> 都議会質問 > 都議会公営企業委員会 > 水道局に談合問題の真相解明、断水対策を求める

都議会質問記録

2018/11/22 水道局に談合問題の真相解明、断水対策を求める

事務事業について質問しました。冒頭、局長から10月30日に公正取引委員会が談合事件の調査で水道局に立ち入り検査に入ったことへの謝罪がありました。それを受け、質問の冒頭に事件の徹底究明、再発防止を求めました。また、玉川上水の保全、断水状況の公開、震災対策としての水道管路の耐震継手化、災害時給水ステーションでの応急給水訓練の実施、中高層ビルでの断水対策等について質問しました。水は生活にとって重要であり震災時も影響が最小限になるよう取り組みを求めました。

○中村委員 それでは、水道局への質問の冒頭に当たり、先ほど局長から報告のあった談合の問題について申し述べます。質問も用意していたんですが、まだ調査中とのことでしたので、理事会の申し合わせで、早期の報告を求めて、その際に質疑をすることになったため、本日は意見を述べるにとどめます。
  水道局が関係する談合事件が報道されたことは、まだ捜査中とのことですが、事実であれば極めて残念なことです。水道局でこうしたことが繰り返し行われているため原因を徹底的に究明し、再発防止に全力を努めなければなりません。
  今回、副知事をトップとした調査特別チームを設置して対応するとのことですが、水道局内部だけではないとはいえ、都庁内には変わりはありません。一般的にこれでは第三者の目とはいえません。事件の検証を行うためには、都庁内だけではなくて外部による第三者委員会を立ち上げることを求めます。また、調査とともに、今後二度とこうしたことが起きないよう、コンプライアンスの徹底も求めておきます。
  それでは、質問に移りたいと思っています。
  最初に、水道局が所管をする玉川上水についても伺いたいと思っています。
  玉川上水の方も、多摩地域の中で本当に緑豊かなすばらしい景観を備えています。特に中流部のところにおいては、小金井の桜並木などのように、名勝指定の区間もあるなど、すばらしい光景も見ることができます。
  また、私の地元の三鷹市付近にとっても、大変地域にとっても愛着のあるものであって、例えば三鷹駅の付近では、太宰治が入水をしたとかいうことも地域の方にはよく知られておりますし、今では、三鷹の駅から玉川上水を大体十分ぐらい玉川上水沿いに歩いていくと、都立井の頭恩賜公園があり、そこにジブリ美術館もあることから、日本だけではなくて海外からも多くの方々がこの沿道を歩くなど、非常にこれは保存していきたいものだと思っています。
  ただ、この玉川上水というものの文化的な意義というのが、素掘りののり面というところにあるわけですけれども、地域の住民は緑地の保全を望んでいるところも多いわけですが、その両立というのが必要になります。文化的な意義が十分に伝わっていないと、のり面を保護するために樹木を伐採することになるのですが、緑が減ることは周辺住民が必ずしも望んでいるというわけでもありません。もし仮にこの樹木を切るのであれば、のり面に影響がないところで別に緑の確保もしていくことも望まれています。
  それには、この玉川上水だけではなくて、沿道も含めてもう少し管理の幅を広げて一体として管理をしていくことが必要です。
  しかし、玉川上水の管理は、柵の中は水道局で、沿道の道路は建設局や地元自治体にまたがり、文化財としては教育庁になっているなど所管がわかりにくくなっています。
  同じ玉川上水でも、羽村から小平までは水道原水の導水路として使用しているのですが、小平監視所からは、現状、上水道施設としては使用しておらず、清流復活事業として下水の高度処理水を流しています。
  このようにいろんな管理状況があるわけですが、都として一体的な管理をするよう運営体制の見直しが必要と考えます。
  そこで、都として一体管理すべきと考えますが、見解を伺います。

