2017/03/22 3/22総務委員会で法令遵守、防災対策を質問しました
都議会総務委員会に出席し昨日に続き来年度予算案について質問しました。今日は総務局に対して、豊洲市場問題に関して都政のコンプライアンス(法令遵守)への取り組み、防災対策として昨年政府から購入した旧立川倉庫の活用やオリンピック開催時の対応等について質問しました。東日本大震災から6年が経ちますが、防災対策に終わりはないので、今後も取り組んでいきます。
○中村委員 それでは、質問させていただきます。
初めに、コンプライアンス、法令遵守に関して、今度設置されるコンプライアンス推進部について伺います。
昨年の決算で、豊洲市場の盛り土がなかったことが大きな問題になっていましたので、行政監察室の体制の強化を図っていただきたいという質問をしました。来年度は五名増員で、名称もコンプライアンス推進部になるということで、その取り組みは評価したいと思います。
これは大変重要なことなので、さきの予算特別委員会で我が会派の島田議員、あさの議員も質問しましたが、その中で、これまでの業務で予防監察と事故監察があり、今回の体制強化では予防監察の強化が主な狙いであり、チェック機能の充実や職員の意識啓発を行うことが明らかになりました。ここは総務委員会ですので、もう少し詳しく議論したいと思います。
まず、チェック機能の充実として、監察の範囲を拡大するとのことです。これまでは服務管理の状況についての調査という位置づけだったようですが、それだけでは、法令遵守や都の方針どおりの執務ができているかは徹底できません。
監察の範囲の拡大について具体的な内容を伺います。
○安藤主席監察員 二十九年度の予防監察は、これまでの欠勤事故や手当の不正受給等の服務管理を中心とした監察に加えまして、文書等各制度所管部門と連携し、文書管理や事務引き継ぎ等が適正に行われているかについても監察を実施いたします。
また、各局等がみずから実施する監察につきましても、各制度所管部門と連携し、点検項目を充実させるなどして監察内容の充実を図り、職員の事故の未然防止に寄与するようにしてまいります。
○中村委員 今回の問題の中では、文書の管理について問題になっていました。今後、文書管理については、我が会派の代表質問で、知事も条例化をするという答弁もありましたので、これはしっかりとやっていただきたいと思います。
また、事務の引き継ぎについても、管理職については、これまでも文書で行っていたようですが、今後それを適正に行われているかも対象にするとのことでした。
豊洲市場の問題でも、青島さんから石原さんへの引き継ぎ文書が注目をされましたが、こうしたことは慣例で行うのではなくて、位置づけを明確化することで、その責任を押しつけ合うことにならないように、しっかりと明確にしていただきたいというふうに思います。
次に、職員の意識啓発を行うとのことですが、いろいろ制度をつくったとしても、最後は人ということになりますので、職員の意識の啓発は何より重要なものになります。
研修の強化などがあるかと思いますが、具体的な内容を伺います。
○安藤主席監察員 職員へのさらなる意識啓発のために、これまでの汚職等非行防止にコンプライアンスの要素を加えたコンプライアンス推進研修を全職員を対象に新たに実施し、都におけるコンプライアンスの考え方を職員へ周知徹底いたします。
また、メールマガジンの発行や強化月間の設定など啓発活動を強化し、全職員へ、さまざまな機会を捉えてきめ細かなPRを実施してまいります。
○中村委員 ぜひこのコンプライアンスの徹底ということ、汚職等をやってはいけないのは当然なんですけども、こういったコンプライアンスの意識についても、しっかり持っていただけるようにしていただきたいと思います。
特に民間であれば、例えば法令違反等で処分されれば会社の存続が危ぶまれますので、法令遵守というのを徹底しているという話もよく聞きますが、許認可を出す側の行政が法令違反を犯すようでは示しがつきません。行政こそが真っ先に襟を正し、法令遵守を徹底する必要があります。
