2022/10/26 決算で住宅の耐震化、環境基本計画を質問しました
2022年10月26日、都議会の決算特別委員会の第三分科会に出席しました。担当の住宅政策本部、環境局について質問しました。マンションの耐震化、都営住宅の耐震化、エレベーターの設置、環境基本計画、リサイクル、マイクロプラスチック、玉川上水の清流復活事業を取り上げました。
◆住宅政策本部への質問
○中村委員 それでは、住宅政策本部について質問いたします。
まず、都営住宅からです。
都営住宅では、地震などの災害対策として停電によるエレベーター内の閉じ込め防止やブロック塀の安全対策、また、省エネルギー対策として共用部のLED化の取組が進められています。これらの取組の全てで目標が定められています。
本日は、令和三年度末時点の状況の確認をしていきたいと思います。
まず、地震等の災害時における安全対策です。
都営住宅のエレベーターへの停電時の対策について、この対策の具体的な内容は、地震などによる停電時にエレベーターが停止し、乗っていた方がエレベーター内に長時間閉じ込められることがないよう、エレベーターに停電時自動着床装置を設置するものです。この装置を設置することにより、エレベーターは停電になった際に最寄りの階に停止し、扉が開くことにより中に人が閉じ込められず、安全に避難できます。
令和二年度末時点の設置率は約七四%でした。そこで、都では、令和六年度末までに都営住宅のエレベーターへの停電時自動着床装置の設置率八五%以上を目標としていますが、これまでの取組と進捗状況について伺います。
○小林営繕担当部長 平成二十年度の建て替え工事及び既存住棟への昇降機棟の増築工事から、停電時自動着床装置付エレベーターの整備を開始いたしました。また、平成二十一年度からは、既存エレベーターの改修に合わせまして本装置の設置を開始し、さらに平成二十三年度以降、東日本大震災で長時間の閉じ込めが発生した状況を踏まえまして、それ以外の既存エレベーターについても設置を進めてきました。
こうした取組により、令和三年度末時点での停電時自動着床装置の設置率は約七八%となっております。
○中村委員 令和二年度末時点より設置率が約四%上昇していることが確認できました。引き続き目標達成に向け計画的に設置を進めていただくことを求めます。
次に、都営住宅のブロック塀の安全対策についてです。
以前、大阪北部地震の際に、通学中の児童がブロック塀の下敷きになり、犠牲になる事故が発生したことを受けて、都は、都有施設のブロック塀などの緊急点検を行い、撤去などの安全対策をすることとしています。
令和三年九月三十日時点で、まだ約三割残っているとのことです。地震はいつ発生するか分からないので、早期に全ての撤去をすべきです。
そこで、都営住宅のブロック塀などのうち、通学路を含む不特定多数の方が通行する道路等に面する塀について、第一優先で撤去等の安全対策を実施することとしていますが、これまでの取組と進捗状況を伺います。
○小林営繕担当部長 平成三十年度に発生した大阪北部地震によるブロック塀等の倒壊事故を踏まえて、同年度に都営住宅のブロック塀等を対象に緊急点検を行った結果、通学路を含む不特定多数の方が通行する道路等に面している、現行法規に適合しないブロック塀等が六十二団地六十八か所で確認されました。
平成三十年度から撤去等に着手し、令和三年度は二十二団地二十五か所で撤去等を行い、安全対策が完了いたしました。
○中村委員 令和三年九月末から三月末までの半年間で約三割進め、全て撤去したことは評価できます。道路に面するブロック塀の安全対策完了し、安心をいたしました。
次に、省エネルギー対策について伺います。
都営住宅の省エネルギー対策の取組について、都は、省エネルギー対策として都営住宅の共用部のLED化を進めています。国のエネルギー基本計画では、LED照明については、二〇三〇年までにストックで一〇〇%の普及を目指すこととしており、都においても、二〇三〇年までにLED化一〇〇%を目標として取り組んでいます。
そこで、都営住宅における共用部のLED化について、これまでの取組と進捗状況を伺います。
○小林営繕担当部長 都営住宅の共用部のLED化については、平成二十七年度の建て替え工事から、既存住棟についても平成二十九年度の照明器具の改修工事から開始しており、計画的に進めております。
設置率については戸数ベースで算出しておりまして、令和三年度は約二万二千二百戸に設置し、令和三年度末時点の累計は約六万九千九百戸、設置率は約二七%となっております。
○中村委員 メーカーでは、既に蛍光灯の照明器具の製造を中止しているメーカーもあると聞いています。地元自治会からも、蛍光灯を探すのに苦労しているという声もいただいています。LED化は、省エネのみならず自治会の電気代の負担軽減にもつながるので、引き続き計画的に進めていただきたいと思います。
次に、都営住宅における高齢化について伺います。
大分、高齢化が都営住宅も進んでいまして、住宅政策本部としても、高齢化の課題には、鋭意取組を行っているものと思います。その一つに買物弱者支援事業もあり、現在、都内七十一の移動販売が実施されています。
