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都議会質問記録

2020/11/27 都議会総務委員会で新型コロナ対策、災害対策を質問しました

2020年11月27日、都議会の総務委員会が開会され、所管の総務局の事務事業についての質疑を行いました。新型コロナウイルス感染症対策、災害対策、多摩格差是正、人権施策について質問しました。質問の概要は以下の通りです(答弁は後日掲載します)。

 

○中村委員 それでは最初に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 現在、感染者の急増により、十一月十九日、都は、四段階で示す感染状況を最高レベルの感染が拡大しているに引き上げました。今、何としても感染拡大をとめることが重要です。
 新型コロナ対策についての対応は、新型インフルエンザ特別措置法に基づいて行います。
 そこで、まず改めて、法に定められた都の権限は何か伺います。また、都として現行の法律では十分に対応できない部分があるため、国に改正を求めるのか伺います。

○猪口総合防災部長 新型インフルエンザ等対策特別措置法における都道府県知事の権限の主なものとしまして、法第二十四条第九項に基づく団体または個人への要請、第四十五条第一項に基づく外出自粛の要請、第二項に基づく施設の使用制限等がございます。
 知事の権限を拡充するためには特別措置法を改正する必要がございまして、これまでも、知事から大臣に対しまして、また全国知事会を通じて、休業要請に伴う経済的な支援措置、要請に応じない事業者への罰則の規定などにつきましての要望を行ってまいりました。

○中村委員 感染拡大防止に向けて対応するためには、法律の改正が必要であるということであり、罰則の規定などについては国会でしっかりと議論していただくことが重要だということだと思います。
 さて、新型コロナのこれまでの取り組みを検証する必要があります。
 国の施策については、新型コロナ対応・民間臨時調査会が政府から独立した立場で検証し、十月に報告書を公表しました。
 報告書は、さまざまな制約の中で、場当たり的な判断の積み重ねであったとして、今後の流行への備えを訴えています。国の施策では、アベノマスクや学校の突然の一斉休校などの問題もありました。残念ながら小池知事は時間が合わないと取材を受けなかったようですが、受けるべきだったのではないかと思います。知事のロックダウンという言葉なども影響を与えたとのことです。
 もちろんこれは民間の取り組みですが、都としても、新型コロナの対応を検証し、今後の施策に生かすべきですが、見解を伺います。

○猪口総合防災部長 新型コロナウイルス感染症への対応に当たっては、東京都新型コロナウイルス感染症対策本部を中心に、検査、医療体制を初め、感染拡大防止対策の徹底、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットなどにつきまして、各局において課題を検証しながら、施策の充実強化を図ってまいりました。
 引き続き、感染状況や社会経済状況等も勘案し、常に課題の検証を行いながら、今後懸念される感染拡大への備えに万全を期してまいります。

○中村委員 今の課題をどうするかという検証もあるんですが、終わったことを客観的に検証するということも別に必要だと思います。
 まだコロナ対応そのものは進行中ですけれども、第一波、第二波は、過去のものとして客観的に検証すべきです。そのための資料を残して公開することが前提になりますが、今後、コロナだけではなくて、さらに未知のウイルスの対応ということでも、今の人のこともあるんですが、後世の人々の命を守るというためにも重要なものになりますから、検証はしっかりとしていただきたいと思います。
 さて、感染拡大の防止と経済活動の両立ということが必要ですが、その時々の感染状況を的確に判断し、重みづけを行うことは重要です。
 とはいえ、感染拡大防止が何よりも今は大切で、感染が拡大する今は、ともかく拡大防止ということに力を入れるべきときです。
 先日、都議会立憲民主党から小池知事に要請書を提出して、飲食店の営業時間の短縮要請に踏み切る場合には、感染拡大防止に必要な要請の範囲など、対象を的確に設定できるよう早急に検討することや、十分な協力金を支給すること、これまで実施をしてきた自粛要請の検証をした上で、その効果について科学的な根拠を示し、都民、事業者が納得のできる説明をすることを求めました。
 感染拡大防止は福祉保健局が、経済活動は産業労働局がとなるんですが、その両者の上に知事が判断する際に、事務局は総務局となります。
 夏には飲食店への時間短縮を要請しましたが、今回の時間短縮要請についての理由はいかがでしょうか、伺います。

