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都議会質問記録

2021/05/31 同性パートナー制度の陳情に賛成の立場で質問しました

2021年5月31日、都議会の総務委員会が開会されました。翌日から始まる都議会定例会に知事から提案される議案の説明が行われました。また、報告事項としてデジタル化の推進計画、交通安全計画、多摩振興プラン、防災プランなどの説明を受けました。最後に都民からの陳情の審査があり、「パートナーシップ制度の創設に関する請願」は賛成の立場から質問し趣旨採択されました。また、「人権尊重条例に基づくヘイトスピーチ対策に関する陳情」は賛同できる項目もあり質問しました。


1 「パートナーシップ制度の創設に関する請願」について

請願の含意は「都においてパートナーシップ制度を創設していただきたい」というもので、私たちはこれまでも求めてきたものであり、賛同するものです。立憲民主党は、国において同性婚を法制化すべく法案を提出して、実現に向けて取り組んでいます。この法改正が実現するまでの間も、性的マイノリティの当事者が不利益な取り扱いを受けることのないように、都において一刻も早く、東京都のパートナーシップ制度を創設するべきと考えます。

本来であれば、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」により、都の人権課題に対する取り組み進むことを期待しました。
厳しく申し上げると、条例制定と同時に、東京都における施策での同性パートナーへの不利益な取り扱いを総点検して見直すとともに、その裏付けとなるパートナーシップ制度を作ってしかるべきだったと考えています。もうできていて当然の制度です。

Q1:そこで、条例制定時に、総務委員会で必要な取り組みを実施していくと答弁していましたが、性的マイノリティの方々への対応について、都の事務をどのように見直したのかについて、代表例をお答えください。

答弁骨子:
○人権尊重条例に基づく「性自認及び性的指向に関する基本計画」では、性的マイノリティの方々への支援について、各施策の現場において、それぞれの実態と施策目的を踏まえながら、どのような配慮や工夫が可能であるかについて、個別具体的に検討
○性的マイノリティの方々への配慮事例としては、人事委員会が実施する職員の採用試験・選考において、性別欄の記載の廃止などの取組が行われている。

答弁への意見:採用試験での性別欄の記載の廃止について代表例としてご説明をいただきました。しかし、性的マイノリティへの配慮事例として、同性パートナーについては目立った改善事例を聞きません。私自身、質問で取り上げたことがありますが、最も顕著な都営住宅への同性パートナーの入居についてはいまだに認められていません。住宅政策本部の所管として放置せず、条例を所管する総務局として、もっと言えば、部門が分かれるわけですから、最後は知事が判断して改善すべきであり、早期の決断を求めます。

Q2:都は従来、戸籍制度など国の制度との整合などの課題があると言ってきました。しかし、パートナーシップ制度は、国との関係もありますが、自治体の判断でできると考えますが、見解を伺います。

答弁骨子:
○他の自治体で導入されている同性パートナーシップ制度は、それぞれの自治体において、条例や要綱等を制定し、実施されていると承知しているが、その導入にあたっては、戸籍や住民基本台帳など国の諸制度との整合を踏まえる必要があると考えている

まとめ:都の施策の見直しとパートナーシップ制度は、別のようで強く関係しています。冒頭申し上げたとおり、国において法改正が成るまでの間も、都において同性パートナーへの不利益な取り扱いを放置すべきではありません。
私たちが2018年10月3日の本委員会における条例採決時に、強く求め、提案した付帯決議にもある「具体の施策の見直し」もあまり進んでいないという現状を改めるため、異性のパートナーであれば法律上の婚姻関係になくとも認められる、サービスや権利が著しく制限されることのないよう、都としてパートナーシップ制度をつくるべきと考えます。よって本請願に賛成します。

2 「人権尊重条例に基づくヘイトスピーチ対策に関する陳情」について

 立憲民主党は、ヘイトスピーチは絶対に許さない姿勢が極めて大事であるという立場から人権尊重条例に賛成しました。本邦外出身者に対する不当な差別的言動、ヘイトスピーチがない東京を目指すため、都として実効性の高い取り組みを推進して頂きたいと考えています。陳情の願意には、賛同できる内容も入っていると考えますので、確認させて頂きます。

Q1:まず、「ヘイトスピーチの概要の公表手段を充実させること」という事項についてです。都のホームページで「ヘイトスピーチ」を検索すると、条例第12条第1項の規定に基づく表現活動の概要等の公表として、表現活動の内容が掲載されています。
 見るだけでいやな気持ちになるような、この場で読み上げるのも、議事録に残すのも憚る、酷い言葉が載っています。
 ヘイトスピーチを拡声器を使用して街頭で行う、こんなことがなくなっていないのが、残念ながら東京の今日の実態であり、こうした発言は、人権侵害であり、条例に基づき、なくさなければいけない、と広く知らしめることは必要です。
 ホームページでも、「都の対応」として「ヘイトスピーチはあってはならない」「不当な差別的言動の解消を推進」としています。
私は、都としてもこのように、しっかり断言して頂いていることはありがたいと思っています。さらに、より多くの方が目にする形、例えばSNSでの発信を工夫するなど、「公表手段の充実」について、見解を伺います。

答弁骨子:
〇 いわゆるヘイトスピーチの解消を図るため、表現活動が不当な差別的言動に該当すると認めるときは、人権尊重条例第12条の規定により、当該表現活動の概要等を公表するものとしており、その方法は、インターネットを利用する方法その他知事が認める方法により行う

Q2:第14条の規定により設置する審査会が、ヘイトスピーチと認定した言動については、差別でありあってはならない、なくしていく旨を、より一層発信していくとともに、ネット上での拡散を防ぐためには、迅速な対応が必要です。
 一度ネット上にアップされたものを完全に消し去ることは不可能とも言われ、本来、ヘイトスピーチがなくなることが根本的に必要ですが、現実にこうしたことがある以上、一刻も早く対処して頂きたいと考えます。
 願意にある削除要請については、都として法務省と連携した取り組みを行っているとのことですが、実際には動画がアップされてから、削除までどのくらいかかっているのか伺います。

答弁骨子:
〇 いわゆるヘイトスピーチの解消を図るため、表現活動が不当な差別的言動該当すると認めるときは、人権尊重条例では、審査会の意見を事前に伺った上で、動画の削除等の必要な措置を講ずる

〇 必要な措置を講ずるにあたっては、本年4月から、法務省東京法務局と連携して対応していくこととしており、現在までに、動画等を削除するに至った実例はない。

まとめ:「ヘイトスピーチはあってはならない」、「なくしていく」、このことをしっかりと都民に示していくためにも、公表手段の充実についてはしっかりと取組んで頂きたいと思います。
 また、動画の拡散防止についても、迅速な削除要請にしっかりと努めて頂くことを求めます。インターネット上の拡散防止については、まだまだ深掘りした対応が考えられると思いますので、事業者による自主的な取り組みにも期待したいと思います。
 課題のある項目もありますが、1項目目と3項目目は趣旨に賛同します。
最後に、条例制定時から、ヘイトスピーチ以外の表現活動に関わる方々からは、都の施設を借りられなくなるなどの措置が、他の表現活動に適用されたり、間接的に萎縮させることにならないか、というご心配の声が非常にありました。
 すぐにどうということは、もちろん、ないと思いますが、ヘイトスピーチをなくすための都の条例が、両刃の剣で表現の自由を制限する遠因、その方向に一歩でも踏み出すことのないように、改めて求めると同時に、ヘイトスピーチであると、認定された言動については、断固とした対応を求めて質問を終わります。

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