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都議会質問記録

2023/06/19 都に教育政策、障がい者施策、雇用労働対策等を文書質問しました

2023年6月19日、都に対して文書質問を提出しました。本会議場で質問する機会を得られなかった議員に、文書で質問を提出した場合に本会議での質問と同じ扱いをするこになっています。毎議会、議場での質問か文書質問か必ずどちらかを行っています。今回提出したテーマは以下の通りです。答弁書は、次の定例会前、9月12日の議会運営委員会に報告されました。

1 教育政策について
2 障がい者施策について
3 雇用労働対策について
4 中国残留邦人への支援について

1 教育政策について

問1:学校に通えない子どもの中に「起立性調節障害」という病気があると言われています。朝、起きられなくなる疾患で、思春期に起こりやすく、10~20人に一人がなるとも言われています。しかし、その存在を知らなければ怠けているととらえられ、状況はますます深刻になってしまいます。「起立性調節障害」について都の基本認識を伺います。

回答1:起立性調節障害は、たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛など思春期に発症しやすい自律神経機能不全の一つであり、重症の例では、登校できないケースも見られるものと認識しています。

問2:「起立性調節障害」になった児童生徒に対して、学校や教員、保護者が理解し対応することが必要です。病気への知識と理解、啓発が必要ですが、見解を伺います。

回答2:都教育委員会は、教職員など学校関係者に対し、起立性調節障害を含む様々な健康問題に適切に対応できるよう、保健指導の手引き等を通じて、周知を行っています。

問3:教員不足が言われていますが、教師の多忙化による休暇や退職が残った教員をさらに多忙にするという悪循環に陥っています。教員不足の早期解消は必要ですが、長期的に見れば少人数学級を促進し、教員と子どもが向き合う時間の確保が必要です。見解を伺います。

回答3:義務教育における学級編制は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に基づき行っており、少人数学級の促進については、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えております。

問4:教員の多忙化の解消には、業務の見直し、必要のない業務の削減を行うことが必要です。このことは長く言われながら必ずしも改善されたとは言えません。現状をどのようにとらえ、どう改善していくのか見解を伺います。

回答4:平 成30年2月に策定した「学校における働き方改革推進プラン」等に基づき、都教育委員会では、学校に対する調査等の縮減や外部人材の活用等により、教員の負担軽減を図っています。
 また、各学校においては、保護者や地域の理解を得ながら、留守番電話の活用による勤務時間外における電話対応の見直しや、学校行事の精選等に取り組んでいます。
 引き続き、教員の負担軽減を進めることとしています。

問5:教員の質の低下が懸念される中で、指導力が十分でない教員をフォローする周りの教員の多忙さが増しているとの声がありますが、どのように対応するのか伺います。

回答5:都教育委員会では、令和5年2月に策定した「東京都公立学校の校長・副校長及び教員としての資質向上に関する指標」に基づき研修を実施しているほか、各区市町教育委員会や各学校においても集合研修やOJT等に取り組んでいます。
 また、特に指導力に課題がある教員については、区市町村教育委員会や学校経営支援センター等が学校訪問し、授業等を観察するとともに必要な指導を行っています 。

問6:ICT機器が普及し、新しいアプリが導入されるたびに研修を受けたり、小学生や中学生のタブレットの故障や不具合の対応で授業が中断するなどが起こります。ICT化への対応が過度に教員の負担にならないよう対応すべきですが見解を伺います。

回答6:都教育委員会は、区市町村教育委員会に対して、ICT支援員の配置経費の一部を補助しているほか、教員の問い合わせに対応するヘルプデスクの設置経費等の一部に対して、国の補助に上乗せした補助を行うなどの支援を行っています。

2 障がい者施策について

問1:障がい者への合理的配慮について、国では法律で努力義務としていますが、都では条例で義務としています。その姿勢は高く評価しますが、具体的に都として国の政策に上乗せしてどのような施策を行っているのか伺います。

回答1: 東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例(以下「条例 」 と い う 。)では、障害を理由とする差別の解消に関する法律(以下「法律」という。)で努力義務とされている民間事業者の合理的配慮の提供を義務化するとともに、相談・紛争解決の仕組みを整備し、障害を理由とした差別に関する相談を専門に受け付ける広域支援相談員を配置しています。

問2:今後、国でも障害者差別解消法の改正により、2024年には自治体だけではなく民間事業者においても合理的配慮が義務化されます。都はすでに国に先行して取り組んでいますが、改正法の施行による合理的配慮の努力義務から義務化になるに伴い、都としてどのように対応していくのか見解を伺います。

回答2:都は、国に先行して条例で事業者の合理的配慮の提供を義務化しており、引き続き事業者を対象にパンフレットの配布や説明会を実施するなど、障害者差別の解消に向け、普及啓発に取り組んでいきます。

問3:都は総務局が所管する東京都人権プラザにおいて、障がい者の人権に関する相談にも対応しています。とはいえ、障がい者施策を所管する福祉保健局も積極的に差別や偏見などの解消に取り組む必要があります。組織の壁を越えて総務局とも連携して障がい者の人権を守るため、普及啓発や相談体制の強化など、積極的に取り組むべきと考えますが見解を伺います。

