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都議会質問記録

2018/11/06 都営交通の災害対策、サービス向上、安全等を質問

11月6日、都議会公営企業委員会で所管の交通局、下水道局の事務事業に対して議員しました。都営バス、都営地下鉄の災害対策、サービス向上、安全のための働き方改革などを質問しました。下水道については豪雨対策、とりわけ三鷹台駅近くの浸水対策、また、今後、三鷹市の下水処理の東京都の処理場への編入などについて質問しました。以下は交通局の質問を掲載します(下水道局への質問は別に掲載)

○中村委員 それでは、交通局の事務事業について質問いたします。
  最初に、災害への対応について伺います。
  ことしは西日本豪雨や大阪北部地震、北海道胆振東部地震など、大きな災害が相次いだ年でした。会派としても、岡山ほか大阪の被災地を訪問し、お話を伺った上で、さきの定例会の代表質問や決算委員会でも災害対策について質疑をしました。その上で、ここでは具体的に、ことし九月三十日に襲来した大型台風時の対応を通して都営交通の対応を質問したいと思います。
  台風等の豪雨災害は、地震と違い予測ができるため事前の準備ができますし、また、しなければなりません。まず、九月三十日の大型台風の来襲に備えて、交通局は運休等についてどのような対応をしたのか伺います。
  この台風は、家が揺れるほどの強い風が吹き、テレビを見ると、大型トラックでさえ横転するなど、各地に甚大な被害をもたらしました。都営バスの運行、また、地下鉄は基本的には地下で風の影響がないとはいえ、一部地上を走る部分もあるのですが、どのような対応をしたのでしょうか。また、公営企業局は局長が責任者ですが、大規模災害ともいえる大型台風でもあり、任命権者である知事からどのような指示があったのか、あわせて伺います。

○塩田安全管理担当部長 交通局では、本年九月に発生した台風二十四号の接近に当たりまして、防風雨の影響により大幅なダイヤの乱れや運休等が見込まれるため、局ホームページやツイッター、各駅や停留所等におきまして事前に注意を喚起する情報発信を行いました。
  その後、台風接近の影響により、地下鉄地上部区間と日暮里・舎人ライナーにおきましては、おおむね二十三時ごろから運休し、都営バスにおきましても、一部の路線で減便や終車の繰り上げを実施いたしました。
  なお、知事からは、今回の台風に際しましても、安全確保や情報収集に万全を期すよう指示がございました。

○中村委員 交通局として、乗客の安全を守ることが重要であり、状況を判断されて対応されたのだと思います。
  知事からも指示はあったとのことですが、大規模災害になれば社会全体に大きな影響を与えるので、これは都庁全体での対応というのが求められるかと思います。
  また、今回の台風で注目されたのは、JRが異例ともいえる対応として、早い時間から夜八時に全ての路線で運行を中止すると発表したことです。
  都営地下鉄は、直接JRとは乗り入れていませんが、多くの駅で乗りかえ駅として関連があります。JRの計画運休について、JRからの連絡がいつ、どのようにあり、都営地下鉄としてどのように対応したのか伺います。

○相川電車部長 JR東日本の計画運休につきましては、当日の昼前に、JRから交通局総合指令所に実施についての電話連絡がございまして、駅係員や乗務員等に情報を共有し、お客様からの問い合わせに対応をいたしました。
  なお、夕方には、JRから振りかえ輸送の依頼を受け、駅改札口付近に設置しているモニターに、JR線の運行情報を四カ国語で表示するなど、お客様への周知を行いました。

○中村委員 通常でも、事故の際など、各交通機関の間には振りかえ輸送などの依頼もあるでしょうから、今回だけが特別ではないとは思いますが、一定の時間で全てがとまるというのは異例な対応ともいえます。より緊密な連絡が必要と考えます。
  今回のように、JRだけが運行をとめても仕事やイベントは中止にならないし、周知が十分でなければ、駅まで行って立ち往生することもあったと思います。公共交通は社会への影響が大きいため、できるだけ運行はとめない方がいいのですが、危険だと判断されれば運行をとめることもやむを得ません。むしろ公共交通をとめることで、不要不急の外出を控えるように呼びかける効果はあります。
  ただ、計画運休するとなると、それなりの判断が必要になります。先ほど、知事から台風へ万全の対応を期すよう指示があったとの答弁がありましたが、計画運休についても相応の立場の人間が指示することが必要ではないかと思います。
  そこで、計画運休について、交通事業者全体で協議会をつくるなど、体制を整えておくべきではないでしょうか。都営交通は一事業者とはいえ、メトロと合わせれば都心の中心で多くの私鉄が乗り入れています。積極的に提案してもよいと思いますが、見解を伺います。

