2024/06/10 防災、雇用、燃料高騰対策等の文書質問を提出しました
2024年6月10日、都に対して文書質問を提出しました。1防災・災害対策について、2雇用労働について、3契約について、4緊急通報について、5燃料高騰について質問しました。本会議場で質問する機会を得られなかった議員に、文書で質問を提出した場合に本会議での質問と同じ扱いをすることになっています。毎議会、議場での質問か文書質問か必ずどちらかを行っています。都からの答弁書は、次の定例会前の議会運営委員会で報告されます。
1 防災・災害対策について
問1:災害時の帰宅困難者は最大453万人、都の調査では、職場や学校に備蓄がなく、自分でも何もしていない人が半数以上にのぼります。一斉帰宅は、余震、二次災害、群衆雪崩、緊急輸送道路の通行支障など、さまざまな危険があり、抑制が必要です。職場に留まることができるよう事業所の災害への備えを進めるべきと考えますが、見解を伺います。
答1:都は東京都帰宅困難者対策条例を定めており、事業者に対して従業員を事業所等に3日間の待機をお願いするとともに、それに必要な物資の備蓄に努めることを求めています。都は、企業等への普及啓発として、企業向けハンドブックを作成するとともに、経済団体等と連携してセミナーを毎年開催しています。また、従業員への帰宅抑制の周知や物資の備蓄等に積極的に取り組む企業等を認定し、都のホームページで認定企業や先進的な取組を公表するな
ど、社会的機運を醸成するとともに、事業者の意識を高める取組を推進しています。
問2:都は6,148人の死者を想定していますが、防災減災対策により、死者ゼロを指向すべきです。首都直下地震は、戦後日本の自然災害と比べても甚大な被害が想定されています。能登地震では直接死が熊本地震の4倍でした。東京では木造住宅239万棟のうち、51万棟が未耐震です。今、首都直下などの巨大地震が起きたら、との危機感を強く持ち、防災減災対策の強化に取組むべきです。特に高齢者等耐震化が進みにくい住宅に手厚くし、誰も取り残さない耐震化を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
答2:令和5年度から、旧耐震に加え新耐震基準の木造住宅への耐震化助成を開始するとともに、令和6年度からは、耐震改修等の補助限度額を引き上げるなど、引き続き、住宅の耐震化を促進していきます。
問3:震災時における通電火災を防止するため、感震ブレーカーの設置が有効と言われています。能登半島の地震でも通電火災があったと報じられています。都は、令和5年度に、木造住宅密集地域に限定して感震ブレーカーを配布しました。今回の配布の実績を伺います。
答3:本事業は、震災時に延焼による被害の拡大が懸念される、木造住宅密集地域内の全ての木造住宅を対象として、感震ブレーカーの配布等により出火防止対策について普及啓発するものです。令和5年度は、希望のあった約15万8千世帯に配布しました。
問4:今回配布した感震ブレーカーは簡易なもので、効果が限定的とも言われています。別の形式で分電盤に取り付けるものがあり、費用は高くなりますがより効果があるとも言われています。多様な種類がある中で、今回は簡易なものを配布しましたが、その理由を伺います。
答4:大規模災害時の被害を最小限に抑えるためには、出火防止や初期消火等を総合的に進めることが重要です。このため、都民の出火防止対策を促進するため普及啓発の一環として感震ブレーカーを、木造住宅密集地域において、希望する対象世帯に対し、配布しています。
問5:感震ブレーカーについて、限定された地域以外の方からも配布を求める声があり、災害対策としてさらに広げる必要があります。配布の地域を広げる考えはあるか、広げないのであれば、他の地域で設置する場合に都として費用の補助をすべきですが、見解を伺います。
答5:本事業は、震災時に延焼による被害の拡大が懸念される、木造住宅密集地域内の全ての木造住宅を対象として、感震ブレーカーの配布等により出火防止対策について普及啓発するものです。また、都内全世帯に対して、防災ブックとともに感震ブレーカーに関するリーフレットを配布しています。
問6:感震ブレーカーがより一層普及するためには法的な位置付けを検討することも考えられます。すでに自動火災警報器のように設置を義務化されている設備もあります。もちろん、地震の際に停電することにより、避難の際の危険があるという課題もあるため、懐中電灯の準備や避難経路の自動点灯の設置もあわせて普及啓発を行う必要もあります。感震ブレーカーのより一層の普及のための検討状況について伺います。
答6:都は、木造住宅密集地域の対象世帯に対し、希望する世帯全てに感震ブレーカーを配布するほか、感震ブレーカーの種類や特徴、設置により期待される効果などについて記載したリーフレットを防災ブックと共に都内全世帯に配布するなど、出火防止対策普及啓発事業に取り組んでいます。
2 雇用労働について