先ほど、コンプライアンス推進部を設置して、監察範囲の拡大や研修の強化を図ると答弁がありましたが、さらに全庁が一丸となって法令遵守に取り組む体制を整備し、コンプライアンスの推進を図っていくことが重要であると考えますが、見解を伺います。
○安藤主席監察員 全庁が一丸となってコンプライアンスを推進する体制を整備していくことは、極めて重要であると認識してございます。
このため、従来の事後対応的な汚職等防止委員会の機能を拡大し、常時コンプライアンスを推進していくため、来月から、副知事をトップ、各局長を委員とするコンプライアンス推進委員会を設置し、全庁的に不断に取り組んでいく体制を整備いたします。
また、各局においても、局コンプライアンス推進委員会を設置し、各事務事業についての法令遵守の取り組みを局ごとに進めてまいります。
○中村委員 今回の豊洲市場の問題に関しては、揺らいでしまった信頼回復をすることが、今、都は必要になっていると思います。この問題は、市場の担当者だけの問題とせず、都庁全体が信頼回復に向けて取り組まなければなりません。
今の答弁で、これまでにはこういった組織はなかったそうなんですが、今回から新たに全局長が入った組織ができていくということは大変いいことだと思っていますので、今後は、全庁一丸となってコンプライアンス、法令遵守の徹底を求めていただきたいということでございます。
次の質問に移りたいと思います。
次は、防災対策について伺いたいと思います。
三・一一、東日本大震災から六年ということになりましたが、決して風化させるということではなくて、災害については、これからいつ起こるかわからないわけですから、過去の話ということよりも、これからのこととしてしっかりと、まだまだ考え続けていかなければならないと思っています。
そういった点で、昨年、東京都が国から買い入れた旧立川政府倉庫について、今回、来年度の予算の方を見ると、多摩広域防災拠点とするというふうな記載があります。これは、倉庫を買ったわけですが、倉庫ではなく拠点という名前になっていますので、物資の備蓄だけということではないようです。
もちろん、物資も後々は大事になります。先ほど、最初の段階で命を救うということが大事だという話もありましたので、そういった点から見ても、物資の備蓄だけではなく、防災の拠点として、この拠点をどのように生かしていくのか、都としての活用について伺いたいと思います。
○小林防災計画担当部長 本施設は、自衛隊、警視庁など防災機関が高度に集積いたします立川広域防災基地内に立地しておりまして、立地上のメリットを生かし、多摩地域はもとより、東京全体の防災力を高める広域的な防災の拠点として機能させてまいります。
具体的には、都のみならず、市区町村や指定公共機関、地域住民など災害対応を担う多様な主体が、物資の備蓄、救出救助、災害医療、訓練、普及啓発など、平時を含めましてさまざまな活動を行う施設として活用してまいります。
○中村委員 せっかくの施設でございますので、ぜひ有効になるような生かし方をしていただきたいと思います。
とはいえ、物資の備蓄ということも大事な位置づけになりますので、その点、少し確認したいと思います。
今回の旧立川政府倉庫の建物そのものは総務局が担当しているわけですが、備蓄する物資というのは福祉保健局が担当ということになるかと思います。建物と中の物の所管が分かれていると、いざというときに迅速な対応がとれるのかという点では、少し疑問に思うところもあります。
備蓄した食料が賞味期限切れがないように、各自治体の訓練に合わせて活用してもらうなど、平常時でも防災の担当が行った方が、物資を廃棄せずに有効に生かしていけるとも思います。
物資の備蓄、管理、活用を含めて一元的に対応する方が望ましいと考えますが、見解を伺います。
○小林防災計画担当部長 都におけます防災対策は、各局の役割分担のもと、全庁を挙げて進めていくこととしております。加えて、災害対応を適切に行うためには、国、市区町村、民間団体等、あらゆる主体の協力が不可欠となります。都庁内外の総合調整を担う総務局が、それぞれの取り組みを支えつつ、組織間の横串を通す役割を果たさなければならないと考えてございます。
