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都議会質問記録

2022/11/22 都市整備委員会で住宅政策について質問しました

2022年11月22日、都議会都市整備員会が開かれ住宅政策本部の事務事業について質問しました。住宅政策は最大の福祉政策であり地価が高い東京において家賃補助制度の創設や、超高齢社会の到来に向けサービス付き高齢者向け住宅やシルバーピアの増設も求めました。また、都営住宅について地域との交流促進や太陽光パネルの設置を提案しました。

1 住宅政策について

問1:住宅政策本部の事務事業について質問します。
2019年4月から都市整備局から住宅政策本部が分かれました。ハード整備の局から独立した意義として、ハードとソフトを融合した役割を担ったと考えています。衣食住の中で「住」が金額的には大きく、住宅政策は最大の福祉政策でもあります。大がかりな組織改正をして3年半が経過しますが、都市整備局にあった時とは違う組織の意義があってしかるべきと考えますが見解を伺います。

答弁1への意見:以前の都市整備局はかなり大きく、都市の基盤整備が中心でした。住まいは生活と密着しているので、ソフトに寄った体制にすべく切り離したと理解しています。少子高齢化時代になる中で、より一層福祉部門との連携を強め、安心して住み慣れた地域に住み続けることができる社会を目指していただきたいと思います。

問2:東京は地価が高く欧米に比べて住宅が狭いと言えます。新型コロナ感染症が始まって3年近くになります。テレワークが増えるなど、家にいる時間が増えると狭さを実感します。よく経済的な指標で家計に占める食費がエンゲル係数として示されますが、民営借家の世帯において、住居費が家計に占める割合はどのくらいでしょうか。住居費の家計に占める割合を下げるような方向づけが重要ですが見解を伺います。

答弁2への意見:都では単身者世帯を除く調査結果しかないようです。おそらく単身者世帯の調査があれば、もっと住居費の割合が高くなるのではないかと思います。今、単身者世帯が急増していますし、国民年金で暮らしている方々には、満額でも7万円ですから、都営住宅に入れず民間住宅に住むと、年金はほとんど家賃の支払いに充てられることになります。これでは大変生活も厳しくなるので、あらためて社会情勢の変化に対応して、住宅政策本部として単身者世帯を含めた家計に占める住居費の割合を調査し、データに基づいて対策を立てることが必要と考えます。もとより賃金が上がることが必要ですが、一方では家賃が高くならないか、または、公的な支援を行うことが必要になります。

問3:低所得者の住宅政策としては、家賃補助が必要としてたびたび議会でも主張してきました。住宅確保要配慮者の入居を拒まない民間賃貸住宅として「ささエール住宅」での家賃低廉化に期待したのですが、まだまだ十分な確保は少ないと言えます。生活保護を受給しないと家賃を補助する制度は現在はなく、都営住宅は何回申し込んでも当選しない人もいます。あらためて、家賃補助制度を創設すべきと考えますが見解を伺います。

答弁3への意見;都営住宅は住み慣れた地域での入居を望んでも倍率が高くて入れず、場所を選ばなければ入れますと言われても、高齢になると交通が不便な地域への転居は困難です。「ささエール住宅」の家賃低廉化への取り組みは、今後に期待はしているのですが、現状はまだ十分とは言えません。都営住宅は民間賃貸住宅への入居が困難な事例もあるため必要とは考えますが、都はこれ以上戸数を増やさないという方針のようですから、空き家なども多くあるため家賃補助制度の導入が現実的と考えます。今回も残念ながら家賃補助については前向きな答弁は得られませんでしたが、継続的に主張していきますので、是非、ご検討をお願いします。

問4:空き家問題の解決策でもあり、住宅費を下げることにもつながると期待される中古流通市場について伺います。新築を購入することを希望するのは当然ですが、一方では、より安い値段で中古住宅を希望される方もいます。しかし、実際にはそれほど流通は進んでいません。都は現状と課題をどう認識し、どのように対応するか、伺います。

