2022/10/19 建設局に都道、公園、河川整備の決算を質問しました
2022年10月19日、都議会の決算特別委員会の第三分科会に出席し、中央卸売市場、建設局の決算について質問しました。都道連雀通りの拡幅や自転車走行空間の整備、都立公園の整備と管理、都市型水害対策としての河川改修や大沢野川調節池の整備等を取り上げました。ここでは建設局への質問と答弁を掲載します(未定稿のため誤字などがあることをご了承ください)。
○中村委員 それでは、建設局の令和三年度、二〇二一年度決算について、まず最初に都道についてお伺いします。
道路の整備は、渋滞の解消による交通や物流の円滑化など、その経済効果が高いことはいうまでもありませんが、その完成までには長い年月を要します。公共事業の場合、地権者や沿道地域の方々への丁寧な対応が求められ、時間を要することは重々承知をしていますが、都民からすると、事業期間がいつの間にか延伸されているという印象もあります。
そこで、都市計画道路は一たび開通すると大きな経済効果をもたらしますが、長い期間を要するため、事業を推進する上では、完了時期や事業費等を都民に示すべきと考えますが、都の取組を伺います。
○湯川道路建設部長 都市計画道路の整備に着手する際には、国から事業認可を取得いたしまして、その概要や効果とともに、事業期間、事業費等をホームページなどでお知らせしているところでございます。
あわせて、区市町の窓口では、都市計画法の規定に基づきまして、事業地、設計の概要等を示した図書を縦覧しております。また、既定の事業期間内に完了できない場合には、内容を精査した上で延伸をし、その事業期間等を縦覧しているところでございます。
○中村委員 事業期間などについては、ホームページや縦覧により周知されていることはお伺いしました。
そこで、ホームページを見てみましたけれども、なかなかどこに掲載されているのか見つかりにくくて、また、路線名が通称ではなくて、例えば私の地元のように三鷹三・四・七号線などのような、普通の都民には分かりにくいともいえます。例えば地図を載せている路線をクリックすると詳細が表示されるとか、工夫が必要です。場合によっては、今そこを通った方がスマホなんかで見る場合もあるでしょうから、そういったものですぐ見れるような工夫があってもいいのかなと思いますので、そういったこともお願いしたいというふうに思っています。
いずれにしても、引き続き完了時斯を都民に示しつつ、早期効果発現に向けて取り組んでいただきたいというふうに思っております。
そしてまたこの質問をしたのは、そもそも都民に分かりやすく示すことを質問したんですが、改めて、コスト意識を持って取り組むことを求めるための質問でもありました。用地買収は相手のある話なので、予定どおりにはいかないとは思いますが、多額の金額で買収しても、開通しなければ都民に利益を還元できないので、計画的に着実に取り組むことを求めるものです。
また改めて、少しずつでもこうした都民に還元できるのが望ましいと思います。拡幅中の歩道を見ると、既に買収が終わったところも柵が設けられ、立ち入れなくなっています。しかし、歩道や自転車が狭いところを通行し、危険な箇所も多いため、事業が完了して、完全ではなくても、一部でも通行に利用できれば有益であり、近隣の方にもご理解いただけます。
そこで、都道の整備において、完全に開通しなくても、買収が進んだ箇所において少しでも開放して、歩道や自転車内通行などに利用できないのか伺います。
O湯川道路建設部長 都はこれまでも、地域の状況を踏まえまして、事業中においても、取得した用地の有効活用を図っておるところでございます。例えば三鷹三・四・七号線など複数の路線におきまして、沿道住民の利便性や安全性の向上のため、暫定的な歩行者空間を整備してきております。
○中村委員 今、事例としてお話のあった私の地元三鷹三・四・七号線、いわゆる連雀通りについて伺います。
この連雀通りは、三鷹市のちょうど真ん中を東西に走っているのですが、歩道が狭く、長年地元から拡幅を望む声が出されました。私も何度も議会でも取り上げましたが、地元からは早期の完成が望まれています。
そこで、この三鷹三・四・七号線、連雀通りの整備を進めていますが、取組状況について伺います。
○湯川道路建設部長 三鷹三・四・七号線は、現在、吉祥寺通り付近から三鷹三・五・一六号線付近までの七百八十メートルの区間におきまして事業中でございます。これまでに約八七%の用地を取得させていただきまして、一部区間におきまして、排水管や電線共同溝の設置工事を実施してきております。、
引き続き、残る用地の早期取得に努めるとともに、狐久保交差点付近におきまして街路築造工事等を実施してまいります。地元の協力と理解を得ながら、着実に事業を推進してまいります。
