> 都議会質問 > 都議会経済・港湾委員会 > 築地市場の移転、都営調布飛行場、臨海副都心開発について質問しました

都議会質問記録

2014/03/17 築地市場の移転、都営調布飛行場、臨海副都心開発について質問しました

2014年3月17日、来年度予算、条例等の議案等について、築地市場の移転、都営調布飛行場、臨海副都心の財政とオリンピックに向けた対応について質問しました。

1 中央卸売市場への質問

○中村委員 それでは初めに、豊洲新市場の建設工事について伺います。
  さきの委員会で報告されましたが、一度入札が不調になった水産仲卸売り場棟、水産卸売り場棟、青果棟がようやく落札されました。水産仲卸売り場棟が四百三十五億円、水産卸売り場棟が三百三十九億円、青果棟が二百五十九億円とのことです。
  他の公共工事についても、建設資材の高騰などにより不調になる事例が多くあるのですが、豊洲新市場についてはかなりの大きな金額になりました。
  改めて、最初の入札に比べて金額と増加割合を伺うとともに、今後、工事期間中に大幅な増加により予定の金額を超えることはないのか、人材不足等の状況で契約どおりに工事が進むのか、見通しを伺います。

○中山施設整備担当部長 豊洲新市場の主要な三施設の建設工事は、昨年十一月に入札不調となったため、今回の発注では実勢価格を踏まえた積算を行い、当初発注した予定価格の六割に当たる約四百億円を増額いたしました。
  現在の市況の中、今回契約した工事金額については、契約条項に基づいて適切に対応してまいります。
  また、工事の実施に当たっては、都と各工事受注者で構成する工事連絡協議会において綿密な調整を行い、安全管理や品質管理に万全を期し、円滑に工事を進めてまいります。

○中村委員 当初の予定価格からすると一・六倍になったとのことです。三棟の合計だけでも一千億円を超えるので、これは財政的には大変なことです。引き続き建築資材の高騰などの状況の変化はあり得ますので、今後の工事の発注についても、そうした状況を的確につかみ、適切な価格と工期による発注を要望します。
  さて、これから建設工事が始まりますが、土壌汚染対策工事後、地下水のモニタリングで二年間連続して汚染物質が基準以下になることが必要と考えます。
  そこで、地下水のモニタリングの現在の状況を伺います。

○加藤基盤整備担当部長 豊洲新市場用地におけます地下水のモニタリングは、自然由来の物質の存在も考慮に入れて地下水の水位、水質を監視することにより、リスク管理を行い、市場の安全・安心の確保に万全を期すものでございます。
  現在、確実に地下水のモニタリングが実施できるよう、所管部署とも調整しながら観測方法や進め方、観測井戸の位置等について具体的に検討を進めているところでございます。
  今後、建築工事等を含め、関係する工事全体との工事調整を実施し、モニタリングに必要な観測井戸等の設置を行ってまいります。

○中村委員 モニタリングの内容についてはまだ検討中とのことですが、大変重要なことですので着実に行っていただきたいと思います。
  さて、冒頭にも質問しましたが、工事予算の高騰や、先日可決した補正予算でも土壌の処理などで九十億円が計上されるなど、予算が大幅にふえました。
  そこで、改めて新市場関連予算の総額が幾らになるのか、見通しを伺います。

○志村新市場整備部長 豊洲新市場の事業費は四千五百億円程度と見込んでございましたが、今年度最終補正予算に土壌汚染対策経費約九十億円を計上したほか、全国的な建設工事の高まりなどを背景とした工事費の上昇に対応するため、約四百億円の増額で建設工事の再発注を行うなど、事業費が増加してございます。
  今後、再発注に当たり、後年度工事としたものについても、市況と施設の特殊性を踏まえ、精査してまいります。