問1:都の職員では今年の人事委員会勧告に期待する人が多いと考えますが、都が締結する請負契約などに基づく業務や都の施設を管理運営する現場では賃上げの動きが乏しいと言わざるを得ません。都においては、それらの業務で働く人たちの適正な労働環境を確保する、働く人たちの実質賃金の低下に対応する仕組みがありません。そこで、公契約条例を制定することで都の公契約で働く人たちの処遇改善が図られるべきと考えますが見解を伺います。
答1:賃金等の労働条件は、最低賃金法や労働基準法などの労働関係法令による下支えの上で、各企業において対等な労使間での交渉により自主的に決定されるべきものと認識しています。都の契約制度もそうした考え方に立脚しており、地方公共団体が発注する案件において、相当程度以上の賃金を労働者に支払うことを義務付ける公契約条例の制定については、労働関係法令との整合や、入札契約制度の前提である公正性、競争性の確保の観点などから、課題があると認識しています。
3 契約について
問1:五輪談合により指名停止期間中の広告会社との特命随意契約、計13.3億円の発注について伺います。指名停止措置は、都が契約の相手方としてふさわしくない、と判断した入札参加有資格者を、一定期間、競争入札等に参加させない処分です。特命随意契約は、例外であり、慎重かつ厳正な運用が求められます。
都が契約の相手方としてふさわしくないとした事業者に、もう一方で特命随意契約で仕事を頼むのは常識的に考えて問題があると言わざるを得ません。指名停止中の事業者との特命随意契約は原則禁止すべきですが、見解を伺います。
答1:都においては、指名停止中の事業者との特命随意契約については、特定の相手方と契約しなければ契約目的を達成することが困難な場合に限定して、適正な手続の下 、必要性や理由を慎重に判断した上で、契約することとしています。
問2:こうした事態を防ぐために、情報を公開し透明化することが必要です。立憲民主党からの求めで、都の公金支出情報の支出額と使途は公開されましたが、肝心の支払い先は非公開のままです。不十分な公金支出情報の公開の下、指名停止事業者との契約について、都民に知らせることなく行われました。情報公開は知事公約の一丁目一番地ではなかったのでしょうか。支払い先情報を公開すべきですが、見解を伺います。
答2:公金の支払先は、情報公開条例上の不開示情報に該当する場合もあります 。不開示情報に該当するか否かは、個々の案件ごとに所管部署で慎重な確認を行い、厳格に判断する必要があります。不開示情報が公開された場合は、都民の生活や事業活動に悪影響が生じるリスクがあるため、支払先を一律に公開することは妥当ではないと考え
ています。
4 緊急通報について
問1:緊急通報で119番をかけてもつながらないことがあります。不要不急の通報を避けるため、#7119の運用や、119番を適正利用してもらう促進・広報は何年も前から取り組まれていますが、不要不急の通報は増加しています。不要不急の通報を減らすための取り組みが必要です。119番通報の件数の傾向と、その中での不要不急の通報の件数の傾向について伺います。
答1:119番通報受付件数はコロナ禍で減少したものの近年は増加傾向にあり、令和5年中は 1,102,956件で過去最多を更新しました。不要不急の 119番 通報件数については、例年約2割程度で推移しています。
問2:不要不急の通報が減らない中、救えるはずの命が救えない惨事が起きかねません。より具体的に踏み込んだ広報をすることにより、「新聞紙で指を切った」などの通報が減り、真に救命を必要とする方々の119通報が迅速に指令室に伝わることが見込まれます。119番通報に関して、より踏み込んだ広報を行う必要があると考えますが、見解を伺います。
答2:昨夏から、不要不急の 119番通報の具体的な例示や、消防機関として不要不急であると判断した場合は回線を切断することを、各種メディア等を活用して広報を実施しています。引続き、不要不急の 119番通報の抑制に向けて、訴求力の高い広報を実施します。
5 燃料高騰について
問1:昨今の円安による燃料代の高騰が都民の生活を苦しめています。特に、運輸事業者については直接影響を受け、運送コストの増加は物価高をさらに助長し、都民生活を一層苦しめるものになります。一方、運輸事業者は中小零細企業も多く、価格に転嫁できない場合も多く、経営が圧迫されます。今定例会では燃料高騰に対する補正予算が組まれませんでした。しかし、この傾向が続くのであれば支援が必要です。燃料高騰への対策として運送事業者に対する補助をする必要がありますが、見解を伺います。
答1:都は、令和4年度及び令和5年度に、国からの臨時交付金を活用し、運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業を実施しました
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