○猪口総合防災部長 都内の感染状況につきましては、要請を行った二十五日に重症者数が五十四人に急増するなど、予断を許さない状況が続いております。
 危機的な感染状況を抑えるためには、長時間の飲酒、飲食を行う店舗の営業時間を短縮することが効果的であると考えまして、今般、酒類の提供を行う飲食店、カラオケ店に対しまして、営業時間の短縮の要請を行ったものでございます。

○中村委員 先ほど検証ということも述べましたけれども、時間短縮要請は今回三回目になります。これまでの二回が本当に効果があったのかも検証して、事業者に適切に説明する必要があります。
 三回目ということですけれども、お店にとっては死活問題なので、本当に他の手をやり尽くしてもう手段がほかにないということなのか。まさにこれは最後の切り札のはずです。もちろん都が安易にやっているとは思いませんけれども、本当に重い判断をしているということを改めて認識、検討していただいて、十分な説明と、そして補償をお願いしたいというふうに思っております。
 さて、今回の営業時間の短縮要請についてですが、その対象地域は二十三区及び多摩地域の各市町村となっています。多摩地域からも多くの方が都心に通うので、影響は全市町村に及びますが、短縮要請は店舗の経営に大きな影響を与えることから、的確な対応が必要だと今も述べさせていただきました。
 多摩地域といっても社会経済活動状況や感染状況はさまざまであり、多摩地域と一くくりにせずに、きめ細かに区域を設定すべきと考えますが、見解を伺います。

○猪口総合防災部長 多摩地域については、都内の二十三区及び多摩地域が交通網の発達により連担しており、感染拡大を未然に防止する観点から、多摩地域全体を含めて営業時間短縮の要請の対象としたところでございます。

○中村委員 多摩地域が一つの固まりということであれば、二十三区か多摩地域かということになるんですが、細かく対応する必要があるのではないかという思いもあります。先ほど述べたように、やはり営業の短縮というのは大変重たいことですから、できればきめ細かく対応する必要性があったのではないかというふうに思います。
 なかなかお客さんが行くときに、どの自治体がやっているとかやっていないとかというのは、わかりにくいかもしれないんですけれども、むしろそちらよりも、お店の方はもう明確にそれによって全然経営状態が違ってきてしまいますから、今後こういったことは、できればきめ細かな対応をしていただきたいというふうに思います。
 さて、一方では、営業時間の短縮の要請に当たっては、首都圏としては、一体として取り組む必要がある部分があります。埼玉県、神奈川県、千葉県の近隣県と連携をとって対応を進めることが大切です。
 しかし、報道によれば、都が先行して時間短縮要請をしたことに、連携不足を述べる他の県の知事もいました。都内に多くの方が通勤される近隣県と連携して取り組まなければ、施策の効果を得ることはできません。
 今回の要請についてどのような連携をしたのか伺います。

○猪口総合防災部長 これまでも、一都三県におきましては、情報の共有を図るとともに、新型コロナウイルス感染症対策に関する共同メッセージの発出、命を守るステイホーム週間の共同キャンペーンの実施、水際対策の強化に関する国への要望など、連携を図りながら対応を進めてまいりました。
 今般の営業時間の短縮の要請につきましても、一都三県で連携して情報の共有化を図っており、今後ともしっかりと連携し、新型コロナウイルス感染症対策に関する取り組みを実施してまいります。

○中村委員 一都三県で連携をしてきたというようなご答弁ではあったんですが、報道を見る限りでは、知事同士のトップの連携というのが十分ではなかったようです。もちろん知事が考えるべきなんでしょうけれども、事務局として総務局もそのサポートをぜひともお願いし、一都三県連携しながらの対応をしていただくようお願いいたします。
 さて、今回のこの状況を第三波といわれていますが、それでは、そもそも第一波、第二波、第三波というのはいつから始まったのでしょうか、明確な定義はしたのでしょうか。
 感染者の推移のグラフを見て、後から波だったとしているようでは、対応がおくれてしまいます。感染拡大の兆しを早目に捉えて、早目に対応する必要がありますが、感染拡大が始まったころに、波が来ることを認めてはいませんでした。
 経済活動との両立が必要とはいえ、拡大の兆しを見逃すことで、対応が後手になってはいなかったのでしょうか、見解を伺います。

