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都議会質問記録

2023/03/07 予算委員会で給食無償化、賃上げなどを質問しました

2023年3月7日、都議会予算特別委員会が開会され、副知事から予算案の説明の後、各会派から総括質疑を行いました。都議会立憲民主党を代表して質問しました。大会派順のため夜9時5分から69分間、多岐にわたる都政の課題について一問一答形式で小池都知事等に質問しました。少子化対策としての子どもへの現金給付と財源、国際競争力の強化と広報、カジノへの対応、学校給食の無償化、家賃補助制度の創設、高齢者施策、感染症対策の強化と保健所の再配置、環境政策、賃上げと下請けとの適正取引等について質問しました。物価高で厳しい都民生活に寄り添うよう引き続き求めていきます。

○中村委員 それでは、都議会立憲民主党を代表して質問いたします。
 まずは、都財政運営について伺います。
 コロナ禍で本格化した令和二年度以降、補正予算編成のために財政調整基金を取り崩し、令和三年度六月補正予算時点には残高見込額が二十一億円にまで落ち込みましたが、その後、都税収入の好転で残高が一定の回復をしたことで、物価高騰対策もある程度可能となりました。
 令和五年度当初予算は、過去最高の六兆二千十億円に上る都税収入に支えられ、歳出規模も過去最大です。この機に、東京都版子供手当ともいえる〇一八サポートに一歩踏み出したことは、前向きに捉えています。
 しかし、予算案には、物価高騰にあえぐ都民がいる中で、なぜ今と首をかしげる事業も散見されます。都税収入が増え、財布のひもが緩くなってはいないでしょうか。
 困難を抱える方への支援など必要な取組に財源を振り向けつつ、都税収入が最高となった今だからこそ、浮かれることなく、将来の大規模な財政出動の可能性に備えることが重要です。
 こうしたことを踏まえ、東京の将来を見通した財政運営を行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○小池知事 高齢化の進行や、自然災害の頻発化、激甚化、世界的な産業構造の変革など、都を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。
 こうした中、都政に課せられた使命を確実に果たしていくためには、積極的な施策展開とともに、中長期を見据えた持続可能な財政運営との両立が重要でございます。
 こうした考えの下、令和五年度予算におきましては、未来への投資に大胆に財源を振り向けつつ、事業評価による見直しなど、あらゆる手だてを講じ、財源確保に取り組んだところでございます。
 さらに、基金残高の確保や都債の発行抑制に努めるなど、将来に備えた財政対応力の強化を図っております。
 今後も、こうした取組にさらに磨きをかけることで、いかなる財政環境の中にありましても、積極的な施策展開を継続的に支え得る強固で弾力的な財政基盤を堅持してまいります。

○中村委員 この〇一八サポートは単年度で千二百六十一億円、そしてまた、過去には都財政はリーマンショックのときに一兆円も減収になったこともあるなど厳しい状況にあるかと思っています。
 そこで、財源の確保について、事業評価について伺いたいと思います。
 知事は会見で、事業評価で〇一八サポートの財源を確保したと発言をしています。私たちは、事業評価、政策評価は、都政、財政に大いに役立っていると認識しています。
 しかし、財源確保額のカウントの仕方に課題があると考えます。
 例えば、工事を終了すれば、その予算を次年度は別のものに振り向けて当然ですが、十億円の工事が終了した場合に、十億円の財源確保としていますが、本来は、工法等の工夫で一億円圧縮できた場合に、一億円確保とすべきではないでしょうか。
 予算の使い切りをよしとするのではなく、工夫や努力で当初予算よりも事業費を縮減する、これは高く評価されるべきです。しかし、評価した事業の予算全額を財源確保とするのでは、評価対象をすればしただけ財源が積み上がっていく印象を与えます。改めるべきと考えますが、見解を伺います。

○吉村財務局長 事業評価につきましては、平成二十九年度予算編成より、全ての事業に終期を設定し、終期が到来した事業について、事業の成果や決算状況を厳しく検証した上で評価を行い、その結果を翌年度の予算に反映させております。
 各種工事など、当年度で終了が見込まれる事業につきましても、当初の計画と実際の事業進捗を経費、工期等の面から検証することは重要であることから、事業評価の対象とし、事後検証を徹底しているところでございます。
 こうした進捗管理の下、事業を適切に終了させ、そこに充当されていた財源が翌年度の新規事業等に生かされることから、これまでも財源確保額として計上しております。
 今後とも、このような考え方について丁寧な説明を行うとともに、事業の効率性や実効性の向上に向けて取組を深化させてまいります。

○中村委員 事業を行うには財源の確保が必要です。事業が終わったから、それで財源確保だというのは、本当に大丈夫なんだろうかと思います。逆にいうと、延びるものもあるわけですけど、延びたものはマイナスで評価すべきなんでしょうが、それはしていないということですから、今後しっかり、財源確保は大事なので、私はぜひ改めていただきたいというふうに思っています。
 さて、次は、公金支出情報の支払い先の公開について伺います。
 五輪の談合事件は、単なる総合スポーツ大会ではない平和の祭典、人間育成という理念と裏腹に、談合と収賄など、電通任せにした部分で問題が噴出しています。これらの情報は公開されておらず、事件化されなければ闇に葬られていたかもしれません。
 私は、問題の根源は、どこに幾ら払ったかを明らかにしないという、情報公開に逆行した立てつけにあると考えます。
 都庁はどうでしょうか。私たちは、都政のアカウンタビリティー、情報公開推進の一環として、公金支出情報の公開を求めてきました。
 都が二〇一七年から公金支出情報を公開し、利活用しやすいエクセル形式でも提供していることは評価したいと思います。
 しかし、支払い先情報はまだ公開されていません。二〇一八年十二月十一日に検討を進めると答弁してから丸四年が経過しています。千葉県や長崎県は支払い先を公開しており、支払い先名での検索も可能です。
 都も早急に公開すべきと考えますが、見解を伺います。

○須藤会計管理局長 公金の支払い先は、個人情報などの非開示情報も含まれるため、各局と連携し、公開の可否について検討を続けてまいりました。
 非開示情報に該当するか否かは、一律に処理することができないため、個々の案件ごとに所管部署で慎重な確認を行い、厳格に判断する必要がございます。
 また、膨大な件数の中で、非開示情報が誤って公開される可能性を完全に排除できず、都民の生活や事業活動に悪影響が生じるリスクもございます。
 こうした実情を踏まえ、支払い先を公金支出情報として公開することは、現時点では課題が多く、妥当ではないと考えております。

○中村委員 システム改修等が予定されていると伺っていますが、この機にしっかりと公開に向けた検討を行わなければ、都の情報公開が進まない、周回遅れといわれても仕方がありません。現在のやり方で早急に公開することが難しいとしても、できない理由を考えるのではなく、公開に向けて、課題克服に向けての検討をお願いしたいと思います。
 さて、予算の中で、この令和五年度予算には、IR、いわゆるカジノに関する調査費用が今年も計上されています。金額は小さいのですが、後々、東京にカジノができてしまうかどうかに係る重要な予算です。
 カジノをやらないなら必要ない予算であり、昨年十二月の予算要望でも計上をやめるべきと求めました。
 来年度においても、引き続き調査に関する予算を計上していますが、東京にカジノを誘致するつもりなのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 IRにつきましては、日本の経済成長や国際競争力を高める観光拠点として期待される一方で、ギャンブル依存症等の懸念の声もあると認識をいたしております。
 都はこれまで、IRにつきまして、メリット、デメリットの両面から総合的に検討してきたところでございまして、このスタンスには変わりがございません。

