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都議会質問記録

2022/10/21 決算で港湾局、産業労働局に質問しました

2022年10月21日、都議会の決算特別委員会の第三分科会に出席しました。担当の港湾局、産業労働局について質問しました。港湾物流のコロナの影響、カジノ誘致反対、調布飛行場の自家用機移転、雇用確保、労働相談、介護離職対策、都市農業を取り上げました

◆港湾局への質問

○中村委員 それでは、港湾局の令和三年度、二〇二一年度の決算について質問します。
 最初に、港湾物流について伺います。
 昨年十二月に都議会立憲民主党として、都の港湾施設の視察をさせていただき、中央防波堤外側コンテナふ頭Y2や東京国際クルーズターミナルを拝見いたしました。新型コロナのため、大型クルーズ船は残念ながら来ませんが、ふ頭は忙しく動いていました。
 港湾物流はコロナ禍であろうと止めるわけにはいきませんので、関係職員の皆様にはエッセンシャルワーカーとしてご尽力いただき、敬意を表します。とはいえ、コロナ禍により、世界中の人々が生活の変化を余儀なくされ、当然、物流にも影響が出たのではないかと推測されます。
 そこで、まず、昨年度はコロナ禍の影響もあり、世界的なコンテナ物流の混乱が発生しましたが、東京港にはどのような影響があったのか伺います。

○野平港湾経営部長 昨年は、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延する中で、北米西岸の港湾の混雑や中国の一部コンテナターミナルの閉鎖などによりまして、国際海上物流の混乱が発生し、コンテナ船の運航スケジュールにも大幅な遅延が見られました。これに伴い、遅れたスケジュールを回復させるため、東京港におきましても、コンテナ船が通常どおり寄港しないケースもございました。
 こうした影響も受け、令和三年の東京港の外貿コンテナ船入港隻数は四千三百十二隻となり、前年比で八・二%減少いたしましたが、コンテナ貨物量には大きな影響はございませんでした。

○中村委員 コロナ禍でコンテナ船が寄港しないケースはあっても、貨物量としては大きな影響がなかったとのことでした。確かに生活スタイルがコロナで変わったりとか、また、急な緊急事態なので、一時的にマスクや薬が店頭からなくなることはあっても、総じて物が足りないということはなかったんだと思っています。
 改めて、昨年度の東京港におけるコンテナ取扱実績はどうであったのか伺います。

○野平港湾経営部長 令和三年の外貿コンテナ取扱個数は四百三十三万TEUでございまして、前年比で一・六%の増加となりました。その主な要因といたしましては、コロナ禍における巣籠もり需要の発生やテレワークの拡大を背景に、家具装備品、パソコンなどの電気機械の輸入が増加したことが挙げられます。

○中村委員 取扱量が減るかとは思ったんですが、コロナで新たな需要というのもあったということのようです。
 改めて、令和三年度の東京都予算案の概要には、港湾、物流機能の強化として二百七十四億円が計上されていますが、このうち東京港の機能強化に向けて、具体的にどのような取組を行ったのか伺います。

○野平港湾経営部長 都は、増加を続けるコンテナ貨物量に適切に対応するため、東京港の機能強化に向け、ハード、ソフトの両面から様々な取組を展開してまいりました。昨年度は、中央防波堤外側コンテナふ頭の新規整備や品川ふ頭など既存ふ頭の再整備に向けた取組を進めました。
 また、GPS端末を活用して、コンテナターミナル入場までの待機時間等をリアルタイムで公表することで、港へ来場するトラックの時間的な分散を促すなど、物流効率化に資する取組を実施いたしました。

○中村委員 東京港は、都のみならず、首都圏住民の全体の生活を支える重要な役割を果たしています。着実な取組を求めて、次の質問に移ります。
 次に、IR、統合型リゾートについて伺います。
 立憲民主党は、カジノの誘致には反対してきました。小池都知事は、態度をはっきりさせないため、議会での質問などを通じて誘致しないように求めてきました。
 そもそも誘致するかどうか決めていないので、当然場所も決まっていないはずですが、どういうわけか臨海部を所管する港湾局が毎年IRの調査費を計上してきました。私たちは予算を計上しないよう求めてきましたが、決算年度も計上されてしまいました。
 そこで、改めて決算年度の予算額と決算額を伺います。また、そもそもいつから予算が計上され、使われた金額は累計で幾らになるのか伺います。