○猪口総合防災部長 第一波、第二波、第三波につきましては、都として定義はしてございませんが、都内の感染状況につきましては、毎週モニタリング会議を開催するなど、常に把握、分析しているところでございます。
 この分析の結果や専門家の意見を踏まえまして、営業時間の短縮や外出の自粛要請など、都内の感染拡大防止につながる対応を適宜適切に実施してきたところでございます。

○中村委員 これまで何度も波があったわけですけれども、どうしても、これまで例えば欧米が先に先行して広がったりとか、また気温が低い北海道で感染が広がったりと、そういったことがあると、その後で東京が広がっているというところも、経験的にわかるようになってきました。
 経済も大事なんですが、早目に対応しないと、結果的には感染が広がってしまって、結局経済を冷え込ませてしまうことにつながってまいります。
 一時期、知事もハンマー・アンド・ダンスという言葉も使っていたことがありました。そういった兆しが出てきたら早目にたたいていこうということだったわけですけれども、最近この言葉もいわなくなってきたんですが、こういう感染の広がりという兆しを早目に捉えて、そして対応していくことが必要だと思っています。ぜひ今後しっかりと、まあ、この第三波をまずおさめなきゃいけないんですけれども、次また波が来るかもしれませんので、景気の冷え込みということはどうしても心配になるんでしょうけれども、早目の対応をしていった方が効果的になるところもありますので、ぜひそういった早目早目の対応をお願いしたいというふうに思っています。
 次に、感染防止徹底宣言ステッカーについて伺います。
 都は、業種ごとに作成されたガイドラインを遵守する店舗等にステッカーの張りつけを求めてきました。しかし、一度張ったらそのままになってしまい、その後、十分な対応がとられていない店舗もあります。
 都は、業界団体に点検するよう取り組んでいますが、団体に入っていないところもあります。そうした店舗の点検はどうするのでしょうか。
 そこで、例えば店舗ごとにステッカーのデザインを定期的に変更して、その都度ガイドラインを改めてチェックする機会を設けることで、店舗の意識も高まりますし、改めて対策、防止への取り組みが行われることになります。
 ステッカーを定期的に更新するシステムの導入が効果があると考えますが、見解を伺います。

○高島危機管理調整担当部長 都は、ガイドラインに沿った感染防止策が確実に実施されるよう、事業者に定期的な感染防止策の点検を呼びかけております。
 さらに、今般、業界団体による自主点検支援事業を開始したところであり、一部の業界団体では、非加盟の店舗についても確認を実施する予定であります。
 また、業界団体への加盟状況にかかわらず、都職員が直接ステッカー掲示店を訪問し、感染防止策が実際に講じられているかどうかの確認も行っております。
 こうした取り組みを通じまして、事業者による継続的な点検の実施を促し、都民が安心してステッカーのある店舗を利用できるよう、感染防止対策の徹底を図ってまいります。

○中村委員 感染防止の対策には、お店が自覚を持って防止に取り組むということが大切かというふうに思っています。団体としての取り組みも大事なんですが、そして都の職員が行くというのも限界がありますので、個々のお店にいかに取り組んでもらうかというところが大切になってくると思っています。
 今回、時間短縮要請に踏み切りはしましたけれども、まだまだやれるべきことはあったのではないかと思いますし、そのことはまだまだ続けていかなければなりませんので、やはり大事な基本のところを徹底していただくようお願いしたいと思います。そうした点で、今回、時間短縮要請しましたが、お店も、またお客さんにも、できる対応はあると思っています。
 知事は、コロナ対策について、五つの小を発表しました。都民への普及啓発は大変重要です。
 この中でも特にマスク着用をもっと強調すべきではないかとも思います。屋内でのマスクの推奨をより進めるべきであり、飲食の際にも、不便ではあるんですが、食べるとき以外は原則着用するよう、できることを徹底する必要があります。見解を伺います。

○高島危機管理調整担当部長 都は、暮らしや働く場での感染拡大を防止する習慣として、手洗いの徹底やマスクの着用など、新しい日常の実践を呼びかけてきました。
 また、食事中以外はマスクの着用を徹底するよう呼びかけるポスターを作成し、ホームページに掲載するなど、マスク着用の重要性について普及啓発を行っております。
 さらに、最大の感染経路は家庭内にあるとの分析を踏まえ、家庭内にウイルスを持ち込まないため、会食の機会が多くなるこの時期に、会食時の注意として、会話をするときは小まめにマスクを着用するなどの、五つの小というキーワードを呼びかけたところでございます。

