2022/06/15 新型コロナ対策、商店街振興、アスベスト対策等を文書質問
2022年6月15日、定例会で都に対して文書質問を提出しました。本会議場で質問する機会を得られなかった議員に、文書で質問を提出した場合に本会議での質問と同じ扱いをするこになっています。毎議会、議場での質問か文書質問か必ずどちらかを行っています。今回は、新型コロナ対策、商店街振興、アスベスト対策、都営住宅、フードバンクへの支援について質問しました。答弁は次の定例会に報告されます。
1 新型コロナ対策について
2 都営住宅について
3 フードバンクへの支援について
4 生活困窮者に対する食品の提供等について
5 商店街の支援について
6 アスベスト対策について
1 新型コロナ対策について
問:新型コロナ対策については、感染者が減少傾向にはありますが、急激に減少するには至らず、引き続きの注意が必要になります。今後の流行に備えて、こうした時期に体制の強化を図る必要があります。国では体制の一元化のために内閣感染症危機管理庁の設置が検討されています。都でも総務局や福祉保健局など複数の局に担当がまたがっています。あらためて体制の強化が必要と考えますが見解を伺います。
回答:都はこれまで、新型コロナウイルス感染症対策本部のもとで、全庁を挙げた職員の応援体制を構築するとともに、健康危機管理担当局長や感染症対策部を設置するほか、関連部門の執行体制も大幅に強化してきました。
引き続き、万全の体制のもと、感染症対策等に機動的かつ柔軟に対応していきます。
問:長引くコロナ禍において、未知なる感染症だったとはいえ、特定の産業を名指しで指摘したり、対応が後手に回ることもあったり、組織の縦割りの弊害があったりと、多くの課題があったと思います。あらためて、都のこれまでの取り組みを振り返り、検証し、誤りがあれば認めて改めることが必要です。短期的には今後のコロナ対策の改善につながりますし、後世に対する責任として、どのようにコロナ対策に取り組んだか検証し記録を残すべきです。見解を伺います。
回答:都は、これまで、総力を挙げて感染拡大防止対策や医療提供体制の充実に取り組み、そこで得られた知見や経験を次の対策に活かしてきました。
具体的には、モニタリング会議や東京iCDCを設置し、感染状況等を的確に把握したうえで、飲食店等への時短要請など効果的な感染症対策を実施してきました。また、第6波では、これまでの経験を踏まえ、更なる病床の確保や宿泊療養、自宅療養を含めた医療提供体制の強化に先手先手で取り組んできました。
5月末には、今なお続くコロナとの闘いの軌跡を振り返り、改めてこれまで講じてきた取組の成果と課題を取りまとめました。
2 都営住宅について
問:都営住宅は倍率が高く、生活に困窮して入居を希望する多くの方々が待っている状況です。しかし、都営住宅を訪ねると、常に一定の割合の空き住戸が見受けられます。現在、全戸数のうち、空き住戸数がどのくらいあるのか伺います。あわせて、前の入居者が退去してから次の入居者が入居するのにかかる期間とそれだけの期間かかる理由について伺います。
回答:都営住宅における空き住戸数は、令和3年度末時点で公募用住戸と事業用住戸を合わせて、30,153戸です。
また、退去後の公募用住戸については、原状回復を行い、準備ができ次第、年4回の定期募集の対象とします。
申込み受付後、当せん者等の資格審査を行い、入居説明会等を経て入居となります。都は、真に住宅に困窮する低額所得者に都営住宅を的確に提供できるよう、入居収入基準や住宅困窮度などの資格審査を行っており、公正かつ厳正に審査するため、一定期間を要しています。
そのため、退去から入居まで、最短で10か月程度かかっています。
問:空き住戸の期間をできるだけ短期間にして困窮した方々が早期に入居できるように改善すべきと考えます。各戸の入居状況について情報のデジタル化等により、退去日を把握し、募集方法を工夫するなど空き住戸の期間を短縮すべきと考えますが、見解を伺います。
回答:都営住宅の入居者情報等はシステムにより一元管理しており、居住者から住宅返還届が出された際は、退去日等の情報をシステムに速やかに登録し、原状回復に着手しています。
また、申込みから入居までの期間短縮のため、募集のオンライン化を進め、資格審査や入居説明等における資料の郵送対応の原則化、審査書類の削減、簡素化に取り組んでいます。
今後も、退去から入居までの期間短縮に努めていきます。
3 フードバンクへの支援について
問:食品ロスの削減に貢献しているフードバンクの活動は、各地で多くの市民団体が取り組み、家庭や事業所で余っている未利用食品の有効利用を進めています。これらの団体では、食品を預かる保管場所が必要になり、継続的な費用の発生が課題です。都は、市区町村が食品ロス削減を進める団体と連携した事業に、補助期間を3年度以内に設定して、補助金を交付しています。しかし、利益を出すことが目的ではない団体では、3年を経過しても状況は変わらず、事業の継続を断念せざるを得なくなり、未利用食品が有効利用できずに廃棄されることが懸念されます。都として、市区町村とフードバンクが連携した食品ロス削減事業に対して、継続的な支援を検討すべきと考えますが見解を伺います。