また、高齢者の孤立化を防ぐためには、高齢者が団地内や地域の人々とつながりを保ちながら暮らしていくことも必要であり、地域の居場所づくりも求められています。
都は、令和三年度に、都営住宅の集会所を活用して、東京みんなでサロンの先行実施を行っていますが、その実績と具体的にどのような居場所づくりが行われたのか伺います。
○都築経営改革担当部長 都は、都営住宅の集会所等を活用し、様々な人々の交流の場として地域の居場所づくりを進めるため、令和三年度に市区等と連携して、東京みんなでサロンを一市四区の五か所で計五十五回実施いたしました。
具体的には、高齢者のフレイル予防のための十の筋トレという健康体操教室や、高齢者をはじめ地域の方が気軽に立ち寄れる、ほんわカフェというコミュニティカフェなどが定期的に開催され、多くの団地居住者や地域住民の方が参加し、交流の機会となりました。
○中村委員 ホームページを拝見しますと、現在十三か所で開催されており、四十八か所で運営事業者が募集されているとのことです。コロナ禍で、それまで運営されてきた地域の居場所が閉鎖されたり、一緒に食事を楽しむことができなくなったりして、定期的に顔を合わせていた方と会えなくなって、お互いに心配しているという声もこの間、聞いてまいりました。
この東京みんなでサロンは、都営住宅やその近隣住民のつながり、支えに寄与するものと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、セーフティーネット住宅である東京ささエール住宅について伺います。
昨年度はどのような取組を進めてきたのか、また、年度末時点での専用住宅の戸数について伺います。
○鈴木民間住宅部長 都は、昨年度、住宅セーフティーネット制度に基づいて、改修費補助や家賃低廉化補助など国の補助制度を活用する市区へ財政支援を行ったほか、都独自の取組として、専用住宅の登録等を条件とした登録協力補助を実施するなど、貸主を直接支援する取組も行ったところでございます。
また、二か年のモデル事業として、貸主の不安軽減と住宅確保要配慮者の円滑な入居につながる居住支援法人の取組を支援する安心居住パッケージ事業を開始いたしました。こうした取組等により、昨年度末時点の専用住宅の戸数は六百四十二戸となっております。
○中村委員 専用住宅の戸数は、令和元年度末で四百九十一戸、二年度末で五百九十八戸とのことでしたので、増えていることは分かりました。
専用住宅の政策目標は、二〇三〇年度末で三千五百戸を目標にしているとのことです。この事業は、住宅困窮者にとってはもちろんですが、貸主側にとっても、空き家、空き室の有効活用とともに社会貢献の意味もある、意義のある制度だと思います。
目標達成のためには、あと八年ですから、かなり力を入れていく必要がありますが、それには市区町村の取組が欠かせません。住宅政策に力を入れている市区町村とそうでもない市区町村との温度差があるようにも思います。居住支援協議会の立ち上げもまだ進んでいない市区町村もありますので、引き続き、協議会を立ち上げて福祉部門と連携していくことの重要性を啓発していただくよう要望いたします。
次に、マンションの耐震化について伺います。
いつ来るか分からない地震への備えは重要であり、全ての建物が耐震化されることが、一昨日の都市整備局の決算の質疑では、緊急輸送道路の沿道建築物とそれ以外の住宅については取組を質問しました。住宅政策本部が設立されて、マンションの耐震化についてはこちらに担当が変わったので、本日質問します。
まず、マンションの耐震化の目標と耐震化率の現状について伺います。
○越智民間住宅施策推進担当部長 東京都耐震改修促進計画では、分譲マンションの令和元年度末の耐震化率は九四・四%であり、令和七年度末に耐震性が不十分なマンションをおおむね解消することを目標に掲げております。
○中村委員 都として、緊急輸送道路の沿道の建築物が倒壊すると道路を塞いでしまうとして、公共性が高いということで取組を優先しているわけですが、そうではないマンションだとしても、もちろん住んでいる方の命は大事ですし、万一マンションが倒壊するようであれば、周辺にも被害がないとは限りません。
目標として、最終的におおむね解消ということでしたが、困難であったとしても、一〇〇%達成を目指して取り組むことが重要だと思います。
耐震化を進めるためには、毎年着実に取り組むことも重要です。そこで、決算年度の令和三年度におけるマンションの耐震化についての補助の実績を伺います。
○越智民間住宅施策推進担当部長 都は、区分所有者の耐震化に要する費用負担の軽減を図るために、東京都マンション耐震化促進事業により、市区が行う耐震アドバイザー派遣や耐震診断、耐震改修を財政的に支援しております。
令和三年度の助成実績でございますが、耐震アドバイザー派遣制度については二十四件、耐震診断助成については四十六棟、千五百九十六戸、耐震改修助成については四十二棟、二千三百十三戸でございました。
○中村委員 市や区と連携して取り組んできたという実績については分かりました。
しかし、耐震化を進めるのは容易ではないということはあると思いますが、これは何とかやっていかなければなりません。改めて、マンションの耐震化を進める上での課題をどのように認識しているのか伺います。
