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都議会質問記録

2013/10/11 平和への取り組み、電力の状況について文書質問しました。

2013年10月11日、平和への取り組み、電力の状況について文書質問しました。オリンピック開催と平和への取り組みについてと、100万kw級の天然ガス発電の見直しと電力の状況について、2項目について提出しました。

一 オリンピック開催と平和への取り組みについて

質問1 2020年に開催が決定したオリンピックは「平和の祭典」であり、オリンピック憲章にも「オリンピズムの目標は、スポーツを人類の調和のとれた発達に役立てることにあり、その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。」と記載があります。知事は、8月8日の都議会本会議で、「オリンピック・パラリンピックは『平和の祭典』であります。折しも来週8月15日は終戦の日でありますが、我が国は、戦後68年、一貫して平和を守り続けてきました。その日本で、大会を開催することで、これからも平和のトップリーダーであり続ける、その決意を全世界に示してまいりたいと思います。」と語っています。そこで2020年オリンピック・パラリンピック大会を「平和の祭典」としていくための取り組みについて伺います。

答弁1 オリンピックのあるべき姿、すなわちオリンピズムは、人々がスポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などの差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献することです。
 2020年の大会を戦後一貫して平和を守り続ける日本で開催することは、全世界に対して平和の尊さを訴える格好の機会です。
 この大会が平和と復興のオリンピックであることを世界にアピールするため、聖火リレーを被災各県などでも実施します。
 また、「1校1NOC運動」やユースキャンプを通じた国際交流の実施により、平和な社会の実現に寄与する若者の育成に取り組んでいきます。
 大会開催時には、アスリートが遺憾なくその力を発揮できるよう、安全・安心な大会運営のための準備に総力を挙げて取り組んでいきます。
 これらの取組を通じて、オリンピズムの普及を推進し、世界平和の実現に貢献していきます。

質問2 前知事が就任した平成11年以降、平和、国際交流、市民活動への支援などがあまり重視されてこなかったのではないかと言われ、これらの事業を所管する生活文化局の組織の変遷にもあらわれています。また現在、都では平和に関連する取り組みとして、3月10日の平和の日の式典を生活文化局が行い、慰霊、援護、施設管理などは目的に応じて各部門が担当しています。新たな知事の就任により、都政は新たな段階を迎える中、都政においても平和な世界の実現に向けて積極的に取り組むためこうした事業の一層の充実を図るとともに、平和施策の推進に一元的に取り組むことも必要と考えます。所見を伺います。

答弁2  東京都では、戦争の惨禍を再び繰り返さないことを誓い、3月10日を東京都平和の日と定めています。
 現在、東京都平和の日に平和の意義を確認し、その意識の高揚を図るため、記念式典や記念公演、東京空襲資料展など、様々な記念行事を行っています。
 また、慰霊や援護、これに関係する施設管理についても、関係部局が、それぞれの事業目的を踏まえて実施してきました。
今後とも、引き続き、都民の平和を願う意識の高揚に努めるとともに、関係部局が連携しながら、平和施策の推進に取り組んでいきます。

質問3 戦後68年が経過し、戦争の悲惨さの風化は、平和の尊さを忘れ、平和が脅かされることにつながります。都として戦争の悲惨さを記録として残していき、都民に広めるよう取り組むべきと考えるが所見を伺います。

答弁3 東京都は、毎年、東京都平和の日記念行事として、東京空襲犠牲者やその遺族、在日大使館関係者の方々を招いて記念式典を開催するとともに、墨田区の都立横網町公園内に「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」を建立し、東京空襲犠牲者の名簿の収集・作成を行い、平成25年3月現在、7万9,941名の氏名をお納めしています。
 また、空襲遺品や写真などを展示する、東京都主催の東京空襲資料展のほか、区市町村が行う展示に関連資料の貸出を行い、都民への周知を図り、啓発に努めています。

質問4 都の国際交流についてですが、都市間交流としてアジア大都市ネットワークの取り組みがあり、また、近年低調となっていますが、姉妹友好都市交流の取り組みもあります。これらはいずれも行政主導のものが多く、必ずしも市民レベルのものとはなっていません。平和な世界の実現に向けた外交は国の役割ですが、仮に国同士が外交上こじれた場合でも、市民レベルの根強い民間交流がもとで解決への糸口が生まれることもあります。都はこうした地道な市民レベルの国際交流をより積極的に支援すべきと考えますが、所見を伺います。