答弁4への意見:中古住宅を購入される方はわずか1割強とのことです。税制などの仕組みがあるにせよ大変低くまだまだ課題があります。新築の方が建設業界にはよいのですが、もちろん中古市場が育てばリフォームの需要などもあります。環境的にも見てもまだ住める家を壊して作り直すことが必ずしも良いわけではありません。民間がメインになる話だとは思いながらも、行政として中古住宅流通市場の育成に取り組出いただくことを要望します。


2 公社住宅について

問5:都営住宅は低所得者対策でもあり、民間賃貸住宅に入りくい方々が入居します。現在、都は老朽化した都営住宅は建て替えますが、新築はしない方針です。一方、東京都住宅供給公社が公社住宅を運営しています。民間住宅も空き家もあるなかで、現在の公社住宅の意義は何でしょうか、伺います。

答弁5への意見:都営住宅が26万戸に対して、公社住宅も7万戸あります。公社の自主運営とはいえ、公社は都の100%子会社ですから、取り組みには当然公共性が求められます。住宅難の時には、都営住宅の所得階層よりももう少し上の所得階層のために必要だと思いますが、今は、民間住宅も多くあるため、必要でないということではなく、民間も含めて選択肢の一つになります。もちろん公がやっているという安心感があることが住む方にとっての魅力の一つではあると思いますが、都として都営住宅と公社を含めてどこに力を注ぐかの選択だと思います。

問6:公社住宅の役割が時代とともに変わると、将来的には建て替え時に都営住宅に転換することもあるかと考えますが見解を伺います。

答弁6への意見:住宅確保要配慮者向けなどは良い事例だと思います。住んでいる方がいる以上はすぐに都営住宅になることができないとは思いますが、その時代時代で民間ではできないところを補っていくことが重要だと思います。都庁グループという点では、公社に任せきりではなく、都営住宅、公社住宅を含めた都の住宅政策として政策立案していただきたいと思います。

3 超高齢社会への対応について

問7:超高齢社会に向けた住宅対策は重要です。民間賃貸アパートを借りようとしても70歳を超えると収入がいくらあっても孤独死すると事故物件になってしまうことへの懸念もありなかなか契約してもらえません。民間の保証会社の活用を支援するなど高齢者が賃貸住宅を借りやすくすべきと考えますが見解を伺います。

答弁7への意見:居住支援協議会はまだ設置されていない自治体もあります。しかし、住まいの問題は市区町村だけの範囲ではないので、都として設置を強制はできないものの、できれば全市区町村に設置していただけるよう支援策を講ずることで促していただきたいと思います。さらには、保証会社の活用もどの自治体に住んでいてもできるよう自治体を通じての支援に取り組んでいただきたいと思います。

問8:介護施設ではなく、住み慣れた地域に住み続けることができる住宅として、サービス付き高齢者向け住宅、いわゆる「サ高住」の登場には期待されました。ただ、家賃が高いものも多く、誰でも入れるというわけではないとも言われます。サ高住について、期待された通りの成果が出されているのか伺います。

答弁8への意見:住宅数は管理増え、一定の寄与はしているとのことでした。しかしながら、住宅マスタープランの計画では、2030年度末までにサ高住などを33,000戸に増やすという目標になっていますので、引き続き促進していただきたいと思います。

問9:「サ高住」は、本来、健康状態に問題の少ない人が住み、生活を見守ることが想定されましたが、実際には要介護者の受け皿になっているという状況もあります。充実したサービスが求められる一方、費用もあがってしまいます。見守りの重要性から安易な緩和もすべきではありません。「サ高住」本来の見守りサービスの質が維持されるようなサ高住の供給を促進すべきと考えますが都の見解を伺います。

答弁9への意見:サ高住は介護施設ではなくあくまで住居なので、生活支援や見守りなどの取り組みを強化することで、いつまでも元気で暮らせるようにすることが重要です。引き続き福祉部門との連携を強化していただくことを求めます。

問10:都営住宅の高齢者対策としてシルバーピアがあります。東京都住宅マスタープランにも「高齢者の居住の安定」として「区市町村と連携し、シルバーピア事業を実施」と記載されています。都営住宅においてサ高住のような機能を果たしており、設置促進すべきと考えます。現状どのくらいの戸数があり、今後、区市町村と連携して増やせないか、見解を伺います。