○中村委員 当初四千五百億円の見込みが、既に約五百億円増額しています。
  先ほども述べましたが、今後の工事についても内容をしっかり精査して取り組んでいただきたいと思います。
  総工事費が大きくなりましたが、豊洲新市場整備の財源としては、築地市場の売却収入に期待されていると思います。しかし一方で、事業費が大幅に増加しています。
  財源の見通しはどうなっているのか、伺います。

○飯田財政調整担当部長 豊洲新市場整備の財源といたしましては、中央卸売市場会計の保有資金、国庫交付金のほか、築地市場跡地の売却収入を充てていくこととしております。
  その売却収入につきましては、築地市場の移転・再整備に関する特別委員会の審議の過程で、平成二十二年一月時点の近隣地の公示価格等から三千五百億円程度と試算しておりましたが、今後、土地の利用等が具体化した後、適切に算定を行ってまいります。

○中村委員 今議会には、四月からの消費税改正を前に条例の改正が提案されて、市場の使用料が変更になりますが、その考え方を伺います。
  また、豊洲新市場整備の事業費の増加により使用料にはどう影響があるのかを伺います。

○飯田財政調整担当部長 今回の条例改正の考え方についてでございますが、中央卸売市場会計は法令上、消費税の納税義務が課せられていることから、法の趣旨にのっとり、消費税率引き上げ分につきまして、使用料に円滑かつ適正に転嫁することとしたものでございます。
  豊洲新市場の整備の使用料への影響についてでございますが、東京都中央卸売市場の使用料は、全十一市場に係る経費を全市場の業者が等しく負担する総括原価主義を採用しており、その改定につきましては、市場財政全体の収支や業者の経営状況等を踏まえ行うこととしております。
  現下の市場財政につきましては、豊洲新市場整備など市場施設の建設改良事業を進める一方で、一千億円を超える保有資金を有することから、築地市場の移転後に跡地売却に係る収益が見込まれることから、直ちに市場使用料に影響を及ぼす状況にはございません。

○中村委員 今回の条例改正では消費税分だけで、総工事費の増額が直ちに使用料の増額にはつながらないということが確認できました。
  市場を取り巻く厳しい環境の中、引き続き適切な対応を求めます。
  さて、さきの委員会では報告事項として、千客万来施設事業の事業予定者が決定したとの説明を受けました。築地のにぎわいを継承、発展させるとのことは趣旨としては理解できますが、この事業者の選定に当たり、当初、二グループが応募し、その後一グループが辞退したことで、一グループのみの提案となったとのことです。
  一グループだけでは健全な競争が働いたとはいいがたいのですが、この事業について、市場は魅力を感じてはいなかったのでしょうか。この状況をどう考えるのか。また、一グループしかないからそのままそこに決定というわけにいかないと思いますが、都はどのように評価をしたのか伺います。

○加藤新市場事業計画担当部長 千客万来施設につきましては、民間事業者が持つ高い企画力、技術力、運営力及び経営能力を活用するため、公募型プロポーザル方式により、事業予定者を選定したところでございます。
  都は、昨年八月に募集要項を公表し、その後、応募の前提条件となる希望表明書の提出を求めたところ、十七事業者、グループから提出されるなど、本事業は高い関心を集めておりました。
  そして、同年十一月に応募を受け付けたところ、二グループから企画提案が提出されたものです。応募を見送りました主な複数事業者にヒアリングをしましたところ、人件費や工事費の急騰及び資材価格の上昇などが辞退理由であり、本事業のスキームの問題ではなく、こうした社会経済状況の変化が影響したと考えております。
  次に、昨年十二月から本年一月末にかけまして、食文化、観光などの各分野の専門家などで構成する審査委員会において、企画提案の審査及び最優秀提案者の選定を行いました。審査期間中に一グループが提案を辞退いたしましたが、審査委員会では、残されたグループの企画提案内容次第では最優秀提案者を選定しないという共通認識のもと、厳格な審査を行い選定したところです。
  都は、審査委員会での選定結果を踏まえ、都が求めている豊洲ならではのにぎわい創出などを実現できる企画提案であると認め、去る二月十九日にこの最優秀提案者を千客万来施設の整備運営を行う事業予定者として決定したものでございます。