災害用物資につきましては、都の備蓄を担う福祉保健局のみならず、物資拠点での荷役や輸送を担う民間流通事業者の協力や、いわゆるラストワンマイルを担う市区町村の取り組みなども重要でございます。
総務局が中心となりまして相互の連携を強化するとともに、この施設を各主体が積極的に活用することで、それぞれがみずからの防災力を高め、物資の調達、輸送体制を総体として強化していくこととしてございます。
○中村委員 災害時には、もちろん全庁を挙げて対応するということになろうかとは思いますけれども、例えば、これ、薬とか、福祉保健局が担当しているものを日常的に扱うということであれば、一定、意味はあると思うんですが、食料ということになると、日常的にどこが扱うかというのは確かにあると思います。
だからこそ、そういった点では市区町村との、例えば市区町村にも防災担当がいますから、東京都の防災担当と日常的につながりがあった方が扱いやすいところもあるでしょうから、こういった経過もあるとは思いますが、そのときそのときでの最適な分担になるような不断の見直しというのをお願いしたいと思います。
そうした点で、また、日ごろ住民の生命、安全を守るのは、まずは市区町村長ということにはなると思います。しかし、地方と違って、多くの方が自治体の境を越えて働きに出たり、行動に出るため、例えば働きという、仕事という点でいえば、一週間、七日のうちの五日間の平日は、実は多くの方が住民票がある場所にはいないということになります。東日本大震災では帰宅困難者の問題があり、東京都も対応はしていますが、帰宅が困難になる前に、生命、安全を守る避難体制や医療などが必要となります。
例えば、人口が五万人の千代田区には、他県からも含めて、平日昼間には百万人の人がいますが、千代田区役所だけでこの百万人は守れません。もちろん都も対応していますが、そもそも昼間人口についてはどこが責任を持つのか、明確にして対応を考えなければなりません。まさしく広域行政としての都の役割だと考えます。
大都市として、住民票どおりの対応ではなく、移動を考慮した災害対策について、責任を明確にして取り組む必要があると考えますが、見解を伺います。
○小林防災計画担当部長 発災時の住民の避難等につきましては、法令によりまして、基礎的自治体である市区町村が主たる役割を担うこととされておりまして、市区町村ごとに避難所の確保、運営、避難誘導などの対策を講じてございます。
首都直下地震等が発生した場合、被害は広範囲に及ぶことが想定されますため、都は市区町村と連携いたしまして、避難場所など防災情報の周知や、防災訓練、帰宅困難者訓練等の合同実施等を行いますとともに、九都県市間での相互応援協定などの都県域を超えた災害時の連携強化や、国や関係機関との協力体制の構築にも努めてきてございます。
今後とも、都内市区町村との連携を初め、こうした多様な取り組みを通じて災害時の応急対応等の備えを広域的に進めまして、東京の安全・安心の向上を図ってまいります。
○中村委員 先ほども述べましたけども、大都市の特性として、市区町村の境にかかわりなく人が移動し、特に都心に集中をします。
もちろん、自治ですから主体は市区町村ですが、最初から市区町村だけでは対応できない事態が想定されるわけですから、場合によっては、都が主導しなければならない場合もあるかと思っています。そのときになって考えようというよりも、あらかじめそうしたことを想定して役割分担していくことも検討願いたいと思います。
次に、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの災害対策について伺います。
イベントとしての担当はオリンピック・パラリンピック準備局となりますので、どのくらいの人が世界中から集まるのか、時間帯によってどう動くかは、確かにオリンピック・パラリンピック準備局が担当できるかと思います。
しかし、私は、これはイベントとして見るだけというよりも、一時的に人口が膨れ、多様な人種が混在する全く違う東京を想定し、対応を検討する必要もあるかと思います。
警視庁も今から対策本部を設置し、恐らく期間中は他県からも応援を呼ぶものと推測されます。