答弁10への意見:シルバーピアとしてサービスが受けられるとことを分けているのですが、都営住宅に住む方のうち高齢者の割合は高いため、一定の要件があって申し出があればサービスを受けられるようにすることは必要だと思います。市区町村とも連携して積極的に取り組むことを求めます。

問11:都営住宅は自治会に管理が任されていますが、一方では菜園できないという矛盾もあります。民間のマンションであれば用途は住民が決められますが、都営住宅は管理だけ任され自由に使えません。それであれば地元自治体を通じて敷地を農地として貸し出すか、近隣の人と一緒になってガーデニングを楽しむとか、地域との交流という点から見ても有効な活用法があると考えますが、見解を伺います。

答弁11への意見:現状では菜園どころか花を植えてもいけないと言われてしまいます。先行的に2団地で花壇の整備を行うとのことですが、花壇をつくりたい方も多いと思いますし、それは、近隣の方でもガーデニングをやりたい方はいます。自治会の高齢化もあり、また、業者を使ったりせずとも、団地の希望者と近隣の希望者で募れば、お金もかからず、近隣とも親睦も広がり、一石二鳥です。発想を変えて取り組んでいただくことを求めます。

問12:都営住宅の住民が地域と連携すること重要です。都営住宅の自治会内での交流も重要ですが、地域との交流も重要です。都が集会所を使ったイベントとして「東京みんなでサロン」を行ったことは評価しますが日常的な交流が重要です。都営住宅の集会所は地域にとって貴重な資源ですが、イベントの実施だけではなく、日常的に地域に利用を開放することで自主的な交流も深まるため、地域開放を一層進めるべきと考えますが、見解を伺います。

答弁12への意見:都営住宅には自治会がありますが、自治体全体として地域との距離が開いてしまっている感じがします。もちろん民間のマンションでも同様のことがあるのでしが、もう少し広い目で見ての地域という点でいうと、地域の町内会の中に自治会が島のように浮かんでいるのではなく、地域との連携が必要です。集会所の開放は一つのきっかけだと思います。都営住宅の中だけで完結したコミュニティだと若い人も入れたいとなりますが、もう少し地域全体を広い目で見て、地域での支えあいの社会ができるような取り組みを求めます。

4 都営住宅への太陽光パネルの設置について

問13:都営住宅における太陽光発電設備設置について質問します。第4回定例会では知事から太陽光パネルの設置を義務化する条例案が提案され話題を呼んでいます。それに先立ち、都は都有施設への設置を進めています。
これまで都営住宅では、建て替え住棟を中心に太陽光発電設備の設置が進められ、1棟あたり約5kwの発電能力をもつ太陽光発電設備が設置されてきました。
脱炭素社会の実現に向け、都内に多くの団地を持つ都営住宅においては、その屋上を活用して太陽光発電設備の設置を積極的に進めるべきです。
そこで、都営住宅における太陽光発電設備の設置と取り組み状況について伺います。

答弁13への意見:今年度は、既存住棟約100棟に設置するとのことで、既存の都営住宅についても取り組みが前進していることがわかりました。
 今回、都が民間住宅への設置を義務化するのはあくまで新築住宅です。しかし、圧倒的に戸数としては既存住宅の方が多くあります。都営住宅も同様ですが、既存住棟への設置は、建設時の設置に比べて、多くの手間がかかると考えます。

問14:既存住棟への太陽光発電設備の設置を進めるにあたって、どのような課題があるのか伺います。

答弁14への意見:設置棟数、発電能力が増え、事業規模が大きくなっていくと、経済性の工夫は重要と考えます。

問15:都営住宅は古い住宅も多く、近い将来、建て替えが検討されるような住棟に設置することは、経済性を考えると適切ではないと考えます。太陽光発電設備の設置対象とする住棟について、どのように考えているのか伺います。

答弁15への意見:設置にあたっては、新たな技術革新による工法の導入や費用面での工夫なども是非行っていただき、設置をさらに推し進めていただくことを要望して質問を終わります。

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