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都議会質問記録

2019/10/28 決算委員会でオリンピック、スポーツについて質問しました

10月28日、都議会各会計決算特別委員会の第二分科会に出席しオリンピック・パラリンピック準備局に質問しました。昨年度決算の審査として、オリンピックやラグビーの取り組み状況、スポーツ振興などについて質問しました。

○中村委員 それでは、平成三十年度のオリンピック・パラリンピック準備局の決算について質問いたします。
  初めに、昨年度の二〇二〇年大会の準備状況が順調に行われたかを確認します。
  昨年度当初予算でのオリンピック・パラリンピック準備費は一千百六十一億円となっています。年度末の補正予算で、このうちの共同実施事業四百三億円減額補正したため、予算現額は約七百五十七億円となりました。それでも決算は五百六十八億円、執行率は七五・〇%と高くありません。通常年度末に補正したばかりですから、百六十八億円という大きな金額が不用額となることはあり得ません。
  昨年度の大会の準備状況は計画どおり進んだのでしょうか、執行率が高くない主な理由は何か伺います。

○中村次長 オリンピック・パラリンピック準備費の執行率についてでございますが、共同実施事業等の実績による約百五十五億円の残が不用額の大半を占めますほか、オリンピック・パラリンピック施設整備に係る経費について、一部を翌年度に約二十一億円繰り越すとともに、契約差金や工事内容の見直しにより約五億円の実績残が生じたものでございます。
  このほかの東京二〇二〇大会の開催準備等に係る経費についても、契約差金ですとか事業内容の見直し等によって生じました不用額がございます。いずれも開催準備におくれを及ぼすものではございません。

○中村委員 不用額として最も金額が多かったのは、大会組織委員会が契約発注し、都や国が非公費で負担する共同実施事業です。不用額百六十八億円の内訳を見ると、共同実施事業が百五十億円とほとんどを占め、事業別の執行率はわずか五五・三%と大変低くなっています。
  このようになった理由は何でしょうか、準備は予定どおり行われているのでしょうか、伺います。

○菅原調整担当部長 昨年度の共同実施事業等においては、支払い年度の変更等により、不用額が約百五十五億円生じております。
  その主な要因は、選手村宿泊棟の整備について、当初は細かな工事ごとに検査を行う予定であったものを、工事種別ごとにまとめて効率的に検査することとしたため、中間出来高の支払いが翌年度となったことなどによるものでございます。
  こうした事業は、既に発注済みで事業に着手していることから、支払い年度が翌年度払いとなったことにより、全体の事業進捗に影響を与えるものではございません。

○中村委員 繰り越しを伴わずに対応する負担金として、会計上は問題ないそうです。しかし、オリンピックのように注目されている事業ですし、なおかつこれだけ巨大な金額ですから、丁寧な説明が必要だと思います。多くの都民の理解を得るために、より積極的な情報公開と説明責任を果たしていただきたいと思います。
  さて、この共同実施事業において、組織委員会が実施する契約については、年度ごとにホームページに公表されているとのことですが、スポンサーとの関係から制約があると聞いています。
  先ほども述べたように、積極的な情報公開が必要であり、共同実施事業の契約についても積極的に公開すべきです。どのように公表しているのでしょうか、透明化は図られているのでしょうか、伺います。

○菅原調整担当部長 共同実施事業におきましては、基本的に契約の相手方及び金額を公表することとしております。
  一方、パートナー供給契約では、パートナーが最低価格で商品等を提供することとなっていることから、その事業上の地位を脅かすことのないよう、契約当事者双方に守秘義務が課されており、金額の公表には法的課題がございます。
  こうした契約についても、組織委員会が契約の相手方と個別に調整を図り合意が得られた契約について、七月末に金額を公表したところでございます。残る契約についても、合意が得られたものから公表していくこととなっております。

○中村委員 組織委員会は、広告代やチケット代など、みずからの収入で運営しているとはいえ、大会開催そのものに都は六千億円を出しています。さらに、組織委員会には八百七十八人もの都の職員を派遣し、給料も都が負担しています。
  スポンサー企業にも大会成功に協力をしていただいているとはいえ、これだけ巨大な税金を投入もしているので、都の発注ではないから公開できないということでは、都民は納得しません。ぜひとも積極的な情報公開を求めます。
  また、これまでも繰り返し述べてきたのですが、来年八月で大会が終わると、組織委員会が役割を終えて組織がなくなってしまうと、資料が捨てられてしまうおそれがあります。今からどう都が引き取って保管すべきか検討することを求めます。
  次に、復興五輪への取り組みを伺います。
  改めて組織委員会のホームページを拝見しましたが、復興五輪については、被災地の方々に寄り添いながら、被災地の魅力をともに世界に向けて発信し、またスポーツが人々に与える勇気や力をレガシーとして被災地に残し、未来につなげることを目指しますとありました。
  これまでも都庁全体として、被災地の復興支援に職員を派遣するなど、支援を継続しています。
  オリンピック・パラリンピックに向けて、復興五輪として被災地復興支援をしてきましたが、その予算と決算の金額、成果について伺います。