総務局としても、今から専任の担当を置いて、オリンピックの計画立案に対して防災の観点から助言、指導し、大会時には、国や他県への応援要請も含めて対応する必要があると考えますが、見解を伺います。
○松崎企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 二〇二〇年東京大会におきまして、都は、開催都市として、万全の体制でアスリート、大会関係者、観客の安全・安心を確保していかなければなりません。
このため、オリンピック・パラリンピック準備局とともに、総務局が事務局となり、治安対策、サイバーセキュリティー、災害対策、感染症対策の四つの視点から安全・安心部会を設置し、庁内横断的に検討を進めてございます。
現在、各種事態を想定した対処要領の策定作業を進めてございまして、今後、対処要領をもとに実践的な訓練を重ねていくことで、国や組織委員会を初め関係機関等との連携を強化していくとともに、対処要領の検証、見直しを行い、対策の実効性を高めてまいります。
今後、この庁内横断的な体制の中で、各局はもとより、国や関係機関等とも連携しながら、大会時の危機管理体制の充実、強化に取り組んでまいります。
○中村委員 オリンピックというのも、期間は短いわけですから、そういった点では所管局が担当するということもあるかとは思いますけれども、ただ、本当にそのときの東京というのを考えると、今と違う姿もあるんだろうと思っています。
私たちは日本に暮らしていると、例えば震度三ぐらいの地震でも最近はなれてしまっているところもあるんですが、全く地震がない国の方が来れば、少し揺れただけでも驚く方も多く、そういった方々によっては、パニックにならないとも限らないというふうに思っています。
担当を直接置くというのもなかなか大変なことだとは思うんですけれども、こういった対応をしっかりとしていくことで、逆に、これから海外から来られる方も安心して来ていただけるということをPRすることも、ひとつ大事なんだろうというふうに思っています。
東日本大震災の映像等も世界に流れているところもあるでしょうから、不安なく日本に来ていただけるように、しっかりと都庁としても全庁的な対応をして、世界中からのお客様を安心してお迎えできるような体制を整えていただくことを求めて、質問を終わります。
初めに、コンプライアンス、法令遵守に関して、今度設置されるコンプライアンス推進部について伺います。
昨年の決算で、豊洲市場の盛り土がなかったことが大きな問題になっていましたので、行政監察室の体制の強化を図っていただきたいという質問をしました。来年度は五名増員で、名称もコンプライアンス推進部になるということで、その取り組みは評価したいと思います。
これは大変重要なことなので、さきの予算特別委員会で我が会派の島田議員、あさの議員も質問しましたが、その中で、これまでの業務で予防監察と事故監察があり、今回の体制強化では予防監察の強化が主な狙いであり、チェック機能の充実や職員の意識啓発を行うことが明らかになりました。ここは総務委員会ですので、もう少し詳しく議論したいと思います。
まず、チェック機能の充実として、監察の範囲を拡大するとのことです。これまでは服務管理の状況についての調査という位置づけだったようですが、それだけでは、法令遵守や都の方針どおりの執務ができているかは徹底できません。
監察の範囲の拡大について具体的な内容を伺います。
○安藤主席監察員 二十九年度の予防監察は、これまでの欠勤事故や手当の不正受給等の服務管理を中心とした監察に加えまして、文書等各制度所管部門と連携し、文書管理や事務引き継ぎ等が適正に行われているかについても監察を実施いたします。
また、各局等がみずから実施する監察につきましても、各制度所管部門と連携し、点検項目を充実させるなどして監察内容の充実を図り、職員の事故の未然防止に寄与するようにしてまいります。
○中村委員 今回の問題の中では、文書の管理について問題になっていました。今後、文書管理については、我が会派の代表質問で、知事も条例化をするという答弁もありましたので、これはしっかりとやっていただきたいと思います。