答弁4 都は、都内における国際交流等に関する情報の収集・提供、普及啓発の促進などを行うために、東京都国際交流委員会に対して事業費補助等を行い、市民レベルの国際交流の支援に取り組んでいます。
 具体的には、国際交流活動をしているNGO等の事業やイベント情報等を収集し、それをホームページや広報誌を通じて紹介することで、市民や活動団体に情報提供しています。
 そのほか、都と区市町村の国際交流担当者による連絡会議及び地域の国際交流協会やNPOなどが参加する会議を開催し、情報交換や連携の強化などを図っています。
 今後とも様々な情報提供や連絡会議の開催などを通じて、市民レベルの国際交流の支援に努めていきます。

二 100万キロワット級の天然ガス発電の見直しと電力の状況について

 今都議会定例会で、猪瀬知事は、副知事時代から建設を目指していた100万キロワット級の天然ガス発電所について計画を見直すと表明し、事実上の中止という方針転換を行いました。このことは、自らの所信表明では述べられず、議会からの質問に答える形で表明されたものです。100万キロワットの天然ガス発電所を整備することへの困難さはあり、震災後の電力不足に対応するため老朽化した火力発電所を稼動させていますので、それをリプレースすることを優先するのは当然としても、電力不足に陥っていないから見直すというだけでは長期的な電力の安定の観点から都民は安心できません。背景を明確化し、今後策定される新しい長期ビジョンも見据えて、都内で安定的な電力確保に向けた政策を前進させることが必要であると考えますので、以下質問します。

質問1 都は、平成23年5月策定の東京都電力対策緊急プログラムを策定しましたが、その後、推進方針に記載されていない100万キロワット級の天然ガス発電所の計画が発表されました。その後、都の長期計画ともいえる「2020年の東京」に掲載され、今年1月に発表されたアクションプログラム2013にも記載はされ、ここに老朽化した発電所のリプレースが新たに追加されていました。そもそも計画の決定、中止はいつどのような場で意思決定されたのか伺います。

答弁1 都は、平成23年8月に東京天然ガス発電所プロジェクトを立ち上げ、同年12月に「2020年の東京」で本プロジェクトを掲げ、東京産エネルギー確保へ向けた検討などを行ってきました。
 首都圏では、この夏も懸念された電力不足に陥っておらず、電力事情が震災直後とは大きく異なっています。その一方で、老朽化した発電所には、故障による運転停止リスクがつきまとっています。
 このことを踏まえ、平成25年9月、第三回都議会定例会で、新規の発電所建設となる本プロジェクトの推進については見直し、老朽火力のリプレース促進に全力を挙げていく方針を示しました。

質問2 震災直後は、東京都内での発電量を示していましたが、その後、東京電力管内という単位での数値はあっても、都内という数値は発表されていません。現時点では都内の数値はどのようになっているのでしょうか。
 「2020年の東京」では、都内使用電力1,737万キロワットのうち、都内発電能力は300万キロワットとわずか2割なのでさらに300万キロワットを増やすということでした。もとより300万キロワット創出とはいえ、天然ガス発電所が100万キロワット、コージェネレーションシステム導入で50万キロワット、再生可能エネルギー100万キロワットとの内訳でしたので実際には250万キロワット創出という計画でした。これを単純に100万キロワットがなくなって150万キロワットに数値を下方修正したということでよいのか伺います。

答弁2 都内には、東京電力株式会社の火力発電設備や事業者が設置する大規模な自家発電設備があり、これらに加え、都では自立・分散型電源の普及や再生可能エネルギーの促進を進めており、こうした取組により、都内の発電容量は増加しています。
 また、現在、本年12月末を目途に「新たな長期ビジョン(仮称)」を策定しているところであり、この中で、エネルギー施策も検討中です。

質問3 老朽化した発電所のリプレースには都はどのように関わるのでしょうか。報道では知事は補助金を出さないと述べていると報じられていますが、どのように進めるのか、実際に進む見通しはあるのか伺います。
 また、老朽化した火力発電所をリプレースすることによって設備は新しくなるのですが、このことにより発電能力の向上になるのか伺います。

