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都議会質問記録

2014/03/07 雇用対策、台風被害、新市場整備について質問しました

2014年3月7日、緊急雇用対策事業、大島の台風被害からの復旧、豊洲新市場の整備についてそれぞれ質問しました。

1 産業労働局への質問

○中村委員 それでは、緊急雇用創出事業に関する条例改正と関連する補正予算について質問します。
  今般、国の緊急雇用創出事業の項目の一つとして、地域人づくり事業を追加されるに伴い、条例に、基金の設置目的として求職中の若年者、女性等の雇用機会の創出及び在職者の処遇の改善を加え、百二億円の基金の積み増しをするとのことです。現下の社会経済状況で雇用対策は重要であり、雇用拡大と処遇改善が図られるよう取り組むことは望ましいことです。
  そこでまず、国が新たに創設した地域人づくり事業について伺いたいと思います。
  この事業の狙いは何でしょうか。また、都が基金として交付金を受け、都が直接民間企業等に委託する方法と、市区町村が民間企業等に委託する場合に補助をする事業と両方あると聞きますが、それぞれどのくらいの規模で行うでしょうか。
  また、都は今後どのように事業を進めるのか伺います。
  さらに、今回新たに追加された緊急雇用対策で、どのくらいの雇用拡大と処遇改善を見込むか、あわせて伺います。

○戸澤事業推進担当部長 まず、この事業の狙いでございますが、地域人づくり事業は、地域の実情に応じた多様な人づくりにより、女性や若者、高齢者等の雇用の拡大や処遇改善に向けた取り組みを推進するものでございます。
  次に、実施規模についてでございますが、地域人づくり事業を効果的に実施するため、市区町村と庁内各局から自主的に提案される事業計画に基づき実施することとしております。したがって、あらかじめ市区町村と東京都の配分を設定することはいたしません。
  また、今後の事業の進め方についてでございますが、都は、国の具体的事業例を参考として示すことなどによりまして、より大きな効果が得られるように取り組みの計画、実施を働きかけてまいります。
  最後に、雇用拡大の見込みについてでございますが、都は、今後明らかになる市区町村等で実施する個々の事業目標を集約し、雇用拡大や処遇改善に関する都としての目標を設定していく予定でございます。

○中村委員 まだ今年度では交付金を積み増すにとどまり、事業そのものは今後になるようですが、せっかくの制度ですから、着実に雇用拡大や処遇改善につながるように努めていただきたいと思います。
  さて、今回、この地域人づくり事業は、雇用拡大プロセスと処遇改善プロセスの二本立てになっていますが、これまでの緊急雇用対策事業と異なる最大の特徴は、この処遇改善プロセスです。すなわち、雇用を伴わない施策にも事業が適用されることになりました。これは、事業者の生産性拡大に関するコンサルティングを行った結果が従業員の正社員化につながったり、海外販路拡大等の結果が賃金上昇につながるという考え方のようです。
  そこで、これらの事業を通じて、本当に定着支援、正社員化、賃金上昇につながるのか所見を伺います。
  また、そのために都はどのようにこれに関与し、どう検証するのか伺います。
  また、この地域人づくり事業は平成二十七年度末までですが、事業終了後も、支援を受けた企業が、そのノウハウを生かして、賃金上昇や定着支援の取り組みを継続してもらいたいと考えますが、あわせて所見を伺います。

○戸澤事業推進担当部長 本事業の処遇改善プロセスでは、定着支援、正社員化、賃金上昇等の成果が得られるような事業を予定しており、事業者は事業計画の中で、目標や、そのための具体的な取り組み内容などを定めることとなっております。
  事業の実施に当たっては、都は、市区町村等を通じて、個々の事業目標に向けた取り組み状況の進捗を管理していくこととなります。
  こうしたプロセスを通じまして、事業の趣旨にかなった成果が得られるよう適切に取り組んでまいります。
  また、事業終了後は、支援を受けた企業において、この事業を通じて蓄積したノウハウを今後に生かしていくことが期待されております。