○越智民間住宅施策推進担当部長 マンションの耐震化を進める上での課題として、耐震化には関心があっても、多数の区分所有者による合意形成が難しいことや、積立金等に余裕がなく、すぐには耐震改修等の実施には至らないマンションがあることなどが挙げられます。
○中村委員 このマンションの耐震化は、民間建築物ですから、最終的には所有者の合意ということになるんだと思います。大変なことだとは思いますが、マンションそのものの高齢化もあれば、住民の高齢化ということもあると思います。かなりこれは時間もかかり大変なことだと思いますので、早め早めに着手いただいて耐震化の方を進めていただくよう要望いたします。
今、民間のマンションの耐震化について伺いましたが、次に、都営住宅の耐震化についても伺います。
都は、都営住宅耐震化整備プログラムで、令和七年度末までに都営住宅の耐震化率を一〇〇%とする目標を掲げて取り組んでいます。耐震化に当たっては、当然耐震改修が必要なのですが、一階部分の分譲店舗が併設されている住棟については、店舗権利者との合意形成が必要であることから時間を要しており、進めるための取組を行っていると聞いています。
そこで、併存店舗付住棟の耐震改修に向けた取組状況や進捗状況について聞きたいと思います。
まず、令和三年度時点の都営住宅の耐震化率について伺います。このうち、併存店舗のない住棟と併存店舗付住棟のそれぞれの耐震化率を伺います。
○小林営繕担当部長 令和三年度末時点での都営住宅の耐震化率は、戸数ベースで九七・五%となっております。このうち、併存店舗のない住棟の耐震化率は九八・九%、併存店舗付住棟の耐震化率は五五・六%となっております。
○中村委員 都営住宅全体の耐震化率は、令和二年度末時点での耐震化率が九六・六%であったことから、着実に進んでいることは確認できました。
そのうち、併存店舗のない住棟はほぼ耐震化が完了し、併存店舗付住棟についても、令和二年度末時点での耐震化率が四八・七%であったことから、七%上昇しており、進捗していることが確認できました。
しかし、耐震化率を確実に上げるためには、課題となっている併存店舗付住棟の店舗権利者と合意形成を図り、耐震改修につなげていくことが重要です。
そこで、併存店舗付住棟の状況を確認したいと思います。
まず、耐震改修対象となっている併存店舗付住棟の棟数について伺います。
○小林営繕担当部長 令和三年度末時点で、耐震改修対象の併存店舗付住棟は四十三棟となっております。
○中村委員 対象となっているのが四十三棟とのことですが、この耐震改修対象となっている併存店舗付住棟の進捗状況について伺います。
○小林営繕担当部長 併存店舗付住棟の耐震改修を進めるには、改修工事の内容や費用負担などについて、区分所有している店舗権利者の合意を得る必要がございます。
都は、合意形成を加速させるため、平成三十年度から一部の店舗を買い取り、その内部を補強することで、買取り対象以外の、引き続き営業継続を希望する店舗権利者の費用負担や営業への影響を軽減する取組を進めています。
令和二年度末までに全四十三棟、三百七十三区画の権利者に対して改修内容などの説明を終え、令和三年度末時点で転出を検討するとの申出があった二百三十二区画の権利者のうち、九十八区画の方と買取り契約を締結することができました。
併存店舗付住棟の耐震改修の進捗については、令和三年度末時点で全四十三棟のうち、設計中が十一棟、工事着手予定が二棟、工事完了が六棟となっております。
○中村委員 都が取り組んでいる、分譲店舗を一部買い取る買取り制度の内容を確認できました。また、耐震改修対象の併存店舗付住棟四十三棟について、店舗の買取りの状況や店舗権利者との合意に向けた取組を着実に進めており、設計、工事に進んでいる住棟も確認できました。
店舗権利者に合意していただくことは、相手の状況がそれぞれ異なり、難しい場合もあると思いますが、引き続き丁寧な説明を行っていただき、合意形成を進め、目標達成に向け耐震化を進めていただきたいと思います。
次に、都営住宅の既存住棟へのエレベーター設置について伺います。
以前、私の地元でも、自治会がエレベーター設置を要望している団地があり、設置に当たっては様々な課題があったことから、このたび設置状況や設置に当たっての課題などについて聞きたいと思います。
まず、令和三年度に既存都営住宅でエレベーターを設置した住棟数とエレベーターが設置されている都営住宅の住棟の割合を伺います。
○小林営繕担当部長 令和三年度に既存都営住宅でエレベーターを設置した住棟数は三十一棟でございます。また、令和三年度末時点でエレベーターを設置している住棟の割合は、管理戸数に対するエレベーター設置住棟の住戸数の割合で算出しており、その割合は八〇・八%となっております。
○中村委員 昨年度の設置棟数と都営住宅での設置割合について確認をいたしました。
毎年度エレベーターの設置が進んでいるものの、設置されている住棟の割合が約八〇%であることは、設置に当たっての課題があるのではないかと思います。
そこで、既存都営住宅へのエレベーター設置について、どのような基準で進めているのか伺います。また、設置に当たっての課題についても伺います。