○中村委員 感染拡大を防ぐためには、まずマスクとか、手洗い、三密を避けるなど、本当に基本の徹底が重要だと思っています。確かに会食する際にアクリル板があると聞こえにくかったりしますし、マスクをとったりつけたりするというのは大変面倒なことではあります。
 ただ、それをすれば会食もできるということで、逆に、しないと会食そのものという機会も持てなくなってしまいます。こういったことをもう少し周知すべきなんだろうと思っています。
 昨今では、お店のドアがあいている店が多いので、いろんなところを通るとよく中をのぞき込むんですけれども、そこまでやっぱり、アクリル板がまだないところもあれば、お客さんが食べたり飲んだりするときマスクをしているというところを見受けるところは余りありません。お酒を飲んでいると、最初はしていたのかもしれないんですけれども、恐らくいつの間にか外れてしまうんだろうというふうに思っています。
 ぜひこういったマスクの効果も、最初はいろいろ疑問はあったんですが、やっぱりこれは効果があるということなので、本当にこの徹底ということはさらにしていただきたいというふうに思っています。
 最近いろんなアイデアもネット上で出てきていますから、例えばお店なんかにコップや箸が並んでいるわけですけれども、しゃもじ形みたいな紙のマスクみたいなものを少し置いておいて、扇子を口に当てるなんていう人もいますけど、そういう紙でできたようなものも、例えばこう、しゃべるときに口に当てられるようにお店も配慮して置いておくとか、いろんなアイデアはあるんだろうと思います。ともかくいろんな工夫をしながら、飛沫の拡散を防いでいって、基本の徹底を行っていくように、都の方でも広報の方をさらに工夫していただきたいというふうに思っています。
 さて、今、日本での感染の状況は、欧米に比べて感染者が少なくて、亡くなる方も少ないということですが、原因はいろいろあるようですけど、はっきりしたものがわかりません。
 欧米のような契約社会では、法律や罰則で規制するのでしょうし、アジアで感染を抑えている国は、強力な管理統制があるから抑えられているともいわれています。
 日本ではこの間、罰則がなくても、規範意識の高さから、マスクや手洗いを徹底してきて、より徹底していく必要はまだあるんですけれども、それでも他の国に比べればしていただいているということが、ある程度抑えられている要因ともいわれています。
 むしろ社会的な同調圧力で動くところもあり、強制でなくても政府や行政の方針が与える影響が大きくて、ゴー・ツー・トラベルでも、お金の補助ということも要素としてはあるんですが、政府がお墨つきを与えるということで、安心して旅行に出かけるということにもなります。
 逆にいうと、だからこそ、都としてどういう方針で対策を立てるのかで、都民がどう行動すべきかしっかりと方針を示すべきだと考えますが、見解を伺います。

○猪口総合防災部長 都では、都内で感染拡大が始まった四月に、東京都新型コロナウイルス感染症対策条例を制定しまして、都、都民及び事業者の責務を規定するとともに、感染拡大防止のためにさまざまな取り組みを行ってまいりました。
 感染拡大防止のためには都民一人一人のご協力が必要不可欠でございまして、都民に対しましては、新しい日常を定着させるため、基本的な感染対策である手洗い、マスク着用、三密を避けるに加えまして、小まめな消毒や換気の徹底などの具体的な対策を発信するとともに、その時々の感染状況に応じまして、高齢者向けや若者向けのメッセージを繰り返し発信してまいりました。
 今後も、毎週開催しておりますモニタリング会議の場などにおきまして、感染者の年齢や感染経路などを分析の上、都民に対して感染拡大防止に係るメッセージをわかりやすく発信してまいります。

○中村委員 先ほどの五つの小など、基本の徹底ということは大事だという話はしたんですけれども、反面、連休前に知事が述べたのは、ある意味そこだけになってしまった感があって、本当にマスコミの方からも、トップとして方針として示すのはそれだけなのかというところで、厳しいご意見もあったわけです。
 例えば、連休後には重症患者が急増して、今、時間短縮要請等もしているわけですけれども、もっと今、都民がどうすべきなのかとか、どう今の状況、危機を克服するかとか、どんな未来があるのかということを、もっとメッセージを持って都知事から語ってもらって、都民の行動変容につながるように、リーダーシップを発揮していただきたいというふうに思います。
 さて、次に、コロナ対策のための都庁の体制強化についても質問します。
 人事部において、都庁全体がコロナへの対策の体制をとれるように、職員の配置をしているわけですが、もっと強化すべきではないでしょうか。
 長期間のコロナ対策で、現場である福祉保健局の職員は大変疲弊もしています。福祉保健局の人員体制について、短期間の職員応援ではなくて、人事異動によって行うべきと考えますが、見解を伺います。