また、事務の引き継ぎについても、管理職については、これまでも文書で行っていたようですが、今後それを適正に行われているかも対象にするとのことでした。
豊洲市場の問題でも、青島さんから石原さんへの引き継ぎ文書が注目をされましたが、こうしたことは慣例で行うのではなくて、位置づけを明確化することで、その責任を押しつけ合うことにならないように、しっかりと明確にしていただきたいというふうに思います。
次に、職員の意識啓発を行うとのことですが、いろいろ制度をつくったとしても、最後は人ということになりますので、職員の意識の啓発は何より重要なものになります。
研修の強化などがあるかと思いますが、具体的な内容を伺います。
○安藤主席監察員 職員へのさらなる意識啓発のために、これまでの汚職等非行防止にコンプライアンスの要素を加えたコンプライアンス推進研修を全職員を対象に新たに実施し、都におけるコンプライアンスの考え方を職員へ周知徹底いたします。
また、メールマガジンの発行や強化月間の設定など啓発活動を強化し、全職員へ、さまざまな機会を捉えてきめ細かなPRを実施してまいります。
○中村委員 ぜひこのコンプライアンスの徹底ということ、汚職等をやってはいけないのは当然なんですけども、こういったコンプライアンスの意識についても、しっかり持っていただけるようにしていただきたいと思います。
特に民間であれば、例えば法令違反等で処分されれば会社の存続が危ぶまれますので、法令遵守というのを徹底しているという話もよく聞きますが、許認可を出す側の行政が法令違反を犯すようでは示しがつきません。行政こそが真っ先に襟を正し、法令遵守を徹底する必要があります。
先ほど、コンプライアンス推進部を設置して、監察範囲の拡大や研修の強化を図ると答弁がありましたが、さらに全庁が一丸となって法令遵守に取り組む体制を整備し、コンプライアンスの推進を図っていくことが重要であると考えますが、見解を伺います。
○安藤主席監察員 全庁が一丸となってコンプライアンスを推進する体制を整備していくことは、極めて重要であると認識してございます。
このため、従来の事後対応的な汚職等防止委員会の機能を拡大し、常時コンプライアンスを推進していくため、来月から、副知事をトップ、各局長を委員とするコンプライアンス推進委員会を設置し、全庁的に不断に取り組んでいく体制を整備いたします。
また、各局においても、局コンプライアンス推進委員会を設置し、各事務事業についての法令遵守の取り組みを局ごとに進めてまいります。
○中村委員 今回の豊洲市場の問題に関しては、揺らいでしまった信頼回復をすることが、今、都は必要になっていると思います。この問題は、市場の担当者だけの問題とせず、都庁全体が信頼回復に向けて取り組まなければなりません。
今の答弁で、これまでにはこういった組織はなかったそうなんですが、今回から新たに全局長が入った組織ができていくということは大変いいことだと思っていますので、今後は、全庁一丸となってコンプライアンス、法令遵守の徹底を求めていただきたいということでございます。
次の質問に移りたいと思います。
次は、防災対策について伺いたいと思います。
三・一一、東日本大震災から六年ということになりましたが、決して風化させるということではなくて、災害については、これからいつ起こるかわからないわけですから、過去の話ということよりも、これからのこととしてしっかりと、まだまだ考え続けていかなければならないと思っています。
そういった点で、昨年、東京都が国から買い入れた旧立川政府倉庫について、今回、来年度の予算の方を見ると、多摩広域防災拠点とするというふうな記載があります。これは、倉庫を買ったわけですが、倉庫ではなく拠点という名前になっていますので、物資の備蓄だけということではないようです。
もちろん、物資も後々は大事になります。先ほど、最初の段階で命を救うということが大事だという話もありましたので、そういった点から見ても、物資の備蓄だけではなく、防災の拠点として、この拠点をどのように生かしていくのか、都としての活用について伺いたいと思います。
○小林防災計画担当部長 本施設は、自衛隊、警視庁など防災機関が高度に集積いたします立川広域防災基地内に立地しておりまして、立地上のメリットを生かし、多摩地域はもとより、東京全体の防災力を高める広域的な防災の拠点として機能させてまいります。