○中村委員 スタンスに変わりないとの答弁でしたが、国への申請は、去年、既に締め切られており、状況は変わっています。このカジノ予算は、議会に提出される予算案の説明書に記載がありません。ホームページ等で公開される予算説明書にも記載がなく、都民が都の公開資料を見ても出てきません。私たちは、東京にカジノは要らない立場から、カジノ予算も要らない、きっぱりとカジノ誘致から撤退すべきと申し上げます。
 次に、戦略的広報について質問します。
 私たちも先日、SusHi Techのオープニングセレモニー等を見学させていただきました。このイベント自体は、一過性に終わらせず、今後ビジネスへとつなげることを期待はしています。
 ただ、このSusHi Techに関しては、この東京都広報を見た都民から、私にこんなご意見をいただきました。都の広報はいつも見ているけれども、今回は何だか分からなかったとのことです。
 都の政策を都民に説明するのも広報の役割ですが、私は、第一は都民が必要とする情報を届けるのが目的だと考えます。これは、企業のイメージ広告のようで、都の広報と分からなかった方も多かったのではないでしょうか。東京都広報の在り方については、いま一度考えていただきたいと、まず申し上げます。
 さて、都は、ここ数年、たくさんの動画を作成しています。知事も会見で毎週のように動画を紹介していますが、スマートフォンの普及により、ツイートや動画を主たる情報源とする方が増える中で、いわゆる普及啓発に動画は不可欠だと思います。動画をつくるなということではありません。ただ、税金を使う以上、全体を把握し、政策目的の達成への貢献を図り、費用対効果を測定する必要があると考えます。
 そこでまず、令和五年度予算における動画作成費用の計上状況はどのようになっているのか伺います。

○中村政策企画局長 動画は、音や映像で効果的な訴求ができることに加え、SNS等を通じた拡散も期待できるため、伝わる広報に適した広報制作物でございます。
 政策企画局では、重要な政策課題について、動画を作成、発信するなど、効果的な広報の展開に努めており、動画作成費用も含むデジタル広告等の予算として約三億円を計上しているところでございます。

○中村委員 今、三億円とお答えいただいたんですが、政策企画局ではということです。都庁全体でどうかということになると、これはいろんなイベント等の経費に埋め込まれていて、数字がどうもないようなんですが、かなりお金がかかってくるところだと思うので、私は都庁全体で把握をしていただいて、しっかりと監視していただきたいというふうに思っています。
 さて、広報の効果測定が難しいことは、私も以前、東芝で広報に籍を置いたこともあるので十分承知をしていますが、デジタルだからこそできる定量的な効果測定もあると考えます。
 ネット広告ではクリック率、関連サイト訪問数、コンバージョン数、率などがありますが、都の広報で成果とみなすべきは何か、費用対効果をどのように測定、把握しているのか伺います。

○中村政策企画局長 デジタル広告の実施に当たりましては、クリック数や動画視聴数等をKPIとして設定しております。
 また、重要な広報テーマにつきましては、認知度や満足度などの定量的な調査に加えまして、都民の意識を把握するための定性的な調査を実施することで、事業全体の広報効果を測定しております。
 各局とも連携して、こうした取組を進め、より戦略的で効果的な広報につなげてまいります。

○中村委員 定量的な効果測定というと、動画再生数となりがちですが、再生数はお金をかければ増やすことができます。政策目的実現への貢献度という明確な物差しを持って、最少の経費で最大の効果を狙って税金を使っていただきたいというふうに思っています。
 さて、世界への発信はイメージや広告だけではなく、都市の実力、地力の裏づけが必要です。インバウンドに加えて、投資先や居住する都市としての魅力、交通インフラの利便性などです。
 森記念財団の世界の都市総合ランキングで、東京は世界三位を保ちましたが、他の都市には類を見ないほどスコアが大幅に下落しました。ロンドンから首位の座を奪うことは当面難しそうです。また、東京のGDPも、かつて同水準だった韓国に追い越され、大きく水をあけられています。
 都として、国際的な都市間競争における東京の現在地、総合力をどのように評価し、課題克服への対応策をどのように打っていこうとの考えなのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 国際競争が激化する中、長引くコロナ禍や世界経済の不安定化なども相まって、我が国の地位は後退しつつあります。
 一方、東京には、洗練された都市環境や、企業、大学、研究機関などが持つ世界有数の技術力、江戸から続く歴史が育んだ文化などが脈々と受け継がれております。
 こうしたポテンシャルを都市の課題解決に最大限生かしてまいります。
 それとともに、先ほどご指摘ありましたSusHi Tech東京を旗印に、新たな価値を生み出してまいります。
 このような東京の魅力や活力を世界に向けて発信することで、国際的なプレゼンスを向上させ、都市間競争を勝ち抜いていきたいと考えております。

○中村委員 今、この国そのものが厳しい状況に置かれているわけですから、むしろ首都東京がリードをしていく形で牽引していただけるように、今後とも取り組んでいただければと思っています。
 さて、次に、少子化対策について伺います。
 本会議の代表質問でも申し上げましたが、現金給付にとどまらず、若い世代の賃金引上げや雇用の安定化、正規雇用化などに取り組み、子供を産み育てたいと思える社会を実現することが極めて重要です。
 都は、正規雇用等転換安定化支援事業として、労働環境整備や賃上げを行った中小企業に助成金を支給していますが、その規模はまだ千九百件。都内企業数に対して僅かでしかありません。
 しかし、都が労働環境整備や賃上げを行った中小企業を支援している、応援しているという強いメッセージを発すれば、賃上げ機運の醸成に一役買うと思います。
 そこで、賃金を上げて、安定した家計を営めるよう支援するために、都としての積極的な取組を求めるものですが、知事の見解を伺います。

○小池知事 賃金などの労働条件は、労働者と使用者が対等な立場において、労使間の協議で自律的に定めることが基本であることはいうまでもありません。
 都は、労働者の処遇改善に向けまして、中小企業が非正規雇用の方の正社員化に取り組み、職場環境の整備を図る場合の支援を行っております。
 こうした取組によりまして、働く方の所得水準の向上を後押ししてまいります。

○中村委員 少子化対策ということで伺ったわけですけども、やはり若い方々、経済的に厳しい状況があります。〇一八サポートということももちろん必要だとは思うんですけども、その前提として、やはり厳しい経済状況から脱しなければいけませんから、そういった点では、積極的な機運醸成を図っていただいて、賃上げへと世の中が動いていくように、知事からも積極的に働きかけていただきたいと思います。
 さて、我が会派の須山議員も一般質問で取り上げましたが、結婚に向けて女性が最も求めている施策である、夫婦が共に働き続けられるような職場環境を充実させるためには、女性活躍の推進が重要です。
 根本的には年功型人事制度の見直しなど、日本の企業風土の変革が必要ですが、喫緊の取組として、女性管理職などの活躍推進や女性特有の健康課題に配慮した働きやすい職場環境づくりが求められます。
 そこで、夫婦が共に働き続けられるような職場環境の充実、とりわけ職場における女性活躍の推進について、見解を伺います。

