2016/02/05 2月5日、都市計画審議会で大手町の再開発を質問
2016年2月5日、都知事の諮問機関である都市計画審議会に議会推薦の委員として出席しました。都市計画や道路など重要な議案25件を審議しました。その中で、2027年度に東京駅日本橋口に竣工予定の61階390mの日本一高いビルの事業計画について質疑を行いました。多くの高層ビル建設が進むなかオフィス需要の動向、新たな需要喚起の施策等を質問しました。
【中村委員】 それでは、議第7254号と議第7255号、都市再生特別地区大手町地区について、事業を進めるに当たり質問します。本件は、東京駅日本橋口の常盤橋地区の開発で、先日当案件を含めて改めて大手町近辺を歩いてみました。本件は連鎖型の再開発の第4次であり、1次、2次、建設中の3次と見ましたが、ほかにも多くの建設中の高層ビルもありました。この大手町・丸の内・有楽町の いわゆる大丸有地区は、都市再生特別地区であり、本件も容積率1,510パーセントに加え、都市再生への貢献の評価250パーセントを加えた1,760パーセントとなっています。4棟合わせた延面積は68万平米で最も大きなB棟は地上61階建てで約390メートルの高さになり、あべのハルカスの300メートルをはるかに抜き、日本一の高さになるとのことです。着工は2023年度で竣工は2027年度ということで、2020年のオリンピックの後になります。今、オリンピックに向けて高層ビルの建設が進む中、2020年問題と言われ、オフィスが供給過剰となるのではないかとも言われています。本件も大きな案件になりますが、新たな需要が生み出されていかなければ供給過剰になり値崩れしかねません。その場合でも都心のオフィスは埋まるでしょうが、他の地域から移転させただけになってしまいます。この都市計画の権限が区ではなく都にあるのは全体を見るためです。この案件の竣工はオリンピック後になりますが、そのときの社会経済状況を見込んでおく必要性もあります。また、文化、アミューズメントなど人を寄せ、新たな需要の喚起やホテル、ホールなどが不足すると言われるものが促進されることも必要です。都は、都市計画決定権者として、どのようにオフィスの需要と供給を見込んでいるのか伺います。
【上野幹事】 世界におきまして、都市間競争が激化する中、日本経済を持続的に成長させていくためには、東京が日本の経済を牽引しながら発展していく必要がございます。このため、交通利便性が高く、また中枢業務機能の集積している大手町・丸の内・有楽町地区におきましては、都市再生プロジェクトを推進し、質の高いオフィス機能などを整備いたしまして、新たなビジネスを創出し、都市環境を創出し、整備していく必要がございます。都市再生プロジェクトにつきましては、長期的な経済等の動向も勘案した民間事業者による提案を踏まえて行うものでございまして、その提案に当たりましては、行政といたしましては、オフィスの需給バランスの確保という観点ではなく、日本の成長に寄与し、国際競争力の強化に資するものであるかどうかなどを評価しているものでございます。
【中村委員】 この審議会の後の案件でも、品川と田町の間の新駅の議題もありますが、新たなまちができれば、また大きな商業ビルも想定されます。そのほかにも大きな案件もたくさん出ていますので、これはぜひ国際競争力ということも大事だとは思っていますので、それだけに需要と供給の動向をしっかり見据えていただきたいと思いますし、そういったことの上で、それに見合うだけの新たな需要を満たすことが必要だと思っています。まちづくりは、ハードだけではなくあらゆる施策と関連します。都は2040年のグランドデザインを策定中ですが、これまでと違いソフト、ハード両面含めて検討もされています。国際競争力に勝ち抜くため、新たな需要を創出するのに国際金融センター構想や海外企業の進出をあげています。これらが具体的に成果が出てこないとオフィスが埋まらなくなってしまいますので、例えばこれは政策企画局や産業労働局などとあわせて都庁での更なる取組を求めます。さて、本審議会では、京橋一丁目東地区の案件でも同じように都市再生特別地区の案件がありますが、設置される文化施設について、こちらは具体的に明記されています。この案件は、こちらの方は下水ポンプ場の再整備などもあり、京橋の案件より先になるとはいうものの、これと比べると本件は国際金融センターがどういうふうになるかというのがあまり明確ではないと思いますので、今後具体化されるようにしていくことが必要です。また、北側の濠には防災用の船着場ができるようですが、都が舟運に力を入れている中で注目されます。さらに、東京駅のすぐ北側に日本で最も高いビルが建つことになるため、昨年事業者が発表して以来、大きく注目もされていますシンボルタワーとなるようですので、ビジネスだけではなく観光での位置付けはどうなっていくのでしょうか。今回の都市再生貢献のビジネス交流機能と都市観光機能を今後どのように具体化していくのか伺います。
【上野幹事】 当地区におきます主な都市再生の貢献といたしましては、広域的な都市基盤施設である下水ポンプ場や変電所を機能停止することなく更新すること及び国際競争力の強化を図る都市機能を整備することでございます。その国際競争力の強化を図る都市機能といたしましては、ビジネス交流機能と都市観光機能の導入を図ることとしています。具体的には、事業者におきまして、ビジネス交流機能につきましては、東京都の東京国際金融センター推進会議におけます検討等も踏まえ、
具体的な機能のあり方について今後検討していくこととしておりますし、都市観光機能につきましては、展望機能や日本の魅力を発信するプレゼンテーション機能など具体的な内容等につきまして、長期的な時代のニーズを勘案しながら、関係機関と協議・調整を行い、検討していくこととしております。
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