○山口人事部長 都では、効率的に事業を執行するため、毎年度、人員や組織を精査し、必要に応じて、第一回定例会で東京都職員定数条例等の改正を行いまして、各事業の基本的な執行体制を整備しております。
 また、年度内に不測の事態が生じた場合、事案の性質や緊急度、恒久的措置の必要性等を考慮しまして、一時的な職員応援対応、人事異動または組織設置などによりまして、適切な対応を図っております。
 新型コロナウイルス感染症対策につきましては、職員の応援体制に加えまして、令和二年七月には福祉保健局に感染症対策部を新設し、執行体制を大幅に強化しました。
 応援職員につきましても、保健所への派遣など業務内容に応じて、同一職員の中長期間の派遣を実施しております。
 引き続き、柔軟な応援体制も活用しつつ、感染症対策等に係る万全な体制を確保してまいります。

○中村委員 通常に比べてかなり異例な体制をとっていただいているというのはわかるんですけれども、本当にこのコロナについては、今までかつてなかったような都政の危機でもあり、本当に先例のない中、大胆な人員配置が必要なのではないかというふうに思います。
 極端な話をすれば、都庁の職員が全員もうコロナの担当であるというぐらいの意識を持って行うことが必要だというふうに思っています。
 短期間の応援を出していただいているということなんですが、なかなかそれでは、常時対応している職員が来た方への説明をして、またいなくなって、また説明をしてということの繰り返しになってしまって、大変な部分というところも出てきます。
 短期の応援があるのももちろん助かるとは思うんですが、恒常的な体制強化ということも必要だと思いますので、より万全な人事体制の方をお願いしたいというふうに思います。
 さて、こういった体制の方は強化をしていただいているんですが、やはりコロナ禍が長期化をしてきますと、新型コロナウイルス感染症の対応を行っている担当職員のメンタルヘルスについての心配が出てきますが、状況はどうなっているんでしょうか。また、担当職員に対して行っているメンタルヘルス対策について伺います。

○高崎労務担当部長 新型コロナウイルス感染症対策関連業務については、これまでに前例がなく、困難な状況下での対応が続いていることから、職員自身もストレスを感じ、精神的な疲労が蓄積していると考えられます。
 そこで、新型コロナウイルス感染症対応に当たる職員への支援として、ストレスの蓄積や疲労に気づくための、心の健康度チェックやセルフケアについてまとめた資料を作成し、配布しております。
 また、管理監督者に対しては、当該職員に対して配慮すべき事項をまとめた資料や心の不調サインリストを活用するなどして、職員の変化の把握に努め、職員の状況に応じて早期に対応するよう周知しております。
 さらに、職員自身が心の不調を感じる場合や、管理監督者が職員の不調を確認した場合には、精神保健相談員による心の健康に関する相談窓口や一般財団法人東京都人材支援事業団の相談室を利用するよう改めて案内しております。
 今後も、新型コロナウイルス感染症の対応に当たる職員の負担を踏まえ、職員の心の健康の保持増進のため、必要な対応を図ってまいります。

○中村委員 最前線で取り組む職員の皆さんは本当に大変だと思います。私たちも無理をいうところはあるんですけれども、本当に心から感謝をするものでございます。
 なかなか制度上、そこに対して給与として報いることができないどころか、人事院勧告もあって、なかなか逆に厳しい状況にあるというところがあります。
 十分メンタルヘルスの対応をしていただきたいというところはあるんですが、さらには、モチベーションを高めていただく、トップ等含めてねぎらい、激励など含め、また、都民の健康を守っているんだという使命感を持っていただいて、何とかモチベーションを持って健康に推進していただければというふうに思っています。
 さて、次に、災害対策について伺います。
 災害はいつ起こるかわからず、コロナ禍においても風水害、地震は起こり得ます。実際、ここ数日、小さな地震ではありましたけど、発生しております。
 現時点では、既に新型コロナという災害が起きているものだと思います。今何か起これば複合災害ということになります。一つでも大変なので、複合すれば被害が拡大するおそれがあります。
 そこで、複合災害への対策をどのように考えているのか伺います。