○坂本産業労働局長 都は、女性の採用や育成等に関する計画をつくる中小企業に対し、コンサルティングによる支援を行っております。
 また、女性が働きやすい職場づくりのノウハウなどを提供する研修や、経営者の意識啓発を図るセミナーを実施しております。
 これらによりまして、中小企業における女性活躍を推進いたします。

○中村委員 ぜひ今後とも積極的な取組をお願いしたいと思います。
 さて、次に、学校給食の無償化について伺います。
 子育て世代の可処分所得を増やすことは歓迎です。私たちは、学校給食の無償化こそが必要ではないかと考えています。
 学校給食の無償化に必要な予算額について、代表質問に対する答弁は、お答えする立場にないという極めて冷たいものでした。
 そこで伺いますが、都内合計で完全給食の小学校の児童数、中学校の生徒数は、それぞれ何人なのか。また、一食当たりの保護者負担は、それぞれ幾らか。年間予定給食回数は、それぞれ何回か。伺います。

○浜教育長 令和四年五月一日時点で、区市町村立学校の完全給食実施校における小学校児童数は五十九万四千八百五十人、中学校生徒数は二十二万九千百九十四人でございます。
 一食当たりの保護者負担額は、小学校の平均額が二百五十五・二八円、中学校の平均額が三百十二・六八円でございます。
 年間予定給食回数は、小学校の平均が百九十一回、中学校の平均が百八十五回でございます。

○中村委員 今、基礎的な数字を伺わせていただきました。
 そこで、二〇一六年三月の政府の経済財政諮問会議では、給食の無償化が提言され、その必要額も試算されたということは、以前も取り上げました。
 そこで、東京都が学校給食の無償化を実施した場合、どのような予算額になるのか伺います。

○浜教育長 学校給食法では、学校給食は学校の設置者が実施するものとされております。
 都内全区市町村立小中学校の学校給食費の年間総額を、先ほどお答えした児童生徒数や一食当たりの保護者負担額等から計算すると、小学校が約二百九十億円、中学校が約百三十三億円となります。

○中村委員 今、先ほどの基礎的な数字から計算していただいたんですけれども、小学校が約二百九十億円、中学校が百三十三億円ということですから、小中学校を合わせれば四百二十三億円ということになります。全体ですから、これ、また市区町村とどういうふうに分担するかというのはあるかもしれませんけども、国にも支援していただければ、国と東京都と市町村で取り組めば、できない金額ではないと思っていますので、ぜひ積極的に進めていただきたいというふうに思っています。
 特に、今の状況をまずお話しさせていただきますと、都内で学校給食を無償化していたのは、これまでは檜原村や奥多摩町、利島村、三宅村、青ヶ島村で、多摩・島しょの一部でしたが、昨年九月に葛飾区が無償化を表明して以降、台東区、北区や品川区、中央区、世田谷区、荒川区、そして足立区が学校給食の無償化に踏み出しています。
 東京都教育委員会は、こうした自治体の状況を把握をしているのでしょうか。学校給食について無償化、補助している都内自治体の状況について伺います。

○浜教育長 令和四年度に給食費の無償化を実施している自治体は四団体、一定の要件に該当する者への全額支援を実施している自治体は二団体、期間を限定した全額支援を実施している自治体は一団体でございます。
 また、そのほかの自治体においても、臨時交付金を活用するなどして、学校給食費の支援を実施しています。
 なお、令和五年度に、都内で給食費の全額支援を予定している自治体があることは承知しております。

○中村委員 都教委の方でも把握をされているということなんですが、多くの自治体が無償化に踏み切り始めています。これ、先ほどもいろいろ議論があったんですけれども、保護者の負担ということですけども、自治体が出しちゃいけないということではないというふうに思っています。都として何とかこれができないかという思いがあるわけです。
 特に、これだけ二十三区の方が先行して進んでくると、ある意味、市町村の方がなかなかまだ進まないということで、新たな三多摩格差がということになってしまいます。積極的に都が支援していただけることを求めたいというふうに思っています。
 そこで、改めて、都として学校給食の無償化に踏み出すべきと考えますが、見解を伺います。

○浜教育長 学校給食法では、学校給食は学校設置者が実施し、食材費等の学校給食費は、児童または生徒の保護者が負担することとされております。学校給食費の取扱いについては、国の責任と負担によるべきものであると考えております。

○中村委員 国の責任と負担によるべきものということではありました。
 そうであれば国に求めていただきたいと思うわけですが、例えば千葉県などでは、昨年五月にも、学校給食費の無償化に取り組む自治体への新たな補助制度を創設することというものを国に要望しています。
 学校給食に関して、国とどのような協議をしているのか、見解を伺います。

○浜教育長 学校給食費の取扱いについては、国の責任で財源を確保すべきと考えております。
 国に対しては、既に全国都道府県教育委員会連合会が臨時交付金の継続をはじめとした国の責任による施策の提示など、学校給食費に係る支援について、要望しております。

○中村委員 この全国都道府県教育委員会連合会は、今は浜教育長が会長をしていると伺っております。ぜひ、先頭に立って積極的に国に対してこれを行ってほしいということ、国の責任だというだけではなくて、もちろん国がやっていただきたいという思いもあるんですが、都も積極的な姿勢を見せていただきたいというふうに思います。
 特に、いろんな自治体で進み始めていると、都内、住んでいる場所によって、無償かどうかということが違ってきてしまいます。同じ都内に住むのであれば同じようにこういった給食無償化ができるようにということをぜひ積極的に取り組んでいただきたいということを改めて求めさせていただき、次の質問へと移りたいと思っています。
 さて、次は、子供、子育て支援について、〇一八サポート事業に関連して伺います。
 昨年十二月に視察をした兵庫県明石市では、児童虐待の早期発見策として、子供の顔を必ず見た上で現金を給付しています。基本は振り込みですが、子供の状況が確認できないと直接給付に切り替えるとのことでした。
 東京都の〇一八サポート事業でも、市区町村と連携することで、こうした工夫ができないものでしょうか。
 例えば、現在、都内各自治体で乳幼児期に子供と会っていますが、幼児期を過ぎてから、学童期直前などには、必ずしも子供と会えてはいません。また、市区町村と連携すれば、学童期、青年期における親と子供と学校とのコミュニケーション機会の確保を図っていくことも可能です。
 〇一八サポート事業については、国の現物給付の動向をはじめ、今後の展開として、市区町村と連携した取組を求めるものですが、知事の見解を伺います。

○小池知事 〇一八サポートにつきまして、子供一人一人の成長をひとしく支えるため、ゼロ歳から十八歳までの全ての子供に都が直接給付するものでございます。
 区市町村とも連携をしながら、本事業を通じまして、子供を産み育てたいという願いを応援するメッセージを発信してまいります。