○堀内調整担当部長 令和三年度予算におきまして、IRの検討調査に要する費用として約一千万円を計上してございましたが、昨年度、委託調査は実施してございません。また、当局が所管した平成二十六年度以降、委託調査等で約三千八百四十六万円を執行してございます。

○中村委員 昨年度は調査を実施していないとのことです。
 私たちは誘致する必要もないので、調査する必要もないとは思っております。とはいえ、これまで四千万円近くもかけて都が調査した内容はどのようなものだったのでしょうか。また、都民に公開すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○堀内調整担当部長 IRの検討のため、これまで合計七件の委託調査を行っておりまして、海外のIR施設の状況や国内外におけるギャンブル依存症対策などについて調査を行っております。
 委託調査の結果につきましては、港湾局のホームページにて公開してございます。

○中村委員 ホームページに掲載されていることは承知をしていたのですが、令和元年度が最後だったので、まだ、それ以降どうなったのかなと思ったんですが、これが調査した分の全部ということのようです。
 IR誘致を目指す都道府県等は、今年の四月二十八日までに政府に申請することになっていました。締切りは過ぎましたが、東京都は申請しませんでした。その事実についてはよしとするものです。
 ただ、これまで調査をした結果として必要ないと判断したなら妥当ですが、そもそも、都知事は誘致するのかしないのか表明しないまま、単純に締切日が過ぎたという結果だけが残りました。一体誰のどういう判断で申請をしなかったのか伺います。

○堀内調整担当部長 IRについて、都はこれまでも、メリット、デメリットの両面から総合的に検討を行ってきたところでありまして、今後も引き続き検討を行っていくことに変わりはございません。

○中村委員 これだけ世間が注目して、都政にとっても大きな事項ですから、また、ただ単に締切りが過ぎましたではないはずです。少なくとも、担当しているのであれば、小池知事に申請しないことの了解を得ているはずです。申請しなかった結果はよしとしますが、誘致しないと決めずに単に申請しなかっただけでは、将来機会があれば誘致するのではないかとの不安が残ります。
 しかし、私は今回申請をしなかったことで、東京都としてIR誘致をしないという判断をし、この件はその結論をもって終了したと考えたいと思います。
 そこで、IRの調査の予算を計上する必要はないと考えますが、見解を伺います。

○堀内調整担当部長 IRについて、都はこれまでも、メリット、デメリットの両面から総合的に検討を行ってきたところでありまして、今後も引き続き検討を行っていくことに変わりはございません。今後の予算につきましては、現在検討中でございます。

○中村委員 検討中ということで具体的な申請する機会があるわけではないので、不思議な答えだと思います。貴重な税金ですから、計上して使わないなら、他の用途があるはずです。改めて、今回の申請をしなかったことをもって、もうこの予算の計上をやめるよう求めたいと思います。
 次に、私からも調布飛行場について質問します。
 調布飛行場は、調布市、府中市、三鷹市の三市にまたがる都営空港です。住宅地の中にあることから、安全の問題等から、離島との交通等に限定した利用について、地域の理解を得ながら運営されています。現在では、大島、新島、神津島、三宅島の四島と定期航路で結ばれています。
 しかし、新型コロナにより離島との往来も減少し、運航事業者の経営にも影響が出たと推測されますが、都の対応を伺います。

○川崎島しょ・小笠原空港整備担当部長 令和三年度の調布と離島を結ぶ航空路線の利用客数は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前と比較して大幅に減少しており、運航事業者の経営は厳しい状況にございました。
 このため、都は、航空路補助事業として、運航事業者に対しまして、コロナの影響による欠損額を含め、三億四千万円の支援を行ったところでございます。

○中村委員 都が欠損額を支援したとのことでした。離島の方々にとっては重要な航空路線ですから、感染の大きな波というのはもう来てほしくはないんですが、もし来るようであれば、必要な支援を引き続きお願いいたします。
 さて、二〇一五年に発生した自家用機の墜落事故は大変残念であり、地域の不安が高まりました。これまで自家用機が調布飛行場に駐機し、発着していました。都は、地域の声を受けて、自家用機を大島空港など他の空港に移すとしていますが、現在の進捗状況について伺います。

○川崎島しょ・小笠原空港整備担当部長 自家用機の分散移転を推進するため、事故後の平成三十年に都と自家用機団体の代表者との間で、自家用機分散移転推進検討会を設置し、交渉を進めてまいりました。
 その中で、大島空港に移転する場合には、塩害対策や給油できる環境の整備が必要といった考えが示されております。このため、都は、昨年六月に塩害対策のための格納庫を整備するとともに、現在は給油施設の整備を進めております。