答弁3 東京電力は、「総合特別事業計画」において、「古い火力発電設備のリプレースを積極的に進め、高効率化を図っていく必要がある。」としており、この早期実現を目指して、都は、発電所売却も含めた、リプレースのための具体的な提案をしてきました。今後も、リプレースの促進に向けて、国や東京電力に対して強く働きかけていきます。
 また、老朽化した火力発電所を最新型の天然ガスコンバインドサイクル発電所にリプレースすると、発電効率を5割程度高めることができ、発電能力が向上します。

質問4 突然100万キロワット級の天然ガス発電所の設置の候補地と発表され、今度は中止と発表された周辺地域には丁寧な説明をすることが必要になります。設置の候補地となった時の反応、今回の中止が伝わった後の反応と、都のとった対応を伺います。

答弁4 東京天然ガス発電所プロジェクトでは、地元の理解を得るため、候補地選定時や事業可能性調査結果がまとまった時点などで、関係区に対して説明し、意見を聞きながら、プロジェクトの検討を進めてきました。
 今回、本プロジェクトの終了についても、同様に、関係区に説明を行い、御理解を頂いているところです。

質問5 再生可能エネルギーの目標値はむしろ上方修正して、積極的に導入することを進めることが重要ですが所見を伺います。また、現時点で電力不足に陥っていないという宣言は都民に再生可能エネルギー導入への意欲を低減させてしまう懸念はないのでしょうか、あわせて所見を伺います。
   また、10年間で都内戸建て住宅の6分の1に相当する30万戸に太陽光発電を設置し90万キロワットの発電をするとのことでしたが、現状の進捗と見通しを伺います。

答弁5 都は、再生可能エネルギーの普及拡大を重要と認識しており、太陽光発電について、金融機関や販売店との連携による「屋根ぢから」プロジェクトや、新たな導入手法である「屋根貸し」を推進するマッチング事業など、多様な取組を展開しながら積極的に導入を進めています。
 再生可能エネルギーについては、昨年開始された固定価格買取制度により、その導入機運は高まっています。
 都内における太陽光発電の設備容量は、本年1月末時点で約22万キロワットに上っており、都は、今後とも普及拡大の取組を着実に進めていきます。

質問6 東京電力管内の電力状況が震災直後とは変わったとのことですが、具体的に震災直後にどのような見通しを立て、それが、現在ではどのようになっているのか伺います。
 震災直後は電力不足が言われ、無理のある節電といわれましたが、今は省エネが習慣化し節電が定着したとは言われています。実際の節電や省エネによる効果はいかがでしょうか。そして、それは持続するという見通しですが、そのように楽観してよいのか、所見を伺います。

答弁6 平成23年3月の震災直後、東京電力管内の電力供給力は約6割に落ち込み、不測の大規模停電の発生を回避するために計画停電が実施されたほか、同年夏には電力使用制限令が発せられたことから、電力事情は厳しいものと認識していました。震災から2年が過ぎ、「賢い節電」が定着した今年の夏は、東京電力管内で、予備率は電力の安定供給に最低限必要な3パーセントを上回る6.7パーセントを確保するなど、電力事情は改善しています。
 また、実際の節電や省エネによる効果については、照明照度の見直しが進み、従来の照度750ルクス以上から500ルクス以下が主流になったことなどから、震災前の平成22年度で5,999万キロワットであった東京電力管内の最大需要は、平成24年度及び本年度の夏も5千万キロワットをわずかに超えただけであり、削減が継続しています。
 照明照度の見直しをはじめとした現在定着している省エネ・節電は、今後も無理なく続けられる「賢い節電」であり、取組の継続により効果が持続するものと考えます。

質問7 老朽化した火力発電所は二酸化炭素の排出量が増える懸念があります。地球温暖化対策は忘れてはならない課題であり、全体の電力需要が減っているので排出量が増えていないとは言われますが、実際にはどうなっているでしょうか伺います。
 また、老朽化した発電所から発生する二酸化炭素が、リプレースした場合はどのように変化するのか効果を伺います。

答弁7 資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」の平成24年度速報によれば、昨年度のエネルギー起源の二酸化炭素排出量は、震災前の平成22年度と比較して7.4パーセントの増加となっています。
 また、二酸化炭素排出量は、最新型の天然ガスコンバインドサイクル発電所にリプレースすることにより、約2から3割低減できると見込まれています。

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