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都議会質問記録

2020/07/27 臨時議会で新型コロナ対策の文書質問を提出しました

7月27日、都議会の臨時会で、本会議場の質問の代わりに行うことができる文書質問を提出しました。新型コロナウイルス感染症の対策について病床と療養施設となるホテルの確保、保健行政について都と市区町村との連携強化、PCR検査数の増強、事業者への感染拡大防止のガイドラインの徹底、家賃補助支給の迅速化などを質問を通じて求めました。答弁書は次回の定例会で出されますが、議事録上は本会議と同様の扱いとなります。
 
1.新型コロナウイルス感染症対策の補正予算について
 
 新型コロナウイルス感染症について、3,132億円の補正予算が提案されました。国の第2次補正予算の対応や都独自の取り組みを迅速に実施するためとのことです。しかし、検査件数が増えたことを理由としていますが、感染者数は増え続け、連日3桁を上回っています。より緊迫感を持って対応することが必要であり、以下、補正予算に関連して新型コロナウイルス感染症対策について質問します。
 
問1:企業へのさまざまな補助制度が設けられたが、手続きは、簡便かつ迅速さが求められる。一方で感染拡大防止の呼びかけとして都がガイドラインを設けステッカーの掲示された店の利用を呼び掛けるが効果が十分とはいえない。補助の要件として感染への対策をとりステッカーを貼ることにしても負担はそれほど大きくはないうえ、効果を上げることができる。検討すべきだが見解を伺う。
 
回答1:事業者のガイドライン遵守と利用者の安心確保に向けて、感染防止徹底宣言ステッカーの掲示を「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」の支給要件の一つとしています。引き続き、ステッカーの取組を行っていない事業者に対しては、ガイドラインの徹底やステッカーの掲示を働きかけ、ステッカーの普及拡大の取組を推進してまいります。
 
問2:かねてから都として家賃補助制度の創設を求めていたので、国の上乗せ支給を行うことは評価する。そのうえで、支給手続きは簡便とし迅速に支給する必要がある。今後の手続きの方法と支給の時期を伺う。また、今回の支給により必要とする企業や家賃の実態が分かれば、次に必要となった際の予算の見通しが立てやすくなる。さらに大きな感染の波が来た場合、都独自の支給を行う必要があるが、見解を伺う。
 
回答2:都の家賃支援は、原則として、国の家賃支援給付金の給付決定を受けた中小企業等を対象としており、国からの給付決定通知書を提出書類とすることで審査を大幅に簡略化し、支給手続を迅速化していきます。また、多くの事業者からの申請を迅速かつ効率的に処理できるよう、ウェブ申請を基本として利便性の高い申請システムの構築を図り、8月17日から申請受付を開始しています。今回の都の家賃支援は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営状況にある中小企業を支援するため、国の家賃支援給付金に都が独自に上乗せ給付を行うものであり、これにより多くの中小企業の事業継続を着実に支援していきます。
 
問3:医療機関への臨時支援金や体制整備への支援が計上されている。しかし、これまで病床を空けて協力していても都の給付が遅くて経営環境が悪化する病院があると聞く。今後、迅速な対応を病院に依頼するためにも、早期の支払いが必要である。支給の状況はどうなっているか。時間がかかる理由は何か。急ぐべきだと考えるが見解を伺う。
 
回答3:新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業、医療機関・薬局等における新型コロナウイルス感染症感染拡大防止等支援事業は、令和2年7月27日の臨時会で補正予算が可決され、翌日7月28日から、各医療機関からの申請受付を開始しており、速やかに交付を行っていきます。医療機関への臨時支援金やその他の医療提供体制の整備に係る事業は、令和2年8月には各医療機関への周知及び申請受付を開始し、できる限り早期に支援金等を交付できるよう、準備を進めています。新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関を支援し、医療提供体制を確保するため、支援金等の迅速な交付に努めていきます。
 
問4:緊急事態宣言後の感染の再拡大については、予想を上回る速度で、無症状軽症の方の療養施設となるホテルや、中等症、重症の方の病床確保が困難となった。今後、ワクチンが開発されるまでの間、計画的に一定の枠を確保することが必要だが見解を伺う。あわせて、新型コロナ専門病院を設置する必要があるが見解を伺う。
 
回答4:都は、新規陽性者数が増加している状況を踏まえ、入院が必要な陽性患者が確実に入院できるよう医療提供体制を強化することとし、入院重点医療機関の指定を進めるとともに、重症患者用100床、中等症等患者用 2,700床の確保を医療機関に要請し、令和2年7月末現在約 2,400床を確保しています。また、検査で陽性となった方のうち、症状がない場合又は医学的に症状が軽く、必ずしも入院治療が必要でない方が、宿泊療養施設で療養を行えるよう、7月末時点で6施設、 2,000室を超える部屋数を確保しています。引き続き、新規陽性者数の動向等を踏まえ、必要な病床や宿泊療養施設の確保を進めていきます。さらに、都では、旧都立府中療育センター施設を活用し、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる専用医療施設を設置することとしました。規模は約 100床とし、中等症程度までの患者の受入れを想定しています。令和2年10月中を目途に、必要な改修工事等整備を行い、完了後速やかに運営を開始する予定です。
 
