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都議会質問記録

【6】2010/03/17 都立井の頭公園の西園拡張整備について質問

2010年3月16日、東京都議会 環境・建設委員会において建設局に対して議案である平成22年度予算案(建設局分)、連続立体交差事業について質問を行いました。以下に質問と答弁を掲載します。

◆議案:平成22年度予算案(建設局分):井の頭公園の整備について

〇中村(ひ)委員 初めに、議案である平成二十二年度東京都一般会計予算について、都立井の頭恩賜公園の整備に関して質問します。
 都立井の頭恩賜公園は、大正六年に開園した歴史のある公園です。敷地は三鷹市、武蔵野市の両市にまたがっていますが、三鷹市にある西園として現在都民に開放されている部分の南側に隣接した地域について、来年度予算案に用地の取得が項目として上がっています。この敷地は、井の頭公園として都市計画された敷地で、現在までは企業の福利厚生施設として使用されている運動場で、この三月をもって閉鎖になると伺っています。
 昨今、三鷹市内でも他の企業の福利厚生施設や工場、公共施設などが閉鎖されると、多くは開発事業者に売却され、高層マンションが建設される例が散見しています。必ずしも高層マンションがいけないということではありませんが、緑地は一度失われるともう一度取り戻すのは大変困難です。
 特に西園の南側にあり、三鷹駅からも近いこの土地が開発事業者の手に渡れば、将来公園化することは難しくなると考えます。この西園には、正式名称が三鷹市立アニメーション美術館、通称ジブリ美術館が設置をされ、日本だけでなく、今や世界じゅうから観光客の集まる名所になっています。せっかくジブリ美術館を訪れても、すぐ南側に壁のようなビルがそびえ立ってしまえば雰囲気も壊れてしまいます。そうした点で、当該地において東京都が公園の拡張整備を決断したことを評価したいと思います。
 そこで改めて、現在、企業が福利厚生施設として使用している運動場を井の頭公園として拡張整備する効果について伺いたいと思います。

〇小口公園緑地部長 井の頭恩賜公園は、三鷹市と武蔵野市にまたがる計画面積四十二・八ヘクタール、開園面積三十八・五ヘクタールの公園でございます。
 企業が使用しています運動場敷地は、都市計画井の頭公園の計画区域内に位置しており、面積は約四ヘクタールでございます。この土地につきましては、企業の運動場が閉鎖されるという機会をとらえ、土地の取得のため、平成二十一年七月に国の地域活力基盤創造交付金の交付決定を受けました。平成二十二年度に用地を取得していく予定であります。
 拡張整備する効果ですが、公園整備により、これまで企業が使用していた場所を広く都民に開放し、潤いと安らぎの場とし、レクリエーションの場を提供するものです。
 また、災害時の避難場所としての機能を向上させるなど、都市の防災性を高めます。さらには、道路と一体となった緑あふれる空間を創出し、快適な歩行空間の確保と都市景観の改善を図っていくものです。

〇中村(ひ)委員 ありがとうございます。このような効果がある公園を整備することは意義深いと思います。特に今ご答弁に、道路と一体となった空間の創出をしていくとありましたが、現在この敷地は、西側は東京都道と、南側は三鷹市道と接していますが、いずれも道路幅が狭く、歩行者の通行に大変危険を生じています。現在開園されている部分の西園の西側では既にこうした取り組みを行って、歩行者が緑に囲まれた歩道をゆったりと歩けるように整備されていますので、ぜひともこの公園整備にあわせて歩行空間の整備もよろしくお願いいたします。
 さて、井の頭公園は都内から多くの方が訪れて、特にお花見のシーズンは人で渋滞ができるほどのにぎわいもあります。ただ、もちろん日常的に地域の方が散歩や運動に使用されていますので、多くの都民の意見を募っていただきたいのと同時に、地元三鷹市や近隣住民の意見も取り入れていただきたいと思います。
 今後、公園の整備計画の策定に当たり、どのように取り組んでいくのかお伺いします。

〇小口公園緑地部長 整備計画の策定に当たりましては、必要な施設の配置を検討し、学識経験者や都民公募委員で構成される東京都公園審議会に諮ってまいります。
 計画策定の過程におきましては、地元自治体である三鷹市、武蔵野市の意見を聞くとともに、パブリックコメントにより広く都民意見を聴取してまいります。
 今後も井の頭公園の魅力をさらに高めるよう、公園の拡張整備に向けて取り組んでまいります。