○中村委員 一グループだからそのまま決定したのではないということの答弁でした。
  千客万来施設事業については民設民営なので、都は直接運営にかかわるわけではないとは思いますが、市場本体との連携など相乗効果を出し、本来の目的を達成できるよう要望いたします。
  さて、最後に、この中央卸売市場の機能の強化について伺います。
  市場会計は、累積欠損が全体で約六十億円となるなど、財政状況は厳しく、さらに少子高齢化や人口の減少、流通形態の多様化など、卸売市場を取り巻く環境は大きく変化をしています。
  そのような状況の中で取扱量が減ってきていますが、市場を流通する商品は、適正な価格で食の安全が守られているなど独自の価値であり、中央卸売市場は生鮮食料品流通の重要なインフラであると考えています。
  中央卸売市場が引き続きその役割を果たしていくため機能強化を図るべきだと考えますが、所見を伺います。

○日浦市場政策担当部長 市場を取り巻く環境は一段と厳しさを増しており、品質管理の向上及び生産者や量販店、専門小売店の多様なニーズに応えるため、市場機能を強化する施設整備が求められております。
  これまで、コールドチェーンを確立するための低温施設整備や、物流を改善するための荷さばき場の整備のほか、小売業者等のニーズに対応していくための加工施設などの整備に市場関係者とともに対応してまいりました。また、これらの市場本来の業務にかかわる整備に加えまして、各市場に非常用発電機の設置を順次進めること等により、災害対応力も強化しております。
  将来にわたって安全・安心な生鮮食料品を安定的に提供していくため、今後とも各市場の特色、特性を踏まえた機能強化を計画的に推進いたしまして、都民の豊かな食生活を支えてまいります。

○中村委員 食の安全を含めて、中央卸売市場の役割は重要だと思います。とりわけ、長年築地が培ったブランド力は、どこが生産地かということとはまた別に、築地で取り扱ったということで価値も出るに至っています。
  中央卸売市場で扱われた生鮮食料品は完全で確かな価値があるものとして扱われるよう、さらなる取り組みを要望して、質問を終わります。

2 港湾局への質問

○中村委員 それでは初めに、東京都営空港条例の改正に関連して質問いたします。
  七日の補正予算の審議でも、大島の早期の復興について支援するよう述べましたが、観光産業の支援のための離島航空路補助事業も盛り込まれていました。
  地元の三鷹市でも、観光協会で椿まつりのこうしたチラシの方も配布をして、市民への呼びかけも行っていました。(資料を示す)これは船便の方なんですけれども、離島航空路の方も観光支援としては大変重要であり、日常的な利便性の向上のためにも大変重要です。
  調布の飛行場は、三鷹市、調布市、府中市の三市にまたがり、大島、新島、神津島と結ばれています。住宅街にあることから、周辺に住む方々からは、常に安全対策や騒音対策が求められているため、都と地元三市の協定で離発着回数が制限されてはいます。
  多様な目的で使用され、住民の方々にもさまざまご意見はありますが、離島航空路については、営業目的の使用とは異なり、おおむね理解がされていると受けとめてはいます。離島で暮らす方々にとっては、離島航空路の利便性の向上が求められると聞いています。
  そこで、今回の条例改正で、大島空港と三宅島空港の使用時間が延びることになりますが、その意義をまず伺います。

○小幡島しょ・小笠原空港整備担当部長 大島空港の運用時間は、三月から九月まで、現在の十六時三十分を十七時三十分まで延長することとし、三宅島空港は、新島空港、神津島空港と同様、夏休み期間中とゴールデンウイークの期間について、現在の十七時を十七時十五分まで延長することにしました。
  これによりまして、大島と三宅島路線については、調布行きの最終便の出発時間を遅くでき、特に大島路線では、日の長い季節は調布にもっと遅い時間に到着するようにしてほしいという利用者ニーズに的確に応えることができるようになります。
  さらには、これらの空港の運用時間の延長は、調布飛行場を起点に、大島、新島、神津島、三宅島に就航する路線のダイヤ編成の自由度を広げることになり、離島航空路全体にとって、利便性のさらなる向上に資することになると考えます。