問5:自殺防止相談における支援体制の強化については重要である。そのうえで、自殺を考える方々を含む、さらに多くの方々が不安から精神疾患、うつ病などになっていると考えらえる。自殺を考えるに至る前の対策としても、精神的に厳しい状況にある方の相談体制の強化、支援する必要があると考えるが見解を伺う。
 
回答5:都は、精神保健福祉センターや都保健所で、こころの不安や悩みに関する相談を実施しています。また、自殺相談専門の電話相談とSNS相談では、精神症状や心理的問題などを含め、様々な相談に対応しており、令和2年6月から、SNS相談と深夜、早朝時間帯などでの電話相談の回線数や相談員を増やしました。さらに、相談・支援を必要としている人にこうした相談窓口を利用してもらえるよう、自殺の予防に関する様々な相談窓口の情報を掲載したリーフレットを作成し、区市町村や関係機関を通じて周知するとともに、ポケットサイズの相談メモを作成し、学校を通じて児童生徒に配布しています。新型コロナウイルス感染症の影響による自殺リスクの高まりが懸念されることから、令和2年6月から7月にかけて、福祉、医療、経済、教育等の関係機関や民間団体、有識者からなる自殺総合対策東京会議の計画評価部会と重点施策部会を開催し、感染症の影響を踏まえた具体的な対策を伺ったところであり、今後、これらの意見も踏まえながら、区市町村や関係団体と連携した自殺対策を推進していきます。
 
問6:補正予算では保育所について感染症対策への支援が計上されているが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため利用の自粛を要請した認可保育所については、利用者負担額が減免されるが、その補填について、市区町村の負担が大きい。都としての支援が必要と考えるが、見解を伺う
 
回答6:新型コロナウイルス感染症により、認可保育所等が臨時休園等した場合の「利用者負担額」は、保育の提供を受けた日数分の保育料を日割りにより計算して得た額とし、減免することとなっています。国はこの取扱いについて令和2年2月27日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症により保育所等が臨時休園等した場合の「利用者負担額」及び「子育てのための施設等利用給付」等の取扱いについて」等により通知しています。利用者負担額を日割り計算により減免した分は、通常の施設型給付費等の負担割合により、都が4分の1を負担しています。
 
問7:臨時会の初日の知事発言では、公約に掲げた「東京都版CDC・疾病対策予防センター」の創設について触れているが、具体的な構想について伺う。
 
回答7:いわゆる「東京版CDC」は、都や保健所が持つそれぞれの情報を分析・評価して、都民に正確な情報発信を行うとともに、危機発生時には的確な判断に基づき効果的な対策を推進していく新たな拠点となるものです。現行の東京都健康安全研究センターなどの機能を集約するなど、都自体の機能強化を図るとともに、国立感染症研究所や厚生労働省、大学・研究機関等とも有機的に連携することで、危機に対する備えを一段と高めていくものです。
 
問8:東京都版CDCに関連して、知事の発言では、国や大学との連携を主張するが、今すぐにでも行うべきは、市区町村との連携である。保健所のある区市とは緊密な連携が必要であり、保健所のない市町村には情報をより共有し一体的な取り組みが必要である。自治は尊重しつつ、危機に瀕しては、都と市区町村が連携を強化し一体として取り組めるようにすることこそがすぐにでも必要と考えるが見解を伺う。
 
回答8:地域における感染拡大防止対策を効果的に進めるためには、地域の実情に精通した区市町村と連携した取組が重要であり、都はこれまでも感染予防策等に係る情報提供や技術的支援など、様々な取組を区市町村と連携しながら実施してきました。令和2年7月31日には新型コロナウイルス感染症対策都区市町村協議会を開催して、各種情報や課題の共有を図り、解決に向けた方策等を検討しましたが、今後とも区市町村と連携して感染拡大防止の取組を推進していきます。
 
問9:新型コロナウイルスでは担当する福祉保健局が多忙になり、他局から一時的に職員の応援をさせている。感染者数が減った際に元の局に職員を戻したが、今回のように急速に感染者が増えると、再度の応援には時間がかかり対応が後手に回ってしまう。次なる未知の感染症への備えとして福祉保健局や保健所の体制強化は別途検討が必要だが、その前に、今回の新型コロナウイルスについては、ワクチンや特効薬が普及し一定の終息を見るまでは、一時的に感染者が減少しても、体制を維持することが必要と考える。この感染症が収まらなければ、他局の事業も従来通りにはできないことから、まさしく都政の最大の課題として認識し対応することが必要である。他局からの応援による柔軟な体制強化だけではなく、福祉保健局の感染症の担当の人員を異動により増強し、当面その体制を維持すべきと考えるが見解を伺う。
 