○塩田安全管理担当部長 先般の台風二十四号の来襲に備え、鉄道事業者各社におきましては計画運休を行いました。国土交通省では、その対応等を検証するため、本年十月に、鉄道の計画運休に関する検討会議を開催しました。この会議には、JR六社及び全国の大手私鉄十六社が出席し、計画運休や運転再開、利用者への情報提供の方法等につきまして意見交換が行われました。
  交通局では、こうした国や他事業者の動向を踏まえ、関係機関と連携を密にしながら適切に対応してまいります。

○中村委員 国の動向次第ということのようですが、残念ながら、国土交通省の検討会議には都営地下鉄は呼ばれていないようです。今後は会議に呼ぶよう求めることも必要だと思います。
  また、先ほどの質問で、知事からの指示についてあえて質問したのは、横並びの事業者の中で、都営交通は自治体が運営している交通機関であり、また、他事業者よりも行政には発信力があります。交通事業は国土交通省の管轄とはいえ、現場のある強みを生かし、今後起こり得る未曽有の災害から都民を守るために、ぜひ検討するよう求めます。
  さて、次に、台風ではなく地震に関する対応なんですが、北海道胆振東部地震で北海道全域が停電するブラックアウトとなり、交通は全面的に麻痺し、鉄道も運休となりました。地震が発生した際に、地下鉄構内での停電対策はどうなっているのか伺います。

○塩田安全管理担当部長 都営地下鉄では、各路線に、非常用バッテリーや非常用の発電機を設置しております。この非常用電源によりまして、停電時に、非常用照明や避難誘導灯、消防設備等に電気が供給され、これらの設備が二時間以上使用できるようになっております。
  駅の停電時には、このような設備を活用し、お客様を安全な場所に避難誘導できるようにしてございます。

○中村委員 二時間以上は駅の照明を確保するという答弁でしたが、本当に二時間程度で十分なのでしょうか。地下鉄構内に滞在するのは、一時避難場所に避難するまでの一時的に滞在するという前提ですが、地上が混乱した場合には、そのまま地下の構内に滞在せざるを得ないことも考えられます。
  そもそも都は、帰宅困難者の対策として一時滞在施設を確保するとしていますが、まだ目標数に対して三分の一しか確保しておらず、六十万人以上が居場所がないことにもなります。そうなると、駅などの地下にそのまま滞在せざるを得ない場合も想定されます。真っ暗になると人々の不安は増大します。さらに長い時間、照明が確保できるよう要望いたします。
  次に、事故時の対応について伺います。
  災害とまではいかなくても、悪天候によるダイヤの乱れ、また、都営地下鉄は、私たちも求めておりますが、ホームドアの整備などが進めば事故は減ると予想されますが、まだホームドアの設置のない他社の路線も含めて事故が発生した場合には、都営地下鉄だけではありませんが、鉄道事業者が発信する情報は少ないといえます。
  当然のことながら、利用者は目的地にどうすれば行けるのかをまず考えます。乗車する前なら、駅で待てばいいのか、迂回ルートをとるべきか、具体的な情報を求めています。また、乗っている電車がとまったのならば動くのを待つしかありません。地下鉄の中に液晶モニターがある場合は、広告を流すのではなく事故の情報を流してほしいと思います。
  事故や災害時もそうですが、インターネットの情報の方が早く流れてきますが、正確である保障もなく、場合によってはデマが流れることもあり、それを打ち消すにはしかるべき機関が正しい情報を適切に流すことしかありません。
  そこで、駅や車内モニターにおいて、事故や輸送障害時に、復旧の見込みや迂回ルートを早急に示すべきと考えますが、見解を伺います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、事故や輸送障害が発生いたしましたときは、駅の構内放送や改札口付近に設置してありますモニターによりまして、ほかの会社の鉄道を含む運行状況や振りかえ輸送のご案内などの情報を提供しております。車内につきましても、乗務員による車内放送により、適宜、同様の情報を提供しております。
  復旧見込みの情報につきましては、運転を再開する時間が予測できる場合には、放送や改札口付近のモニターによりご案内しておりますけれども、迂回ルートにつきましては、お客様の目的地によってさまざまなルートが存在いたしますことから、駅係員が個別に対応しております。