○小林営繕担当部長 既存都営住宅へのエレベーター設置については、既設中層住宅のエレベーター設置基準に基づきまして、廊下型住棟は原則として一棟当たり十戸以上の住棟を対象とし、階段室型住棟は原則として一階段当たり十戸以上の住棟を対象としてございます。これらの住棟のうち、自治会から要望があり、原則として居住者全員の賛成が得られた住棟にエレベーターを設置しております。
既存住棟へのエレベーター設置に当たっての課題としては、敷地に設置スペースがないといった物理的な課題のほか、日影規制を満たすことができないなど、法令上の制約がございます。
また、設置後に使用料や共益費が増えるなどの理由から、一部の居住者の同意が得られない場合がございます。
○中村委員 エレベーターの設置を望んでいる居住者の方々、特にご高齢の方が多くいらっしゃいます。
ぜひ、物理的に設置可能である団地については、居住者の方々に賛成していただけるよう、自治会はもとより、特に一階に住んでいる方に対してより丁寧な説明をして賛成をしていただき、エレベーターの設置を進めていただきたいと思っています。
次に、都営住宅の募集について伺います。
都営住宅は倍率が高くて、生活に困窮して入居を希望する多くの方々が待っている状況です。
都営住宅の募集用空き住戸の数は平成二十九年度から増加傾向にありましたが、令和二年度は二万一千四百九戸、令和三年度は二万一千四百二戸で横ばいになっています。
今年第二回定例会に文書質問を提出して指摘もしましたが、令和三年度末で公募用と事業用合わせて三万百五十三戸でもありました。
前の入居者が退去してから次の入居者が入居するのにかかる期間をできるだけ短縮して、空いている期間を短くすることが必要です。
そこで、空き住戸を減らすため、これまでどのような取組を行ったのか伺います。
○宮島都営住宅企画担当部長 都におきましては、入居世帯数を増やすため、募集戸数を毎年度増やしており、平成二十九年度には一万戸程度であった募集戸数を、令和三年度には一万四千戸程度としております。
この間、年四回の定期募集に加え、平成三十年一月から毎月募集を、令和二年二月からは常時申込みが可能な随時募集を開始し、入居機会の拡充を図っております。
また、令和三年度から都民サービスの向上につながる募集のオンライン化を進めるとともに、審査書類の削減、簡素化などにより、募集から入居までの期間短縮に取り組んでおります。
このような取組により、募集用空き住戸の数の増加傾向を抑えることができたと考えております。
○中村委員 いろいろ取組の方はしていただいているとは思うんですけれども、貴重な空き室ですから見ている方々も空いているじゃないか、入りたいじゃないかという声もありますので、できるだけ期間が短縮できるように、なるべく早く多くの方が入れるように取り組んでいただければと思います。
また、募集の方法についてなんですが、令和三年度から都営住宅募集のオンライン化が毎月募集で始まりましたが、このオンラインの利用状況について伺います。
○宮島都営住宅企画担当部長 都営住宅募集のオンライン申請による受付は令和四年二月の毎月募集から実施し、初回は申込み者のうち約八四%、その後、三月以降は平均で申込み者の約八九%がオンライン申請を利用しております。
○中村委員 かなり利用割合は高いのですが、昨年度の末から始まったので、決算年度の利用率という点では、多くの方が申請する定期募集はまだなかったので高かったんだとは思います。今年度の定期募集では、もう少し数字が低かったようにも聞いています。
時代の流れであり、オンライン化は必要ですが、当面、低所得の方やご高齢の方など、インターネットを使われない方もいますので、申し込む機会を失われないように、従来型の紙による申請というのはまだ今は残す必要性もあるんだろうと思ってはいます。
行政の効率化も必要ですが、都民に対するサービスとしても、時代によって変わるとは思うんですが、利便性そのものが確保されていかなきゃいけないところもあると思っていますので、都営住宅のこの申請についても、ぜひ、申し込む機会が便利になるのはいいんですけれども、失われる人がいなくなるように、申し込む機会が損なわれることのないように注意して進めていただければというふうに思います。
以上で質問を終わります。
◆環境局への質問
○中村委員 それでは、環境局の令和三年度決算について質問いたします。
まずは、都内産ソーラー電力活用プロジェクトについて伺います。
住宅用太陽光発電の買取り制度における十年間の固定価格買取り期間が終了し、余剰電力として安価で売電される卒FIT電力が増加しております。CO2削減の観点と災害に伴う停電リスクの回避など、防災の観点からも都民が導入した太陽光発電を継続して利用していただくことが重要です。
このようなことから、都は、家庭の卒FITを含む再エネ電力を活用するとちょう電力プランと蓄電池導入を促進する自家消費プランによる都内産ソーラー電力活用プロジェクトを実施しております。
そこで改めて、それぞれの事業の内容と、令和三年度の実績と効果について伺います。
初めに、とちょう電力プランについてお伺いします。お願いいたします。