○中村委員 この道路、かなり沿道の方も協力を、住民の方も商店街の方もしていただいたりもしています。いろいろと都の担当者も代わったりすることもあるので、建設事務所なんかにもなるべく足を運んで、意見交換したり情報交換したりということをしてほしいということもお話をさせていただいています。非常に歩道が狭くて危なかったため、地域も望む声が強いので、引き続き着実な取組を求めたいと思います。
さて、狭い歩道の話もしましたが、当然自転車が走るところも狭くなっています。昨今では自転車の事故が多いので、ニュースなんかでも警察庁も取締りを強化すると報道されていました。
とはいえ、そもそも自転車が安全に走れる空間が十分とはいえません。自転車は車両であり、車道通行が大原則という観点から車道を通行するのですが、実際に車道を走ると、横を自動車が猛スピードで通ることもあり、大変怖い思いをすることがあります。
このため、安全な自転車歩行空間の整備が必要ですが、どうしても自動車が優先になり、自転車が快適に走れません。都は、東京都自動車通行空間整備推進計画を策定し、安全な歩行空間の確保を図るとしています。
そこで、現在進めている自転車通行空間は、どのような考え方に基づき整備しているのか伺います。
○斉藤道路保全担当部長 自転車通行空間の整備につきましては、令和三年度に策定された東京都自転車通行空間整備推進計画に基づき、限られた道路幅員の中で自転車通行空間を確保するため、道路構造や交通状況等を踏まえ、自転車道、自転車レーン、車道混在等の形態で整備を進めております。
○中村委員 昨年度策定した計画に基づいて整備を進めているとのことですが、既に既存の道路、都道も多くありますので、限られた空間の中々、歩行者、自転車、自動車が共存できるような取組を求めたいと思います。
さて、都道の整備により渋滞の解消を図られますが、完全に開通しなくても交差点の右折で渋滞する場合も多く、すいすいプランは効果があると考えます。そこで、令和三年度の整備実績を伺います。
また、都市計画で拡幅の予定のない交差点でも、地権者が協力すれば、すいすいプランを実施するとよいと思いますが、そういう事例かおるのか、併せて伺います。
○斉藤道路保全担当部長 交差点すいすいプランは、道路幅員が狭い片側一車線の道路に、新たに右折車線等を設置する事業であります。令和三年度は、十六か所で用地取得や道路構築工事などを実施しており、八王子市内の北野街道では館町和田交差点が完了しました。本交差点は、都市計画線がない箇所において、道路法に基づき道路予定地を指定し、事業を実施してきたものであります。
○中村委員 必ずしも都市計画線がなくても事業内実施ができるとのことでしたので、そして都内でも実績があるとのことです。渋滞解消に向けた取組が重要であり、例えば必要な用地が、現状時点として駐車場に利用されている場合であれば買収がしやすいんでしょうが、マンションなどが建設されると買収が困難になります。機会を捉えて取り組んでいただくことを求めたいと思います。
次に、都道の維持管理について、令和三年度の決算に際して管理状況について確認します。
先ほど自転車の通行について質問しましたが、自転車が車道を走行する際に、道路幅が狭いと、どうしても路肩際に寄らざるを得なくなります。路肩のコンクリートとアスファルトの舗装に段差が生じていると、僅かであっても自転車の車輪だと取られて、大変危ない思いをすることもあります。また、車道にあるマンホールの周辺では亀裂が発生しているところも見受けられ、そのことが振動の原因になっている場合があります。。
そこで、地域にとって重要な都道における路面の日常的な点検方法や補修について伺います。
○荒井道路管理部長 都道の維持管理につきましては、道路を常に良好な状態を保ち、安全な通行を確保するために、日常的な巡回点検によりまして道路の状況を的確に把握し、必要な維持工事を実施することとしております。
さらに路面の補修につきましては、道路のひび割れなどを調べる定期的な路面性状調査の結果等に基づきまして、舗装構造の健全度に応じて計画的に実施しているところでございます。
○中村委員 日常的に巡回し、対応はしていただいているようですが、例えばバスが通る大通りで、マンホールの蓋の周りで少しの段差でも、近隣に住む人には振動が激しいとの苦情が寄せられることもあります。都自らが巡回することも重要ですが、近隣からの直接の声にも丁寧に対応していただきたいと思います。
とりわけ都道が新たに整備されると、交通量の増加などの影響により、沿道住民から騒音や振動の苦情が寄せられることもあります。そこで、この沿道住民からの苦情が寄せられた場合の対応について伺います。
○荒井道路管理部長 沿道住民の方から振動等の相談があった場合につきましては、現地の状況を確認した上で必要に応じた修繕を実施するなど、その都度丁寧に対応しているところでございます。