○中村委員 検討会が設置をされ、移転に必要な環境整備を進めているということのようですが、まだ整備の途中とのことです。
 いずれにせよ、実際にはまだ移転は進んでいません。分散移転の推進に向けた取組状況について伺います。

○川崎島しょ・小笠原空港整備担当部長 自家用機分散移転推進検討会の設置以来、これまで十回にわたり開催し、交渉を重ねてまいりました。
 検討会を交渉の場として活用するとともに、個別の自家用機所有者とも精力的に接触し、先ほど申し上げたとおり、格納庫や給油施設の整備といった移転に伴う条件等を引き出すなど、粘り強く交渉を行っているところでございます。

○中村委員 交渉しているとのことですが、現在までに移転した実績はないようです。地域の方々が安心できるよう、引き続きの取組をお願いします。
 さて、飛行経路の下に住む方から、予定された経路を外れて飛行しているのではないか、大きな騒音を伴って飛行する航空機があるとの苦情が寄せられたりもします。航空機の騒音対策をどのように行っているのか伺います。

○川崎島しょ・小笠原空港整備担当部長 調布飛行場は市街地の中にあることから、航空機の騒音対策を講じることは重要であると認識しております。
 このため、調布飛行場を使用する航空機につきましては、決められたルートを飛行するとともに、十分に安全を確保した上で、離陸時は早めに高度を上げることなどの騒音対策を実施しているところでございます。
 また、これらの騒音対策の実効性を確保するため、管制タワーに常駐する専門職員が適正な飛行が行われているかを常時確認しております。さらに、毎月実施している運航担当者会議などにおきまして、繰り返しこれらの騒音対策の遵守を強く要請しているところでございます。

○中村委員 離島航路などについて、地域の方々が一定理解をしていても、安全・安心というのが大事なのは当然のことだと思っています。できるだけ騒音が小さくなるような配慮は必要だと思っています。今後も安全・安心が図れるよう求めまして、今日の質問を終わります。

◆産業労働局


○中村委員 それでは、産業労働局の決算について、最初に雇用対策について質問します。
 決算年度においては、こちらの緑色の予算書において、大々的に東京版ニューディールTVA作戦として二万人を超える雇用創出を打ち上げていました。
 コロナ禍において、雇用創出に取り組むことは大変重要でもあり、私も大きく期待をしました。しかし、知事は予算のときと違って、決算の段階においては、そのことに触れることがあまりありません。決算に当たり、その検証を行いたいと思います。
 とはいえ、もともと二万人雇用創出という単体の事業はなく、いろんな事業に分散して様々な予算と雇用の見通しを合わせて二万人と打ち出したようでした。
 そこで最初に、東京版ニューディールとした事業全体の予算と決算の金額、実際にどのぐらいの人が雇用されたのか伺います。

○山崎雇用就業部長 東京版ニューディールでは、ITや介護などの分野におきましてマッチング支援や職業訓練などを進めました。
 令和三年度の予算額は約百四十二億円、決算額は約百十七億円で、約二万五千人の就職サポートを行いました。

○中村委員 二万五千人の就職サポートを行ったということですので、あくまでサポートで、実際に二万五千人就職したということではないようです。
 都の事業による、何人が実際に就職できたのかという数字は把握はした方がいいとは思います。もちろん待遇とかもあるので、単に就職させればいいということではないと思っていますけれども、ある程度やった事業に対して把握をして、次にどのような施策に生かすかということが大事だと思っていますので、そのあたりは検証していただきたいと思います。
 また、さらにニューディールについて伺いますが、この事業の中には様々な事業もありますが、主な事業や予想よりよかった事業、うまくいかなかった事業の事例をお答えください。

○山崎雇用就業部長 コロナ禍で離職を余儀なくされた方などに対しまして、派遣就労を通じて早期再就職を目指す支援事業では、一千七百六十七名の求職者を求人企業へ派遣し、八百五十五名の方が再就職を実現いたしました。
 対面で行う事業におきましては、感染症拡大防止の観点から参加定員を縮小し、対策を講じた上で実施をいたしました。

