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都議会質問記録

2021/06/02 都議会本会議で知事に代表質問を行いました

2021年6月2日、都議会の本会議が開かれ各会派から代表質問が行われました。幹事長として登壇し知事に質問しました。通常の選挙の直前の定例会は日程が短く設定されているのですが、コロナ禍でそのまま開催されたことに違和感があります。持ち時間が6分しかないため、新型コロナ対策、オリンピック、ワクチンなどについて質問しました。

以下は質問の全文です(実際には質問と答弁をまとめて行っていますが、1問1答に並べ替えています)。

○中村:東京都議会立憲民主党を代表して質問を行います。はじめに、オリンピック・パラリンピックについて伺います。
 オリンピックの開会まで、あと51日となりました。
 しかし、都内の新型コロナウイルスの新規陽性者数は未だ高い水準にあり、5月31日までとされていた緊急事態宣言も再延長されました。
 流行の主体は、感染力の強い変異株に置き換わり、今後の急拡大も懸念されています。
 今はコロナ危機から脱するために、リスクを排し、あらゆる資源をコロナ対策に集中すべきです。
 東京都議会立憲民主党は、感染を拡大させないための確かな対策を示し、感染拡大の懸念を払しょくできない限り、東京オリンピック・パラリンピックは、延期、できなければ中止するしかないと考えますが、知事の見解を伺います。

○中村オリンピック・パラリンピック準備局長:東京二〇二〇大会についてであります。
 この夏の安全・安心な大会の開催に向けまして、水際対策、行動、健康管理の徹底等、選手、大会関係者が守るべきルールとして、組織委員会等がプレーブックを取りまとめております。
 また、本年四月には、変異株に対応した対策の具体化を行ったところであり、今後、テストイベントや最新の知見をもとに、最終版を策定いたします。
 こうした対策につきましては、WHOからも、リスク管理を確実にするための正しい判断と取り組みへの努力として評価されております。
 なお、大会の延期につきましては、アスリートの負担や競技会場の確保、選手村の対応等、多くの課題があると認識しております。
 引き続き、感染の再拡大を防ぎ、徹底的に抑え込むため、現下のコロナ対策に全力で取り組むとともに、関係機関と連携し、安全・安心な大会に向け、着実に準備を進めてまいります。

○中村:オリンピック開催の判断は、最終的にはIOCにあります。
 そこで、知事として、開催判断のタイムリミットはいつ頃であると考えているのか。また、IOCが早期に決断するよう知事自らが働きかけるべきと考えますが、併せて、見解を伺います。

○中村オリンピック・パラリンピック準備局長:大会の開催についてであります。
 東京二〇二〇大会は、昨年三月に延期が決定し、本年七月二十三日を開会とする新たな開催日程で関係者が合意し、IOC理事会で承認されております。

○中村:オリンピック関連の準備に対しても、多くの批判が聞かれます。
 とりわけ、都内の公立・私立の学校に通う子どもたち、約90万人が直接競技を観戦する準備が今も進められていることに、保護者は大きな不安を感じています。
 観客の有無や数の判断を待つまでもなく、至急、中止すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○藤田教育長:東京二〇二〇大会における学校観戦についてでございますが、学校連携観戦は、子供たちにとって、世界最高峰の競技をじかに感じられる貴重な経験の機会であり、競技観戦を希望する学校にその機会を提供するものでございます。
 都教育委員会は、関係局等と連携し、安全な競技観戦に向け、学校に対して基本的な感染症対策の徹底を求め、教員向けの引率の手引を配布するとともに、組織委員会が策定予定のガイドラインを周知してまいります。
 また、飲料水の配布等の暑さ対策や、子供たちの安全な移動を支援する運営本部の設置等も行ってまいります。
 今後、公表される観客数の上限を踏まえ、学校に、参加意向の確認や説明会を実施し、保護者に対しても、丁寧に安全対策等について説明をしてまいります。
 これらにより、安全・安心な競技観戦となるよう、万全を期してまいります。

○中村:次に、コロナ対策について伺います。
 私たちは、経済再開を急ぐあまり短期間に感染拡大を繰り返し、昨年来迷走を続けたウイズコロナ方針をきっぱり撤回し、できる限り減らした後は、徹底して感染を抑え込みつつ経済を回す、ゼロコロナ戦略に切りかえるべきと求めてきました。
 また、知事は、私たちが強く求めてきた、都の新型コロナ対策を検証していません。私たちの任期の最後に、都の新型コロナ対策の検証を、今、約束して頂きたいと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事:今後のコロナ対策についてのご質問。
 現在、新規陽性者数は漸減傾向にございますが、感染力の強い変異株の影響等を踏まえますと、今ここで感染を徹底的に抑え込んで、リバウンドを何としても阻止していくことは何よりも重要でございます。
 そのため、都は、不要不急の人流を抑えて、基本的感染対策を徹底することを柱として、モニタリング会議や審議会におけます専門家の意見、評価などを生かしながら、効果的な対策を重点的に実施しております。
 今後も感染状況や社会経済状況などを勘案して、これまでの対策の課題の検証を行いながら、対策に万全を期してまいります。