回答9:都では、効率的に事業を執行するため、毎年度、人員や組織を精査し、必要に応じて第一回定例会で東京都職員定数条例等の改正を行い、各事業の基本的な執行体制を定めています。また、年度内に不測の事態が生じた場合、事案の性質や緊急度、恒久的措置の必要性等を考慮し、一時的な職員応援対応、人事異動又は組織設置など適切な対応を図っています。新型コロナウイルス感染症対策については、職員応援を中心に対応していますが、令和2年7月には、これら職員応援対応に加えて、福祉保健局の組織改正を行いました。具体的には、検査・医療提供体制の確保や患者情報の管理など、新型コロナウイルス感染症に対応する機能を一体的に整備し、感染症対策の基盤を確立するため、福祉保健局健康安全部感染症対策課を改組し、同局内に「感染症対策部」を設置して人員増加を実施しました。引き続き、柔軟な応援体制も併せて活用することで、感染症対策等に係る万全の体制を確保していきます。
 
問10:「区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業」について、共同で事業を行うには、前提として強力な連携と情報共有が必要である。しかし、都が管轄する市町村では都の基準で情報を公表するので、感染者が地域で感染したのか都心で感染したのかさえもわからず、退院者の数も公表されないので感染者数が累積されて不安だけを与えている。地域住民に対する普及啓発も項目としてあるが、その基礎となる情報公開が欠けている。決して油断してよいわけではないが、個人情報は守ることを前提にして、より市町村の住民の行動変容につながるよう、情報公開のあり方を変える必要があると考えるが見解を伺う。
 
回答10:都は、新型コロナウイルス感染症の発生状況等については、プライバシーの保護にも十分に配慮しながら、年代別・性別の感染者数の状況や入院者数、重症者数の状況のほか、退院・療養終了者数についても公表しています。区市町村別の情報については、累積患者数に加え、令和2年7月29日から退院・療養終了者数についても公表しており、区市町村と連携しながら、都民の不安軽減や適切な行動につながるよう、的確な情報発信に努めています。
 
問11:区市町村が集中的なPCR検査を行う場合に経費を支援するとのことだが、そもそも都はその前提として区市町村が設置するPCRセンターの検査能力、実施状況等を把握するよう早急に調べる必要があるがどうか。緊急の場合に近隣市区町村で協力し合えるよう、全都的に調整すべき場面もあると考えるがいかがか。PCR検査能力を1日あたり1万件を目標とするが、そもそも1万件で足りるとする根拠は何か。また、区市町村の検査能力を把握し、その上乗せでいつまでに、どうやって行うのかを検討する必要があるが見解を伺う。
 
回答11:都は、東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトに都内における検査実施件数を掲載しており、その中には、各PCRセンターから日ごとに報告を受けている検査実施件数も含まれています。また、集団感染の発生時など、多くの検査を緊急に実施する必要がある場合には、都から医師を派遣するなどの応援体制を整備しています。都内の検査処理能力の拡大については検査需要を考慮し、10月までに1日当たり1万件の確保を目標としています。令和2年7月末時点での都内の検査処理能力は1日当たり約 8,600件ですが、今後、医療機関等における検体採取体制の整備と検査処理能力の増強を推進し、目標達成を図ります。
 
問12:区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業で、権限のある都ではなく、権限のない区市町村が休業要請をする場合に支給されることになる。権限のない自粛要請は強制力がないが効果があるのか。
 
回答12:地域における感染拡大防止対策を効果的に進めるためには、地域の実情に応じた区市町村の取組が重要であり、都は区市町村の取組を支援し、協力して対策を進めていきます。
 
問13:保健所の運営体制強化とあるが、いまだに感染状況をFAXや紙でやり取りする仕組みを変える必要があるのではないか。具体的には「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」を確実に導入し、国・都・市区町村・保健所・病院にリアルタイムで状況が把握できる状況にする必要がある。現在の導入状況はどうか。早急に導入すべと考えるが見解を伺う。
 
回答13:国が導入を進めている新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)については、都内の一部の保健所で先行利用し、説明会を開催するなど、都としても導入に向けた働きかけを行ってきた結果、令和2年9月1日時点で、都内31か所の保健所中30か所で運用を開始しています。引き続き、保健所等の運用状況等を把握するとともに、改善に向けた現場の意見等を取りまとめ、国に対して必要な要望を行っていきます。
 
問14:医療機関の体制整備に関して「新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(G-MIS)」の導入も支援すべきと考える。システム導入のサポートを行い、着実に完了させていく必要がある。現状の導入状況はどうか。早急に導入すべく都が支援すべきだが見解を伺う。
 
回答14:新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(G-MIS)は、全国の医療機関の病床や医療スタッフの配置状況、医療機器や医療資材の確保状況等を一元的に把握するために、国がWEB上で提供しているシステムであり、これまでに、都内全ての病院がこのシステムを利用できるよう、国から利用のためのIDが付与されています。現在、都内の病院でシステムの利用が開始されており、都は各医療機関において円滑な導入が図られるよう、必要に応じてサポートしていきます。

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