○中村委員 先ほど明石市の話もお話をさせていただいたんですけれども、いろいろとただ単にお金を給付するというだけではなくて、市区町村と連携すればいろいろともっと効果を出せるんじゃないかということでお話もさせていただきました。実際、東京都が直接やるといっても、住民票の情報を東京都が持っているわけではないわけですから、市区町村との連携というのはどうしても必要になってくると思っています。
 昨年来、子供の医療費のこととか低所得者向けのお米の給付、そしてまた、今回のこの〇一八といい、どうしても全部市区町村の協力を得ないとできないものなわけですけれども、情報がぽっと出てしまって、そういったところにきちんと連携ができていないという声も、私たちのところにも届いています。
 ぜひこれ、今回は直接給付ということで予算計上しているようなんですけれども、今後の在り方等を含めて、しっかりと市区町村と連携していけるように、一度じっくりと話していただきたいと思いますし、何よりも、こういった事業を行うときには、情報がなかなか急にマスコミ報道を通じて知るということであると、やはりうまく関係がいきませんから、丁寧な説明と対応を求めたいというふうに思っています。
 さて、次に、段差の解消について伺います。
 所得制限の撤廃を求めた私たちの代表質問に、小池知事は、それぞれの施策の目的などを踏まえて適切に判断されるべきものと答弁をしました。
 高額所得者への支援には批判もありますが、本来、高額所得者には税による相応の負担をお願いし、行政サービスは誰もがひとしく保障されるべきです。そのことで、知事がいうところの罰を受けているという状態も解消されると考えています。
 特に、高校生をはじめとした乳幼児、子供への医療費助成は、市長会などからも厳しい意見が寄せられており、施策の目的などを踏まえれば、所得制限は撤廃すべきです。
 私は、高校生をはじめとした子供の医療費助成に関して、所得制限を撤廃する方向で、区市町村と協議していくべきと考えますが、見解を伺います。

○西山福祉保健局長 子供の医療費助成事業について、都は、子育てを支援する福祉施策の一環として、所得制限など一定の基準を設けており、具体的な実施内容は、実施主体である区市町村がそれぞれの地域の実情を勘案して定めてございます。
 なお、高校生等医療費助成事業に関する令和八年度以降の財源や所得制限の取扱いなどについては、都と区市町村との間で設置した協議の場で、今後検討することとしてございます。

○中村委員 三年間は都がこれを払うということで今検討しているということではあるんですけれども、ぜひ、この自己負担のこと、所得制限のことも検討していただいて、できれば私たちの要望としては撤廃していただきたいと思うんですけれども、都内、どこにいる、住む子供たちもひとしくこういった医療費の助成が受けられるように、お願いしたいというふうに思っております。
 さて、私たちは、教育の無償化を訴えていますが、私立高等学校の特別奨学金は、所得制限によって受けられるサービスが大きく変わってしまいます。
 東京版子供手当、いわゆる〇一八サポート事業も雑収入となり、人によっては、突然、収入基準がオーバーでサービスを受けられなくなることがあり得ます。
 例えば、年収九百万円、子供二人の四人家族モデルで、子供一人四十七万五千円の特別奨学金を二人分受ける予定の世帯が、〇一八サポート事業の支給で所得基準を超えてしまった場合、特別奨学金が受けられなくなる、つまり、逆転現象が起きるのではないかと危惧しています。
 そこで、改めて確認いたしますが、特別奨学金の支給には、所得基準が設けられていますが、これを超過した場合、支給はどのように変わるのか伺います。

○横山生活文化スポーツ局長 特別奨学金の支給を判定するに当たりましては、税額等に基づいて審査を行うものでありまして、要件を満たす方について支給対象としてございます。
 都といたしましては、国に対し、〇一八サポート事業について、自治体で取り組む子供に対する支援がより効果的なものとなるよう税制上の必要な措置を講じることを提案要求してございます。

○中村委員 今の答弁にあるように、これ、要件を満たす方が支給対象ということで、満たさなければ支給対象外となってしまうということかと思っています。年間、〇一八サポートで一人六万円だとして、二人なら十二万円受け取ることで、子供一人が例えば四十七万五千円と先ほどいいましたが、二人分で九十五万円、これが支給されなくなるということになってしまうわけです。それこそ、知事がいうところの罰を受けているかのようではないでしょうか。
 そこで、私立高等学校の特別奨学金制度の所得制限を撤廃すべきと考えますが、見解を伺います。

○横山生活文化スポーツ局長 先ほどご答弁申し上げました特別奨学金の支給の判定でございますが、税額等に基づいて審査を行うものでございまして、個々の状況によって全て異なります。ですので、断定的に、支給対象になる、ならないというのを申し上げることがなかなか難しいということでご理解をいただきたいと思います。
 ご質問ですが、私立高校等の授業料の助成は、親の経済状況に子供の学校選択が左右されるべきではないとの考え方などから、国が定めた基準も踏まえて、年収約九百十万円未満という所得制限を設けて実施しているものでございます。

○中村委員 私たちは、今回、この〇一八サポートの所得制限を撤廃したことを評価はしているわけです。だからこそ、いろんなほかの政策も同じように撤廃しないと矛盾が生じるのではないかということでこの質問をさせていただきました。
 個別のケースによって計算式が違うのは分かるんですが、モデルケースなり含めて、そういう可能性があるという点では、この〇一八サポートを受け取ると、ほかのこの私立学校の奨学金が受けられなくなってしまうということが起き得るので、こういったこと一つ取っても、この所得制限は撤廃すべきではないかということで質問させていただきました。ぜひこれは本当に検討していただきたいというふうに思っております。
 そしてまた、所得基準があることでまたもう一つ支障があるのが、その判定によって時間がかかってしまうということもあるんだと思っています。このことで、所得制限があることで審査が必要となり、せっかく特別奨学金の制度があっても、保護者の手元に届くまでに時間がかかってしまいます。その間、保護者は資金繰りを強いられるなど、要らぬストレスを抱え込むことにもなります。
 最低限、奨学金の早期支給を通じて、子育てに関する無用なストレスの解消に向けて取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

○横山生活文化スポーツ局長 特別奨学金は、厳しい家計状況にある生徒の授業料負担を軽減するものでございます。その支給に当たりましては、税額等の情報を活用することや、申請者が相当数いることから、審査に一定の時間を要し、支給時期は十二月末でございました。
 令和五年度から、保護者の負担軽減を目指しまして、一部の例外を除く受給者に対しまして、支給時期を十月中旬といたしまして、約二か月半の早期化を図ることとしております。

○中村委員 保護者の方から早い支給をという求めがあったので、十二月末から今の制度の状況の中で十月中旬ということで前倒しになることは一定理解したいと思っています。ただ、所得制限がなくなればもっと大幅に早くできるんだろうと思いますので、ぜひ、このことは検討していただいて、保護者の方々の負担軽減に努めていただきたいというふうに思っています。
 次に、住まいの確保、家賃補助について伺います。
 段差があるのは子育て支援策だけではありません。
 都営住宅の入居者でも、収入が上がるとそれ以上に家賃が上がったり、場合によっては、退去しなければならなくなるので、積極的に働く意欲を失ってしまうこともあり得ます。
 家賃の設定は国の基準であり、現時点で都が独自に段差をスロープに改めることは難しいことは理解します。しかし、さらにもっと大きな課題として、同じ低所得でありながら、当たり外れの運で受けられるサービスが大きく異なる状況は改善すべきです。
 すなわち、私は、低所得者に対する家賃補助を実施すべきと考えますが、見解を伺います。