○中村委員 この地域人づくり事業のうちの処遇改善プロセスは、賃金上昇や定着支援といった処遇改善を目的とした事業になっていますから、都は、これまでも企業に対して、このメニューとまた違って、さまざまな経営支援を行ってきたと思いますが、こういう経営支援という目的ではあっても、公的な目的で企業の支援を行うので、単に経営者のためだけではなく、そこで働く従業員を含めた支援につなげることが望ましいと思います。
  今回の制度は処遇改善のための経営支援ということですが、今後、他の経営支援などの事業でも、賃金上昇等の処遇改善が達成できるような制度になるよう検討していただくことを要望しまして、質問を終わります。

2 港湾局への質問

○中村委員 平成二十五年度の補正予算について質問します。
  私も先日の委員会の視察に参加をし、大島、利島を訪問しました。今なお残る被害の大きさに、本当に自然災害の脅威を痛感させられました。亡くなられた方のご冥福を心からお祈りいたします。また、一日も早い復興に全力を尽くすことが必要だということも痛感いたしました。
  今回の補正では、災害復旧事業、離島航路・航空路補助事業として十四億四千万円が計上されていますが、当然賛成の立場からではありますが、質問させていただきます。
  災害発生以来、港湾局を含めて都の職員の皆様にもご尽力いただいております。改めて、今回の台風被害に対する、大島を含めた伊豆諸島全体の港湾局の取り組み状況を伺います。また、既に復旧事業に取り組んでいますが、今回の補正予算を計上するに至った状況について伺います。

○大和田離島港湾部長 今回、台風が直撃した伊豆諸島では、最大の被害があった大島のみならず、ほかの島でも被害が発生いたしました。大島では、斜面崩落により流出いたしました土砂等により、元町漁港やその周辺が埋没するなどの被害が発生いたしましたため、被災箇所に応じた最適な方法を選定し、迅速に復旧作業を進めております。
  また、ほかの島では、八丈島や神津島で、陸上防潮堤の一部転倒やコンクリートブロックの飛散などの被害が発生いたしましたため、現在、被災箇所の早期復旧に向け、全力で取り組んでございます。
  予算につきましては、大島以外では被害が比較的軽微であったため、当初予算の範囲内で復旧が可能でございましたが、大島におきましては被害が甚大で、復旧に多額の費用が必要となりますことから、補正予算により対応することといたしました。

○中村委員 ご答弁いただき、大島以外の復旧にも取り組んでいるということを伺わせていただきました。
  さて、先日の視察で元町漁港を訪れまして、しゅんせつ工事の状況も視察した際に、まだ多くの漁船が陸の上にある様子も拝見し、生活への影響が心配されました。
  大島の台風被害以降、元町漁港を利用していた方々の現在の状況がどうなっているのか伺います。
  また、早急にしゅんせつを完了させ、一日も早く再開されることが必要です。今後のしゅんせつの完了見込みはどうなっているのか伺います。

○大和田離島港湾部長 元町漁港におきましては、台風に備え、多くの漁船を陸上の船揚げ場に避難させておりましたが、土砂等により水域が埋没したため、船がおろせず、漁港が利用できない状況となっております。また、台風が来る前に下田等のほかの港に避難していた一部の漁船につきましては、島内のほかの漁港を利用していると伺ってございます。
  現在、現場状況に応じた掘削機械を使用するなど、最適な方法によりましてしゅんせつ作業を進めており、なお非常に多くの土砂等が残ってございますが、一部の作業を除き、五月に完了する見込みでございます。