○中村委員 丁寧な対応をするのは当然だと思いますのですが、住んでいる方にとってはずっと騒音や振動を受けているわけですから、迅速な対応をお願いしたいと思います。
先ほども述べましたが、騒音や振動などできるだけ抑えるような都道の管理を行うとともに沿道の住民から皆隋があれば、迅速かつ丁寧な対応をお願いします。
次に、都立公園について伺います。
都立公園は、都民にとって身近な緑となり、休息やレクリエーションなどの憩いの場でもあるとともに、いざというときには避難場所にもなるなど、大変重要な都市基盤です。公園整備に一層取り組むとともに計画的に進めていくべきですが、そこで、まずは都立公園の整備の進捗状況について伺います。
O根来公園計画担当部長 令和三年度末で八十三公園、約二千四十六ヘクタールの都立公園を開園しております。令和三年度は、練馬城址公園など約十五・二ヘクタールにおいて事業認可を取得しました。また、祖師谷公園など約九ヘクタールの用地を取得しますとともに、高井戸公園など約六・六ヘクタールの整備を行いました。
○中村委員 かなり大きな面積のところも買収等は進んだようですから、引き続き着実に進めていただきたいと思っています。
改めて決算年度の整備の成果を伺いましたが、整備するだけではなくて、憩いの場を求める都民のための日常的な管理や施設の整備が必要になります。
都会において、自然豊かで新鮮な空気を吸いたいという方は多いと思います。ところが、都立公園でも健康に影響のある受動喫煙の問題があります。都は、受動喫煙防止条例を制定し、二人以上の人が利用する施設は原則屋内禁煙となりました。また、議員提案による東京都子どもを受動喫煙から守る条例を制定し、子供に受動喫煙をさせることのないよう定めています。また、市区町村の条例により、駅周辺では、路上では禁煙できなくなっているところも増えてきました。
しかし、都立公園内にはこうした規制が対象外となっていて、何ら規制がありません。利用される方から対応を求める意見もいただきます。改めて、受動喫煙の対策を行うべきと考えますが、どのようになっているか伺います。
○小谷公園緑地部長 都立公園では、喫煙に関するルールを定めまして、歩きながらの喫煙や妊娠中の女肌子供の周囲では喫煙しないよう園内掲示板等で周知するなど、マナー向上に取り組んでおります。
また、公園利用者の声や園内の利用状況に応じて、主要な園路沿いや子供が使用する遊具の周辺にある吸い殻入れを撤去し、受動喫煙の防止に努めているところであります。引き続き、公園内での喫煙マナーの向上を図ってまいります。
○中村委員 なかなか都立公園の中は規制もないので、マナーの向上でお願いするしかない部分もあると思いますし、確かに吸いたいという方が、あえて公園に来て吸うという方もいるのかもしれませんが、時代の変化もありますので、そういった時代の変化等を敏感に感じながら、さらなる対応をしていただきたいと思っています。
さて、都立公園を快適に利用するのには、トイレの整備も重要です。都民から寄せられる意見には、なかなか和室は利用しにくいので、洋式化をしてほしいとの声もあり、進めていく必要性があると考えます。
そこで、都立公園のトイレの洋式化について、令和三年度の取組状況を伺います。
○根来公園計画担当部長 令和三年度は、石神井公園外五公園において、老朽化したトイレの改築やバリアフリー化に向けた改修に合わせて洋式化を進めておりまして、これにより、令和三年度末時点で都立公園のトイレの洋式化は、約七割が完了しております。今後もトイレの洋式化に着実に取り組んでまいります。
○中村委員 七割まで進めていただいたということですが、最近なかなかこれも時代の変化で、和式よりも洋式の方がいいという方々も増えていますので、引き続き着実に取組を進めていただきたいというふうに思っています。
公園の最後の質問として、私の地元の都立井の頭自然文化園について伺います。
こめ文化園を利用される方の多くは小さなお子さんを含めた家族連れて、動物を目当てに来場されます。
ところが、文化園という名前があるのですが、ここは奥に行くと文化施設である彫刻館かおることはあまり知られておらず、せっかくの施設ですが、来場者はそれほど多いわけでもないようです。彫刻館には、長崎平和祈念像で有名な北村西望氏の作品も展示されています。
令和元年度の都の予算には、井の頭自然文化園彫刻園の魅力向上として一千万円が計上されて、所蔵品の調査をしたようですが、改めて令和三年度の取組状況を伺います。
○佐々木公園調整担当部長 井の頭自然文化園の彫刻園は、彫刻家、北村西望氏から寄贈を受けた作品約千四百点を収蔵する施設で、そのうち約二百点を館内及び屋外で展示するとともに作品の魅力を紹介する企画展を実施しております。
令和三年度は、「北村西望の家族と生活」などをテーマとする三件の企画展を開催いたしました。