○中村委員 調布の飛行場の方は、四月から八月は十八時まで、それ以外は十七時まで運用できますので、大島、三宅島の運用時間が延びることで、離島航空路の利便性が向上するのは望ましいと思います。
  三宅島の空港については、これまでは羽田空港との定期便がありましたが、羽田が利用できなくなるため、都は、調布飛行場との定期便の準備を進めていました。
  そこで、三宅島と調布を結ぶ路線が来年度始まるとのことですが、概要の方を伺います。

○小幡島しょ・小笠原空港整備担当部長 三宅島と調布を結ぶ新規航空路線は、ことしの四月二日から十九人乗りのプロペラ機で一日三往復、新中央航空株式会社により運航されます。
  なお、現在の全日本空輸株式会社の羽田―三宅島路線は、この三月末をもって廃止されます。

○中村委員 四月二日からの運航開始ということですので、当初、羽田の利用が昨年度末までといわれていたのですが、ほぼ、間なく航空路が確保されたことに、関係各位のご努力には敬意を表します。
  一方、調布飛行場開設以来、初の定期航空路の追加になるので、これまで同様、安全輸送の対策は着実に行っていただきたいと思います。
  さて、空港の周辺地域にとっては、これで三宅島との距離が一気に縮まるので、関心が高まる機会にもなります。毎年十月に行われる調布飛行場まつりは、離島と地元との交流を図る上で意義があると考えますが、昨年は台風二十六号の大島土砂災害が発生し、中止となりました。
  昨年四月にはまた、新規にターミナルビルも完成をしました。これを活用することによって、離島と地域との交流をより一層強めていくよう取り組んでいくべきと考えますが、所見を伺います。

○小幡島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場まつりのようなイベントはもとより、日常的に利用される新ターミナルビルを、島しょと地元との交流の場として活用していくことは極めて意義があると考えます。
  このため、新ターミナルビルのロビーに、昨年の十月から島の特産品であるツバキ油やノリ、クサヤなどを取り扱う自動販売機を設置し、好評を博しております。
  また、ことしの二月からは、島の特産品である焼酎や塩、ガラス製品などを展示するスペースを常時設置しております。
  さらに、本年四月二日の三宅島航空路線の新設の際には、離島航空便の運航に対する地元の理解と協力への感謝を込めて、二日から四日までの三日間にわたり、島の物産展を開催することにしております。
  都は、今後もターミナルビルの一層の活用を図り、島しょと地元との交流をさらに深めてまいります。

○中村委員 ただいまお話のあった三宅島の物産展については、東京都からの要請で、三月十六日付の三鷹市の広報、こちらにも掲載されていますので、多くの市民の方が来場することを期待したいと思います。
  私の自宅からは自転車でも二十分で調布飛行場に行くことができまして、そこから飛行機で二十五分で大島に到着します。先日の委員会視察では、新木場からヘリコプターに乗ったんですが、三鷹からヘリポートに着くまでに大島に着けるほど時間的には近いものがあります。
  この質問に当たって、先週の週末にも行ってきたんですが、新しいターミナルができて、小さな子供連れの親子も飛行機を見ながらお弁当を食べている姿を見ました。また、先ほどご説明のあった自動販売機も確かに見てまいりましたら、好評を博しているということでしたが、やはり売り切れになっているものもありましたので、実際、好評を博しているんだなということを見てまいりました。
  同じ東京都として、より身近に感じていただき、島しょ振興が図られるよう引き続きの取り組みをお願いします。
  次に、臨海会計の運営と今後の開発に向けた取り組みについて伺います。
  準公営企業会計に基づく臨海副都心のまちづくりは、企業と同様に会計面のバランスも考えながら開発を進めることが重要であることから、臨海地域開発事業会計の運営状況を伺いながら、今後の開発の方向性や取り組みなどについて明らかにしていきたいと思います。
  まず、この経済・港湾委員会資料の平成二十六年度当初予算説明書を見ると、四七ページのところに、臨海地域開発事業会計の支出額について、平成二十六年度の予定額は千八百六十八億円であり、前年度の四百七十六億に対して二九二%増となっています。増加した大きな要因は、企業債の元金償還金の千五百三十四億円です。
  そこで、この元金償還金が増加した主な理由と臨海副都心開発に係る企業債償還のこれまでの経過及び今後の償還計画について伺います。