○中村委員 五月に完了する見込みということを聞いたので少しは安心いたしましたが、船が陸上にあるという姿は本当に心を痛めるものでございますので、早急な対応の方をお願いいたしたいと思います。
  次に、離島航路・航空路補助事業について伺います。
  毎年行われている椿まつりにも大きな影響が出ているとのことです。都では運航費補助などの支援策を実施しているものの、椿まつりの観光客は昨年と比べて減っているとも聞きます。その主な理由は何でしょうか。また、運賃補助の効果は出ているのでしょうか、伺います。
  また、私の地元三鷹市を含む地域には調布飛行場があり、大島と定期便で結ばれています。大島との交通の多くは船による移動が多いのですが、飛行機も大切な経路です。船便の運賃には千五百円の補助が出されるのに対して、飛行機の運賃には二千五百円の補助が出されるとのことです。航空路の状況についてもあわせて伺います。

○大和田離島港湾部長 大島への旅客の約九五%が利用いたします船舶を運航する事業者によりますと、椿まつり期間の旅行客の約三割を占める団体ツアー客は、通常十一月から十二月に予約決定をいたしますが、今回は台風の被害の影響もあり、昨年内の団体客の予約が激減したとのことでございます。
  また、個人客につきましては、ことしに入って徐々に予約が入り始めましたものの、旅行客の第一ピークであります二月中旬の週末に二週連続して大雪が降り、計三日間全便欠航したことなどが影響し、結果的には昨年より減少していると聞いております。
  一方、航空機の利用者数は台風災害以降増加傾向にあり、この椿まつり期間におきましても、昨年より増加してございます。
  補助事業が旅客数の増減にもたらす効果につきましては、椿まつりが三月二十三日まで実施されますことから、検証は期間終了後に行ってまいります。

○中村委員 航空路の方は大きな影響がなかったというふうなことですけれども、今後、これは椿まつりが終わった後のこともありますから、地元自治体とも協力しながら、島との交流の方ができるようにしていただきたいと思います。
  今回の事業そのものの宣伝の方は産労局になると思うんですけれども、今年度は台風の影響もあって、飛行場まつりの方も中止になっています。飛行場まつりそのものは、飛行機が好きな方が遠方から来ることも多いんですけれども、ぜひともこの離島との交流ということがしっかり深まるようなことを、また来年度以降検討していただいて、やっていただけることをお願いいたしまして、質問を終わります。

3 中央卸売市場への質問

○中村委員 平成二十五年度の補正予算について質問します。
  今回の議案では、豊洲新市場の土壌汚染対策工事について、残渣の処分先の変更のため九十億円もの予算が計上されています。私たちは新市場における食の安全・安心のため土壌汚染の確実な対策を求めてきましたので、そのためにこれまでも大きな予算が計上されてきたことは認識していましたが、ここで改めて大きな金額の補正が追加されたことになります。
  この間、現下の社会経済状況の変化により、施設の建設において資材の高騰などから最初の入札が不調になり、再入札では当初の見込みを大きく超える金額で落札となりました。建設費と土壌汚染対策費は別の項目とはいえ、新市場整備に関する予算総額はまた増額になるという見方もあります。
  そこで、まず初めに、今回の補正予算に至った経緯を伺います。

○加藤基盤整備担当部長 土壌汚染対策工事におきましては、掘削した土壌は六街区に設置した仮設土壌処理プラントで処理しており、これまで申し上げましたように、そのうち洗浄処理プラントで処理した際に発生する残渣等については、セメントの原料としてセメント工場へ搬出処分していました。
  しかし、東日本大震災を契機として、原子力発電所の停止に伴い、稼働している石炭火力発電所から発生する石炭焼却灰が増加し、その受け入れ先がセメント工場となっていたことから、本工事からの残渣等の受け入れが制限されることになりました。
  このため、残渣等の処分先としてセメント工場のほかに、セメント工場より処理費用が高い管理型埋立処分地等も活用することが不可欠となり、工事費が増加したものでございます。

