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都議会質問記録

2021/09/29 財政委員会でコロナ対策の補正予算を審議しました

2021年9月29日、新型コロナの緊急事態宣言が終わり10月1日からリバウンド防止措置期間に移行するに際して、都が飲食店への協力金など2,23億円の補正予算を提出したため、急遽、都議会本会議が開かれ議案として上程されました。所管委員会に付託され財政委員会で歳入について質疑を行いました。コロナ対策で厳しくなった都の財政について、施策のための財源の確保、基金の活用、施策の検証などについて質疑を行いました。質疑後、採決し全会一致で可決しましたので、翌日の本会議で可決の見通しです。

○中村委員 それでは、私からも、補正予算について質問いたします。
 明日九月三十日で新型コロナの緊急事態宣言が終了し、十月一日からはリバウンド防止措置期間に移行することになりました。
 今回は、十月一日から二十四日までの飲食店への協力金の補正予算が組まれ、その九九%が国庫から支出をされます。
 今回、緊急事態宣言でも蔓延防止重点措置でもないにもかかわらず、国庫支出金が九九%出るとのことですが、その法的根拠は何でしょうか伺います。

○山田理事 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく営業時間短縮の要請等に応じた事業者に対する協力金に係る財源として措置されるものでございまして、制度要綱により、協力金に対する国の分担割合は、区域を問わず、九月三十日まで九九%となっていたところでございます。
 今般、九月二十八日付で、同制度要綱に基づく通知が新たに発出されました。全国的に多くの都道府県において段階的な緩和が行われている途上であることを踏まえ、国の分担割合につきまして、十月三十一日まで、現行の九九%が延長されることとなったものでございます。

○中村委員 国庫からの支出が、九月二十八日付の国の通知で十月三十一日までとされたとのことです。
 いつも直前になるまで決まらないので、都の対応もそれまでなかなか決まらなかったり、また、そのことで、現場の飲食店が、仕入れや人の手当てなど準備が間に合わないとの悲鳴も出ています。国に対しては、現場の状況も伝えて、早急に財源の確保が可能になるように求めていただきたいと思います。
 さて、コロナの感染が早く終わってほしいので、あってほしくはないのですが、十月二十四日に感染が再拡大していた場合には、協力金を延長せざるを得ない状況になるかもしれません。
 そうなった場合に、国からの補助は同様の比率で出るのでしょうか伺います。また、緊急事態や蔓延防止でなくても、この補助の枠はそのままにするように国に求めるべきですが、併せて見解を伺います。

○山田理事 今般、九月二十八日付の国の基本的対処方針において、対策の緩和については段階的に行い、期間は一か月をめどとすることが示されるとともに、十月三十一日までは、国の分担割合を九九%とすることが通知されたところでございます。
 十一月一日以降の国の協力金に対する方針は示されておりませんが、営業時間の短縮等の要請は、国の基本的対処方針に基づき地域の実情に応じて実施されることから、その要請に応じた事業者に対する協力金の財源は、国が責任を持って措置するべきと考えております。
 こうした観点から、都は、協力金をはじめとする事業者支援の財源措置について、今後も機会を捉えて国に働きかけてまいりたいと考えております。

○中村委員 十月三十一日までは九九%ということですが、場合によっては、その後も対応が必要になる可能性があるだけに、お答えはありましたが、引き続き、国に対して強く求めていただきたいと思います。
 ただ、一方、国であろうと都であろうと、税金には変わりません。こうした危機のときにあっては、財政出動すべきときではありますが、当然のことながら貴重な税金ですので、有効な使われ方をしなければなりません。
 繰り返し述べてもきましたが、都としても、施策の検証を行い、次の感染症のためという以前の問題として、第六波への対応のためにも、早急な検証が必要です。もちろん、一義的には事業局自身が行うことですが、財政当局としても、適切な施策かどうかの検証をすることを求めたいと思います。
 さて、今回、国庫支出金のほかの一%に当たる二十二億円は財政調整基金から出されます。そこで、財政調整基金の残高を伺います。
 また、十月二十四日以降もリバウンド防止措置など続ける場合には、協力金を延長する場合、国から補助が出ない、もしくは補助率が低い場合も考えられます。その場合には、都独自で協力金を出すことができるだけの財源の確保はできているのでしょうか、見解を伺います。

○山田理事 協力金の都負担分については財政調整基金を充当しておりまして、今回の補正予算編成後における令和三年度末の財政調整基金残高見込みは一千九百五十三億円でございます。
 協力金の支給に当たっては、引き続き、国が全面的に財源措置を図るべきものと考えておりまして、こうした観点から、今後とも、必要な財源の確保に努めながら、コロナ対策を着実に実施していきたいと考えております。