回答:食品ロスの削減には、都民、市民団体、事業者、行政等のあらゆる主体が連携し、家庭や事業所の未利用食品を有効利用していくことが効果的です。
このため、都は、市区町村の保有する防災備蓄食品について、フードバンクの需要とマッチングするシステムの運用や、地元のフードバンクと小売店とが連携した優良事例の発信等、食品ロス削減に向けた取組を推進しています。
また、地域環境力活性化事業では、市区町村に対し、3年以内の補助期間を設定して、市区町村とNPO等の団体とが連携した食品ロス削減事業の定着化を図るための財政的な支援を実施しています。
都は今後も、市区町村と緊密な連携を図りながら、食品ロス削減の取組を着実に推進していきます。
4 生活困窮者に対する食品の提供等について
問:生活困窮者に対する食品の提供等については、民間団体に任せている部分が多いとも言えます。都としても市区町村と連携して、自治体としても生活困窮者への食品の提供等を行う必要がありますが見解を伺います。
回答:都は、生活困窮者等に食料を提供するとともに、適切な支援につなげる地域の拠点となるフードパントリーの設置に取り組む区市町村を包括補助により支援しています。
令和4年度は、これに加え、ウクライナ危機により原油や食料等の価格が上昇する中、緊急的な支援として、フードパントリーを運営する区市町村社会福祉協議会や区市町村と連携して事業を行う民間団体等を対象に、食料調達や輸送などにかかる運営費等を補助しています。
5 商店街の支援について
問:商店街への支援については、商店街チャレンジ戦略支援事業等がありますが、書類が煩雑で商店街の負担が重いとの意見をたびたび聞きます。公金を使っての事業なので不正はあってはならないのですが、あまりに煩雑のため消極的な姿勢になってしまうとも言われています。手続きの見直しについて見解を伺います。
回答:商店街チャレンジ戦略支援事業における申請書類につきましては、都は簡素化の観点から、これまでも必要最小限の資料の提出を求めているところでございます。
問:書類が煩雑になる要因の一つとして、現場から遠い都が担当するため、書類で判断せざるを得ないことが考えられます。都から市区町村に対して、より包括的な支援の枠組みとして見直し、市区町村の裁量の部分を増やすことで、より使いやすく、書類の煩雑さも減らせると考えられますが、見解を伺います。
回答:商店街チャレンジ戦略支援事業は、都と区市町村で連携して、地域の実情に応じた商店街の取組を支援しており、その申請書類につきましては、都は簡素化の観点から、これまでも必要最小限の資料の提出を求めているところでございます。
6 アスベスト対策について
問:肺がん等の原因となるアスベストについて、大気汚染防止法の改正により、本年4月より解体・改修工事での事業者によるアスベストの事前調査結果の報告が義務となりました。また、令和5年10月からは有資格者による事前調査が義務化されるため、資格取得講習の受講など負担が重くなっています。都として法改正の内容の周知と、資格取得のための費用の助成をすべきと考えますが見解を伺います。
回答:建築物の解体・改修工事におけるアスベストの飛散防止を徹底させるためには、解体業者等に改正大気汚染防止法に基づく新たな規制内容を周知することが重要です。
都は、建設業界の団体をはじめ、個々の建設会社などに職員を派遣して講習を行ったほか、一般紙や業界紙への広告掲載、チラシの配布、改正法の解説動画の配信など、改正法に係る様々な周知活動を行っています。
また、この活動の中で、業界団体から事前調査を実施する有資格者の確保について心配の声をいただいており、都は、有資格者による事前調査が適切かつ確実に実施されるよう、有資格者を育成する体制を整備することについて国に要望しています。
問:アスベストは国が積極的に使用を進めてきたものであり、そのために建築物の所有者や事業者等に負担を負わせるのは問題があります。都からも国が責任をもって対応するよう求める必要がありますが、見解を求めます。
回答:平成18年に建築基準法が改正され、吹付けアスベスト及びアスベスト含有吹付けロックウール(含有率が0.1パーセントを超えるもの)が規制対象となり、新たに建築する建築物への使用が禁止となりました。
都では、吹付けアスベスト等が施工されている民間の建築物を対象に、所有者等の負担軽減が図れるよう、除去等工事について国土交通省の住宅・建築物安全ストック形成事業を活用して補助を行う区市町村に対し、都費による支援を行っています。
アスベスト対策については、関係省庁間の連携をより一層強化し、国の責任において実効性のある対策を進めるよう、アスベストの新たな規制の円滑な運用や、アスベスト調査の適切な実施を確保する体制の整備などについて国に要望しています。
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