○石原臨海開発部長 増加の主な理由でございますが、千五百三十四億円の元金償還金のうち、臨海副都心の開発に係る企業債千四百五十五億円の償還期が来年度に当たっているためでございます。
  臨海副都心開発に係る起債は総額で五千百八十五億円でございまして、これまでに約五五%に当たる約二千八百三十二億円を償還済みでございます。
  今後は、来年度に千四百五十五億円、平成三十二年度に八百九十八億円、合計で二千三百五十三億円を償還する予定でございます。

○中村委員 既に半分以上を償還しているという状況がわかりました。
  一方で、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決まり、開催計画では、今後開発予定の有明北地区に四つの競技施設が配置される予定であり、そのほかにもオリンピック・パラリンピック関連でさまざまな土地需要があると聞いています。土地処分にも影響を与えるのではないかと思います。
  このような状況の中で、今の答弁にあったように、起債償還にも取り組んでいくことになりますが、償還計画に影響はないのか、伺います。

○石原臨海開発部長 内部留保金として約千九百億円を有しておりまして、来年度の償還額千四百五十五億円を支払うことも可能でございます。
  しかし、オリンピック・パラリンピックの成功もにらんで中長期のスケジュールで開発を進めていく必要がございまして、来年度の千四百五十五億円は償還した上で、九百七十五億円を借りかえる予定でございます。

○中村委員 借りかえによって、低金利とはいえ、新たな金利負担が生じることをしっかりと認識することが必要です。
  一方で、企業会計を運営していく上で、借りかえは工夫の範囲内でもあり、また、オリンピック・パラリンピックの成功に向けて土地を有効活用していくことも不可欠です。バランス感覚を持って、適正な会計運営に取り組んでもらいたいと思います。
  さて、臨海副都心では、シンガポールやソウルなどの諸都市が力を入れているMICE分野において、厳しい都市間競争を勝ち抜くために、今後開発予定の青海地区北側を中心に、MICE、国際観光拠点化を目指してさまざまな取り組みが進められています。
  この目標には大きな意義があると思いますが、先ほど来の質疑からも明らかなように、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの成功というもう一つの目標とどのように整合性を確保して開発を進めていくのでしょうか。
  今後の開発の方向性について伺います。

○石原臨海開発部長 臨海副都心は、世界中から人、物、情報、技術が集まるMICE、国際観光機能が既に一定程度集積し、観光と交流の町として発展してきております。また、域内には、今後の大きな発展可能性のある、都心に残された数少ない用地も有しているところでございます。
  そこで、こうした用地を有効活用しまして、オリンピック・パラリンピックの成功に向けて関連施設の整備を着実に進めつつ、大型クルーズ客船ふ頭の新設や新たな観光資源の誘致など段階的な開発を進め、世界一の魅力を持つ、MICE、国際観光拠点へと発展させてまいります。

