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都議会質問記録

2020/12/11 総務委員会で構造改革、新型コロナ、犯罪被害者支援、災害対策を質問

2020年12月11日、都議会総務委員会で政策企画局、総務局に質疑を行いました。都政の構造改革、新型コロナに対応する都立病院や保健所の医師、看護師等への手当の期間延長、都の外郭団体の経営評価、犯罪被害者等支援計画、地域防災計画風水害編について質疑しました。介護休暇の拡充については都が同姓パートナーを家族と認めないため苦言を呈しました。

◆政策企画局への質問

Q1:都政の構造改革レポートver.0について質問します。レポートの最初に全体像として「都政のQOS(クオリティ・オブ・サービス)の飛躍的、継続的な向上につなげていきます」とあります。しかし、中身を見ても都民サービスの向上についての具体性が見えてきません。構造改革として都庁の仕組みを変えるのですが、それはあくまで目的ではなく手段です。構造改革に伴い費用も労力もかかるのですから、都民にとって有益であることが必要であり、これこそが最終的な目的でなければなりません。そこで、都政の構造改革によって都民にとってどういう利益をもたらすのか伺います。

答弁へのコメント:行政のICT化で真っ先に思い浮かぶのは行政手続きの利便性の向上ですが、一般の都民が行政手続きを行うことはそれほど頻繁ではありません。また、都の職員の生産性が上がれば結果として都民サービスに注力できるというのはあまりにも一般的です。また、私は、日本が他の国に比べてICT化が遅れている現状、都として都民が近未来にどのように便利な世界になっているかにつながる都政の改革であるべきだし、それを都民に示していくことが必要です。

Q2:先の質問で述べたように、構造改革には大きな費用もかかります。最終的に都民に有益かどうかの判断の一つとして費用対効果が重要です。積算するのは難しいとはいえ、お金をいくらでもかけても良いというのでは改革とは言えません。コスト感覚を持って取り組む必要があります。構造改革を進めるにあたり、費用はどのくらいかかり、その効果を金額で換算するといくらになるか、伺います。

答弁へのコメント:費用面も念頭に置いて取り組むとのことですが、ICT化には大変経費も掛かります。いくら効果が出るとしても、税を無尽蔵に使うわけにはいきませんし、特にコロナ禍で都の財政も都民生活も厳しくなる可能性が高いため、都民の理解を得るためにも、費用と効果を数値で示すことが重要です。今回のレポートは進捗状況の報告のようですから、年度末に策定するとしている「都政の構造改革実行プラン」では是非お示しいただくことを求めます。

Q3:レポートの全体像には進め方として、「デザイン思考」として「顧客である都民や職員の意見を聞きながら取り組む」としています。例えば、「FAXレス」とありますが、新型コロナで問題になったのが、感染者の数の集計にメールとファックスが併用されていることがたびたび報道されていました。いろいろ理由はあるのでしょうが、相手は都の内部の組織ではなく民間の病院であるため、都の仕組みのように一方的には紙をなくすことはできませんでした。また、「タッチレス」として、非接触型行政相談の実施とありますが、対面での相談を希望する場合も当然あります。都庁が改革をしたいとはいえ、相手は都庁の外にいる都民であり、その状況も理解しながら丁寧に説明しないと進みません。また、「アジャイル」として「顧客と対話しながら継続的改善につなげる」としています。スピードも重要ですが、都庁の外との関係では丁寧に進めることが必要です。構造改革の進め方について見解を伺います。

答弁へのコメント:FAXや相談について事例として紹介しましたが、対象となるすべての項目について、常に都庁の外にいる都民への配慮をしていただきたいと思います。都民は買い物をする際にいろいろなお店から好きなお店を選んで買い物できますが、都庁のサービスを選ぶことはできません。時代の流れはICT化でありのんびりしていることもできないのですが、迅速かつ丁寧に進めていただきたくよう求めます。

Q4:今後のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた新たな推進体制として、「デジタル局」を設置するとのことです。現在、戦略政策情報推進本部がありますが、この名称を変更するだけだとしたら意味がありません。今の組織ではなく、新たに設置することの意義を伺います。