○中村委員 厳しい財政状況にあっても、財政出動せざるを得ないときもありますので、今後、こうした事態に陥らないとも限りません。国に要請をしつつも、都としても財源の確保をしておく必要があります。
 財政調整基金は、幅広い用途に使えるため使いやすいのですが、そのためにコロナ対策として真っ先に使われ、大幅に減りました。コロナで状況が大きく変わったため、改めて、私は、基金のもともと積み立てていた内容等を含めて見直さなければならないのではないかということも感じてはおります。
 今後、また、他の基金で活用が可能なものはどのくらいあるのでしょうか。他の目的の基金を安易に転用してよいとは思いませんが、緊急時に備えて、ある程度使える状況にしておくことも必要ではないかと考えますが、見解を伺います。

○山田理事 コロナ対策に当たりましては、例えば、基金の目的に沿って、医療提供体制等の強化などの財源として、福祉先進都市実現基金を積極的に活用しておりまして、この基金の令和三年度末残高見込みは八百九億円となってございます。
 一方、都財政は、コロナ対策はもとより、豪雨災害、首都直下地震などの直面する諸課題への対応や東京が進化を図るための取組など、多くの財政需要に対応することが求められております。
 今後とも、コロナ対策の強化などの喫緊の課題に的確に対処するとともに、都政が取り組むべき重要課題についても着実かつ計画的に実施していけるよう、特定目的基金を貴重な財源として最大限活用してまいりたいと考えております。

○中村委員 財政調整基金が使いやすいということですが、それ以外には、福祉先進都市実現基金を活用するなど、特定の分野に偏った活用になっているともいえなくもありません。
 しかし、都財政として危機的な状況ですから、コロナが終息した後の都政を考えると、極端にどこかの基金だけが減ってしまわないように、全体の基金のバランスを、あるべき姿を見据えて配分していくことも重要です。
 特に、この例で挙げられました福祉先進都市実現基金が減ったことで、福祉施策が遅れてしまうようなことがないようにしなければなりません。必要があれば、他の基金も含めて、もともと積み立てた方針はあるのですが、都の財政全体を見直す中で再検討することも必要です。
 基金については、活用しやすくすることも重要ですし、基金のあるべきバランスを考慮して配分していただくことを求めたいと思います。
 さて、今回の補正予算は、リバウンドの防止でもあり、それは第六波への備えともいえます。波の大きさの想定は、総務局や福祉保健局の担当かもしれませんが、財政当局としても、どのような大きな波が来るかによって、どのくらいの財源を確保すべきかが問われてきます。
 事業局とも情報共有し、今後のコロナ対策の財政見通しを立て、財源確保すべきですが、見解を伺います。

○山田理事 今月十七日に発表いたしました補正予算案におきましては、万全な医療提供体制の確保に向けて医療資源を総動員し、災害級の感染状況にも対応し得るよう、最大限のレベルで年度末までの予算を措置したものでございます。
 こうしたコロナ対策を機動的に講じていくためにも、国庫支出金の獲得や無駄をなくす取組を引き続き強化するとともに、基金や都債の活用などによりまして、財政対応力を堅持していくことが重要でございます。
 こうした観点を踏まえつつ、今後とも、各局と連携し、必要な対策を迅速に講じることができるよう財政運営を行ってまいりたいと考えております。

○中村委員 コロナが始まってから一年半余りが経過をしました。まだまだ先は読めず、二、三年かかるという専門家の意見もあります。災害級の感染状況にもということで対応していただいているとは思うのですが、なかなか時期を見通すのも難しいところもありますけれども、できる限りの想定をして備えていただきたいと思います。
 さて、仮に十月二十四日にリバウンド防止措置期間が延長される場合には、再度協力金の補正予算が組まれることにもなると思います。その場合には、専決処分ではなく、臨時議会を開いて議会での審議を求めるべきだと考えますが、見解を伺います。

○山田理事 まずは、感染の終息に向けまして、リバウンド防止に全庁一丸となって取り組んでいくことが最優先の課題であると認識をしております。
 今後とも、コロナ対策に当たりましては、その時々の状況を踏まえながら、時期を逸することなく適切に対応していきたいと考えているところでございます。

○中村委員 今回は、定例会の会期中でしたので、当然専決処分はできませんでしたが、都議選後の議会構成が変わってからも専決処分が行われたのは極めて残念なことです。
 今回のリバウンド防止措置期間は十月二十四日までなので、もちろんコロナが終息していればいいとは思うのですが、仮に延長による再度の補正予算ということになれば、時期はある意味で分かっているはずなので、突然のことで議会を開く時間がないということはないはずです。
 感染が広がらずに延長をしなくてもよいことを願っていますが、万一、延長ということになった場合には、専決処分にせず、必ず議会を開くことを強く求めて、質問を終わります。

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