○中村委員 今後の取り組みに大いに期待したいと思います。
  ところで、この臨海副都心は、平成元年の開発着手から四半世紀が経過をして、職、住、学、遊のバランスのとれたグローバルなまちづくりのコンセプトのもとで開発が進められてきました。現在では就業人口五万二千人の町に発展し、大手企業を初めとして一千五百社もの事業者が進出をし、ビジネス拠点としても着実に成長してきています。
  臨海副都心には、研究開発機関の一定の集積やベンチャー企業の創業支援に対応できるオフィスビル環境などが整っているという、ほかの町にはないアドバンテージを持っています。アジア諸都市との厳しい都市間競争を勝ち抜いていくために、その強みを生かして、外国企業の誘致に取り組むなど、さらなる企業集積を進め、グローバルなビジネス拠点としての発展を図るべきと考えますが、所見を伺います。

○山口営業担当部長 現在、臨海副都心には、都立産業技術研究センターや国の産業技術総合研究所などの学術研究機関が集積し、企業等が共同で研究開発を行ったり、製品の性能試験や分析をする環境が整っております。
  域内のテレコムセンタービルやタイム二十四ビルなどのオフィスビルにはインキュベーション施設なども整備され、ベンチャー企業や中小企業が進出しており、こうした学術研究機関などが集積している環境を生かした取り組みが行われ、中には外国からも注目される最先端の研究開発も行われております。
  そこで、都は、こうした集積の強みを生かした取り組みをさらに加速するため、都の補助制度を活用いたしまして、ベンチャー企業等への研究環境の整備や海外からの視察への対応力の強化などを行い、国内外からの視察の増加や共同研究などにつなげております。
  こうした取り組みを強化するとともに、今後、進出事業者などによる異業種交流会への支援など、国内外の企業の誘致に努め、臨海副都心のより一層のグローバル化を図ってまいります。

○中村委員 臨海副都心の研究機関などの集積の強みを生かして海外企業を誘致することができれば、グローバルな拠点として町が発展していくとともに、中小企業との連携も生まれ、東京の産業力を牽引する非常に有効な取り組みとなります。
  二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの際には、ベイエリアには、仮設も含めて競技施設の三分の二に当たる二十一の競技施設が整備され、その中でも臨海副都心では十の競技会場が予定されています。オリンピックは短い期間ではありますが、そこに世界中からお迎えするお客様は一日数万人を超えることが予想されます。
  さらに、オリンピック開催時だけではなく、これからオリンピックまでの期間にも視察などを含め、たくさんの海外からのお客様をお迎えすることになります。これらのお客様に好印象を抱いていただけるような、おもてなしの心のこもった対応は、東京への再訪の気持ちを醸成し、まさにグローバルな発展につながるものだと思います。
  東京都や進出事業者等が一体となってまちづくりを進めてきた臨海副都心では、町全体でお客様を歓迎する取り組みをさらに充実させていくべきと考えますが、所見を伺います。

○山口営業担当部長 観光庁のアンケートによれば、海外からのお客様が旅行中に困ったこととして、無料Wi-Fiの環境が少ないこと、目的地までの公共交通の経路情報の入手や利用方法がわかりづらいことなどが挙げられています。
  そこで、臨海副都心では補助制度を活用いたしまして、最も要望の高い無料Wi-Fi環境についてもサービスを開始するとともに、「ゆりかもめ」の各駅への多言語対応のタブレットやデジタルサイネージを配備いたしまして、外国人旅行者に対する経路案内を可能といたしました。
  また、進出事業者で構成する臨海副都心まちづくり協議会などと連携して、冬の夜空を飾る花火の打ち上げや複数のビルにわたる大規模な最先端のイルミネーションなど、観光地としての魅力の創出にも努めております。
  今後は、これらの取り組みに加え、多言語対応の案内板の充実などを進出事業者との連携により進め、おもてなしの心にあふれた臨海副都心へと発展させてまいります。

○中村委員 ご答弁ありがとうございました。これからますますふえると思われる海外から来訪されるお客様にとって、快適で楽しい滞在となるよう、今後とも工夫を凝らしておもてなしの取り組みに尽力し、東京、臨海副都心の魅力を発信していただきたいことを要望しまして、質問を終わります。

 

ユーティリティ

都議会質問内検索

Search

過去ログ