○中村委員 事故などの際には、正確に、いつ復旧するとは発表しづらいとは思いますが、とはいえ、事故の内容をやじ馬的に知りたいのではなく、余りにも情報がないので、急いで目的地に行きたい人もどうしてよいか判断がつかないわけですし、停止した車両に閉じ込められれば不満もたまります。正確な時間がわからなくても、命にかかわるような事故が起きているのか、それとも物が線路に落ちた程度なのか、事故の大きささえわかれば、乗客もおおよそ予想ができれば心理的にも違ってきます。他社の路線になると都営だけの問題ではないのですが、こうしたことも、先ほどもいいましたが、交通事業者間等で協議する場があればということを望むものでございます。
  さて、先ほど、事故の際の情報不足への質問も今しましたが、そうしたことが駅員への暴力につながることもあります。もちろん、どのような理由でも駅員に対する暴力行為が許されるわけではありません。
  また、これから年末に向けて、特に夜は酒に酔った乗客がふえる季節にもなります。鉄道やバスで騒いだりする行為や暴力行為、迷惑行為については、他の乗客を不快にさせるばかりか、駅員が暴力行為の被害に遭うケースもあると聞きます。
  そこで、地下鉄駅員に対する暴力行為の現状と対策について伺います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄におけます駅係員に対する暴力行為で、警察に通報いたしました件数は、平成二十九年度には九件ございまして、お酒に酔われた上での事例が多く発生しております。
  駅係員が暴力の被害に遭いました場合は、直ちにほかの駅係員に連絡いたしまして、複数で対応をいたしますとともに警察に通報することとしております。また、鉄道各社及び警察と連携いたしまして、ポスターの掲出や車内放送などによりまして、暴力行為の防止を広く呼びかけております。

○中村委員 乗客の安全を守るのは職員の務めではありますが、職員の安全を守るのは事業者がしっかり体制をつくっていくことが大切だと思いますので、今後も適切な対応をしていただくことを求めます。
  さて、先日、消費者庁の発表により、路線バスの乗客が運行中に転倒し、けがをする事故が五年間で二百五十件起きたと報道されておりました。今後、ますます高齢化が進み、シルバーパスを利用して乗車する方もふえると予想されます。バス車内での転倒事故がふえていることが問題になりますが、事故の現状と事故を防止するための対策について伺います。

○根木自動車部長 車内転倒事故は、乗車したお客様が着席される前にバスを発車させてしまったときや、他車の割り込みや自転車の飛び出し等により急ブレーキをかけたとき、停留所に到着する前にお客様が席を立ち上がったときなどに発生しております。
  このうち、お客様が着席される前に発車したことによる事故につきましては、乗務員が十分注意すれば防ぎ得る事故であることから、全乗務員に対する定期的な安全研修や日々の点呼等を通じて、お客様の着席等を車内ミラー等で確認してから、発車します、おつかまりくださいとアナウンスした上で発車するよう指導を徹底しております。
  また、突発的な事態でも急ブレーキを避け的確に対処できる、道路状況に応じた速度での走行や適切な車間距離の確保を指示しております。さらに、乗務員の指導に当たる職員がバスに添乗し、指導及び指示したことが確実に実施されているかを確認するとともに、事故防止に向けた効果的な運転操作等をアドバイスしております。
  車内事故の防止には、お客様のご理解も必要であります。そのため、ポスターやステッカー、車内放送などにより、バスがとまってから席をお立ちいただくよう呼びかけるとともに、ターミナルやシルバーパスの更新会場においてご協力を求めるリーフレットを配布しております。