○志村経理部長 玉川上水は、貴重な土木施設、遺構であるとともに、羽村取水堰から小平監視所までの上流部は、原水導水路としての役割を担うなど、重要な水道施設であることから、水道局が管理してございます。一方、周辺の緑道は、道路としての役割を担うことから、建設局や地元自治体が管理しており、都としての一体的な管理が難しい状況にございます。
  このため、当局及び関係各局による庁内連絡会議を初め、関係各局とともに地元自治体や地元住民で構成する玉川上水緑の保全事業都・区市連絡協議会を設置し、玉川上水の適切な管理運営に取り組んでおります。
  しかし、地元住民からは、関係機関が多く管理者や問い合わせ先がわかりにくいなどの意見もいただいているところでございます。このため、平成二十九年度の、今申し上げました都・区市連絡協議会におきまして、内容に応じた問い合わせ先を整理した玉川上水問い合わせ先一覧を配布するなど、対応の充実に努めているところでございます。
  今後も、都・区市連絡協議会などを活用し、地域の方々からの要望について積極的に情報交換を行うなど、関係各局や地元自治体等と連携して課題解決に取り組んでまいります。

○中村委員 玉川上水は、地域にとって多くの方が愛着を持ち、それぞれ沿線にいろんな市民団体があるんですけれども、それらが連携をしていろんな取り組みを目指しています。世界遺産を目指すという取り組みがあったりとか、また、実現は難しいのかもしれませんが、羽村から小平までだけではなくて、この河川の水を小平から先も、皇居のお堀まで通したいというような意見もあったりするようです。
  いろいろとそういった関心も高いものですから、今後も、文化的意義は大切ですし、一方では地域にとって緑豊かな空間を求めていますので、情報共有だけではなくて、これまでと違った管理体制の構築によって、こういった歴史遺産と、また自然環境等が残されていくような体制を構築していただけるよう検討していただきたいと思います。
  次に、断水の対策について伺います。
  水は、生活にはなくてはならないものであり、蛇口をひねれば出るのが当たり前になってはいますが、そのため、水道局の皆様が日々努力をされていることは十分承知をしております。それがゆえに、普通の生活の中で万が一断水してしまえば生活に大きな影響が出てしまいます。そこで、現在の断水についての状況を伺います。
  東京水道経営プラン二〇一六では、多くの業務指標が掲載されており、その中で事故時の断水や濁水時間が指標値として記載されています。しかし、断水、濁水時間は都全体における割合になっているので、一千三百万都民の割合からすればゼロに近い数値になっています。しかし、実際に断水となれば、都民生活に影響が生じてしまいます。
  この東京水道経営プラン二〇一六の業務指標にある事故時の断水、濁水時間について伺います。

○尾根田給水部長 水道事業における業務指標は、水道業務の効率化を図るために活用できる規格の一種で、厳密に定義された算定式により施設の管理や事故、災害対策など、水道事業体が行う多岐にわたる業務を定量化し、評価するものでございます。
  経営プランで掲げている業務指標の値は、国内規格である日本水道協会の水道事業ガイドラインに基づき算定しております。このうち事故時の断水や濁水時間の指標は、全給水人口に対する時間割合で、一人当たり何時間断水、濁水があったかを示すものでございます。
  その値を年間で見ますと、平成二十七年度は〇・〇一時間、平成二十八年度は、ほぼ数値にあらわれない〇・〇〇時間となっております。

○中村委員 この指標の数値を見ると、断水や濁水の時間は都全体における割合としてはごく小さな数値が出てくるということではあります。もちろん、それだけ大きな事業をやっているわけですから、そういった数値が小さくなる努力はしていただいているというのはわかりますが、どの程度の事故が発生しているのかという具体的な実数が公表されていません。
  そこで、平成二十九年度に発生した断水を伴う事故件数と断水の影響戸数について伺います。

○尾根田給水部長 平成二十九年度に発生した断水を伴う配水管の漏水や損傷の事故の件数は四十八件でございます。また、これらの事故による断水影響戸数は約千八百五十戸でございます。

