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都議会質問記録

2020/06/04 コロナによる住宅困窮者のためのセーフティーネット住宅の補正予算で質疑

2020年6月4日、都市整備員会で、住宅政策本部が提案した新型コロナウイルスに関連する補正予算としてセーフティーネット住宅の設備導入補助について質問しました。住宅に困窮した人の入居のための制度なので進めることは必要ですが、困窮者の現状把握とその方々の入居を促進するよう求めました。

 

○中村委員 それでは、補正予算の東京ささエール住宅、セーフティーネット住宅設備導入補助への質問をします。
 今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症の影響により、生活に困窮する住宅確保要配慮者を支援するため組まれたとしています。仕事を失う人もいて、生活保護への申請がふえたとも報道されています。以前、リーマンショックのときには派遣切りといわれ、多くの非正規雇用の方が職を失い、住み込みや社宅の場合には仕事とともに住まいも失いました。当時、日比谷公園に年越し派遣村が設立され、社会に大きな衝撃を与えました。
 生活の支援は福祉とはいえ、住まいは生活の基本です。都市整備局から独立した住宅政策本部は、住宅をハードとしてだけ捉えるのではなく、ソフトとしての支援も行うことがその意義だと私は理解しています。今まさに住宅に困窮した方々への支援策を行うべきです。
 そのため、質問に当たって、新型コロナウイルス感染症の影響で住まいについてどのような状況が出ているかと現状を伺ったところ、福祉保健局のチャレンジネットで取り組んでいるとのことでした。
 今後、コロナの問題が終息したとしても、住宅政策本部としても住宅困窮者の現状把握をしていただくよう要望します。
 一方、今回、福祉保健局がインターネットカフェの営業自粛による、いわゆるネットカフェ難民の方が居場所をなくした場合への対応として、宿泊施設を確保しました。宿泊された方々を施設から支援につなぐ先は各自治体の福祉事務所になるんですが、中には住まいさえあれば自立することができる人もいると思いますが、現住所が定まらないとなかなか新たにアパートを借りるのも難しいのが現状です。
 先ほども述べましたが、住宅政策本部が役割を果たすべきときです。入居を拒まないセーフティーネット住宅が量を確保でき、役割を十分に発揮できれば多くの方が助かります。
 都が二〇一八年三月に策定した東京都住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画における目標では、二〇二五年度までに三万戸の登録を目指すとしていますが、まだまだ先が見えてきません。
 今回の補正予算では、従来何戸あった登録住宅がどのくらいまでふえる見通しなのか伺います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 令和元年度末現在、東京ささエール住宅は二千二百四十戸が登録されており、今回の補正予算に盛り込んだ東京ささエール住宅への設備導入補助によりまして、約七百戸の住宅が新規登録されることを見込んでございます。

○中村委員 これまでもセーフティーネット住宅について議論してきましたが、今回の補正予算がどこを目指しているのかをはっきりさせるためにも、そもそもの目標設定について伺います。
 住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画において、住宅セーフティーネット法に基づく登録住宅の供給の目標が、二〇二五年度までに三万戸を目指すと設定されています。改めて計画を見てみましたが、三万戸とは書いてあっても、どういう根拠なのかというのが少しわかりませんでした。
 そこで、改めてこの考え方について伺います。

○澁谷住宅政策担当部長 お話の計画は、二〇二五年度までを計画期間といたしまして、平成三十年の三月に策定をしたものでございます。
 この計画におけます登録戸数の目標設定に当たりましては、総務省の平成二十五年住宅・土地統計調査をもとに推計を行いました。
 住宅確保要配慮者のうち、計画期間中に新たに住居を必要とする者は、年収が著しく低く、高い家賃を負担している若年単身者約九千世帯、そして、狭小な賃貸住宅に居住し、公営住宅の収入基準以下の高齢者世帯など、これが約二万世帯、このように推計をいたしまして、これらを合わせました約二万九千世帯をカバーして、居住の安定を優先的に図るよう、二〇二五年度までに三万戸と設定をしたものでございます。