○中村率先行動担当部長 とちょう電力プランは、都有施設で再エネ一〇〇%電力への切替えを行う際に、卒FIT電力も有効利用することで、ご家庭の太陽光発電の継続を促していくものでございます。
本プランでは、都が契約した小売電気事業者は、再エネ一〇〇%電力を調達する際に、通常の買取り単価に一キロワットアワー当たり一・五円を上乗せしまして、卒FIT電力を買い取る仕組みとなっております。
令和三年度は、新たに東京消防庁本部庁舎や五十九校の都立高等学校等を加えまして、令和二年度からの導入分と合わせ、約五千五百万キロワットアワーの再エネ一〇〇%電力を都有施設で活用いたしました。これに伴い、卒FIT電力の上乗せ買取り分を含む再エネ活用に必要な電力増額分の費用としまして、約九千万円支出いたしました。
本プランにより、ご家庭の発電の継続を促しつつ、再生可能エネルギー一〇〇%電力を都有施設で有効活用しております。
○中村委員 太陽光発電を設置をした家庭が発電を継続し続けることに活用されていることが分かりました。
それでは次に、自家消費プラン事業についてお答え願います。
○荒田気候変動対策部長 都は、令和二年度から蓄電池システムを導入し、太陽光発電と一緒に運用する住宅に機器費の一部を補助する自家消費プランを実施いたしました。これにより、昼間に太陽光で発電し使い切れなかった電力を蓄電池に充電、それを夜間や停電時に活用することで脱炭素でレジリエントな住宅となります。さらに、最大限自家消費することで、系統負荷の軽減にもつながります。
令和三年度は、四千五百五十六件のご家庭に補助金を交付し、その金額は二十四億七千六百四十万円となっており、家庭における再エネの一層の有効活用を促進しております。
○中村委員 今は、太陽光パネルの設置のことについて義務化ということもあるので注目をされていますけれども、住宅においては、断熱構造化や蓄電池の方ももちろん重要だと思っています。特に蓄電池が鍵だともいわれておりますので、今後も普及啓発をお願いいたします。
次に、決算概要の分野別事業のうちの共感と協働について伺います。
気候変動対策をはじめとして環境問題は多様化、複雑化しており、一朝一夕に解決できる問題ではありません。東京都がゼロエミッションや二〇三〇年のカーボンハーフを実現するためには、国内外で課題解決に向けた取組を広げ、都民や事業者が主体的に参加するストリームをつくることが不可欠です。
そこで、この共感と協働を得るため、まず、都はどのような取組を行っているのか伺います。
○上田環境政策担当部長節電行動連携担当部長兼務 ゼロエミッション東京の実現に向けましては、都民、企業、団体等の共感を得ながら協働することが重要でございます。
そのため、都は、まず隗より始めよの意識の下、ゼロエミッション都庁行動計画において、二〇二四年度までに再エネ電力利用割合を五〇%程度に高めることや、乗用車でございます庁有車を一〇〇%非ガソリン化することなどの率先的な目標を定めるとともに、本年三月には都有施設における太陽光発電設備の累計設置量目標を二万キロワットに引き上げるなど、都庁の率先行動を加速させているところでございます。
また、地域住民等とのネットワークを有する市区町村の取組を支援するとともに、約一千百の企業等が参加いたしますチームもったいないの活動を通じまして、参加企業の先進事例の共有を図るなど、都民、事業者の行動変容を促してございます。
今後も、多様な主体に広く共感、協働を呼びかけて力を合わせ、ゼロエミッション東京の実現につなげてまいります。
○中村委員 取組の方を伺いました。
環境問題について目標を達成していくには、やはりどうしても都庁だけではなくて都民の協力が必要になっていくかと思います。生活を変えたりとなかなか難しいところもありますので、いかに共感を呼んで共に取り組んでいただけるかということだと思いますので、ぜひそういった動きをつくっていただければと思っています。
また、気候危機は地球全体の問題であり、先進的な欧米諸都市との連携やアジア地域における東京のリーダーシップ発揮なども重要であると考えます。
決算説明書によると、環境における国際連携の推進に約六千万円の経費が使われていますが、具体的にどのような取組を行い、どんな成果を上げたのか伺います。
○藤本政策調整担当部長 気候危機が深刻さを増す中、世界人口の半数以上が居住する都市が連携強化していくことは重要でございます。
都は、C40やイクレイなど国際的な都市間ネットワークに積極的に参加するとともに、アジア諸都市等への政策構築支援や技術交流を実施しております。
昨年度は、コロナ禍においても約三十件のオンラインによる国際会議やワークショップ等に参加しました。昨年十月には、海外都市の首長や各界を代表する方々をお招きし、東京発の気候危機ムーブメント、タイム・ツー・アクト、国際会議をオンライン開催し、翌月のCOP26に向けて脱炭素化への実効性ある行動を加速させたところでございます。
引き続き海外への情報発信や働きかけを強化し、世界の脱炭素化に貢献するとともに、都の国際的プレゼンスの向上を図ってまいります。
○中村委員 コロナ禍においても工夫を重ねて、都が海外諸都市等と連携して取組を進めていることが分かりました。