○中村委員 今、実際の数値の方も公表していただきました。決まった指標を公表するというだけでは、都民全体から見て影響が少ないから問題ないといっているように聞こえてしまいます。実数は、これは存在しているわけですし、決まった指標を出すから実数を出していけないという決まりはないはずですから、たとえ都民全体の割合では少数でも、当事者にとっては極めて大きな事態です。きちんと公表して、場合によってはどういう原因で発生し、どう対策するかまで公表し、漏水事故の未然防止に努めていただきたいと思います。
  あえて数字にこだわって質問したのは、都全体としての割合は小さくても、そのお一人お一人、本当にひねったら出るのが当たり前という状況の中で、実際に断水すれば、その方にとってはやっぱり大きな影響があるわけですから、こういった一つ一つのことをしっかりと重く見て、今後もそういった断水がないような取り組みをしていただきたいと思います。
  次に、平常時ではなくて災害時の対応を伺います。
  全国各地で地震が起こるたびに断水が発生し、生活に大きな影響が出ている様子が報道されます。ガス、電気もとまると大変ですが、水がとまると深刻な影響が出ます。そのため、震災時にもできるだけ断水しないような対策が必要です。
  都では、水道管路の耐震継ぎ手化を進めているとは思いますが、どういう順番で耐震継ぎ手化をしているのでしょうか。災害の想定やネットワーク、危険度、老朽化度などをどう考慮しているのでしょうか。耐震継ぎ手化の目標は避難所などの重要施設について設定されていますが、全家庭一〇〇%達成はどういう計画になっているのでしょうか。
  そこで、水道管路の耐震継ぎ手化の考え方と今後の計画について伺います。

○狩野建設部長特命担当部長兼務 水道局では、強度にすぐれたダクタイル鋳鉄管への取りかえをほぼ完了しております。
  現在は、震災時の断水被害を効果的に低減するため、首都中枢機関、救急医療機関や避難所などの重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化を重点的に推進しています。また、液状化の危険度や地震動に加え、水道管路の耐震継ぎ手化の進捗などを考慮し、被害が大きいと想定される地域においても耐震継ぎ手化を進めております。
  こうした取り組み状況を踏まえ、外部の有識者のご意見を伺いながら、今後の水道管路の耐震継ぎ手化の進め方について検討しているところでございます。

○中村委員 水道管は強度にすぐれたものへの取りかえがほぼ完了ということですので、一〇〇%に向けて引き続き取り組んでいただきたいと思います。
  また、耐震継ぎ手化も順次行っているということですが、避難所や小中学校などの重要施設も大事ですが、一般の家庭でも一刻も早く断水しないよう対策が必要です。都の計画では、重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化を重点的に推進しており、その他についても今後検討するということのようですが、まだ時期も未定なようですので、早急に検討し、震災時も断水しないよう対応を急いでいただくことを求めます。
  一方で、震災等により断水が発生した際の対応も備えていくことが必要です。震災等が発生した際には、市や区や町が、都が設置した給水拠点や避難所などの災害給水ステーションにおいて応急給水を行うことになりますが、これを迅速に行うためには、市や区や町と地域住民が連携して対応することが重要です。災害時の応急給水の実効性を高めるためにも、水道局は応急給水訓練などを活用して積極的に支援すべきです。
  そこで、災害給水ステーションなどでの訓練について、市や区や町や、また町会などと協力しながら実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○小山サービス推進部長 震災等が発生した際に、区市町が地域住民などと連携して、災害時給水ステーションにおける応急給水を迅速に行えるようにするためには、応急給水訓練を通じた水道局の支援も重要というふうに認識いたしております。
  このため、当局では、区市町などの災害対応力を高めてもらうことを目的といたしまして、浄水場など当局所管施設の災害時給水ステーションにおいて、区市町や地域住民、学校などと連携した訓練を定期的に実施いたしております。
  訓練実施に当たっては、多くの方に参加していただけるよう積極的にPRを行っておりまして、平成二十九年度は百四回実施いたしまして、地域住民や学校生徒など約三千百名に参加をいただきました。また、内容も、残留塩素の検査や資器材の組み立てなど、実際の応急給水に即した実践的なものとなっております。
  引き続き、区市町が担う応急給水の実効性を高めるために、水道局としても、区市町や地域住民などと連携した訓練を通じて支援を行ってまいります。

○中村委員 災害時給水ステーションなどで定期的に訓練をしているということは理解はいたしましたが、そもそもこの災害時給水ステーションというのが、まだ地域に十分知られていないのではないかと思いますが、今後、どのようにこれをPRしていくのか伺います。