答弁へのコメント:答弁から察するにまだ詳細が決まっていないようです。国もデジタル庁を掲げているので、都としても旗振り役を作ることはわかります。ただ、今後は、どの局もデジタルを意識せざるを得ず、どこまで集約するかは課題になります。また、最先端技術を取り入れるにはこれまで以上に民間との協力が必要になります。どのような組織を作るかの考え方は、構造改革の方向性そのものと重なるため、単純に名前を変えるだけではありません。策定する「都政の構造改革実行プラン」には組織の考え方も盛り込んでいただきたいと思います。
 以上いくつか質問しましたが、常に都民のためになる改革であることを求めて質問を終わります。

 

◆総務局への質問

〇付託議案審査

1 人事関係の条例改正について

Q1:最初に職員の特殊勤務手当条例の改正について伺います。改正の内容は、新型コロナウイルス感染症に携わる職員への防疫等業務手当の特例措置の延長ですが、具体的にどのような業務に携わる職員が対象で、金額はどうなっているのでしょうか。改正後の期限である3月31日以降も新型コロナの影響は残念ながら続くと推測されるため、もっと期間を長くすることも考えられますが、期間についての考えを伺います。

答弁へのコメント:今の状況では新型コロナは3月末で収まるかどうかは残念ながら分からないため、現場で懸命に取り組んでいる方々のために4月以降も前向きに検討していただきたいともいます。

Q2:コロナ禍の長期化により、担当される方々は疲弊していないでしょうか。報道でも医療機関や保健所で医師や看護師などもかなり疲弊して、退職者も出ていると聞きます。今年度の知事部局による医師・看護師の退職動向など、状況をどのように把握しているか伺います。

答弁へのコメント:報道では民間病院の退職が懸念される中で、都立病院は通常の年より退職者が少ないのは、公務員としての意識の高さがあり大変ありがたいことです。昨日、都立病院を訪ねたのですが、都民のため懸命に取り組んでいただいていることを聴かせていただきました。とはいえ気持ちだけに頼るのではなく十分な処遇で報いらえるようにしていただくことを求めます。

Q3:次に、職員の勤務時間、休日、休暇条例の改正について伺います。同性パートナーや、夫婦別姓にならないなどのため入籍していない事実婚の夫婦など家族は多様です。今回の条例改正の意義と、「同一の世帯に属する者」とは具体的に誰を想定しているか伺います。

答弁へのコメント:超高齢社会になり、介護離職0を目指すためにも、都が率先して要介護者の範囲を拡大することは意義があると思います。ただ、今回の条例改正については経過があるので、少し事情が違います。

Q4:制度として休暇をとれる枠は拡大されましたが、当事者が望んでいるのは同性パートナーを夫婦として認めることです。それを認めないと他の福利厚生制度も使えません。都は同性パートナーに対して、異性パートナーと同様に福利厚生制度を認めるべきと考えますが見解を伺います。

答弁へのコメント:国の法令などとも、もちろん関係はありますが、都が同性パートナーを夫婦として認め福利厚生制度を使えるようにすればすむはずです。今回の条例改正は当事者からの要望で始まった話ですから、肝心な同性パートナーを同居人ではなく家族として認めるのが重要で、それを認めることなく制度の枠を広げただけでは本質と違います。都として多様な性や家族について差別や偏見のないよう条例まで制定しているのに、いまだに都自身がそれを認めないのは極めて残念です。条例そのものは、改正された制度を利用される方もいる可能性があるので賛成しますが、中には差別を恐れ制度を使わない人もいますし、本質を欠いた改正は極めて残念です。都として同性パートナーを家族として認め、他の福利厚生制度も含め普通に利用できるようにすることを強く求めて質問を終わります。


〇報告事項

1 政策連携団体経営目標の達成状況について

Q1:政策連携団体経営目標の達成状況に関連して質問します。政策連携団体は、純粋な民間会社とは異なり、都政へ貢献をする公益的な役割を担うものと認識しています。団体の業務でも、単純な管理業務など民間でできるものは、民間に任せ、政策連携団体は本来の役割に注力すべきです。
 今回の評価対象である、団体の経営目標は団体が策定するものですが、都政のパートナーとして、都の必要な施策や取り組みを的確に反映させていくことが必要であると考えますが見解を伺います。