今後、コロナ禍が終息すれば、よりリアルな国際的な交流が可能になってくると思います。都のさらなる取組の加速、強化を要望して、次の質問に移ります。
次は、環境基本計画に掲げる目標の進捗管理について伺います。
環境基本計画は、昨年五月に環境審議会に諮問され、一年以上の審議を重ね、先月六年ぶりに改定されました。新たな計画では、二〇五〇年のあるべき姿の実現に向けて、二〇三〇年目標として、エネルギー消費量や温室効果ガスを二〇〇〇年比で五〇%削減、再生可能エネルギーの電力利用割合を五〇%程度と設定するなど、各分野で前の計画を上回る意欲的な目標と施策の在り方が示されています。
一方、今年三月に公表された東京都環境白書二〇二一では、前の計画の各目標達成に向けた実績数値等がまとめられています。個別に見てみると、エネルギー消費量は比較的順調に削減されているのに対して、温室効果ガスの削減割合等が芳しくない。また、家庭部門の温室効果ガスが大きく増加するなど、事項により目標達成の難易度には差があるように思います。
都は、目標を掲げるだけではなく、目標の達成度合いを把握し施策の効果を検証すること、そして目標から乖離が見られる事項については取組を見直し、目標達成を確実なものにしていくことが必要と考えます。都の見解を伺います。
○上田環境政策担当部長節電行動連携担当部長兼務 環境政策を進めていく上で、個々の施策の進捗状況を把握し、目標達成に必要な取組強化を図っていくことは重要でございます。
都は、環境基本計画で掲げました目標に対する進捗状況を環境審議会に定期的に報告し、ご議論いただくとともに、ホームページや環境白書等を通じて、都民、事業者に分かりやすく公表してございます。
また、今般の基本計画改定に当たりましては、産業、業務や家庭など部門ごとの省エネや温室効果ガス削減の進捗状況、課題や対策の在り方等について審議会でご審議をいただいた上で、新たな二〇三〇年の部門別目標の設定等を行っているところでございます。
今後も、審議会での議論などを踏まえまして、各施策の成果や課題等を様々な角度から検証し、PDCAサイクルを適切に展開することで、目標達成に向けた施策の実効性を高めてまいります。
○中村委員 この環境の目標の立て方はバックキャストの考え方だと思うんですけれども、先に高い目標を掲げておくのはいいんですけれども、やはり一年一年の積み重ねだと思っています。
特にこういった数値はしっかり出して、一年達成できていなかったら軌道修正しようと思うと、だんだんだんだん離れていってしまいますから、きちんと検証して一歩ずつ進んでいかなきゃいけないと思っています。
そういった点では、この二〇三〇年はあっという間に来てしまいますから、一年一年を大事にして、常に施策の充実強化を図ることを要望して、次の質問に移ります。
次に、一般廃棄物の削減に向けた取組について伺います。
家庭などから排出される一般廃棄物は、市区町村が収集をし処理をしています。この一般廃棄物についてリサイクル率を見ると、多摩地域では約三八%なのに対し、区部ではおよそ二〇%にとどまっています。
また、容器包装プラスチックのリサイクルについては、多摩地域では二十六市のうち大半となる二十三市で実施しているのに対し、区部において実施しているのは二十三区中十四区にとどまっています。リサイクルをさらに進めていくためには、実施していない自治体を都がリードしていくことが重要です。
都は、令和二年度からプラスチックのリサイクルに取り組む自治体を支援する事業を開始しましたが、この事業の令和三年度の実績と現在の状況について伺います。
○志村資源循環推進部長 一般廃棄物のリサイクル率を向上させるため、現在焼却している廃プラスチックのリサイクルを進めていくことは、二〇三〇年カーボンハーフ実現にとって重要な取組でございます。
そのため、都は、令和二年度から市区町村によるプラスチックの分別収集の取組に対し、財政支援を行うとともに、直接自治体を訪問し、支援事業の活用と分別収集の実施を働きかけております。
令和三年度には、十自治体に対し財政支援を行い、本年七月には渋谷区で、十月には北区の一部地域で新たにプラスチックの分別収集が始まりました。
今後も引き続き、プラスチックの分別収集の拡大に向け、市区町村に対し、支援事業の活用を促してまいります。
○中村委員 この分科会の委員は、たまたまか分かりませんけれども、多摩地域の選出の議員が多いんですけれども、多摩地域に住んでいると、かなり細かく自宅で分別とかしているので都心に出てくると、こんなものでいいのかというぐらい驚くことがあります。
ある意味で、本当に都内で二十三区の方で進まないと、なかなか都全体では進まないところもありますから、ぜひ多摩地域のように、区部においてもプラスチックのリサイクルが進むよう、都が着実に先導していくよう要望しておきます。
しかし、リサイクルを進めていくだけでは不十分であり、そもそものプラスチックの使用や廃棄を減らしていくリデュース、リユースの取組が必要です。このためには、私たち一人一人が製品などを購入する際に、必要性を十分検討してから購入することはもちろんですが、物やサービスの売手である事業者が、使い捨てプラスチックの使用をやめたり、リユース容器を活用したりするなど、これまでの一方通行型の経済から循環型経済へと転換を図っていくことが求められています。