○小池自治体調整担当部長 平成三十年度におけるスポーツを通じた被災地復興支援事業につきましては、予算額が二億四千七百五万一千円、決算額が二億三千七万四千円でございます。
  具体的には、被災地にトップアスリートや運動の指導者を派遣し現地で活動いたしますアスリート派遣事業や、被災地の子供たちを東京に招待してスポーツ交流などを行う被災地招待事業、被災地をスタートして東京までたすきをつなぐ、未来(あした)への道千キロメートル縦断リレーなどを実施いたしました。
  これら一連の事業によりまして、スポーツの持つ力で被災地に元気を届けるとともに、復興しつつある東北の姿をしっかりと発信することができました。
  また、平成三十年度は海外メディアに被災地を取材していただく取り組みを新たに開始いたしまして、十三カ国二十四名のメディアにご参加いただくなど、発信力の強化を図ったところでございます。
  今後とも、組織委員会や被災県等と連携協力しながら、復興オリンピック・パラリンピックの実現に向けまして取り組んでまいります。

○中村委員 復興五輪のレガシーとして、震災の記憶を風化させることなく、次世代に継承していかなければなりません。大会が終わったら支援が終わりとならないよう、継続的な交流支援を行うよう求めます。
  次に、ラグビーのワールドカップについて伺います。
  関連の予算は、昨年度は八億五千万円でしたが、決算は五億七千万円で、執行率は六六・八%とそれほど高くはありませんでした。
  現在開催中のワールドカップでは、日本が勝ち進み、初めて決勝トーナメントに勝ち進んだこともあり、盛り上がってきましたが、平成三十年度の取り組みの総括について伺います。

○篠ラグビーワールドカップ事業調整担当部長ラグビーワールドカップ準備担当部長兼務 平成三十年度のラグビーワールドカップ関連経費の決算につきましては、契約差金やラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会との調整に伴う大会準備経費の減などにより、執行率は六六・八%となっております。
  平成三十年度は、大会の節目などの機会を捉えたイベントに加え、鉄道、バス等の公共交通機関と連携したラッピング車両の運行、都内商店街や大会スポンサー企業の協力を得た大会PR装飾の掲出などにより、大会開催に向けた機運醸成を図ってまいりました。
  また、平成三十年十一月には、東京スタジアムで開催されたラグビーテストマッチを活用して、会場アクセスの検証やイベント運営などの取り組みを行ってまいりました。
  さらに、十一月の会場運営計画の更新、平成三十一年一月のファンゾーン会場の決定、三月の交通輸送実施計画の策定など、大会に向けた必要な準備を着実に進め、円滑な運営や盛り上がりにつなげております。

○中村委員 今大会では、日本は史上初のベストエイトになりました。恐らく今後ラグビーをする子供もふえると思いますが、オリンピックではよくレガシーという言葉が使われますが、このラグビーワールドカップのレガシーを次世代に残るよう取り組んでいただきたいと思います。
  次に、スポーツ振興について伺います。
  東京都スポーツ推進総合計画では、二〇二〇年度で週一回以上スポーツを実施する十八歳以上の都民の割合を七〇%にする目標を立てています。
  平成三十年度のスポーツ実施率と前回調査との区部と市町村部の地域別の比較、年齢別、性別の傾向、今後の目標達成に向けた所見を伺います。

○小室スポーツ推進部長 都民のスポーツ活動・パラリンピックに関する世論調査における全年齢層の平均のスポーツ実施率は、前回の調査である平成二十八年度は五六・三%で、平成三十年度は五七・二%と微増しております。
  地域別では、区部が五六・一%から五八・二%に増加し、市町村部は五六・八%から五五・二%に減少しております。
  年齢、性別で見た実施率の傾向は、高齢者は若年層と比較し、相対的に高うございますが、平成二十六年度から連続して減少傾向にあります。また、男性は四十歳代、女性は三十歳代と四十歳代が総体的に低い傾向にあります。
  このような傾向を踏まえ、次回の調査が行われる令和二年の秋に向け、シニア層や三十歳代から四十歳代を中心とした働き盛り世代などの実施率向上に向けた取り組みをさらに進め、目標達成を目指してまいります。

○中村委員 今、数字だけ聞いていると、あと一年ということですから、なかなか厳しい状況にあるとは思うんですけれども、もちろん目標は都民の皆様にスポーツをしていただくことだと思っていますので、この実施率の目標達成ということはもちろん、今後もさらなる取り組みが必要であり、都内各地域におけるスポーツ実施率の向上やスポーツの裾野拡大に向けた取り組みが重要と考えます。
  先ほどの答弁にもあった高齢者層の取り組みはもちろん、次代を担う子供たちに対してもスポーツに親しんでもらえる機会が重要です。
  そこで、平成三十年度におけるシニアスポーツ振興事業とジュニア育成地域推進事業の実績について伺います。