○中村委員 急ブレーキをかける原因には、自転車等いろいろと飛び出しとかもあるとは思うんですが、最近、特に自転車が車道を走るという、もともと法規制がそうではあったんですが、厳格化されるようになったので、自転車専用レーンが十分に整備されていない場合には、運転手からすれば、これまで以上に神経を使わざるを得なくなったと思います。道路の未整備にも問題はありますが、事故のないよう、また急ブレーキで乗客がけがをしないよう安全運転をお願いします。
  次に、ヘルプマークの普及について、都営交通の対応状況を伺います。
  内部障害や妊娠初期の方など、外見からわからなくても援助や配慮を必要としている方々が援助を受けやすくするものです。都の福祉保健局が作成をし、最近JIS規格化されたので、これまで以上に普及を進めるべきだと考えております。
  都営地下鉄では、これまでも普及に協力してきたと聞いていますが、一方では、都営地下鉄には他社の車両も乗り入れています。ヘルプマークを持っている方が、都営地下鉄の中であるにもかかわらず、たまたまヘルプマークのステッカーが張られていない他社の車両に乗り合わせたため座席を譲ってもらえなかったという話も聞きました。
  そこで、ヘルプマークの普及について都営地下鉄の対応状況を伺います。また、同じ路線を協力して運行しているのであれば、私鉄に協力を求めるべきと考えますが、見解を伺います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、福祉保健局に協力いたしまして、平成二十四年度から大江戸線でヘルプマークを配り始めまして、二十五年度からは、当局が管理している百一の駅でお配りしております。
  また、お客様にヘルプマークを広く周知するため、優先席の上部の窓や優先席近くのホームドアにステッカーを張りつけておりますほか、駅構内と車内へのPRポスターの掲出、駅改札口や車内のモニターを使ったPRなどを行っております。
  鉄道各社に対しましてはこれまでも、福祉保健局がヘルプマークの普及に向けた協力を呼びかけております。
  当局といたしましても、引き続きヘルプマークの普及啓発に努めてまいります。

○中村委員 都営地下鉄では全部で対応していただいているということなんですが、他社に対して余り前向きな答弁がないと感じます。福祉保健局が呼びかけるよりも、乗り入れで一緒に事業を行う交通局が声をかける方が、相手側も受けとめやすいのではないかと思います。改めて、交通局から私鉄へ協力を求めることについても要望いたします。
  次に、バスについても伺います。
  通勤通学時にバスを使う方も多いのですが、毎日使う路線以外にバスを使うことは余り多くありません。それは、路線がどこを通っているのかとか、どのくらいの時間で着くのかといったことがよくわからないからということも大きな理由だと考えます。
  バスは路線も時間もわからず使いにくいため、移動手段として、よりわかりやすく工夫すべきと考えますが、見解を伺います。

○坂田バス事業経営改善担当部長 副委員長がお話しのように、バスは路線が複雑で、到着時間もわかりにくいという声が寄せられていることから、都営バスではこれまでも、お客様への情報案内の充実に努めてまいりました。例えば、路線の案内につきましては、こちらは委員会の資料としてもお配りいたしておりますけれども、都バスの路線案内マップ、みんくるガイドや、主要なターミナルごとに路線を案内する冊子を発行しております。
  また、ホームページの都バス運行情報サービスでは、目的地を入力すると利用可能な路線を検索できるとともに、バスの到着予定時刻や目的地までの所要時間の見込み等につきましても確認できるようにしておりまして、一日約四十五万件のアクセスをいただいております。
  さらに、駅の改札口や駅前広場に、バスの乗り場や発車予定時刻などの運行情報を表示するデジタルサイネージを設置するとともに、バス停では、接近表示装置によりまして、幾つ前のバス停までバスが来ているのかをお知らせしております。
  また、車内におきましても、四つ先までのバス停や鉄道との乗りかえ、都営バス沿線の観光スポットなどを案内する液晶モニターの設置を進めております。
  今後とも、お客様にわかりやすい情報案内の充実に努めてまいります。

○中村委員 よりよく、より利用されやすいようなという工夫をすることが必要だと思っております。
  最近、インターネットで調べることができる、わかりやすくはなってきましたが、ご高齢の方など使わない方もいますので、さらなる取り組みを求めるところでございます。
  さて、公共交通は、何よりも安全な運行が重要です。数年前に長距離スキーバス転落事故もあり、かなり注目されましたが、乗客の命を預かる乗務員が万全の体制で運転できるようにすることは重要です。
  昨今、働き方改革のことがいわれています。交通局の職員は、多くが乗務員や保守の職員など、乗客の命を預かる仕事をしています。全ての職員が家庭と仕事を両立し、安心して働けるようにしていかなければなりません。
  そこで、職員のライフワークバランスの取り組みについて伺います。

○渡邉職員部長 職員一人一人が仕事と生活の調和を図り、安心して働ける職場環境を整備することは重要であると考えております。このため、交通局では、残業削減マラソンや二十時完全退庁の徹底など全庁的な取り組みを実施し、超過勤務縮減に努めております。
  また、働き方改革の一環として、一部の職場で時差勤務やフレックスタイム制、在宅勤務型テレワークなど、柔軟で多様な働き方の推進にも取り組んでおります。
  さらに、不規則勤務職場では、妊娠期間中の職員に対し、泊まり勤務を日勤勤務に切りかえたり、事務室内での業務に従事させるといった配慮を行っております。
  また、育児、介護の事情を抱える職員には、子供の看護休暇や介護時間などの支援制度の活用促進を図るとともに、東京都職員ライフ・ワーク・バランス推進プランに基づき、各職場において、職員の中から両立支援アドバイザーを選任し、育児、介護と仕事の両立に関する相談や問い合わせなどに対応しております。