〇中村(ひ)委員 井の頭公園の整備は地元の期待を集めていますので、さらに魅力ある公園整備、拡張整備に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 また、現在、井の頭公園は、設立九十年の節目の年以降、百周年に向けての実行委員会をつくって各種イベントなどを行っています。これは小口部長が西部公園緑地事務所の所長のときから始まったと思うんですが、東京都が事務局で、三鷹市、武蔵野市のほか多くの地域の団体で構成しています。この実行委員会の取り組みにおいては、東京都が予算を出しているわけでもないんですが、各構成団体からの会費や寄附などで賄われています。それだけに、地域の方々にとっては思い入れの深い公園であることをぜひともご理解いただいて、こうしたイベントでも、地域の声をしっかりと聞いて進めていただきたいということを要望して、次の質問の方に移りたいと思います。

◆連続立体交差事業について


○中村(ひ)委員 次に、事件案である平成二十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担についてに関連して、南武線の立体交差事業について質問します。
 JR南武線の立体交差事業は、当初、平成二十二年度完成といわれていましたが、昨年になって突然、平成二十七年まで延伸されるとこの委員会で述べられました。民主党としてもこの事業には強い関心を持っていますので、質問をさせていただきます。
 現時点では期間は延びたものの、総事業費の見込みは変わっていないと聞いています。しかし、そもそも総事業費が変わっていないのならば、平成二十一年度までの執行状況を見れば、もっと早く計画の変更がわかったのではないでしょうか。まず、JR南武線の連続立体交差事業の総事業費と執行状況について伺います。

〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 JR南武線連続立体交差事業の総事業費は約五百九十八億円です。平成二十一年度末までの累計執行額は約三百九十四億円、執行率は約六六%を見込んでおります。
 本事業は、延長四・三キロメートルの区間のうち、稲田堤駅から矢野口駅付近までの延長一・九キロメートルの第一期区間につきましては、平成十七年十月に高架化し、鶴川街道では踏切遮断による交通渋滞が解消し、周辺のまちづくりが進んでおります。
 また、矢野口駅付近から府中本町駅までの延長二・四キロメートルの第二期区間につきましては、昨年十月に仮線工事を完了させ、現在全線で本格的な高架橋工事を行っております。

〇中村(ひ)委員 執行率から見れば、もっと早い段階で地元に説明ができたのではないかと思います。急に計画があと一年から五年になったわけですが、地元では予定どおりの計画の進行とあわせて、道路事業や土地区画整理事業を行ってきました。それだけに突然の計画変更は大変驚いたと聞いています。地元市や地元住民への影響はどうなるのでしょうか。特に財政負担がふえてしまうことを懸念します。
 そこで、今回のおくれで、関連する道路事業や土地区画整理事業との調整についてどのようにするのか伺います。

〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 南武線連続立体交差事業と関連して、都市計画道路多摩三・三・七号線の整備や、南多摩駅及び稲城長沼駅周辺におきまして土地区画整理事業が進められております。
 多摩三・三・七号線につきましては、南武線の踏切除却時期が延伸となることから、平成二十二年度末に四車線のうち二車線を交通開放して、交通機能の確保や沿道利用を図るとともに、高架化後には四車線化して、道路交通の円滑化が図れるよう調整を行っております。
 稲城市施行の土地区画整理事業につきましては、南多摩周辺地区の事業完了予定は平成二十七年度、稲城長沼周辺地区は平成三十年度となっております。このうち土地区画整理事業区域内の仮線用地の借地の継続につきましては、市と協力して進めております。
 今後ともこれら関連事業と十分調整を図り、円滑な事業推進に努めてまいります。

〇中村(ひ)委員 それでは、この計画の変更や手続などを含めて、事業期間の延伸をどのように行っていくのか伺います。

〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 連続立体交差事業は、道路整備の一環として施行している都市計画事業でございまして、国から事業認可を取得して実施しております。事業期間を延伸する場合には事業認可の変更が必要となるため、現在国と調整を行っております。

〇中村(ひ)委員 事業スケジュールや工事内容を地元市や沿線住民に対して丁寧に説明する必要があると思います。大きな期待を地元はしていると聞きますので、どのようにこれから説明をしていくのか、お伺いしたいと思います。

〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 都、稲城市、JR東日本などで構成するJR南武線連続立体交差事業協議会を本年一月に開催し、事業期間の延伸や今後の取り組みについて説明を行いました。また、地元住民に対しましても、本年二月中旬に、稲城市、JR東日本とともに工事説明会を開催し、今後の事業の進め方と具体的な工事の内容につきまして説明を行いました。

〇中村(ひ)委員 もともと二十二年というのが一気に二十七年になったということですが、少しでも工期を短縮するよう最大限努力することが必要です。今後できるだけ早く事業を行っていただきたいと思いますが、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 都は、稲城市やJR東日本と連携し、工期短縮に向け効率的な事業の執行を図るとともに、コスト縮減にも努めながら早期の事業完了に取り組んでまいります。

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