具体的には、都のみならず、市区町村や指定公共機関、地域住民など災害対応を担う多様な主体が、物資の備蓄、救出救助、災害医療、訓練、普及啓発など、平時を含めましてさまざまな活動を行う施設として活用してまいります。
○中村委員 せっかくの施設でございますので、ぜひ有効になるような生かし方をしていただきたいと思います。
とはいえ、物資の備蓄ということも大事な位置づけになりますので、その点、少し確認したいと思います。
今回の旧立川政府倉庫の建物そのものは総務局が担当しているわけですが、備蓄する物資というのは福祉保健局が担当ということになるかと思います。建物と中の物の所管が分かれていると、いざというときに迅速な対応がとれるのかという点では、少し疑問に思うところもあります。
備蓄した食料が賞味期限切れがないように、各自治体の訓練に合わせて活用してもらうなど、平常時でも防災の担当が行った方が、物資を廃棄せずに有効に生かしていけるとも思います。
物資の備蓄、管理、活用を含めて一元的に対応する方が望ましいと考えますが、見解を伺います。
○小林防災計画担当部長 都におけます防災対策は、各局の役割分担のもと、全庁を挙げて進めていくこととしております。加えて、災害対応を適切に行うためには、国、市区町村、民間団体等、あらゆる主体の協力が不可欠となります。都庁内外の総合調整を担う総務局が、それぞれの取り組みを支えつつ、組織間の横串を通す役割を果たさなければならないと考えてございます。
災害用物資につきましては、都の備蓄を担う福祉保健局のみならず、物資拠点での荷役や輸送を担う民間流通事業者の協力や、いわゆるラストワンマイルを担う市区町村の取り組みなども重要でございます。
総務局が中心となりまして相互の連携を強化するとともに、この施設を各主体が積極的に活用することで、それぞれがみずからの防災力を高め、物資の調達、輸送体制を総体として強化していくこととしてございます。
○中村委員 災害時には、もちろん全庁を挙げて対応するということになろうかとは思いますけれども、例えば、これ、薬とか、福祉保健局が担当しているものを日常的に扱うということであれば、一定、意味はあると思うんですが、食料ということになると、日常的にどこが扱うかというのは確かにあると思います。
だからこそ、そういった点では市区町村との、例えば市区町村にも防災担当がいますから、東京都の防災担当と日常的につながりがあった方が扱いやすいところもあるでしょうから、こういった経過もあるとは思いますが、そのときそのときでの最適な分担になるような不断の見直しというのをお願いしたいと思います。
そうした点で、また、日ごろ住民の生命、安全を守るのは、まずは市区町村長ということにはなると思います。しかし、地方と違って、多くの方が自治体の境を越えて働きに出たり、行動に出るため、例えば働きという、仕事という点でいえば、一週間、七日のうちの五日間の平日は、実は多くの方が住民票がある場所にはいないということになります。東日本大震災では帰宅困難者の問題があり、東京都も対応はしていますが、帰宅が困難になる前に、生命、安全を守る避難体制や医療などが必要となります。
例えば、人口が五万人の千代田区には、他県からも含めて、平日昼間には百万人の人がいますが、千代田区役所だけでこの百万人は守れません。もちろん都も対応していますが、そもそも昼間人口についてはどこが責任を持つのか、明確にして対応を考えなければなりません。まさしく広域行政としての都の役割だと考えます。
大都市として、住民票どおりの対応ではなく、移動を考慮した災害対策について、責任を明確にして取り組む必要があると考えますが、見解を伺います。
○小林防災計画担当部長 発災時の住民の避難等につきましては、法令によりまして、基礎的自治体である市区町村が主たる役割を担うこととされておりまして、市区町村ごとに避難所の確保、運営、避難誘導などの対策を講じてございます。
