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都議会質問記録

2023/09/14 都市整備委員会で「高輪築堤の現地保存等に関する請願」に質疑しました

2023年9月14日、都議会都市整備委員会で都民からの請願陳情の審査があり、「高輪築堤の現地保存等に関する請願」、「メトロセブン・エイトライナーの地下鉄建設計画に関する陳情」について質疑を行いました。品川駅周辺の再開発事業にあたって発見された高輪築堤は歴史的にも貴重な文化財のため保護を求めました。また、都心部郊外の南北交通の検討を求めました。質問の概要は以下の通りです(答弁は後日掲載します)。

◆「高輪築堤の現地保存等に関する請願」について質問します。

品川駅近辺の再開発に際して文化財として大変高い価値のある高輪築堤が発見されたことから保存を求める声が出されています。請願は3つの委員会に付託されていますが、まずは、この委員会に付託された項目について質問します。

問1:請願では「再開発事業の現状と今後の計画を公開すること」を求めています。住民に計画を公開することは大切ですが、これまでどのように取り組まれてきたのかを伺います。さらに、請願にあるように、都は、今後、JR東日本に公開を要請するのか見解を伺います。

意見:すでに法定の仕組みの中で、地元説明会を開催し事業計画を示しているとのことで、都として要請する予定がないとのことでした。とはいえ、法的の要件を満たしても、地域の方々の高い関心があるないようであれば、より丁寧な対応が求められることもあります。必要があれば要請していただきたいと思います。

問2:都市整備員会に付託された請願のもう一つの項目として、「再開発の策定に当たっては、地域住民及び都民の声を反映できるようにすること」とありますが、これまでどのような取り組みがされてきたのか伺います。また、今後、都は、JR東日本に都民の声を反映させる取り組みをするよう要請するのか、伺います。

意見:説明会などが開催されているようですが、できるだけ都民や地域の声が反映されるよう努めていただきたいと思います。

問3:神宮外苑の再開発について「ヘリテージ・アラート」で注目されているイコモスですが、それより前にこの高輪築堤にもこの警告が出されていました。港区教育委員会のホームページにも、「港区にとって重要な遺構であるばかりでなく、わが国の歴史上も、また、世界史上も極めて重要な近代化遺産です。」とあります。高輪築堤の歴史的価値は大変高いとのことです。今後、事業が進むとさらに新たな発掘があることも推測されます。重要な史跡を保存するためには計画を変更することも考えられます。再開発事業における高輪築堤の保存について、都はどのように考えているか伺います。

意見:貴重な文化財の保護は大変重要です。今後どのような貴重な文化財が発見されるかはまだ分かりませんが、再開発事業に際しては、文化財保護が図られるようさらに都からも要請していただくことを求めて質問を終わります。


◆「メトロセブン・エイトライナーの地下鉄建設計画に関する陳情」について質問します。

陳情の趣旨は、環状七号線地下のメトロセブン、環状八号線地下のエイトライナー等の早期整備を求めるものです。

私は、今年3月の令和5年度予算案の審議に際して、新規事業として予算が計上された多摩地域の交通ネットワークについて質問しましたが、多摩地域だけではなく、山手線の外側、郊外における移動が、超高齢社会の進展とともにより一層深刻な課題になってきています。

郊外では、都心に向かう東西の交通は発達していますが、南北の移動は本当に不便な状況です。今後、多摩モノレールが延伸されますが、大江戸線と武蔵野線の間は鉄道路線が十分とはいえません。

今回の陳情は多摩地域よりももう少し都心よりの事業ですが、郊外の南北移動という点では同様の大変重要な課題であると認識しています。

問1:そこで、まず事業の概要について確認します。メトロセブン、エイトライナーの計画について、交通政策審議会では、事業採算性に課題があり、高額な事業費が課題とされている総事業費と需要について伺います。

意見:総事業費が1兆2,400億円は大変大きな金額であるのに対して、輸送密度はあまり大きくないとのことです。事業採算性に課題があるようなので、慎重な判断が必要になるとは思いますが、移動に困った人がいるのは確かであり、地域ごとに様々な交通事情があります。そこで沿線の自治体の考えが重要になります。

問2:現在、都と関係9区で連絡会をつくり継続的に議論を重ねているとのことですが、その状況を伺います。

意見:継続的に検討し、大きな課題になっている事業費について議論しているとのことです。ただ、高齢の方など必要でも声を出せない方もいますので、是非、幅広い人の意見を聞いていただきたいと思います。
冒頭にも述べましたが、東京の鉄道事情として、郊外から都心に向かう放射状の鉄道は発達していますが、郊外同士を結ぶ環状線は不十分です。多摩地域間の移動は一度都心に出てから行った方が早いこともあります。3月の委員会では、都道調布・保谷線を活用したLRTの整備について三鷹市議会で議論されていることも紹介しました。
先の委員会での都の答弁は、「多摩地域の交通基盤について基礎的な調査を行い、地域内や都市間の鉄道ネットワーク等交通基盤について現状を把握するとともに、その在り方について検討する」とのことでした。これは多摩地域だけではなく、山手線の外側の交通には大きな課題があると思いますので、都としても調査し検討していただきたいと思います。
以上述べたように、現状の課題と対策について引き続き検討する必要があるため、本陳情については継続審査を主張し、質問を終わります。

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