○小山サービス推進部長 災害時給水ステーションは、災害時に応急給水を行う場所であることから、この場所と機能を多くの方に知っていただくため、当局は、ホームページやツイッターなど多様な媒体により広くPRを行っているところでございます。
  また、QRコードを用いて災害時給水ステーションに関する情報を入手しやすくするなどの工夫も行っております。
  さらに、災害時給水ステーションの場所等を掲載したメモ帳など、PRグッズを作製いたしまして、地域のイベントや水道キャラバンなどで配布をいたしております。
  今後も引き続き、あらゆる機会を捉えまして、さまざまな手法によるPRを効果的に実施いたしてまいります。

○中村委員 いざというときに備えて、都がPRをしていただいているのはわかりましたが、それだけではなくて、先ほど数値もお答えいただきましたが、三千百人の方々が参加をしているという数字を多いと見るか少ないと見るかというのはあるんですけれども、もう少しこういった地元自治体や町会、自治会とも連携して、実際に集まって給水する訓練を行っていただきたいというふうに思っています。
  また、災害時給水ステーションが二キロメートルごとに配置をされているということですけれども、多摩地域の自治体から求めもあるんですが、地図上の直線距離が二キロであっても、山があったり谷があったりということで、実際には簡単に行けないところも多くあるということです。そういったところからは、さらに応急給水所の設置を求めるという意見がありますけれども、少なくとも現状の場所で実際に行ってみることが大切ですので、さらなる訓練の実施や広報や啓発を求めます。
  また、昨今、都内にも高層マンションがふえ、災害時に高層階での断水が心配されます。災害時に電気がとまり、エレベーターがとまると特に大変との報道もあります。非常用電源を備えた高級マンションばかりではないので、こうした集合住宅での対応が必要です。
  都では、直結給水方式を進めていますが、災害時に停電した場合、中高層階へポンプ設備より直結給水するマンションでは断水が想定されます。
  水道局は、直結給水を検討しているお客様に対して、こうしたリスクについてきちんと説明をしているのかどうか伺います。

○尾根田給水部長 マンション等の中高層階への給水方式は、一旦受水槽に貯留した水をポンプにより中高層階の高置水槽までくみ上げ、自然流下により給水する貯水槽水道方式と、配水管の圧力を有効に活用し、不足する圧力を増圧ポンプにより補う増圧直結給水方式があり、双方ともポンプ設備を使用しております。
  そのため、停電が発生した場合、貯水槽水道方式では高置水槽に水がなくなれば全戸で断水が生じます。一方、増圧直結給水方式では、ポンプにより給水している中高層階において断水が生じますが、低層階については配水管の圧力により給水を継続することが可能でございます。
  このように、貯水槽水道方式と増圧直結給水方式、それぞれにメリット、デメリットがございます。
  このため、お客様からの給水設備に関する新設、改造の申請や相談に対しましては、こうしたリスクに加え、衛生面や維持管理性を説明するとともに、増圧直結給水方式の場合には、一階の共用部等に直圧給水栓を必ず設置することなどを指導しております。

○中村委員 それぞれの給水方式の仕組みはわかりますが、それがゆえに起こり得る状況と対策まで含めて一緒に考える姿勢が大切かと思います。
  例えば、非常用電源の設置など、非常時の対応について啓発していくこともあってもよいかと思います。直結給水方式に切りかえたら水がとまったということにならないように対応を求めたいと思っています。
  さまざま質問の中で、断水への対応ということについて求めてまいりました。水が出れば当たり前という状況は普通は持っているので、そこへの対応をしていくことが必要です。
  通常時でしっかり断水ゼロにしていただくということがまず前提なんですが、仮に災害のときなどにおいても、基本的には、災害にも備えとして断水しないような対応をしていただきたいと思っているんですが、それでもどうしても断水してしまう場合に備えて、早期に復旧できる体制と、その復旧するまでの間の応急給水できるような体制もとっておくことが必要だと思っています。
  ことしは地震も多くて、いつ東京で起こるかわからないという状況でございますので、より一層のこういった災害への対応を含めて、断水への対応に取り組んでいただきますことをお願いいたしまして、質問を終わります。

ユーティリティ

都議会質問内検索

Search

過去ログ