都は、革新的技術・ビジネスモデル推進プロジェクトを実施し、リデュース、リユースの2Rビジネスの主流化等を推進する事業者と連携した取組を進めていますが、本事業の概要と令和三年度の実績について伺います。
○志村資源循環推進部長 都は、使い捨てプラスチックの大幅なリデュース、リユース等を図るため、革新的技術・ビジネスモデル推進プロジェクトにおいて、量り売り、シェアリング、リユース容器などの2Rビジネスの主流化等に取り組む事業者に対する支援等を実施しております。
本事業では、公募の上選定した事業者に対して、調査分析事業では五百万円、実証事業では一千万円、実装化支援では三千万円をそれぞれ上限に事業費の二分の一を支援するとともに、廃棄物処理法に関する助言や市区町村との調整を行っております。
令和三年度は、コーヒーショップにおいて、テークアウト用にリユース容器を活用する事業者が行う調査分析事業及び実証事業と、リユース容器を使用した業務用商品販売のビジネスモデル構築を目指す事業者が行う調査分析事業に対して、合わせて約五百四十六万円を支援いたしました。
今後とも、先導的な事業者との連携、支援により、リデュース、リユースの普及を図ることで持続可能な資源利用を推進し、ゼロエミッション東京の実現につなげてまいります。
○中村委員 これまでと異なる仕組みへとビジネスを転換する事業者はリスクを背負っていることから、都などの行政がしっかりと支援していくことが必要です。重要です。
都には引き続き、適切に事業者をサポートすることを要望して、次の質問に移ります。
今、プラスチックごみが海に流出し、マイクロプラスチックとなることで生態系に大きな影響を与えることが問題になっています。このことの原因となる海ごみの発生を抑制するためには、都民に広く実態を知ってもらうことが必要です。
そこで、都の海ごみに対する普及啓発の実施状況と今後の取組について伺います。
○志村資源循環推進部長 都は、プラスチックごみの流出防止に向け、海ごみ問題を都民に広く啓発するとともに、使い捨てプラスチックの削減や清掃活動への参加を促すTOKYO海ごみゼロアクションを展開しております。
令和三年度には、東京都環境公社と連携して専用のウェブサイトを開設し、新たに作成した海ごみ問題を分かりやすく解説する動画や、環境学習資料、民間団体の海洋環境保全活動の取組等を掲載しております。
今後も、こうした取組を通じて都民の海ごみへの理解を深めることなどにより、プラスチックによる海洋汚染の防止を図ってまいります。
○中村委員 マイクロプラスチックの発生元となるプラスチックのリユース、リサイクルについて確認してきました。引き続き積極的に取り組んでいただきたいと思います。
次に、食品ロス対策について伺います。
国が発表した食品ロスに関する推計値は令和元年度で五百七十万トンとなっており、また都内推計値も令和元年度で四十四・五万トンで、過去最低値とはいうものの、多くの食品が廃棄されている状況にあると思います。
一方で、現在、円安による輸入食料品の急激な値上がりなどによって生活困窮者に食料を支援しているフードバンクへの影響も大きくなっています。
都は、二〇三〇年に向けて食品ロス発生量を二〇〇〇年度比半減の目標を掲げています。
食品ロス対策として、フードバンクへの寄贈が未利用食品の有効活用の有意義な方策だと考えています。
そこでまず、環境局が進めている食品ロス対策について、その実績について伺います。
○村上資源循環計画担当部長 食品ロス削減対策は、資源の有効利用や環境負荷の低減を図る観点から重要であり、都は、令和三年三月に東京都食品ロス削減推進計画を定め、二〇三〇年度の目標値である二〇〇〇年度比食品ロス半減を達成するために、様々な主体と連携して取組を実施しております。
まず、発生抑制の観点からは、先進技術を活用した食品ロスの削減を行う民間事業者の取組を推進するため、令和三年度は二事業者に対し、冷凍自販機のリース代など約二千四百六十万円の支援を行いました。
また、小売店における食品ロス削減に向けた研修会にアドバイザーを延べ十二回派遣し、改善事例や効果を取りまとめ、ホームページや食品ロス削減パートナーシップ会議において周知を図りました。
有効利用の観点では、令和三年度は地域に密着したNPO法人等が行う食品ロス削減対策を支援する三市区に対して、食品の回収、運搬業務費用など、約百万円の補助金を交付するとともに、令和二年度に構築した防災備蓄食品について、フードバンク等と連携したマッチングシステムを運用しております。
○中村委員 様々な食品ロス対策をしていることは分かりました。
ただいま未利用食品の有効利用の観点から、防災備蓄食品のマッチングシステムを運用しているという答弁がありました。こうした取組は食品ロスの削減のみならず、生活困窮者支援の観点からも重要であり、フードバンクを通じて必要とされる人に必要な量が適切なタイミングで届けられることが重要と思います。
都は、こうしたニーズに応えるため、マッチングシステムを利用した食品寄贈量を増やすことが必要だと思います。