○小室スポーツ推進部長 お話のシニアスポーツ振興事業とジュニア育成地域推進事業は、都が東京都体育協会及び区市町村の地区体育協会と連携し、取り組んでいる事業でございます。
  シニアスポーツ振興事業では、高齢者のスポーツ実施率の向上と健康の維持増進を目的としまして、六十歳以上のシニア世代を対象としたスポーツ競技会、講習会等を行っており、平成三十年度は三百二十八事業を五十五地区で実施し、約二万五千人が参加いたしました。
  また、ジュニア育成地域推進事業では、地域のスポーツ振興とジュニアスポーツの裾野拡大を目的としまして、スポーツ教室やスポーツ大会等を行っており、平成三十年度は七百八十六事業を五十八地区で実施し、約六万六千人が参加いたしました。

○中村委員 本事業の取り組みの成果が各地域のシニア世代や児童生徒に波及することが重要です。また、働き盛りの世代がスポーツに取り組めるようにするためには、企業の取り組みも重要です。
  働く世代のスポーツへの取り組みは重要であり、企業内の部活動や従業員のスポーツの取り組みを推進している企業を支援すべきと考えますが、昨年度、都としてどのような取り組みを行ったのか伺います。

○小室スポーツ推進部長 都では、働き盛り世代の多くが一日の大半を過ごす職場に注目し、平成二十七年度から東京都スポーツ推進企業認定制度により、この世代のスポーツ活動を推進しております。
  具体的には、社内における部活動など社員のスポーツ活動を推進している企業や、自社のスポーツ施設を地域に開放するなどスポーツ分野における社会貢献活動を実施している企業を東京都スポーツ推進企業として認定しております。
  認定企業には、認定証や認定マークを交付するとともに、都のホームページや取り組み事例集等で社名や取り組み内容を公表しております。
  平成三十年度は二百六十六社を認定し、このうち社会的な影響や波及効果の大きい取り組みをしている企業十一社を東京都スポーツ推進モデル企業として表彰いたしました。

○中村委員 企業そのものも、従業員が休憩や休暇にスポーツを行い、リフレッシュすれば、業績向上にもつながりますし、何より企業にとって最大の財産は従業員であり、健康推進は経営者の責任でもあります。
  また、最近、企業が環境や社会問題などに対して倫理的な役割を果たすべきであるとする企業の社会的責任、CSRが注目され、多くの会社で企業価値を高めるためにCSR報告書を作成しています。何社か見てみましたが、事業そのものの社会貢献に加えて、従業員のスポーツを通じた地域への貢献が記載されている企業も多くありました。
  こうした企業の動向も捉えて、都としても企業のスポーツ振興を図り、さらには地域ともつないでいただくことも大変大切です。
  冒頭の計画の目標を達成しようと思ったときに、やはり年代別に見てみても、この働き盛りの世代のスポーツ実施率の向上というのが大変重要であり、社員のスポーツ振興に取り組む企業がさらに増加し、ほかの企業も追従するなどの波及効果が期待されます。
  さらに、都民にとって身近な場所でのスポーツをするための場の確保、整備が必要です。平成三十年度の市区町村へのスポーツ施設整備費補助事業の実績について伺います。

○小室スポーツ推進部長 市区町村に対するスポーツ施設整備費補助制度は、平成二十六年度から令和元年度までを事業期間とし、スポーツ環境を拡大する工事や誰もが利用しやすいバリアフリーを促進する工事等に対して、財政支援を行うものでございます。
  平成三十年度の予算額は二十億六千四十四万四千円、決算額は十八億八千五百二十三万四千円、執行率九一・五%でございまして、グラウンドの新設やトイレ、更衣室等のバリアフリー化、体育館への空調設置などに対して、合計六十七件の補助を行いました。

○中村委員 先ほど述べた世論調査の結果では、区部のスポーツ実施率が上昇する一方、市町村部は減少するとのことでした。
  この結果を単純に用いることはできないと思いますが、例えば私の地元の三鷹市では、市域も狭く、ほぼ都市化され、未開発の山林や大きな河川敷もないため、新たなスポーツの場の確保は困難であるなど、地域の格差が生じているところはあるかと思います。
  先ほどの事業の方は令和元年度で終了してしまうということなんですけれども、今後も市区町村が整備するスポーツ施設への支援を検討していただきたいと思いますし、また、他局にはなるかもしれませんが、都立公園の活用や、高速道路や下水処理場の上部利用や遊休地の提供など、局を超えての取り組みが重要であるということを意見として申し上げて、質問を終わります。

 

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