○山口住宅政策本部長 家賃補助制度につきましては、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など、多くの課題があると認識しております。
 都民の居住の安定の確保につきましては、都営住宅を住宅セーフティーネットの中核として的確に供給していくとともに、住宅確保要配慮者の入居を拒まない民間賃貸住宅の供給促進に向けて取り組みまして、重層的な住宅セーフティーネットの強化を図ってまいります。

○中村委員 都営住宅が中核だということでお答えがありました。
 先ほども当たり外れの運でというふうにいったんですが、なかなか都営住宅に入りたくても入れない方々が大勢いらっしゃいます。空いているところは都心から離れれば離れるほどあるといわれますけれども、ご高齢の方等で急に生活環境を変わるわけにいかないところがあります。
 やはり住み慣れた環境等で暮らしたいと思ったときに、じゃあ、申し込もうと思えば何十倍とか、下手をすれば百倍とかということになってしまうと、もうほとんど運で都のサービスが受けられる、受けられないが変わってしまいます。
 ましてや、年金で暮らしていらっしゃる方々は、本当に普通に民間住宅を借りればそれだけで生活費がほとんどなくなってしまうところもありますから、都営住宅が当たる、当たらないで本当に大きな差が出てしまうというふうに思っています。
 もちろん都営住宅の意味合いも、高齢者なり、低所得者や障害者、これは一定必要だと思っていますけれども、それだけではどうしても入り切らない部分があると思っています。民間の空き家等もたくさんあるわけですから、そういったところを含めて家賃補助制度の創設ができないかということで提案させていただいていますので、ぜひ引き続きこれは検討していただきたいというふうに思っています。
 特にこれ、できないというわけではなくて、自治体でやっているところがあるわけですから、それで聞いているわけです。
 特に市区町村では、高齢者や障害者、子育て世帯に対して、居住継続支援などの家賃補助を実施していますが、実施しているのは今、十七の市区にとどまっています。
 そこで、市区町村が実施する家賃補助事業の半分を東京都が負担するなど、市区町村を財政支援することで、家賃補助制度に取り組む市区町村の拡大に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○山口住宅政策本部長 市区における家賃補助制度は、地域の実情に応じて、それぞれ独自の観点から対象者を設定し、様々な助成が実施されているものと承知しております。
 都としては、引き続き、東京ささエール住宅の専用住宅の供給促進等を図りまして、住宅困窮者の居住の安定確保に取り組んでまいります。

○中村委員 東京ささエール住宅の方も取り組んでいただいているというのは十分承知はしているんですけれども、残念ながら、まだなかなか実績が上がっていないというところもあります。これ、やっぱりそれだけでは足りないというところがあるので、それはそれでやっていただいているのもいいとは思うんですけれども、やはり直接的な、こういった低所得者を含めて、家賃補助制度の創設が必要なのではないかということを改めて申し上げさせていただきまして、次の質問に移りたいというふうに思います。
 次に、高齢者施策について伺います。
 今定例会の施政方針で小池知事は、高齢者施策について、約二分程度でしたが発言されました。この間、小池知事からは、あまり高齢者施策に関する発言が聞かれなかったので、取りあえずほっとはいたしましたが、子供を前面に出したように、高齢者施策についても、都庁は本気で取り組んでいただきたいというふうに思っています。
 今定例会には、福祉保健局を分割し、福祉局と保健医療局とを新設する条例案が提案されています。これにより、介護は福祉局、医療や健康づくりは保健医療局に分割されることになります。
 今後、高齢者施策は今以上に地域包括ケア、医療と介護との連携を強く求められるようになり、また、一人暮らしの高齢者の増加など、その重要性はますます増してくるものと考えています。
 そこで、地域包括ケアの実現と高齢者施策の推進に向けて、知事の見解を伺います。

○小池知事 多くの高齢者の方々は、たとえ介護が必要になっても可能な限り住み慣れた地域で暮らしたいと望んでおられます。
 このため、都は、高齢者保健福祉計画に基づきまして、地域の中で医療や介護、生活支援サービスなどを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築に向けました様々な施策を展開いたしております。
 引き続き、高齢者施策の充実を図り、誰もが安心して暮らせる長寿社会を実現してまいります。

○中村委員 今、知事の方から、そういったご答弁の方もいただきましたが、なかなか子育てのことと違って、高齢者の方が施策として目立たない部分であるんですけれども、ただ、やはりこれから超高齢化社会ということになってくると本当に大事な部分だというふうに思っていますので、私は、知事には、子育てに関しては本気だという姿勢を示していただいておりますが、高齢者施策も本気で取り組むんだという姿勢を示していただいて、暮らしていらっしゃる方に安心していただけるようにしていただきたいと思っています。
 また、私たち立憲民主党は、党の綱領の中で、全ての人に居場所と出番のある共生社会を構築するというふうにしていますが、そこで、この高齢者の方々含めて、居場所や出番についての質問をしたいと思っています。
 私は、昨年の予算特別委員会で、高齢者の居場所づくりとして都営住宅における東京みんなでサロンについて質問しました。当時は、コロナ禍もあって、食事などを楽しみながら交流を深めるという事業は難しい時期でしたが、今後は、食事を通じて高齢者が交流する居場所の確保についても、積極的に取り組んでいくべきと考えます。
 令和五年度予算では、都民提案ですが、TOKYOシニア食堂の取組も予算化されました。
 私は、こうした提案も含め、高齢者の居場所づくりを積極的に進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○西山福祉保健局長 都は、高齢者の孤立や閉じ籠もりを防止するとともに、介護予防、フレイル予防を推進するため、高齢者が気軽に立ち寄れるサロンの設置や、会食しながら悩みや不安を相談できるカフェの運営など、高齢者の居場所づくりに取り組む区市町村を支援しています。
 来年度は、TOKYOシニア食堂推進事業を実施することとしており、引き続き、高齢者の多様なニーズに対応した居場所づくりを支援してまいります。

○中村委員 いろいろと場所の提供はつくっていただけるとは思うんですけれども、なかなかこの間、コロナで三年ぐらい間が空いてしまうと、本当に人が途切れてしまっていて、これまでのノウハウがなくなってしまったりもしています。
 特に、地域で活動していただいている方々も比較的高齢なものですから、改めて、こういったところをもう一度つくっていくのは大変だと思っていますが、ぜひ市区町村と連携しながらやっていただきたいと思っています。
 また、私は、昨年の予算特別委員会で、専門的な知識や経験を地域で発揮したい高齢者と、サポートを必要とする個人や団体とを結びつけるIT等を活用したマッチング事業について質問もしました。地域には、まだまだ地域のために役立ちたい、人のために役立ちたいと思っている高齢者が多くいることは変わりません。
 改めて、私は、こうした人たちを市区町村の区域を超えて、東京都全体の地域でマッチングするなどして、高齢者の社会参加を積極的に進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○西山福祉保健局長 都は、社会参加の意欲がありながら活動に結びついていない高齢者等と、新たな担い手を必要とする地域の団体等をつなぐことを目的に、今年度から人生百年時代社会参加マッチング事業を開始しています。
 この事業では、高齢者等の相談支援や地域活動の掘り起こしに取り組む区市町村を支援するとともに、有識者等で構成する委員会での検討結果を踏まえ、高齢者等と社会参加活動との広域的なマッチングのためのオンラインプラットフォームを構築することとしています。