このシステムは令和二年度から開始しているとのことですが、昨年、令和三年度の実績と推移を伺います。
○村上資源循環計画担当部長 市区町村や都の防災備蓄食品を廃棄することなくフードバンク等に寄贈することは、未利用食品の有効活用策として効果的です。
このため、都は、令和二年度から市区町村や都が保有する防災備蓄食品を登録し、フードバンク等が閲覧、寄贈を申し込むことができる未利用食品のマッチングシステムを運用しております。
運用開始後も市区町村やフードバンク等にマッチングシステムの利用を働きかけ、防災備蓄品の提供元としては、都のほか二十四市区が、利用先としてはフードバンク等の十二団体が登録され、令和三年度の運用実績は約二万五千六百食で、令和二年度と比較して約三割増加の実績となっております。
○中村委員 フードバンクへの寄贈、支援が拡大することは、生活困窮者に届く食品が増えると同時に、その食品が有効利用されて食品ロス削減につながる大変意義のあることだと思います。
都には引き続き、様々な主体と連携した食品ロス削減に向けた取組を展開するとともに、未利用食品の有効利用に向けフードバンクへの寄贈を促進することを要望いたします。
次に、玉川上水などの清流復活事業について伺います。
玉川上水は、江戸のまちの発展に伴って増え続ける人口に、飲料水、生活用水を確保するため、承応二年、一六五三年に造られた水道の遺構です。
羽村の堰から四谷大木戸までの四十三キロメートルの大開削工事は、当時の土木技術の粋を集めて七か月の短期間で完成したといわれています。水の乏しかった武蔵野台地は、この上水の分水による水の恵みで新田開発が進み、多くの村が誕生しました。
玉川上水はずっと水道水として、用水として使われていて、特に戦後でも本当に、まだ地元の方々からすると人食い川といわれているぐらい水がごうごうと流れていて、太宰治がそこで入水をしたということも地元では有名な話になっています。今見ると、ここでというふうに思うんですが、当時は水量があったということです。
ただ、その後、一時は水が途絶えていましたが、現在は清流復活事業として清流が復活し、両岸は樹木が生い茂り、野草の宝庫になっています。
私の地元三鷹市においては、玉川上水沿いには一・五メートルの散歩道が、住宅街には三・五メートルの歩道が設けられ、風の散歩道という愛称を市民からの公募により得て、大変親しまれています。
そこで、この玉川上水等の清流復活事業のまず趣旨を伺います。
○和田自然環境部長 清流復活事業は、東村山浄水場の稼働と淀橋浄水場の廃止に伴い、水の流れが途絶えた野火止用水、玉川上水、千川上水に水の流れを復活させるものであります。
具体的には、下水道局多摩川上流水再生センターの下水処理水の一部を、砂ろ過処理を施し、玉川上水の小平監視所まで導水して、昭和五十九年から、順次、野火止用水、玉川上水及び千川上水にそれぞれ放流しております。
平成三年からは、オゾン処理等を施し、都民が身近に親しめる水辺空間をよみがえらせています。
○中村委員 多摩川に放流する処理水を玉川上水等へそのまま放流するのではなく、多摩川に放流している水以上に処理をして放流しているとのことです。
オゾン処理を施しているとのことですが、どのような効果があるのか伺います。
○和田自然環境部長 清流復活事業の放流水は、多くの都民に親しまれる水辺空間を確保するため、快適なものである必要がございます。そのため、水再生センターにおいて処理された処理水にオゾン処理を施して放流しております。
オゾンは、放流水の臭気の低減や脱色の効果があり、オゾン処理を施すことで水辺空間の快適性を確保しております。
○中村委員 玉川上水などは、清流とともに水であふれ、地域住民の貴重な散歩道で憩いの場となっています。その清流を確保するためにオゾン処理が必要だということが分かりました。
そこで、清流復活事業で玉川上水等への送水に係る送水量や経費の実績を伺います。
○和田自然環境部長 玉川上水等の清流復活事業の維持管理経費は、多摩川上流水再生センターのオゾン処理のための経費のほか、センターから放流先の用水、上水まで導水するための経費などであります。
令和三年度の日平均送水量は二万五千立方メートルであり、維持管理経費として約一億四千万円を支出いたしました。
○中村委員 清流復活事業の開始は昭和五十九年で、施設は既に四十年近くが経過をしています。
地域住民にとって憩いの場となっている玉川上水等に安定的に下水、再生水を送水できるよう、施設の維持管理、計画的な設備更新などを今後も着実に実施していただくよう要望いたします。
地元でも玉川上水をかなり愛していただいておりまして、川そのものの所有というか、管理は水道局がやっていて、清流復活事業は環境局で、貴重な文化財という点では教育庁になっていて、沿道の緑という点で建設局だったり地元市だったりとか、非常に複雑に管轄が分かれていて、住民からいろんな問合せがある場合に、いろいろたらい回しされてしまうこともあるようです。
とにかく貴重な地域の方が愛している玉川上水等なので、ぜひ都庁が連携しながらこれを守っていただくようにお願いして、質問を終わります。
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