○中村委員 事例として八百五十五名の方が就職できたというのはよかったんだと思ってはいます。
 雇用については、安定した職場環境や待遇がなければ就職してもすぐに退職するという場合もあるので、安定した雇用というのが大事だと思っています。物価高が急速に進み、一定の賃金が確保されないと生活できません。望む方には非正規雇用でなくて、正規雇用が確保される必要があると思っています。
 これら一連のいろんな事業を産業労働局の皆さんにやっていただいているわけですけれども、やはり、実際どのぐらいの就職の実態、雇用されたかという実態が分からなければ、次の施策もなかなか効果的に打てなくなります。
 これは、ある意味一つの打ち出し方としてこういう形で都がやるんだということを示すことは大事だと思うんですが、そうであれば継続していただきたいと思いますし、最初だけ打ち上げて、それできちんと検証しないということはないでしょうから、これは知事にいうべきことなのかもしれませんけれども、最初に大きな打ち出し方をしたのであれば、その結果がどうなったということも含めてきちんと検証して、都民への説明責任を果たしていただきたいということを求めたいと思っています。
 さて、次に労働相談について伺いたいと思います。
 先日、立川市に開設された多摩地域雇用就業支援拠点を視察させていただきました。
 一方で、これまでは拠点のあった国分寺、八王子はなくなってしまいます。そこで、改めて、この労働相談の八王子や国分寺での昨年度の実績を伺います。

○山崎雇用就業部長 令和三年度の労働相談情報センター国分寺事務所における労働相談件数は三千四百五十六件、八王子事務所の労働相談件数は四千二百八十一件でございました。

○中村委員 立川はまだできたばかりですし、いろいろ機能は集約されるので期待はしたいと思っているんですが、今後、例えばこの八王子と国分寺の数を足し込んだ数字より、もし少なくなるようだったら、やっぱり場所的なもので不便で行けなかったのかなということもあると思います。オンラインでできるというところもあるんだろうと思いますけれども、改めて相談しやすいような体制というのを取っていただきたいと思っています。
 また、地域にしてみれば、残されたこの国分寺、八王子の施設をどうするのかということも気になっていまして、そこそのものをいろいろと貸し会議室とか、いろんなことに使っていたということもあると思いますので、ぜひここも地域の皆さんの声を聞いていただいて、できるだけ何か活用できるような方法を取れればと思っていますので、そのことも要請したいと思っています。
 次に、介護離職についての対応について伺いたいと思います。
 お仕事をしている方で介護されながら仕事をするというのは大変だと思っていますし、とはいっても介護と仕事の両立ということができるようになっていかなければならないとは思っています。
 知事は公約で介護離職ゼロということを掲げていましたが、目立ってそういったことに向けての対応をしているというふうにはなかなか見えてこないわけですけれども、ともかく各部で、担当の方で介護離職への対応はしていただいていると思っています。
 そこで、決算年度におけるこの介護離職への対応についての取組と実績を伺います。

○内田事業推進担当部長 都は、介護離職防止のため、企業への奨励金の支給やシンポジウムを開催しておりまして、令和三年度の奨励金の支給件数は、介護休業の取得を促す奨励金が二十五件、職場環境づくりや休暇制度の整備に関する奨励金が二百四十九件となりました。
 また、オンラインで開催をいたしましたシンポジウムにおきまして、企業の取組事例などを紹介し、経営者や人事労務担当者など百六十四名が参加いたしました。

○中村委員 様々取り組んでいただいているんですけれども、実際介護離職ゼロにつながっているかどうかというのは、なかなか見えてはきません。
 そもそも国の方で統計を取っていて、全国で十万人近い方がいらっしゃると思いますが、そこから都の方も数字を持ってきていると思うんですが、都としても私は把握をした方がいいのではないかというふうに思っています。
 なかなか介護をしながら働いている人も大変な思いをしていらっしゃいますし、介護離職ゼロを知事が掲げたことに期待されていらっしゃる方もいると思いますので、ぜひ私としては、この介護離職ゼロということをもう少し、本当にその数字を目指して取り組んでいくぐらいが必要だと思いますので、そのことを求めておきたいと思っています。
 次に、中小企業の制度融資について伺いたいと思います。
 中小企業の制度融資の昨年度の実績は、対予算では九八・四%と高い執行率でした。
 都の予算は約二千億円で、ほぼ執行されましたが、融資実績は目標の二兆二千億円に対して半分の一兆円と、半分以下でした。その理由について伺いたいと思います。