○中村委員 昨年度、コロナ禍があったわけですが、そういう中でも企画展を開催するなど一定の取組はしていただいたということは答弁いただきました。文化施設なので、大勢が来るよりも静かな方がいいという方もあるとは思うんですが、ある意味で、せっかくこういう施設があるのであれば、もっと利活用されてはという地域の方の声もあります。
特に、こういったせっかくの施設なので、北村西望氏の彫刻作品のみならず、多摩や武蔵野市在住のアーティストの作品や多くの芸術作品の展示、鑑賞できる施設になるようにしてほしいという声もいただきます。ぜひ今後の利活用について、地域の声も聞きながらご検討いただくことを求めたいと思います。
次に、河川について伺います。
昨今では、地球温暖化の影響もあるんだろうと思いますが、環境の変化が大きく、短期的、集中的な豪雨が頻発化し、都市型水害への対応が急務になっています。かつては一時間当たり五十ミリの降雨に対応する対応でしたが、五十ミリの雨は頻繁に降るようになり、百ミリの雨が降ることすらあります。都は、二十三区は七十五ミリ対応、多摩地域では六十五ミリ対応にするようになりました。
河川の整備については、大変時間かかかるのものだと承知をしつつも、都民の安全・安心を守るためには、できるだけ早期に整備することが必要になります。
そこで、まず令和三年度における中小河川整備の進捗状況を伺います。
○斉藤河川部長 激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るため、護岸の整備と併せまして調節池等の整備を進めております。護岸につきましては、石神井川など二十八河川で事業を行い、約〇・七キロメートルの護岸を整備いたしました。調節池等につきましては、環状七号線地下広域調節池など九か所で工事を実施いたしました。
○中村委員 整備状況を伺わさせていただきましたが、なかなか、本当に集中豪雨も多くあるので、着実な整備を進めていただきたいと思います。
今ご答弁にありました調節池等について、九か所で工事を行ったと答弁がありました。その中には、私の地元にある野川大沢調節池も含まれていますが、その進捗状況を伺います。
また、野川の水害対策は必要ですが、今後、野川沿いにこれだけの規模の調節池ができる場所は容易には見つからないと思いますが、どのように対応するのか伺います。
〇斉藤河川部長 野川大沢調節池では、貯留量が従来の約一・八倍となる、全体で約十六万立方メートルに拡大する工事を進め、令和三年十一月に取水施設が完成し、稼働を開始いたしました。
また、場所の選定に当たりましては、公共用地を基本に適地を検討してまいります。
○中村委員 一昨年の台風十九号で野川があふれるおそれがあり、三鷹市では初めて避難勧告も出されました。既にそのときには野川調節池の拡大工事が一定進んでいたこともあり、川が氾濫せずに済みましたが、今後さらに激甚化するおそれもあることから、さらなる対策が必要だと考えます。
今後の取組として、公共用地を基本に適地を検討するとのことですが、なかなかまとまった土地があるわけではない状況も承知はしていますが、住民の安全確保のため、公共用地の地下空間の活用などを含め、あらゆる方策を検討の上で早期の安全確保が図れるよう要望します。
最後に、河川関連として東部低地帯における耐震、耐水対策について質問します。
東日本大震災以降、全国各地で大規模な地震が頻発しておりへ東部低地帯の耐震、耐水対策は急務となっています。
そこで、東部低地帯における耐震、耐水対策についてどの程度進んでいるのか伺います。
○斉藤河川部長都は、最大級の地震が発生した際にも堤防や水門などの機能が確保されるよう、東部低地帯の河川施設整備計画に基づきまして、計画延長約八十六キロメートルの堤防及び水門等二十二施設を対象に耐震、耐水対策を推進してまいりました。
計画の最終年度である令和三年度は、対象となる中川や綾瀬川などの堤防約七・八キロメートルと、新小名木川水門など三施設の対策が完了いたしました。これにより、堤防の約八割と水門等十三施設の対策が完了いたしました。
残る対象施設につきましては、令和四年度からスタートした第二期の整備計画に位置づけまして、切れ目のない整備を推進いたします。
○中村委員 昨年度で第一期が終わり、今年度から第二期が始まるとのことでした。行政の役割として、都民の安全・安心を守ることは最重要課題ですので、引き続き着実な取組を求めます。
以上、道路や公園、河川と、昨年度の取組を中心に質問しました。都民にとっては、都政というと遠い感じがするようですが、真っ先に都政というと都道や都立公園が思い浮かぶようです。日常生活に密着し、安全・安心にも関わるので当然重要なのですが、都民の皆様から都政を最も身近に感じるだけに、そのことそのものが都政の評価にもつながりますので、引き続き着実な取組を求めて、質問を終わります。
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