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都議会質問記録

2013/03/22 東京都住宅供給公社の評議員会で質問しました

2013年3月22日、東京都の外郭団体である東京都住宅供給公社の評議員会に出席しました。都議会から代表で評議員になっています。議題である平成25年度事業計画と予算と報告事項について質問しました。公社の元職員が起こした汚職事件と再発防止策への取り組み、サービス付き高齢者住宅への取り組みについて質問しました。

○中村評議員 評議員の中村でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、先ほどご報告のありました、昨年12月に住宅供給公社の元職員が収賄罪で懲戒免職処分となった汚職事件について幾つか質問します。これは大変残念な事件だったものですから、都議会民主党としても、平成24年第3回都議会定例会の代表質問の中で、この公社の汚職事件について言及をし、汚職事件の全容や効果的な再発防止策を都民に公表し、都民に対する信頼の回復に努めることを要望しました。
 そこで伺いますが、12月27日に、元職員の懲戒免職処分を含むプレス発表を行ってから3カ月が経過しました。この間に裁判が行われていると聞きますが、裁判の進捗状況を伺います。

〇小室総務部長 裁判の進捗状況でございますが、第1回の公判のあった12月18日から直近の3月8日まで、合計7回の公判が開催されました。第1回は検察による冒頭陳述、この場で収賄側の被告人は、収賄罪であることを争わないということを申しまして、一方、贈賄側の被告人は無罪を主張しました。贈賄側の被告人が無罪を主張したため、第2回と第3回の公判では、贈賄側の被告人について、合計3名の証人喚問が行われました。第4回は収賄側被告人への尋問、第5回は贈賄側被告人への尋問、第6回は収賄側被告人の情状証人への尋問、第7回は証拠調べでございまして、来週3月26日に予定されております第8回公判をもって結審の見込みでございます。通常、結審後1カ月前後で判決が出ると伺っておりますので、判決は4月下旬か5月上旬ごろになる見込みかと思います。

○中村評議員 逮捕時の昨年9月の新聞報道等によれば、贈賄側の被告人の関連業者が、平成23年3月に起こした遊具誤認撤去事故をめぐる指名停止処分の軽減告事項でも少し説明がありましたが、そもそも、一月(ひとつき)の指名停止処分案はどのように作成されたのでしょうか。もう少し詳しくお聞かせ願います。

○小室総務部長 遊具誤認撤去事故の復旧が完了しましたのは平成23年5月下旬でございました。その後、震災の対応業務などで当社は繁忙を極めていたこともありまして、実際に処分の検討に着手したのは8月上旬でございました。処分案は、指名業者選定委員会の事務局であります総務部契約課において作成しました。このとき、過去の事例で、ライフラインを切断して居住者の生活に大きな影響を与えた事故における指名停止期間が1カ月から2カ月であったこと、工事を発注した新小岩窓口センターから提出された意見書なども参考にしまして、指名停止期間一月(ひとつき)の処分案を作成しました。 
 指名業者選定委員会は、9月1日に開催されまして、当該の元部長級職員が委員として出席しました。委員会では、当該業者である武尊技建の事故後の対応が迅速かつ誠実であったこと、もともとの撤去工事が少額の工事であったにもかかわらず、これを大きく上回る多額の費用を自ら復旧のために負担したことなどについて総合的に勘案し、事務局案のとおり、指名停止期間一月と決定したものでございます。
 
○中村評議員 今のご答弁では、公社が自らの社内調査等で把握をされたことかと思いますが、裁判ではこうした事実関係をどのように証言されたのか伺います。

○小室総務部長 裁判には当社の社員2名が証人として出廷しましたが、その2名とも、事実関係については、先ほど述べたことと同様の証言をしました。さらに、両者とも、当社の業者処分の事務局案作成の過程、それから指名委員会における審議過程において、「この元職員が、指名停止期間を軽減すべきだというような発言はしていない」という証言をしております。また、この元職員も、裁判の中で、「自分は事務局案作成過程においても、また、委員会の中でもそのような発言はしていない」というふうに証言しております。
 これらのことから、当社では、本事件における業者への指名停止処分は、内容、手続とも適正に行われていると考えております。

○中村評議員 元職員が借金の返済に困って今回のような行動に及んだことは残念極まりないのですが、今回の事件を教訓にして、見直すべきものは見直し、再発防止に向け最善を尽くしてほしいと思います。現在の再発防止策についての取組状況について伺います。

