化の進展とともに介護人材が不足し、保育人材も不足するなど、福祉業界全体の人材が不足している状況にあります。福祉人材の不足に対してどのように対応するのか伺います。

回答4:高齢者や障害者、子育て家庭などが必要とする福祉サービスを提供するためには、これらを支える人材の安定的な確保が重要です。都は、これまで、福祉の仕事の魅力をアピールするイベントや、事業者の採用を支援する大規模な就職説明会、東京都福祉人材センターにおける職業紹介・あっせんなど、様々な取組を行っています。また、若い世代の関心を高めるため、中高生を対象に福祉施設職員等が学校を訪問して仕事の魅力を伝えるセミナーや、福祉の現場等を体験するツアーを実施しています。今後とも、こうした取組により、福祉人材の確保に努めていきます。



(5)障がいのある児童生徒が学ぶ特別支援学校において、児童生徒数の増加に伴い教室不足が言われています。とりわけ知的障がいの学校で教室不足が問題になっています。都は計画的に整備をしているとのことですが、現在学んでいる児童生徒にとっては、将来ではなく早急な教室不足への対応が求められます。都は、特別支援学校の教室不足の現状をどのように認識し、どのような対応をするか伺います。

回答5:特別支援学校の児童・生徒の増加に対応した施設整備を進め、教育環境の充実を図ることは重要であると考えています。特別支援学校における教室数の確保については、現在、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づき、施設の新築、増改築、学部の改編、通学区域の調整などの対応策を講じながら、特別支援学校の規模と配置の適正化を図り、教育環境の改善を行っています。また、新築、増改築に際しては、可能な限り多くの教室を確保するよう努めています。今後も引き続き、東京都特別支援教育推進計画に基づく施設整備を着実に進めていきます。




(6)先般、国立市にある東京都 多摩障害者スポーツセンターを見学しました。今後、施設の老朽化の対応もありリニューアルを行うとのことですが、工事期間中は施設が利用できなくなります。工事期間中の代替施設の確保が必要になりますが、都の対応を伺います。

回答6:国立市にある東京都多摩障害者スポーツセンターは、建設から約30年経過し、老朽化が著しくなっていることから、平成29年度から改修工事に着手する予定です。工事期間中の利用者のスポーツの場の確保については、今後、基本設計及び実施設計を行う中で、利用者や工事全体の施工期間への影響も勘案し、休館期間が必要最低限となるよう取り組んでいきます。また、代替施設が必要な場合は、他の公立施設に対して受入れを働き掛けるなど、利用者対策を講じていきます。



(7)都は、2012年3月に東京都障害者スポーツ振興計画を策定しています。現在、都の障がい者のスポーツ施設は北区と国立市の2箇所のため、利用される方はその周辺の自治体にお住まいの方が多くなっています。特に障がいのある方は移動が大変なため、遠方まで行きたくても行けない方も多くいます。計画策定から3年以上経過しましたが、身近な自治体である市区町村でも障がい者スポーツが促進されるよう都としても支援することが必要と考えますが、現 状と対応について伺います。

回答7:障害のある人が、身近な地域でスポーツを行うための環境整備は重要です。都はこれまで、区市町村が障害者スポーツ事業を行うに当たって企画・立案や指導員派遣等により支援を行う「地域開拓推進事業」や、区市町村の取組を他の自治体に紹介する「地域取組事例集」の作成・配布等により、区市町村における環境整備を行ってきました。加えて平成26年度からは、区市町村スポーツ施設のバリアフリー化等工事への補助、平成27年度からは、区市町村が開催する障害者スポーツ教室等への補助を開始しています。今後、障害のある人が区市町村等のスポーツ施設を利用するに当たり、施設側が配慮すべき点をまとめたマニュアルを作成し、配布・周知していく予定です。また、都立特別支援学校の体育施設を障害者スポーツ活動の拠点の一つとして位置付け、更なる活用の促進に向け、教育庁とともに検討を進めています。こうした取組を通じ、障害のある人が身近な地域でスポーツを楽しめるよう、都として区市町村への支援を行っていきます。

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