○古賀防災計画担当部長 新型コロナウイルスの感染が続いている中、地震や風水害等の自然災害が発生した際には、住民が多く集まる避難所での感染症対策が重要でございます。
 これまで都は、避難所が三密にならないよう、在宅避難や縁故避難など、避難所以外の適切な避難行動を促す住民周知や、都立施設やホテル等の活用、避難所内での感染症対策など、留意事項をまとめた対処方針を策定し、区市町村に周知しております。
 また、ことし六月には、福祉保健局と連携して、避難所運営を担う区市町村の職員や地域の方向けに、避難所における新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを作成いたしました。

○中村委員 新型コロナのような感染症と他の災害との複合災害を考えると、深刻なのは避難場所の確保です。
 昨年の台風の際にはまだコロナはなかったのですが、当時の避難所は、今の言葉でいえば三密状態だったわけです。避難所は市区町村の役割とはいえ、いつ災害が起こるかわからないので、未曽有のコロナ禍においては迅速な対応が必要であり、都も積極的に支援することが求められます。
 避難所の物資の確保のための補助を都がすべきと考えます。また、避難所をふやすことも都が協力すべきです。
 都は、避難所については福祉保健局が担当していますが、対策を強化する必要があるため、日常的に防災を担当する総務局が対応する必要があると考えますが、見解を伺います。

○古賀防災計画担当部長 都の地域防災計画風水害編では、必要な避難所を確保する区市町村を支援することは、総務局の役割とされております。
 そのため、総務局では、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえまして、本計画に基づいて、都立施設の活用や、ホテルや商業施設団体との避難先の提供に関する包括協定を今年度新たに締結するなど、区市町村の取り組みを支援しております。
 さらに、避難所の生活環境改善や感染防止対策にも有効な段ボールベッドやパーティションにつきまして、都による備蓄に加えまして、業界団体と発災時の調達に関する新たな協定を締結しております。

○中村委員 本当に今災害が起きたらどうするのかというところもあるので、区市町村の役割だというところでもあるんですが、都も積極的な支援をお願いしたいと思っています。
 例えば、体育館に避難するとしても、ことしの夏、本当に猛暑であって、暑い夏で、エアコンがなければ、そこに避難もできないわけです。
 また、やっぱりどうしても密になることができないので、普通の状態だとすき間をあけざるを得ないんですけれども、パーティションのようなものを購入して用意することができれば、多少はもう少し多く入れるということも聞いておりますので、ぜひ、これはどこの役割だというところのあるべき論というのもあるんですけれども、早急な対応をしなければならないので、都庁を挙げて、市区町村の方の支援をしていただきたいということをお願いしたいと思います。
 さて、今もし災害が起これば、新型コロナに感染した方も当然避難することになります。都は、感染者には自宅療養ではなくて、ホテル療養を勧めてはいますが、さまざまな状況で自宅にいる方もおります。
 しかし、二十三区と八王子市、町田市以外の保健所のない市町村には、新型コロナウイルスの感染者の個人情報がありません。個人情報保護はもちろん必要ですが、例えば震度六以上の地震が起きた際には、市町村に情報提供するなどの対応も必要ではないでしょうか。
 新型コロナ禍において感染者が地域にいるという状況下において、今、地震が起きたらどう対応するのか伺います。

○古賀防災計画担当部長 本年六月に作成いたしました避難所における新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインによりますと、自宅療養者や濃厚接触者、せき、発熱症状を訴える感染の疑いのある人を避難所に受け入れる際には、受け付け時の検温や専用の避難スペースを確保するとともに、あらかじめ保健所も含めた関係部署間での情報共有の手順を整理しておくこと等が示されております。