首都直下地震等が発生した場合、被害は広範囲に及ぶことが想定されますため、都は市区町村と連携いたしまして、避難場所など防災情報の周知や、防災訓練、帰宅困難者訓練等の合同実施等を行いますとともに、九都県市間での相互応援協定などの都県域を超えた災害時の連携強化や、国や関係機関との協力体制の構築にも努めてきてございます。
今後とも、都内市区町村との連携を初め、こうした多様な取り組みを通じて災害時の応急対応等の備えを広域的に進めまして、東京の安全・安心の向上を図ってまいります。
○中村委員 先ほども述べましたけども、大都市の特性として、市区町村の境にかかわりなく人が移動し、特に都心に集中をします。
もちろん、自治ですから主体は市区町村ですが、最初から市区町村だけでは対応できない事態が想定されるわけですから、場合によっては、都が主導しなければならない場合もあるかと思っています。そのときになって考えようというよりも、あらかじめそうしたことを想定して役割分担していくことも検討願いたいと思います。
次に、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの災害対策について伺います。
イベントとしての担当はオリンピック・パラリンピック準備局となりますので、どのくらいの人が世界中から集まるのか、時間帯によってどう動くかは、確かにオリンピック・パラリンピック準備局が担当できるかと思います。
しかし、私は、これはイベントとして見るだけというよりも、一時的に人口が膨れ、多様な人種が混在する全く違う東京を想定し、対応を検討する必要もあるかと思います。
警視庁も今から対策本部を設置し、恐らく期間中は他県からも応援を呼ぶものと推測されます。
総務局としても、今から専任の担当を置いて、オリンピックの計画立案に対して防災の観点から助言、指導し、大会時には、国や他県への応援要請も含めて対応する必要があると考えますが、見解を伺います。
○松崎企画担当部長首都大学調整担当部長尖閣諸島調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長被災地支援福島県事務所長兼務 二〇二〇年東京大会におきまして、都は、開催都市として、万全の体制でアスリート、大会関係者、観客の安全・安心を確保していかなければなりません。
このため、オリンピック・パラリンピック準備局とともに、総務局が事務局となり、治安対策、サイバーセキュリティー、災害対策、感染症対策の四つの視点から安全・安心部会を設置し、庁内横断的に検討を進めてございます。
現在、各種事態を想定した対処要領の策定作業を進めてございまして、今後、対処要領をもとに実践的な訓練を重ねていくことで、国や組織委員会を初め関係機関等との連携を強化していくとともに、対処要領の検証、見直しを行い、対策の実効性を高めてまいります。
今後、この庁内横断的な体制の中で、各局はもとより、国や関係機関等とも連携しながら、大会時の危機管理体制の充実、強化に取り組んでまいります。
○中村委員 オリンピックというのも、期間は短いわけですから、そういった点では所管局が担当するということもあるかとは思いますけれども、ただ、本当にそのときの東京というのを考えると、今と違う姿もあるんだろうと思っています。
私たちは日本に暮らしていると、例えば震度三ぐらいの地震でも最近はなれてしまっているところもあるんですが、全く地震がない国の方が来れば、少し揺れただけでも驚く方も多く、そういった方々によっては、パニックにならないとも限らないというふうに思っています。
担当を直接置くというのもなかなか大変なことだとは思うんですけれども、こういった対応をしっかりとしていくことで、逆に、これから海外から来られる方も安心して来ていただけるということをPRすることも、ひとつ大事なんだろうというふうに思っています。
東日本大震災の映像等も世界に流れているところもあるでしょうから、不安なく日本に来ていただけるように、しっかりと都庁としても全庁的な対応をして、世界中からのお客様を安心してお迎えできるような体制を整えていただくことを求めて、質問を終わります。
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