○中村委員 都庁全体でも働き方改革が行われていますが、特に乗客の命を預かる交通局においては確実な取り組みを求めます。
  また、男女共同参画社会において、さまざまな職場で女性の活躍が期待されます。先ほどの答弁でも、妊娠期間中の職員への配慮であるとか、育児や介護など、いろいろと配慮はされているということなんですが、この交通の現場でも女性が安心して働くことができる職場環境を整える必要があります。
  女性の雇用について、更衣室やトイレの整備など現状と課題について伺います。

○渡邉職員部長 交通局では、女性が働きやすい職場環境の充実に向けて、地下鉄やバスなどの事業所において、女性職員の更衣室、トイレ、休憩室、宿泊勤務の際に使用する仮泊室などの施設の整備拡充を進めております。
  現在、バスの営業所や地下鉄の保守部門の庁舎においては、必要な施設の整備をほぼ完了しております。一方、地下鉄では、駅構内の空間が限られていることなど、さまざまな制約がありますが、駅の改修工事などに合わせて着実に整備を進めているところでございます。

○中村委員 おおむね取り組まれていることのようですけれども、地下鉄ではまだ課題があるようです。女性の活躍は人材の確保という点でも重要ですので、引き続きの取り組みを求めます。
  さて、生産年齢人口の減少や大型二種免許取得者の減少に伴い、バスの運転手不足も懸念されております。バスの運転手という職業については、きつい仕事というイメージを持たれているように思います。多くの乗客の命を預かるバスの運転手という職業は、確かに責任は重いのですが、魅力的な職業だということをアピールし、若い人たちが志すようにしていくことも必要だと思います。
  バスの運転手不足が懸念されますが、若い世代の確保のための取り組みについて伺います。

○渡邉職員部長 近年、全国的に大型二種免許保有者の高齢化と新規取得者の減少が進行していることなどから、バス乗務員の採用環境は厳しさを増しております。こうした中、交通局では、安定的なバス乗務員の確保に向け、大型二種免許の未取得者に対して免許取得を支援する養成型の選考を実施しております。
  また、ホームページに、当局の若手職員がみずからの体験を踏まえて職場の魅力をPRする記事を掲載したほか、主に二十代、三十代が集う転職支援イベントへの出展も行うことにより、若い世代のバス乗務員希望者の拡大を図り、都営バスの人材確保に努めてまいります。

○中村委員 最後に、公共交通のあり方について、少し広い観点から伺います。
  まだ東京の人口はふえ続けてはいますが、今後の超高齢社会、人口減少社会を見据えた公共交通のあり方を考えていく必要性があると考えます。
  中でもバスは、高齢者や障害者が利用しやすい身近な足だと考えています。各市区町村でも交通不便地域の解消のため、コミュニティバスの取り組みなどを行っています。
  交通局は、東京都の公営企業として、都営バスの路線について積極的に黒字路線を開拓するとともに、赤字路線についても、地域の足の確保のため維持すべき路線があると考えますが、見解を伺います。

○坂田バス事業経営改善担当部長 都営バスではこれまでも、需要の変化に合わせまして、乗務員や車両など、限りある経営資源を有効に活用することで、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるようバス事業を運営しております。
  例えば、大規模住宅等の建設が進み、都営バスへの需要が高まっている臨海地域等では、ここ数年、積極的に増便等を行っております。
  一方、利用者が減少し赤字となっている路線であっても、代替交通手段が十分に整備されておらず、地域の足として必要な路線は黒字系統の収入で支えるなど、総合的な事業運営を行うことで維持しております。

○中村委員 公営企業として収支はもちろん重要ですが、公営企業がゆえに赤字路線でも住民の移動に必要な路線を簡単には廃止できないと思います。もちろん、収益を確保することに常に努力をすることは重要ですが、都として広域的な視点から、今後ふえ続ける高齢者も含めて、移動手段の確保を積極的に行うべきと考えます。
  安全で都民が暮らしやすい東京になるよう、今後の都営交通のあり方を検討することを求めて、質問を終わります。

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