○中村委員 高齢者といっても、おおむね八割ぐらいは元気な方が多いわけですから、元気に活動していただきたいと思っていますし、ITが弱いというふうなイメージはあるんですけれども、今の六十代、七十代は、十年、二十年前であればもう現役のときにIT機器を使っていますから、そういったところも積極的に活用していただいて、活用の幅が広がるようにしていただければというふうに思っています。
 次に、コロナ対策について伺います。
 新型コロナウイルス感染症が報じられた二〇二〇年一月以降、都の職員の皆さんにも、次々と起こる問題に懸命に対処してこられたことは心から感謝を申し上げます。
 未曽有の感染症に対して十分な準備や想定がない中でしたが、様々な課題や教訓を踏まえて、いつまた起こるか分からない感染症危機に備え、これまでの対応を客観的、科学的に評価する必要があると考えます。
 学校や保育所の臨時休業、緊急事態宣言解除後にも続いた度重なる時短や外出自粛要請、医療確保、救急搬送の逼迫、保健所業務の在り方、平時はあまり注目されなくても専門的知見を持った職員がいかに重要かなど、外部の方も含めてできるだけ多くの方が関わって、検証を行うことは歴史に対する責任でもあります。
 コロナを五類に移行する政府方針が決定し、まだまだ油断はできないものの、一つの節目を迎えようとしています。これまで、知事から積極的な答弁がありませんでしたが、ここでようやく検証について考える時期を迎えているのではないでしょうか。私は、あえてこれ、知事に所見を伺いたいと思います。

○野間総務局長 都はこれまで、新型コロナ対策について総力を挙げて感染拡大防止や医療提供体制の充実に取り組み、得られた知見を次の対策に生かすことで、幾度も感染拡大の波を乗り越えてまいりました。
 特に、強化を重ね、先手先手の対策を講じてきた保健、医療提供体制は、東京モデルとして、海外の専門家からも評価されております。
 今後とも、これまで培った経験と知見を生かし、専門家の意見も踏まえつつ、適切に対応してまいります。

○中村委員 度々この検証については知事に伺ってきたんですけど、どうしても検証するということについてお答えをいただけていません。東京都は過去の振り返りはしたということなんですが、振り返るだけでは駄目なんだと思っています。やはり、これまでやってきた施策がよかったのかどうかということが後の世に生きることだと思っています。
 ただ、これは必ずしも責めているだけではなくて、初めはコロナ自体について、よく分からなかったことなので、後手に回った部分もあったと思いますし、いろんなところはあったと思っています。いいところがあったところもあると思いますけれども、やはりぜひこういったことをしっかりと検証して残していって、後の世でどういった感染症がまた出てくるか分かりませんから、そういったときに備えていくという点でも、今こういった後世に伝えることというのが、私たち今に生きる人の責任だというふうに思っています。だからこそ、これは局長じゃなくて、政治家として、この危機に向き合ってきた都の責任者として、知事の見解を伺いたいと思っています。
 改めて知事に対して、検証していかないのか、改めて伺いたいと思います。

○小池知事 都はこれまで、新型コロナ対策について総力を挙げて感染拡大の防止、医療提供体制の充実に取り組んでまいりました。得られた知見を次の対策に生かすということで、幾度も感染拡大の波を乗り越えてきたのがこれまでの三年間でございます。
 特に、強化を重ね、先手先手の対策を講じてきた保健、医療提供体制、これは東京モデルとして、海外の専門家からも高く評価をされているところでございます。
 今後とも、これまで培いました経験、そして、知見を生かして、専門家の意見も踏まえつつ、適切に対応していくという考えでございます。

○中村委員 知事にもお答えいただきましたが、やはりちょっと検証という言葉は使っていただけませんでした。言葉だけのことをいっているわけじゃなくて、本当にやってきたことがよかったか悪かったか、しっかりこれを見定めるということが大事だと思っていますし、それを残していくことが大事だと思っていますので、コロナはまだ終わったわけでありませんから、引き続き、ぜひ必ず機会を捉えて検証していただいて、後の世に責任として果たしていただければというふうに思っています。
 さて、昨年十二月の代表質問で、私たちは、五類になったとしても、国に必要な財源の確保を求めるとともに、都としてもワクチンの公費負担の継続をはじめ、医療病床の確保や高齢者施設等の確保など、引き続きコロナによる脅威から都民の命を守るべく、万全を期すべきと主張してきました。
 今年三月までとなっていた無料のワクチン接種については、今後も、当面継続する方針が示されていますが、高齢者や障害者、基礎疾患がある方、あるいはエッセンシャルワーカーなど、希望者が接種しやすい環境整備に引き続き取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

○佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 国の厚生科学審議会の分科会では、令和五年度は、重症者を減らすことを目的に、重症化リスクが高い方や医療機関、高齢者施設等の従事者に対して春夏に接種を行うとともに、秋冬には全ての方を対象に接種を行うとの方針が示されております。
 都は、国の方針を踏まえまして、四月以降も、ワクチンバスを活用して高齢者施設等での接種を進めるほか、一部の大規模接種会場を継続するなど、必要な方への接種機会を確保していくこととしております。

○中村委員 また、私たちが求めていた医療病床の確保でも、病床確保計画に位置づけられていない、いわゆる一般の病院に対しても、受入体制を整備すべく補正予算を計上しています。
 しかし、新規感染者の全数把握を定点調査に変更し、週一回の発表にすることで、感染者数が急増した際に、早め早めの対応が取れず、救急搬送が逼迫したり、必要な医療を受けられないようなことがあってはなりません。
 病床確保などについて、早め早めの対応が求められますが、見解を伺います。

○佐藤福祉保健局健康危機管理担当局長 都は、五類移行後も、新型コロナの感染動向を的確に把握し、機動的な対策を講じていくためのモニタリング方法につきまして、東京iCDCの専門家などの助言をいただきながら、検討を進めることとしております。
 感染拡大時には、新型コロナへの対応に医療資源を重点化できるよう、来年度の予算案に、医療機関に対するコロナ患者の受入支援や、休日の小児診療体制確保のための経費を計上しておりまして、通常医療との両立の観点も踏まえながら、適切に対応してまいります。

○中村委員 これから五類になっていって、コロナが終わったとは思いたいんですけれども、万が一、また急増しないとも限りません。この間も何回も波があったときに、やっぱり減っているときから急に増えてくるときに、まだ大丈夫だと思いたいんですが、その初動のところで本当にその体制を取るのがよかったのかどうかというのはあるかと思っています。
 今後、特に定点観測に変わっていくとするとなかなか機会を捉えづらいところはあると思うんですが、ぜひ兆候を捉えていただいて、もし仮にこういったものが急増してしまうのであれば、早め早めの対応をお願いしたいと思います。
 次に、コロナに関連して、保健所の体制の強化について伺います。
 今回の新型コロナウイルス感染症対応を教訓とするならば、今後、保健所が目詰まりし、機能不全に陥ることのないよう万全の体制を構築していく必要があります。震災時のように、現場からの応援要請を待つのではなく、あらかじめ都庁からの支援体制を決めていく、人員計画をつくっておく必要があると考えます。
 また、保健師、医師、看護師等の確保に向けては、厚労省が委託してやっている人材バンク制度、IHEATの積極的活用などが求められます。
 現在、東京都では、感染症対応を踏まえた都保健所のあり方検討会を設置し、検討を進めているところですが、保健所の人員、人材の確保、育成に向けた取組について、見解を伺います。