○中村委員 ご答弁では、これまで想定していた受け入れ先が、セメント工場から処理費用が高い管理型埋立処分地等を活用することで処理費用が増加したとのことでした。
  それにしても、どうして九十億円もの大きな金額がふえるかと思う方もいると思いますので、改めて九十億円増加する理由の説明を求めます。

○加藤基盤整備担当部長 土壌汚染対策工事におきまして、約十一万立方メートルの残渣等をセメント工場に搬出した場合の費用は約三十三億円でございます。これに対し、管理型埋立処分地等に搬出する場合の費用は約百二十三億円で、その差が九十億円の増加となってございます。
  セメント工場の場合は、残渣等はセメントの原料として活用されるので単価が低く抑えられているのに対しまして、管理型埋立処分地等の場合は、セメント工場と比較して受け入れに要する費用が相対的に高くなってございます。
  加えまして、震災による災害廃棄物の処分や復興に伴う発生土の増加により、受け入れ容量が有限である管理型埋立処分地等への需要が高まったことから、受け入れに要する費用が高騰しているところでございます。あわせまして、ダンプトラックの不足や燃料費の高騰などにより運搬費も高騰していることから、残渣等を管理型埋立処分地等へ搬出する場合の費用も大きく増加することになったわけでございます。

○中村委員 東日本大震災の関連による影響ということでした。今の状況では、被災地の復興支援ということを最優先すべきだということは当然だと思いますので、そのことによって処分先を変えざるを得ないということはやむを得ないと思います。
  ただ、当初設計を見積もる段階では想定はできなかったのでしょうか。改めて見解を伺います。

○加藤基盤整備担当部長 残渣等につきましては、セメントの原材料として活用するなど、リサイクルに資するような搬出先を確保していくとの提言を技術会議から受けてございます。
  こうした提言を踏まえ、当初設計におきましては、残渣等の処分費用について見積もりをとった上で適切に積算を行ってきました。
  土壌汚染対策工事を進めていく中で、東日本大震災の影響から、セメント工場への搬出量が制限されることになりましたが、これにつきましては予測することは困難でございました。

○中村委員 都は残渣の処分については、みずから行うのではなく事業者に委託をしているのですが、処分まで含めて事業者に委託をしているのでしたら、処分先として管理型埋立処分地等を活用したことによる増額処分費用を、なぜ発注者である都が負担をしなければならないのかの見解について伺います。

○加藤基盤整備担当部長 工事の契約約款におきましては、条件変更の一つといたしまして、設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたことと規定されてございます。
  今回の工事費用の増加は、契約時に予期することが困難な東日本大震災の影響による残渣等の処分先の見直しに伴うものであり、社会経済状況の変化によるものであることから、この規定に該当するものと考えております。

○中村委員 豊洲新市場の整備については、土壌汚染から都民の食の安全を守るために議論してきました。安全という点では、今回の残渣が他の地域での安全を脅かすことになってはなりません。
  残渣等を他県の管理型埋立処分地等へ搬出した場合、搬出先での汚染拡大の心配はないのでしょうか、伺います。

○加藤基盤整備担当部長 土壌汚染対策工事で発生する残渣等を外部に搬出する場合は、土壌汚染対策法などに基づく許可を受けた施設に運び込む必要がございます。
  土壌汚染対策法においては、汚染土壌処理施設の構造に関しまして、施設外に汚染が拡散されることを防止するなどの基準が定められており、基準に適合しなければ都道府県知事等の許可を受けることができません。
  新たに処分先とした管理型埋立処分地等につきましても、同様の許可を受けた施設であることから、汚染の拡散はないものと考えてございます。

○中村委員 先日、豊洲新市場建設工事の起工式も行われましたが、まだ六街区の一部では汚染の処理が続いています。引き続き食の安全が守られるよう最善を尽くすことを要望します。
  また、一連の質疑の中で、汚染の拡散はないということや、また、これ以上の費用の増大はないということのお話もありましたので、そういったことを聞きまして、賛成の立場で質問を終わります。

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