回答3:都は、福祉局に設置している東京都障害者権利擁護センターにおいて、障害者差別に関する相談を受け付けるほか、助言や関係者の調整を行うなど、個々の事例に即した専門的な対応を行っています。
 また、相談内容に応じて、東京都人権プラザなど関係機関と連携し、相談者に対して回答を行っています。

問4:障がい者が学校で学ぶ際に、必要な合理的配慮を行うことで社会的障壁を取り去り、障がい者が学ぶ権利を守ることが重要です。条例の趣旨を踏まえ、義務教育のみならず高校や大学など様々な教育機関において、合理的配慮がなされ、障がい者が学ぶ環境が整えられる必要があると考えますが、見解を伺います。

回答4:都は、広く都民、教育機関を含む事業者、区市町村等に対して、法律及び条例の趣旨を普及啓発しています。
 また、障害者及びその家族等からの相談に応じ、必要な助言や調査、情報提供及び関係者間の調整を行っています。

3 雇用労働対策について

問1:有期雇用が5年間続くと無期雇用に転換することが義務化されましたが、5年満了の直前に雇止めするなど改正労働契約法の趣旨を理解していない事業者が見られます。都は無期転換ルールの実態をどのように把握しているか伺います。また、事業者に対して普及啓発すべきですが見解を伺います。

回答1:都は、期間の定めのある雇用について調査を行い、状況を把握しています 。
また、国の法令の内容について、事業主等に対して普及啓発を行っています。

問2:女性雇用労働者の53.4%、1,432 万人が非正規雇用労働者で、その約8割が年収200万円未満とのことです。安定就労・所得向上を求めている就労支援が必要です。とりわけ女性の非正規雇用労働者の正規転換等の支援をより一層進めるべきですが見解を伺います。

回答2:非正規雇用の方の正規雇用化は、安定した就労を実現する重要な取組です 。
都は、令和5年度から、非正規から正規への転換を行う企業への支援を充実しています。

問3:バブル崩壊後の概ね1970年~1982年生まれの就職氷河期世代は2,300万人を超えて生産年齢人口の約3割を占めています。就職氷河期世代の安定雇用や所得向上を求める非正規雇用労働者に対して、正規雇用につながる支援を強化する必要がありますが、見解を伺います。

回答3:就職氷河期に入社ができず、不安定な就労や生活の続く方々に対し、速やかな就業を後押しすることは必要です。
このため都は、こうした方々の安定した就労に向けた支援を行っており、令和5年度は施策を充実しています。

問4:コロナ禍において、生活困窮者や就労困難者の困難さが増し、より一層の就労支援、生活自立支援を行うことの重要性が明らかになりました。就労困難者等への就労支援策の周知や情報伝達、アウトリーチ支援、伴走支援等の就労支援全般の強化が必要ですが見解を伺います。

回答4:都は、就労に困難を抱える方に対して、支援の内容に関し様々な方法で周知を行っています。
また、就職に関する専門知識を持つカウンセラー等による相談対応も実施しています。

問5:国連が掲げるSDGsの考え方が社会的にも浸透しつつあり、持続可能な社会に向けた取り組みが進んでいます。都が行う入札や契約においても、経済・社会の持続可能性を担保する公正労働基準の要件を入れるべきですが、見解を伺います。

回答5:都は、公共調達を通じてSDGsの理念を踏まえた社会的責任を果たすため、調達に係る指針を新たに策定することを目的として、「社会的責任に配慮した調達に係る有識者会議」を設置し、令和5年4月に第1回会議を開催しました。
本有識者会議を通じて、環境、人権、労働などの専門家から意見を聴取しながら、引き続き調達指針の策定に向けた検討を進めていきます。

4 中国残留邦人への支援について

問1:中国残留孤児や中国残留婦人及びその家族について、帰国後の支援についてたびたび質問してきました。本人と同伴で帰国した2世と違い、呼び寄せた2世は援護対象になっていないため、自治体における独自の施策にとどまっています。高齢化に伴い、問題はますます深刻化しています。一般的に中高年にとっての就労は厳しいのですが、中国帰国者2世は言葉や習慣の違いからますます厳しくなっています。本来は国が援護対象とすべきですが、都としても2世の就労支援に取り組むべきですが見解を伺います。

回答1:中国残留邦人等への支援については、毎年、二十二都道府県中国帰国者対策協議会において国提案を行っており、令和5年1月には、帰国者が呼び寄せた2世や3世に職業訓練等の措置を講じることなどを提案しています 。

問2:中国帰国者2世自身が署名活動を始め国に立法化を求めています。自治体としても2世を支援するための立法化を国に求めるべきですが見解を伺います。また、国が支援に取り組むまでは自治体としても独自に支援する必要がありますが見解を伺います。

回答2:中国残留邦人等 への支援は、国の責任において実施すべきものであり、都はこれまでも必要な提案要求を行っています。
また、都は、国の支援対象となっていない2世等についても、自立・定着の促進を図るため、独自に生活相談員制度を設け、日常生活の諸課題に関する相談、助言や通院への同行などを行っています。
なお、生活に困窮する2世等への支援は、要件を満たせば生活保護制度において対応することとなります。

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