○西山福祉保健局長 都は、新型コロナの感染拡大に伴い、保健師の増員や応援職員の配置、会計年度任用職員の活用など、感染状況に応じた体制を確保してまいりました。
 現在、感染症対応を踏まえた都保健所のあり方検討会で、専門人材の確保、育成を論点の一つに位置づけ、検討してございます。

○中村委員 多摩地域では、東京都の保健所と自治体との連携、役割分担が課題となりました。
 昨年も申し上げましたが、保健所の所管人口は、地域保健法に基づく指針では、都道府県が設置する保健所の所管区域は二次医療圏に一つ設置することが原則で、二次医療圏の人口が平均的な二次医療圏の人口を著しく超える場合には、地域の特性を踏まえて複数の保健所を設置できることを考慮すると定めています。
 全国の二次医療圏の平均人口は約三十七万九千人で、多摩府中保健所の所管人口は約百七万人で、これは、平均的な二次医療圏の人口を著しく超えています。
 多摩地域の二次医療圏において、都が複数の保健所を設置することなどについても積極的に検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○西山福祉保健局長 住民に身近な保健サービスは市町村が、より専門的なサービスは保健所が実施するという地域保健法の考え方に基づき、都保健所は、二次保健医療圏に一か所設置しており、広域的、専門的、技術的拠点として地域の感染症対策の重要な役割を担ってございます。
 なお、都は現在、検討会でその在り方について検討しております。

○中村委員 この間、検討会で検討しているということで、なかなかちょっと前向きな姿勢が取られないんですけれども、実際この間、多摩地域の場合は、二十三区がそれぞれの区が持っているのと違って、東京都が直接そこに責任を持っているわけですから、本当に体制が十分だったのかというのは、先ほどの検証の話も含めて、あるんだろうというふうに思っています。
 実際、在宅療養の方が増えたときに、在宅で療養している方々が、区の場合であればその情報があったんですが、市町村の場合はなかったということで、そこでやはり市長さんたちから何で情報がないんだということがあって、在宅の療養管理を市長さんたちがやってもらって、そちらから情報をもらうような形になって、うまくいったところもあったと思っています。
 私は、これは十分機能していなかったんじゃないかと思いますので、ぜひ改めて、この体制は見直さなきゃいけないと思いますので、検討会に任せるということだけじゃなくて、積極的に東京都もこの配置を見直すということをしっかり考えていただきたいというふうに思っています。
 次に、気候変動対策としてのプラスチック対策について伺います。
 国や都が二〇五〇年までにカーボンニュートラルを実現するためには、化石燃料を原料とするプラスチックを中心とする化学品分野でも、使用抑制やCO2削減の取組が求められます。現在、世界各国で海洋を含む環境におけるプラスチック汚染に関する国際条約の交渉が進められており、二〇二四年末には調整を終えるとしています。
 世界大都市の一つ、東京都として、プラスチックのカーボンニュートラルに向けてどう取り組むのか、知事の見解を伺います。

○小池知事 二〇五〇年CO2排出実質ゼロに向けましては、プラスチック利用の大幅削減とともに、リユースを基調とした社会への移行が重要でございます。
 このため、都は、ワンウエーから再利用可能な容器への転換を図るなど、先駆的なビジネスモデルの構築に取り組む事業者を支援し、社会実装化に向けた動きを後押ししております。
 今後とも、こうした先進的な事業者との連携を図り、さらなるイノベーションを創出しながら、ゼロエミッション東京の実現を目指してまいります。

○中村委員 ゼロエミッション東京の実現へ向けていっていただきたいと思うんですが、今もお話があったように、二〇五〇年という大分先の目標を掲げています。これ、先過ぎてしまうと、じゃ、そこまで、今どの位置にいるかというのが分かりづらくなってしまうんですが、できれば本当は、毎年毎年の積み重ねがあって二〇五〇年なわけですから、そういったところ、もう少し細かく目標を立てていただいて実現していただかないと、直前になってこれは無理だということになってしまいかねませんから、もう少し計画が、実現ができるように取り組んでいただきたいというふうに思っています。
 さて、脱炭素社会を目指す上で、プラスチックごみを大幅に削減するため、使い捨てプラスチック使用量を極力減らすことが必要です。
 昨年のプラスチック資源循環法施行から、廃棄物収集や再商品化を担う役割がより求められるようになって、都も支援策を打ち出しましたが、自治体では財政面や収集時の運用などの課題があり、すぐに取組を開始することは容易ではありません。
 都として、プラスチックごみの分別、再資源化支援策を拡充していくべきですが、見解を伺います。

○栗岡環境局長 まず、委員から、先ほど二〇五〇年にゼロという話がございましたけれども、都として、二〇三〇年に四〇%削減という目標を持ってございます。
 その上で、今の質問に対するお答えでございますけれども、都は、持続可能な資源利用の実現に向けまして、令和二年度からプラスチックの分別収集経費等について区市町村を支援する事業を開始いたしました。
 昨年四月のプラスチック資源循環法の施行を受け、新たに製品プラスチックの分別収集経費も対象とするなど、支援を拡充したところでございます。
 来年度は、今年度のおよそ二・六倍に当たる九億二千万円を計上してございまして、引き続き、区市町村の取組を強く後押ししてまいります。

○中村委員 市区町村によっても大分取組に温度差があったりもしますから、ぜひ都から積極的に支援していただいて、市区町村との連携を強めていただければと思います。
 さて、二〇一九年、都や国の調査で、河川や東京湾でマイクロプラスチックなどが検出されました。海洋プラスチックごみの約八割は陸域から発生しているともいわれており、より一層対策を進めるためには、流域圏で内陸から沿岸及び海洋にわたる関係主体が一体となって発生抑制対策等を行うことが不可欠です。国は、河川マイクロプラスチック調査ガイドラインを作成し、都も海洋へのプラスチック漏出を防止する目的で、実地検証を行っています。
 都内での河川からのマイクロプラスチック流出の現状把握と、都として発生、流出を減らす取組を進めるべきですが、見解を伺います。

○栗岡環境局長 都は、海ごみ問題を都民に広く啓発するとともに、使い捨てプラスチックの削減や清掃活動への参加を促すTOKYO海ごみゼロアクションを展開してございます。
 具体的には、環境公社と連携して専用のウェブサイトを開設し、海ごみ問題を分かりやすく解説する動画や資料等を掲載するほか、本年一月には都民が参加するごみ拾い体験イベントを開催いたしました。
 また、荒川と多摩川においてマイクロプラスチックの流出状況を把握するため、一立方メートル当たりの個数や、色等について調査を二回行ってございます。
 こうした取組によりまして、引き続き、海ごみの発生抑制を図ってまいります。