答弁へのコメント:政策連携団体の自律的な経営改革は当然必要ですが、「都庁グループ」として考えたときには、都の主幹元の各局が、どのような役割を団体に求めるかがより重要になります。

Q2:経営目標評価制度において、団体の自律的な経営改革を進めていくということですが、そのためには、生え抜きの団体職員の育成・登用できるような組織運営が、職員のモチベーション維持のためにも重要であると考えますが見解を伺います。

答弁へのコメント:公営企業委員会に所属した時、水道サービスの不祥事が起こり詳細に質疑を行いました。その際、管理職がすべて都の出身者で、これでは固有職員のモチベーションが上がらなくなってしまいます。このケースでは、今後改善することにはなっています。もちろん、都の職員は公務員なので、完全に同一というわけにはいきませんが、都庁グループとして人事交流が盛んにして、団体でも優秀な職員がいれば都で採用して局の幹部として活躍してもらうこともあってよいかと思います。一方、モチベーションが低下すると不祥事も起きていしまいます。

Q3:今回、資料を読むと、CやDの評価となった団体は、不適正事案等を踏まえての評価となっています。事故等、団体のコンプライアンスに関わるものは、経営目標の達成状況の評価とは別ものであると考えます。本評価のみで終わらせるのではなく、都としてさらに厳しい指導等が必要と考えますが、見解を伺います。

答弁へのコメント:不祥事を起こすと民間であれば仕事の委託先を外されます。都庁グループだからと甘くすることは許されません。経営の評価は評価として見ますが、コンプライアンスは経営にとっても重要です。さらには、都庁グループという点では、団体だけではなく、最終的な席には局のトップにあると思います。良くも悪くも都庁グループとしての総合力を発揮して都民サービスの向上に努めていただくことを求めて次の質問に移ります。

2 東京都地域防災計画の修正について

Q4:風水害編にについて質問します。昨年は2つの大型台風が襲来し大きな被害をもたらしました。気候変動の影響もあり今後、より一層、大きな風水害が発生する可能性があります。とりわけ江東5区と言われる東部低地帯について、以前は250万人が都外や多摩地域等の区域外への避難としていましたが、現実的な施策ではありませんでした。現在、国も含めて検討会をやっているとのことです。地震と違って今すぐ風水害が起こるわけではありませんが、来年起こらないとも限らず、その場合でも対応しなければなりません。対策が途中であっても、その状況で都民の安全を守っていかなければなりません。検討会の結論が出て対策が完了するまでの間に水害が発生した場合にどう対応するのか、見解を伺います。

答弁へのコメント:災害は人間の対策が万全になるまで待ってはくれません。検討中でもなんでも、住民の命を守っていかなければなりません。毎年、いま災害が来たらどうするのかを示すことが必要と考えます。

Q5:地震と違い風水害は予想ができるので、早めに避難する必要があります。しかし、河川の氾濫の危機がある時はすでに暴風雨で防災無線は聞こえません。暴風の中で避難するには危険も伴います。風水害については、より早い段階から避難に関する情報を伝え避難する必要がありますが、見解を伺います。

答弁へのコメント:昨年の大型台風の状況を見ても、早め早めの行動が大切です。結果として大したことがなかったとしたらそれでも良いと思います。これまでよりも災害の規模が大きくなる中で、むしろこれまでの経験で動くと対応が遅れるかもしれませんので、ぜひ、早めの対応をお願いします。

Q6:風水害と地震では当然対応が違います。避難場所は近くの学校と思い込んでいる人も多く、川の近くの学校に逃げるとかえって危険になってしまいます。川と反対に逃げるためには居住地の自治体ではなく、隣の自治体への避難の方が良い場合もあります。ハザードマップを配布するだけではなく、内容について、地域ごとに避難について理解してもらう取り組みが必要だと考えますが見解を伺います。

答弁へのコメント:地震と違い住んでいる場所によって避難や対応が違います。以前、岡山県の真備町の水害の被災地を訪問しましたが、ハザードマップでの示された危険な地域と被害に遭った地域は符合していました。是非、ハザードマップを配るだけではなく、具体的に危険な地域には個別に周知することを求めます。また、通常、避難訓練は地震を想定しますが、時には風水害を想定した避難を行ってもよいと思います。市区町村と連携した取り組みを求めます。