○中村委員 公営住宅の収入基準以下の高齢者ということなんですけれども、場合によっては、年齢によってその収入を上回っていてもなかなか入居が拒まれて入れない方もいらっしゃるでしょうから、ぜひそういったところを幅広く見ていただいて対応していただきたいと思っています。
 とにかく戸数をふやして困窮した方を支援するということだと思いますが、そもそも全体も少ないのですが、要配慮者のみが入居可能な専用住宅は少ないのが現状です。登録住宅も要配慮者が申し込めば拒めないのですが、要配慮者でない方が申し込んでも入れます。
 先ほどの現状把握にもつながるのですが、これまでセーフティーネット住宅で要配慮者の方はどのくらいの方が入居されたのでしょうか。要配慮者を拒まないとしながらも、公の支援で住宅の質が上がれば一般の方の入居も進みます。ただ、要配慮者のための制度であれば、実際に困窮した方が入れないのでは役割を果たせてはいません。
 セーフティーネット住宅にどのくらいの要配慮者が入れたのか調査して把握すべきですが、現状を伺います。あわせて、今回の補正予算でどのぐらいの要配慮者の入居を見込むのか、見解を伺います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 国の登録システムにおきましては、登録に際して入居状況の入力が任意となっておりまして、実際に多くの事業者等が入力しないことなどを踏まえますと、その時々の東京ささエール住宅への入居状況を的確に把握することは困難でございます。
 一方で、調査のため、事業者に対しまして入居状況を的確に報告するよう求めることは、過度な負担を生じさせることになりかねず、事業者等が東京ささエール住宅の登録にかえって消極的になるおそれもございます。
 こうしたことから、現時点におきましては、入居状況の把握よりも、まずは要配慮者向けの住宅の受け皿を拡大していくことが重要であると考えており、今回の補正予算におきましても、要配慮者の入居見込みは設定してございません。

○中村委員 事業者の方々に協力していただいているという側面も確かにはあるんですけれども、税を使って、こういった制度も使っておりますので、特に過大な負担ということではあるんですけれども、実際に困っていらっしゃる方がどのくらい入れているのかどうかという現状を把握していくというのは必要なことだと思いますので、ぜひ今後、検討していただきたいというふうに思っております。
 さて、私たちの会派の方では、住宅政策として現在ある都営住宅も重要ですが、老朽化の建てかえだけで膨大な費用がかかることや、また、民間賃貸住宅の空き室、いわゆる空き家も多くあることから、家賃補助制度の創設を提案してきました。
 セーフティーネット住宅も、専用住宅には家賃、家賃債務保証料低廉化への補助もあるため、一部採用されている部分もありますが、今回の補正予算では、コロナで困窮した方という目的での編成ですから、登録住宅をふやすためだけではなく、専用住宅をふやす予算にすべきだと思います。
 予算の執行に当たり、専用住宅をより促進する取り組みが必要ですが、見解を伺います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 都民の居住の安定を確保するためには、専用住宅のみならず、東京ささエール住宅全体の登録を促進していくことが重要でございます。
 都は専用住宅におきましては、家賃低廉化補助のほか、空き家等の登録を条件に報奨金を交付するなどの支援を行ってございます。また、登録住宅におきましても、貸し主が一定の住宅設備を導入する際の補助を今回の補正予算に盛り込むなどの登録促進策を講じているところでございます。
 引き続き、これらの取り組みを総合的に進め、専用住宅を含む東京ささエール住宅の登録を促進してまいります。

○中村委員 住宅の問題で困窮している人を救うためには登録数をふやすということは大変大事だとは思っているんですけれども、今回東京都としても、財政状況が大変これから厳しくなるにもかかわらず、全体でかなり大きな金額をコロナ対策の予算として補正予算を組んでいます。
 その中で、今回の項目も新型コロナウイルスの対策ということで組んでいるわけですから、このコロナで本当に困っている人がいるのであれば、その方々を本当に最優先して救済することが大切なんだと思っています。
 そのためにも、先ほども述べましたが、やはり現状を把握して、それをもとに政策をしっかりつくっていくということが大切であって、そのことが本当に困窮した人の救済につながると思いますので、ぜひそういった予算の執行をやっていただきたいということを要望しまして、質問を終わります。

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