2022/11/28 渋谷の宮益坂地区の再開発について質問しました
2022年11月28日、都議会の都市整備員会に出席し、次回都市計画審議会に付与される案件について説明を受け質疑しました。渋谷駅の宮益坂地区における再開発について質疑をしました。都市再生特別地区にあたり33階180mのビルが建つことになるため、災害時の対応、近隣住民への説明など含めて聴きました。
Q1 都市再生特別地区について渋谷の宮益坂地区の再開発について質問します。
渋谷駅周辺は急速に開発が進んでいます。数年前に建設されたヒカリエに続いて渋谷駅の東側に地上33階、180mの超高層ビルが建設される計画になっています。渋谷が大きく変わる中で、開発が進めばさらに多くの人を呼び込みます。ビルそのものにも多くの人が入り、単位面積あたりの集積度は一層増すことになります。もちろん建物が上に伸びれば床面積も増えるのですが、いくら対策をとっても電気や水道が止まったりするなど様々な想定外の出来事は起きうるものです。新型コロナ後、3密を避けるためにゆとりあるまちづくりが求められる中で防災対策は最重要課題の一つなのは言うまでもありません。
さらに、ビルに入る人だけではなく、多くの高層ビルが立ち並ぶと相乗効果も生まれ、人が人を呼び多くの人がまちに来るようになります。最近では渋谷のにぎわいを求めてまた人が集まります。スクランブル交差点にはハロウィン、大晦日だけではなく、昨日は残念ながらサッカーのワールドカップは日本が負けましたが、多くの人が渋谷で試合を見て、日本が勝っていれば大きな騒ぎになっていて可能性もあります。今回もそうですが大きなビルが建つ場合、とりわけ、かなり容積率が積み増されることで、これまで以上の人の流入への対策、とりわけ災害時の対策が必要になります。人が最も多く集まるときに多いな災害が起こる場合を想定した対策が必要です。
宮益坂地区では、基準容積率が814%のところ、都市再生への貢献の評価により736%緩和され、容積率が1550%になります。都市再生特別地区の事業として、防災対応力強化は、行って当然ともいえます。
この開発が面している渋谷駅周辺では、災害時には多くの帰宅困難者であふれると思いますが、この開発ではどのような取り組みが計画されているのか伺います。
A1 渋谷駅周辺では、行政や開発事業者、鉄道事業者から構成される「渋谷駅周辺地域都市再生緊急整備協議会」により、渋谷駅周辺地域都市再生安全確保計画が策定されており、大規模災害発生時における混乱を防ぎ、円滑な退避誘導等を行うため、基本となる一時退避誘導計画などを定めている
具体的には、発災後は、駅周辺の混乱を避けるために駅から離れる方向に誘導し、滞留者をあらかじめ定められた宮下公園などの一時退避場所に退避させることとしており、その後、交通機関の途絶などで帰宅できない帰宅困難者を、受入誘導員の指示に沿って、複数の帰宅困難者支援施設、いわゆる一時滞在施設で受け入れる
当地区では、駅からの視認性・近接性を生かし、A街区の地上・地下に災害情報発信機能を設け、アーバン・コア等の歩行者ネットワーク等も活用しながら、一時退避場所への円滑な誘導を実施
備蓄物資や非常用発電機を備える、最大3日間の受入が可能な帰宅困難者支援施設を約2,000㎡整備し、地域の防災対応力強化を図る
A1の答弁への意見:地域の防災対応力強化を図るとのことで、2千㎡で1,200人強の帰宅困難者の方が収容できるようです。しかし、災害時にはさまざまなことが起こりうるので事前の予想通りにはいきません。避難についても区だけではなく、都としてもしっかりと関与し、大型の開発の際には最悪の災害時の想定をし、開発の段階から事前に対応することを求めます。
Q2 大型のビルが建つと、日陰や景観の件、また人流の増加や災害対策など近隣にも大きな影響を与えます。
都心部なので、近隣に住む人は少ないかもしれませんが、そうした人々の声を聴くことも重要です。これまで、この開発に関連してどのように近隣の方々の意見を聴いてきたのかでしょうか。また、今後は、どのように対応していくのか伺います。
A2 本年6月に、再開発準備組合が都の運用方針に基づき、区域境界線から建物高さの2倍の範囲内に居住する方及び土地又は建築物に関して権利を有する方を対象に説明会を開催するとともに、説明動画をホームページで公開し、近隣の方々からご意見・ご質問を伺ったと報告を受けている
渋谷区においても、まちづくり条例等に基づく意見交換会を開催し、住民等の意見を反映させるための必要な措置を講じている
加えて、再開発準備組合からは、地元町会や既にご意見をいただいている近隣の方々とは話し合いを進めており、今後も工事前に説明会を開催するなど、丁寧に説明していくと聞く
建物の竣工後においても、避難訓練や清掃活動など、近隣の方々の生活を支える取組について、渋谷区や地元町会、まちづくり協議会等と調整し、連携を図っていくと聞く
A2の答弁への意見:都市再生特別区だからといって、すべてが公共のために犠牲になるということでもありません。当然、以前から住んでいる方々の生活環境を守ることも重要です。そのためにも地域の方々の意見を丁寧に聞き、反映させることが重要です。渋谷だけに限りませんが、開発事業者は再開発を行うまでですが、近隣の方々は事業が終わった後も長く付き合っていくことになるわけです。ぜひ、近隣の方の声を丁寧に聞いていただき、開発後にも継続して良好な関係が築けるよう取り組むことを求めて質問を終わります。
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