Q7:都立施設について、地震の場合は帰宅困難者の一時滞在施設になるものもありますが、風水害の場合は早めに勤務先から帰れることが重要で帰宅困難者という想定をしなくてよいため、地域の避難場所に活用できます。地元自治体と連携し体制を整え、施設の管理者についても、平常時に共同での訓練や情報提供を行っておく必要がありますが見解を伺います。

答弁へのコメント:特に新型コロナでは避難場所が密になるのを避けなければならないので、避難できる可能性のある場所は積極的に活用する必要がありますし、ぜひ、都立施設の職員にも市区町村とともに訓練していただくことを求めて次の質問に移ります。

3 犯罪被害者等支援計画について

Q8:これまで制定を求めてきた犯罪被害者支援条例がようやく成立しました。これまでは法律があり、それをもとに都の計画はあったのですが、都としての条例制定の意義は大きく、施策は大きく進むと考えます。都として条例を制定したことによって、どのように政策が進めるか、条例制定の意義と今後の取り組みについて見解を伺います。

Q9:施策を進めるためには都としての取り組みだけではなく、都民の協力が必要です。条例にも都民の役割として理解を深め二次被害がないよう配慮することが求められています。しかし、犯罪被害者の人権について十分に浸透しているとは言えません。報道によっては被害者にも責任があるかのようなものもあり誤解を生じています。犯罪被害者には誰がなるか分からず、社会全体で認識し、その支援については社会全体で担うことが重要です。都としてより一層普及啓発すべきですが見解を伺います。

Q10:今回、質問に際してあらためて公益社団法人被害者支援都民センターを訪問しお話を伺いました。都と協働して東京都総合相談窓口を設置し被害者の支援に取り組んでいます。センターの相談員が取り組んでいますが、知識だけではなく経験も重要であることも伺いました。長期的に見ると若い世代の相談員の育成が必要であり、より一層の都の支援が必要と考えます。
また、今後も、被害者に寄り添った窓口として運営していくためには、多摩地域の方々であっても支援を受けやすくなるよう、新たな窓口の設置なども必要と考えます。都として総合相談窓口の体制強化が必要ですが見解を伺います。

Q11:条例制定により被害を受けた方がそのままの住居で暮らすことが困難になる場合に、転居費用を補助することになりました。条例の制定により施策が大きく進んだものとして評価します。しかし、転居先でも支援が必要となるため、転居先の自治体と都が連携を強化して対応すべきと考えますが見解を伺います。

Q12:被害者が家族の働き手を失ったり、自身が働けなくなることなどにより、経済的に困窮する恐れがあります。制度として見舞金の支給はありますし、先ほど質問した転居費用も条例改正で支給されることになりました。しかし、生活の支援については生活保護しかないのが実情です。今後、さらなる経済的支援による犯罪被害者の支援が必要ですが見解を伺います。

Q13:条例には、都の責務として市区町村への支援が明記されました。被害者にとっても最も身近な市区町村での支援は大変重要です。都と市区町村との連携が重要ですが、自治体の財政力の差や考え方の差などにより温度差もあり体制に差が出ています。都は市区町村との連携を推進する必要があり、必要な支援を行うことが必要だと考えますが見解を伺います。

Q14:さて、新型コロナの影響もあり相談のため直接の総合窓口に来所することが難しい面もあります。そのため、センターでもオンライン相談も始めたとのことです。ただ、今後、被害者の気持ちに寄り添うといった観点から、いかにICTが進もうとも対面の相談は必要です。もちろん逆に外出ができないという方にとってはオンラインの活用は有益です。コロナ禍においてはオンラインが推奨されますが、コロナ後を見据えて、直接相談とオンラインをうまく活用した相談体制が必要ですが見解を伺う。

Q15:昨今では報道だけではなくインターネットによる二次被害が起こっています。一度インターネットで情報が流れると消すことができません。被害者だけでは対応が困難なため都として対応する必要があると考えますが見解を伺います。

 

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