○中村委員 体制を整えるということなんでしょうけれども、ある意味で感染者による自己申告だということになるんだろうと思っています。もちろん善意で捉えたいというふうに思うんですけれども、混乱してしまったときに、それが本当にスムーズに行くのかどうかというところもあります。
 明確にこの方が感染者だということは、都の方はわかっているわけで、市町村はわかっていないということです。こういったときどうするのかということをきちんと整理しておく必要があると思いますので、これは早急な対応を求めておきたいというふうに思っています。
 さて、次には、多摩格差の是正について伺います。
 多摩格差は、長年にわたる都の課題です。自治体間の財政力の差は歴然としており格差は明白ですが、都は、社会インフラの整備が進むとともに、多摩格差の存在を認めようとはしていません。
 しかし、知事は多摩格差ゼロを目指すと公約していたのですから、格差を認識はしていることになります。ただ、何が格差で、どのようにするとゼロになるのかは示していません。
 実際、先ほど述べたような保健所の配置等を見てみても、区ごとに設置された二十三区との差というのは明らかな差があると思いますし、コロナ対策でも、財政が豊かな自治体は独自の給付金を配るなどができています。
 そこで、改めて多摩格差についての認識を伺うとともに、多摩格差ゼロとはどうすることなのか伺います。

○石橋多摩島しょ振興担当部長大島災害復興対策担当部長事業調整担当部長兼務 従来からの公共下水道や道路などの課題については、これまで都と市町村が連携し、解決に努めてきました。その結果、いわゆる三多摩格差八課題は、かなりの部分で解消していると認識しております。
 一方で、多摩地域は、人口減少、少子高齢化への対応、道路、交通インフラの整備、防災対策、産業振興など、地域それぞれの課題を依然として抱えております。
 こうした地域の実情を的確に把握し、課題に一つ一つ丁寧に対応していくことが、都における基本認識であります。

○中村委員 今、使っている物差しがハード偏重のものになっているのではないでしょうか。時代に合わせてくるべきだと思っています。課題があるということは認識しているわけですから、やっぱりそれは格差なんだろうと思います。
 今後いろいろと都民の暮らしの問題の中で、サービス等を含めていろいろあると思っていますので、ぜひここを、物差しを見直して、その上で対応していただきたいというふうに思っています。
 そうした点でも、対応はしていただいている部分はあると思っています。多摩格差是正に大きな効果を発揮するのが市町村総合交付金です。毎年、市長会、町村会からもその拡充が要請されています。市町村総合交付金の総額は年々増加していますが、補助金は、ひもつきでない方がよいわけです。
 特定の経費のみを対象とする政策連携枠は、ひものついていない総合交付金の別枠にして、市町村総合交付金の総額をさらに増額すべきと考えますが、見解を伺います。

○小笠原行政部長 市町村総合交付金は、地域の振興を図り、もって市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進を図るため、市町村が行う各種施策に要する一般財源の不足を補完するものでございまして、制度創設以降、その充実に努めてきております。
 平成三十年度には、東京が抱える喫緊の行政課題を市町村と連携して解決していくため、市町村総合交付金の新たな配分項目として政策連携枠を導入いたしまして、待機児童対策や電気自動車の導入、消防団活動の支援に取り組む市町村を支援することといたしました。
 政策連携枠導入後の市町村総合交付金の予算額を見ますと、政策連携枠は据え置かれたままですが、総額といたしましては、平成三十一年度に十億円、令和二年度に二十億円の増額を行っております。
 今後も、政策連携枠を含めて市町村総合交付金を有効に活用していただけるよう、市町村の意見も踏まえて適切な支援に努めてまいります。

○中村委員 いろいろと政策連携枠もつくったりしていることは一定の評価はしていきますけれども、そういったところの拡充や、またそれ以外のところの、やっぱり自由に使える自由度の高いところの市町村総合交付金をさらに拡充していただければというふうに思います。よろしくお願いします。
 さて、次に、人権施策について伺います。
 都は、人権尊重条例を制定して、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別の解消を定め、いわゆるLGBTの方々への差別をなくすよう取り組むことになりました。
 そこで、まずは実態把握をする必要があると思います。
 LGBTの方々の実態調査として、国勢調査の方法はどうあるべきでしょうか。現在の国勢調査の集計方法では、同居する同性パートナーが、調査票の世帯主との続き柄の欄について世帯主あるいは世帯主の配偶者とした上で、配偶者の有無の欄について配偶者ありと回答しても、他の親族に含められてしまいます。
 令和二年の国勢調査有識者会議の第三回の資料を見ると、総務省が各府省及び地方公共団体に対し、次回の国勢調査に向けて調査事項の要望の把握を行ったことがわかります。
 そこで、この要望で、東京都は少なくとも、婚姻関係にない同性であっても修正せず、LGBTの実態把握に努めることなどの要望が出せるはずでした。団体からも改善を求める要望が出されていたこともあり、さきの定例会では意見書を出すことを提案したのですが、残念ながらまとまりませんでした。
 国の方法とはいえ、自治体が事前に相談されているはずです。都として国に意見を出すべきだと考えますが、見解を伺います。