○戸井崎金融部長 令和三年度は、コロナ禍における中小企業の資金繰りに万全を期すとともに、将来に向けた様々な取組を柔軟にサポートできるように、融資目標額を約二兆二千億円として中小企業への支援を着実に行いました。

○中村委員 なかなかちょっと分かりづらいお答えだったんですが、目標額を多めに計上したということでしょうか。
 過去の決算数値を改めて見返すと、例年融資実績は一兆円強で推移をしていたようですが、昨年度は相次ぐ補正予算で四兆円もの巨額になっていました。
 そんないろんな事情もあって今年は二兆円ということを設定したんだと思うんですけれども、そういった個々に見ればいろいろと足りる場合もあれば、まだ厳しい状況もあるかと思っています。中身の方の検証を行っていただいて、今後への対応に備えていただきたいと思っています。
 特に、コロナ禍で無利子、無担保での貸付けなども行われましたが、その結果、中小企業の経営がどうなっていったのかということが大変気になります。引き続き、コロナ禍における影響や今後返済時期が迫る中での対応が懸念されますが、都としての令和三年度の対策について伺います。

○戸井崎金融部長 コロナ禍の影響を受けた事業者の経営を下支えするため、制度融資により金融機関が融資を行った上で、その後の経営改善を一定期間サポートいたしました。
 また、資金繰りに関する相談対応を行ったほか、都内の金融機関に対し中小企業の実情を踏まえた対応を要請いたしました。

○中村委員 まだまだコロナ禍もあれば、円安、物価高等、本当に厳しい状況が続いていきますので、ぜひ丁寧な対応、サポートの方をお願いしたいと思います。
 次に、都市農業について伺いたいと思います。
 東京における農業はほぼ都市農業であり、狭小な農地の中で努力をされています。農地は農業だけではなく、環境、防災、教育、景観など、多面的な機能があります。
 頑張っている農家が営農を継続できるよう、販売先の確保に向けた支援をしっかりと行うことは重要だと考えますが、決算年度の取組と成果を伺います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、都市農業の持続的な発展に向けまして、農業者の販路拡大を支援しております。
 昨年度は、農家が新たな販路を開拓する取組などに対して助成を行い、ホームページの制作やEコマースへの出店など、四十七件の取組を支援いたしました。
 また、バイヤーなどの経験を持つナビゲーターが農業者と百貨店やレストラン等とのマッチングを行いまして、十七人が延べ二十六件の新たな取引を開始しております。

○中村委員 本当に頑張っている農家の方がいらっしゃいますので、ぜひとも支援の方を引き続きお願いしたいと思います。
 とはいえ、農地の方はどうしてもやはり減っていきます。特に相続の関係でどんどんと減っていってしまいます。どうしても、地域を見ていても、緑地といってもやっぱり農地が多くあって、よく地域の方からいわれるのが、だんだん、最近宅地化が進んで緑地が減ってきたので何とかしてほしいということをいわれるんですけれども、公共用地がなくなっているわけではなくて、そういう誰かが耕して営農している農地がなくなっていっているわけで、そういった点では、この農地をいかにするかということは大変なことかと思っています。
 そういった中で、都の方では市区の生産緑地買取・活用支援事業というのをやっているんですが、昨年度の成果を伺いたいと思います。

○山田農林水産部長新型コロナウイルス感染症対応事業推進担当部長兼務 都は、区市や農業団体への事業説明会を開催するとともに、個別の相談の要望があった場合には詳細な説明を実施いたしました。
 なお、年度末時点で区市からの申請はございません。

○中村委員 どうしても区市の方を補助するという制度なので、そちらから申請がないとできないということではあるんですけれども、本当に都市に残された貴重なこういった空地、緑地ですから、それを何とか残していけるようにやっていっていただきたいと思います。
 場合によっては、これはタイミングが合わないということもあるのかもしれませんし、ひょっとしたら補助率が高くなくて、半分だと高いと思うんですけれども、それをもっと高めるとか、工夫すれば変わるということもあるかもしれませんので、いろんな検討をしていただきたいと思っています。
 生産緑地、じゃあ買い取ってどうするのかということもあると思うんですが、都市において営農したいという方もいらっしゃって、そういった場所を借りるにもなかなか倍率が高くて当たらないという方も多かったりもしています。
 希望される方も多いと思いますので、公の方でこういった緑地、農地は確保していくというのも大事なことかと思いますし、ニーズもあると思っていますので、ぜひさらなる工夫等をしていただければと思います。
 以上で質問を終わります。

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