○中村:都が警視庁・東京消防庁職員に接種することは、社会機能の維持に欠かせない職種への優先的接種として理解します。
 医療従事者への優先接種が行われ、基礎自治体に加え国の大規模接種会場で、高齢者への接種が着実に進んでいますが、都として一層の早期進捗に協力して頂きたいと思います。
 一方、現場の最前線に立って社会機能の維持に日々汗を流し貢献している、交通、運輸、生活必需品の販売員、介護・保育・教育の従事者など、都内のエッセンシャルワーカーにも、都として優先的に接種すべきと考えますが、見解を伺います。

○初宿福祉保健局健康危機管理担当局長:コロナワクチンの優先接種に関するご質問にお答えをいたします。
 都が設置する大規模接種会場での対象については、現在、さまざまな要望をいただいており、早急に接種を進められるよう、ワクチンチームにおいて、区市町村や関係団体等と情報共有や課題の把握などを行い、区市町村の接種計画との整合性を図りながら、接種対象を決定してまいります。

○中村:5月12日からの緊急事態宣言延長では、映画館は休業要請とされましたが、同種の施設である劇場等は制限付き営業とされ、関係各所から「なぜ映画館だけ」と、都の判断に疑問の声が上がりました。
 私たちは、昨年6月2日の代表質問で、知事に「私権の制限は必要な範囲」で「科学的根拠に基づく合理的な説明がセット」と述べ、謙抑的な姿勢と説明責任の全うを求め、その後も繰り返し求めてきましたが、未だに実行されておりません。
 その結果、都民の納得と協力が得られなくなっている現状に対する自身の責任、また、説明を改めて徹底することについて、知事の見解を伺います。

○黒沼総務局長:緊急事態宣言の延長に伴う措置についてでございます。
 五月十二日からの延長に際しましては、新規陽性者数や重症者数が高い水準で推移していたこと、流行の主体が変異株に置きかわるといったことなど、厳しい感染状況が続いておりましたことから、これまでの措置を原則として継続することといたしました。
 具体的には、大規模集客施設には、引き続きの休業を要請いたしました。
 一方、イベント関連施設には、それまで要請をしてまいりました無観客開催にはさまざまな課題がありまして、継続が困難でありましたことから、営業時間の短縮等を要請いたしました。
 その結果、それぞれの施設区分に属する映画館と劇場については、措置内容が異なることとなったものでございます。
 この措置は、国と調整をし、審議会で専門家から妥当との意見を受け、都の対策本部会議で決定をしたものでございまして、決定後は事業者等に広く周知を図っているところでございます。

○中村:これも、繰り返し申し上げますが、効果や公平性が不十分な、特定の業界に限った消費喚起策ではなく、国民の手で適正配分され、ベーシックインカムや給付付き税額控除とも通底する、定額の給付金が必要です。
 緊急事態宣言が三度発出・再延長されている現下の状況では、ひとり10万円以上の給付金を国に要望すべきと考えますが、見解を伺います。

○黒沼総務局長:国による経済支援策についてでございます。
 消費喚起や景気浮揚を目的とした国民への一律の給付金実施の有無につきましては、国会での議論を踏まえ、国において適切に判断すべきものと認識をしております。
 都としましては、今年度、新しい日常における都民の生活応援を図るとともに、デジタルの力を活用した地域経済の活性化に向けまして、キャッシュレスによるポイント還元などの取り組みを行う区市町村を支援しており、こうした取り組みを着実に推進し、引き続き、都民生活を下支えしてまいります。

○中村:協力金については、申請の受付開始が対象の期間から2ヶ月近くも後に設定されている上、申請してから振り込みまでにも時間がかかっており、協力金を頼みにする小規模事業者はもう限界です。何度も求めてきたとおり、支給までのリードタイムを設定し、達成に必要な体制強化を至急行うべきですが、見解を伺います。

○村松産業労働局長:協力金の支給についてですが、申請受け付け期間については、事業者の準備期間等を考慮し、一カ月程度としておりまして、また、受け付け期間の重複により申請者が混乱しないよう、前回の受け付けを締め切ってから次の受け付けを開始しております。
 都は、申請者の負担軽減を図るため、間違いやすい事例をポータルサイトで紹介するとともに、動画を用いて、申請手順をわかりやすく解説しております。
 また、過去に支給を受けた事業者が同じ店舗について再度申請を行う場合には、提出書類を簡素化する等の改善を図ってきたところでございます。
 今後は、民間の力を一層活用することで、審査体制のさらなる拡充を行い、協力金の迅速な支給につなげてまいります。

○中村:4月25日からの緊急事態宣言では、23日夜まで具体的措置内容が明らかにされず、多くの事業者が対応に苦慮しました。特にイベント産業は急遽の中止や延期で、準備経費がムダになり、直前の周知となった25日、26日のイベントでは、甚大な損害が発生しました。
 4月30日に知事あてに要望書を提出していますが、改めて、緊急事態宣言に伴い損害を被ったイベント関連事業者などへ国による補償が不十分な部分について、対応すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○村松産業労働局長:イベント事業者への対応についてですが、四月二十三日に決定された緊急事態措置では、都立施設等におけるイベントの実施に対して、無観客開催やオンライン開催を要請いたしました。
 こうした要請に対応できず、やむを得ず延期や中止せざるを得なかった事業者には、施設運営者が既に受け取っている施設使用料を返還することとしております。
 また、都は、最大二千五百万円までキャンセル費用等を補助する国の支援制度について、イベント事業者の積極的な活用に向け、丁寧な周知を行うよう施設運営者に働きかけております。
 こうした取り組みを引き続き実施することで、イベント事業者の負担軽減を図ってまいります。

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