○櫻井統計部長 国勢調査は法定受託事務であり、調査の企画、設計は国が全国一律に行っております。
 調査実施機関である総務省統計局によれば、同性パートナーに関する法制度が整備されていない我が国においては、法制度に先んじて国勢調査に同性パートナーに関する選択肢を設けることは、直ちには困難であり、また、既存の選択肢を活用して集計を行う方法も、同性パートナーについて国としての一律の定義がない現状では、回答者に対し適切な説明を行うことが難しいとの見解であると聞いております。
 都としては、LGBTについての人権上の配慮は重要と認識しておりますが、国勢調査に関しては、国の見解を踏まえ、要望することは差し控えるべきと考えているところでございます。
 ただし、区市町村から要望が出された場合は、都道府県の立場として、国に対しその要望を伝えてまいります。

○中村委員 当事者の方々の人権上の配慮は重要だということは認識していただいているということですから、だからこそ意見を出してもというふうに思います。
 特に、市区町村から要望が出されれば都としては伝えていくということではあるようですので、ぜひ機会があれば、都からいっていただきたいというふうに思っています。
 さて、人権尊重条例に基づいて基本計画が定められ、さまざまな施策が盛り込まれるわけですが、民間の住宅についてLGBTの方の円滑な入居等が行えるよう、施策が盛り込まれました。
 しかし、都みずからが運営する都営住宅には、LGBTなどの同性パートナーの方は入居できません。私が都市整備委員会にいるときに質問したんですが、都営住宅を所管する住宅政策本部は、同性パートナーについては親族関係の記載がないため、入居資格が確認できませんと答弁しています。
 条例の趣旨に鑑み、むしろ都が率先して取り組むためにも、LGBTの方も都営住宅に入居できるようにすべきと考えますが、見解を伺います。

○堀越人権部長 住宅政策本部では、東京都営住宅条例で定める都営住宅の使用者の資格のうち、同居親族要件について、住民票により確認していますが、同性パートナーについては親族関係の記載がないため、入居資格を確認できないと聞いております。
 こうした取り扱いにつきましては引き続き検討していくと聞いており、総務局としては今後も、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画に基づき、庁内の推進会議等で施策の進捗管理を行うとともに、各局からの相談に対し助言するなどの総合調整を行い、施策を推進してまいります。

○中村委員 総務局が所管する条例として、こういったLGBTの方々への差別をしないという条例をつくって、また施策も定めているわけです。民間にはお願いしているけれども肝心の都がやっていないということになってしまうわけですから、総務局の方からぜひ、私は住宅政策本部の方に強くいっていただいて、改善するように求めていただきたいというふうに思っています。
 多様性を尊重する時代でもありますから、排除ではなく、共生の社会へと進んでいくためにも、こういった制度の促進ということをぜひ進めていただくことを要望します。
 さて、新型コロナの感染者への差別や偏見が問題になっています。医療関係者や、またさらにその家族への差別もあるとの報道もされています。誰でも感染するおそれもあり、感染者が悪いわけではありません。
 都ではコロナの感染者への差別と偏見がないようにすべきですが、都の取り組みを伺います。

○堀越人権部長 都は、コロナウイルス感染症に感染された方や医療関係者などへの差別等の解消に向け、ホームページや「広報東京都」、さらには知事が都民に直接呼びかける動画により、人権に配慮して行動することを都民に働きかけています。
 また、ストップコロナ差別を訴えるチラシを作成し、都の事業所や区市町村の窓口で配布するとともに、ホームページからもダウンロードできるようにして、店舗での掲出等に使えるようにしています。
 今後もさまざまな手段を活用した啓発を行ってまいります。

○中村委員 感染された方々は、療養に入るわけですし、不安もあるんだと思います。また、一般の都民の方々も、こういったコロナ禍が続いてくるとストレスもたまり、いろんないらいらするところもあるんでしょうけれども、社会全体の中でコロナ禍を何とか乗り切っていかなきゃいけないということでもありますから、知事含めて、都の方からも積極的に普及、広報していただいて、コロナに感染された方への差別、偏見がないよう、また、みんなで支え合ってこれを何とか乗り越えていくという空気を醸成していただければということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。

 

 

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