○小室総務部長 今回の汚職事故の原因、あるいは背景と考えられる要因を分析し、当社として緊急に取り組むべき再発防止策を「汚職等防止対策委員会報告書」としてまとめて、平成24年12月27日に公表しました。この報告書には、利害関係者との接触に関する指針等の策定や、コンプライアンスに関する外部相談窓口の設置、それから業者処分制度における指名停止基準の見直しなど、17項目の再発防止策が掲げられておりまして、今年度末までに全項目の実施、具体化を完了する予定でございます。今後とも再発防止策を着実に実施し、信頼回復を図るとともに、全職員が一丸となって、都民の期待に応えられる適正かつ的確な業務遂行に努めていく所存でございます。

○中村評議員 ぜひ再発防止に取り組んで、都民の信頼回復に全力を尽くしていただきたいと思います。
 次に、都の監理団体としての改革について伺います。東京都は、平成22年に 「東京都監理団体活用方針」を公表し、その中で、公社は中堅所得者向けの良質な賃貸住宅等の供給や、住宅セーフティネットとしての都営住宅の適正な管理、また、少子高齢社会や環境問題への対応など、都の住宅政策の一翼を担う重要なパートナーとしての役割を果たしていくこととされています。公社は、こうした公的住宅事業者としての役割を果たしながら、都の財政支援に頼らない自立経営に向け監理団体改革を進める必要があると思いますが、具体的にどのような取組を行っているのか伺います。

○小室総務部長 当社は、自主自立的経営に向けまして、長期的に安定的な資金を調達するため、平成15年度から当社独自の信用力による社債の発行を開始するとともに、都の損失補償付社債については平成17年度を最後に終了しております。さらに、社債により調達した資金による高利率借入金の繰上償還や、安定的な収益の確保などにより、借入金残高の着実な縮減に努めてまいりました。事業面では、平成13年以降は建替事業に伴う都からの新たな借入金を停止するなど、東京都の財政支援に頼らない事業を推進してまいりました。
 こうした中、平成19年度に包括外部監査が行われ、より民間の経営感覚を伴った真の自立経営を推進すべきというご意見をいただいたことを踏まえまして、東京都からの借入金の大幅な前倒しによる繰上返済や、従来、無利子とされていた都からの借入金の有利子化など、東京都との債権債務関係の全体的かつ総合的な見直しを行いました。今後も東京都の支援に頼らない自主自立的経営に向けて、効果的かつ効率的な事業運営に努めてまいります。

○中村評議員 今後も引き続き効果的・効率的な事業運営に向けた経営改革に取り組んでいただきたいと思います。
 最後にひとつ、事業計画のほうからも具体的な事業について伺います。サービス付き高齢者住宅への取組です。先ほどの「監理団体改革活用方針」でも、都は公社の活用について、市場では十分に供給されにくい高齢者や子育て世帯向けの住宅供給推進との考え方を示しています。現在開会中の都議会でも、高齢者の住まいについて多くの議論がなされています。とりわけ、サービス付き高齢者住宅は注目されています。公社としても、都の政策の一翼を担っていますので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。そこで、公社として、サービス付き高齢者住宅についてどのように取り組んでいるのか伺います。

○狩野少子高齢対策部長 ・ サービス付き高齢者住宅についてですが、当社では、板橋区の向原住宅、世田谷区の烏山住宅において、国のサービス付き高齢者向け住宅整備事業及び東京都の医療介護連携型サービス付き高齢者向け住宅モデル事業等の補助金を活用し、建替え事業により創出した用地にサービス付き高齢者向け住宅の整備を進めております。また、稲城市の平尾住宅では、団地のオープンスペースを活用したサービス付き高齢者向け住宅を計画しているところでございます。今後とも、建替事業における創出用地や、既存住宅におけるオープンスペース等を活用し、地域の需要なども踏まえつつ、高齢社会に的確に対応するため、サービス付き高齢者向け住宅の整備を検討してまいります。

○中村評議員 ご答弁ありがとうございました。東京都は国との違いを「現場を持つ強み」とよく語られますが、自前の現場を持っていない場合もあります。サービス付き高齢者住宅にしても、直接の運営は民間事業者が行っているのですから、ぜひ公社が持つ、まさに現場からの意見を都に伝えて、都の政策形成に影響を与えるような積極的な提案も期待したいと思います。公的役割を持つからこそ、襟を正し、都民からの期待に応え、都と一体となって、よりよいサービスを提供していけるよう、一層の取組を期待いたしまして質問を終わります。

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