○中村委員 このマイクロプラスチックの問題は、これから本当に問題になっていくところだと思いますから、ぜひとも対応のほどお願いしたいと思います。
 さて、プラスチック汚染や海洋プラスチック問題の深刻さを踏まえ、地球環境を配慮した消費行動につながる考え方を普及させるべきだと思います。都のエシカルパートナー企業では、使い捨てプラスチックゼロを目指す取組や、植物由来のバイオプラスチック容器を使い始めるなどのプロジェクトも始めています。
 都民がプラスチック問題を考え、エシカル消費を実践しやすい環境を構築し、具体的な行動に結びつけていくよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○横山生活文化スポーツ局長 都は、プラスチック問題への取組も含めた、人や社会、環境に配慮して商品やサービスを選ぶエシカル消費を広く都民に普及啓発しております。
 昨年十二月には、企業、団体と協働してエシカル消費を推進するプロジェクト、TOKYOエシカルを開始いたしました。
 今後、専用サイトやSNSにおいて、使い捨てプラスチックの削減やリサイクルなどの取組も含むエシカル消費につながる様々な情報を発信するとともに、企業等とエシカル商品を購入できるマルシェなどの体験型事業を実施し、都民の日常的なエシカル消費の実践につなげてまいります。

○中村委員 最後の項目として、賃上げに向けた産業、労働対策について伺います。
 私は、中小企業が賃上げができるように、昨年の第四回定例会の代表質問で、賃上げの資金確保のため取引適正化の推進を求めたのに対して、都は、国のパートナーシップ構築宣言制度と連携した下請対策に取り組むと答弁しました。
 しかしながら、年末から年初にかけて、その宣言を行ったそうそうたる大企業などが、価格転嫁を協議しなかった、価格交渉や価格転嫁に後ろ向きな企業として、国から企業名を公表されました。取引適正化について、労働団体から宣言企業をチェックすべきとの意見もあり、事業者団体からも強力な推進と下請企業の価格交渉促進に向けた個社支援、指導実施強化が求められています。
 中小企業において賃上げが可能となるように、都として、取引の適正化にどう取り組むのか、見解を伺います。

○坂本産業労働局長 都は、中小企業振興公社に専門組織を設置し、企業同士の取引に関わる相談への対応を行うほか、取引の実務に精通した相談員を中小企業に派遣し、値引き要請への対応方法などについて助言をしております。
 また、下請企業との間で適正な取引を行うことを宣言した会社に対して、国の優遇の仕組みなどを伝えております。
 引き続き、こうした取組によりまして、中小企業の適正な取引を支援いたします。

○中村委員 東京都が下請契約の適正化を求めるとともに、令和二年度調査に引き続き、実態把握調査を行って現状を把握する必要があると考えますが、見解を伺います。

○吉村財務局長 都は、建設業の担い手確保、育成に向けまして、建設労働者の適切な処遇確保を図るため、毎年度、元請事業者に対し下請契約の適正化を要請するとともに、契約後、物価変動が生じスライド条項を適用した場合には、下請契約における金額変更を適切に行うよう求めているところでございます。
 お話の令和二年度の調査は、こうした取組のフォローアップとして実施し、おおむね適正との結果を得ましたが、物価高騰など社会経済情勢の変化も踏まえまして、昨年秋から改めて対象を拡大して調査しており、今後、調査結果を業界に還元してまいります。
 こうした取組を通じ、引き続き、建設業における下請契約の適正化を促してまいります。

○中村委員 さて、都の公労使会議を構成する各団体の全国団体は、国の未来を拓くパートナーシップ構築推進会議の構成団体です。
 そのため、都の公労使会議においても取引の適正化を議題に上げ、それぞれ意見を出し合うことが必要ではないかと考えますが、見解を伺います。

○坂本産業労働局長 都は、中小企業の経営者をはじめ、業界や働き手の実情に詳しい団体の代表者などが参加する会議等において、中小企業の現場での実態や適正な価格で取引を行うことについて意見をいただいております。
 今後とも、こうした取組によりまして、中小企業の支援を進めてまいります。

○中村委員 今、なかなか物価高ということになっています。中小企業の方も、本当は賃金を上げたいんだけど、なかなか原資がないんだということもいわれています。大企業の方々には、ぜひ自分の会社の方の賃金も上げてほしいんですけれども、こういった適正な取引ということで、中小企業の方々が賃上げできるような原資をつくっていただけるようにと思っています。
 このことは当事者同士だけの交渉というわけにいかないので、ある意味で、この公労使会議ということじゃないんですが、公の部分ですね、都としても積極的にここは訴えていただいて、こういった機運醸成を図っていただいて、中小企業、下請で働く方々の賃上げに結びつけていただけるようにしていただきたいと思います。
 さて、東京都がデジタル人材育成に取り組む中、国は、企業におけるDX推進を通じた価値向上に向け、デジタルガバナンス・コード二・〇を提示しました。この中で、最優先して育てるべきデジタル人材は、価値向上や新規ビジネスを創出する人材、ビジネスアーキテクトやデザイナーなどのデジタル推進人材です。
 都におけるデジタル推進人材確保、育成の取組について伺います。

○坂本産業労働局長 都は来年度、中小企業が従業員のデジタル技術の習得のため必要となる経費への支援に関し、規模を拡充いたします。
 具体的には、民間教育機関に通う講習に加え、社内に講師を招きオーダーメードで実施する研修も対象といたします。
 これらによりまして、中小企業の人材の確保と育成を支援してまいります。

○中村委員 国や都などで開催した東京都職業能力開発促進協議会においては、IT訓練における就職とのミスマッチが説明されました。都の中小企業有識者会議でも、IT導入の旗振り役が必要、自社に必要なデジタル化とは何か、全体を踏まえさらに深掘りした施策が必要として、IT知識を持ちリーダー的でマネジメントができる人材を求めているとも聞きます。
 産業構造の変化にも対応できる、実効的なリスキリングプロジェクト、職業訓練による取組を推進させていく必要があると考えますが、見解を伺います。

○坂本産業労働局長 都は来年度、様々な方が、成長産業の中で力を発揮できるよう、能力開発や就職支援を年間二万人の規模のプロジェクトとして展開いたします。
 これによりまして、従業員の新たなスキルの習得に向けた機会を提供する企業への支援を行うほか、デジタルの知識を基礎から学ぶプログラムなどを実施いたします。
 こうした取組によりまして、リスキリングの支援を進めてまいります。

○中村委員 実効が上がる事業として、学んだことや何を生み出せるかなどという取組を評価、後押しをして、企業の成長を促していただきたいと思っています。
 いろいろと今、中小企業や下請についても質問もさせていただいたんですが、本当に物価が厳しい状況にあります。中小企業の経営も、コロナ等もあって大変だったところもあったと思うんですが、そこで働く人も大変な状況にもあります。
 ぜひ都としても、先ほど来述べさせていただきましたが、取引の適正化、そしてまた、賃上げにつながるような機運醸成を図っていただくことによって、何としてもこういった物価高で厳しい状況にあるところの危機を脱することができるように、都としても全力で応援していただければというふうに思っています。
 以上述べまして、質問の方を終わります。
 ありがとうございました。

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