2024/10/02 玉川上水の整備活用計画について質問しました
2024年10月2日、都議会の公営企業委員会に出席し、「史跡玉川上水整備活用計画」(改定版)~江戸の史跡を守り未来へつなぐ~(案)について、水道局に質問しました。質問と答弁の概要は以下の通りです。
「史跡玉川上水整備活用計画(改定版)」について質問します。玉川上水は上流部では水道に利用されていますが、三鷹市においては、三鷹駅の地下を流れ、三鷹市と武蔵野市の市境にもなっており、私も毎日見ていますが、多くの市民にとって身近な存在として親しまれています。特に三鷹市ゆかりの文豪の太宰治が入水したこともよく知られています。昨年のこの委員会の事務事業でも改定について質問しましたが、大変、市民にとっても関心が高いこともあり、計画の策定が近づきましたので、改めて質問します。
Q1:計画策定に向けて、地域の声をどう聴いてきたか伺います。説明会にも私も出席しましたが、沿線には地域を超えて連携する市民団体も多く、様々なご意見が出されます。特に史跡とともに環境を守ってほしいとの声が強く出されます。玉川上水を守るために大切な方々ですから、今後も連携していくことが大切です。玉川上水について市民団体の声をより一層聴いていくことが大切ですが見解を伺います。
A1
〇当局では、令和5年度に、計画改定に係る住民説明会を2回開催し、延べ62人の参加を得て、意見を聴取
〇また、現在パブリックコメントを実施中
Q2:生物多様性の保全が掲げられたことは説明会でも市民団体の方々から評価する声が出されていました。とはいえ、都市化した中にある玉川上水なので簡単なことではないと思います。より積極的に取り組みを行う必要がありますが、見解を伺います。
A2
〇計画改定案では、地面に十分な光が届くよう必要に応じて間伐を行うとともに、希少種の生育する場所では、下草刈りの時期や範囲に配慮するなど、多様な生物が生育する自然環境の保全にも努めていくこととしている
Q3:樹木の伐採について急に行われると近隣の方から伐りすぎではと心配の声も出されます。本当に伐採する必要があるのか慎重に見極め、どうしても行う必要がある場合には丁寧に説明をする必要があります。一方、枝葉が伸び放題でうっそうとした状態については適切な剪定について求める声も出されます。樹木の伐採や枝葉の剪定についてどのように取り組むのか伺います。
A3
〇水路の法面の崩落を進めるおそれのある樹木や、枯れた樹木等は伐採、道路側に枝を伸ばしている樹木等は剪定
〇こうした作業については、毎年度、その実施に先立ち、地元住民の方を対象として作業説明会を実施しており、こうした取組を継続
Q4:大きな課題は法面保護です。重要な史跡を守っていかなければなりませんので、河川の護岸工事のようにするわけにはいきません。実際、最近行われた法面保護では樹木を伐採し人工的すぎるのではないかとの声も出されています。法面保護と自然環境保護を両立される必要がありますが、見解を伺います。
A4
〇現行の整備活用計画では、可能な限り水路・法面の保全と緑との調和を図ることとしている
〇改定案においても、この方針のもと、引き続き適切に対応
Q5:三鷹市井の頭と牟礼地域の玉川上水沿道の一部は土砂災害特別警戒区域に指定されています。また、今年8月30日の大型台風10号の襲来に際しては、三鷹市の一部に「避難指示(警戒レベル4)」が発令され、住民に避難が促されました。実際にはごくわずかな人しか避難しなかったようで、玉川上水の沿道ががけ崩れを起こすとはあまり思われていないのだとは思います。とはいえ、土砂災害特別警戒区域に指定されているので、安全についてどのように把握しているのか、対策は必要ないのか、見解を伺います。
A5
〇当局では、法面の崩落等の有無を確認するため、定期的な巡視を実施
〇計画改定案では、法面の崩落が頻繁に発生している箇所等を優先整備区間として位置づけ、重点的に整備
Q6:萬助橋から下流の、都立井の頭恩賜公園内を通る部分が、都市計画道路3・4・13号線の計画線が入っています。これは玉川上水と重なり、おおよそここに道路をつくることは誰も望んでいません。東京外郭環状道路の周辺道路の整備の延長にあるのですが、少なくとも井の頭公園の敷地内の玉川上水と重なる部分については、計画線を廃止すべきです。玉川上水を守るための計画を策定するのであれば、都市整備局に廃止を申し入れるべきですが、見解を伺います。
A6
〇都市計画道路は、都市計画法などの関係法令に従って定められていると承知
Q7:玉川上水の沿道を散歩する人が多くいます。上水の柵の外は水道局の管轄ではなく、建設局や市区だったりするが、散歩する人には管轄は関係ありません。普通の公園であればトイレがありますが、長く伸びた緑地にはわずかしかトイレがありません。散歩する人から整備してほしいとの声もあります。一般の人にとっては、柵の中だけではなく、沿道まで含めて「玉川上水」ですから、トイレの整備については組織を超えて整備する必要がありますが、見解を伺います。
A7
〇現在の整備活用計画及び計画改定案のいずれも、玉川上水の史跡指定範囲を対象としており、沿道の管理は、それぞれの管理者の責任において実施
〇なお、当局のホームページにおいて、玉川上水の散策マップを掲載しており、その中で、玉川上水近隣のトイレの場所についても示している
Q8:玉川上水は史跡や自然環境の保全だけではなく、先ほど太宰治についても触れましたが文化的な側面もあります。沿道には山本有三記念館や井の頭公園文化園には北村西望ゆかりの彫刻館もあります。柵の中から沿道、さらには沿線の文化まで幅広く市民生活に根差しているのが、多くの都民が感じる「玉川上水」です。普及啓発や歴史に触れるイベントも記載がありますが、沿線の文化面まで広げた取り組みも求められると考えますが見解を伺います。
A8
〇計画改定案では、玉川上水の歴史的価値と保存の必要性を広く理解いただくため、
玉川上水の歴史等をテーマとする講演会の開催等を実施
Q9:これまでもたびたび主張してきましたが、やはり境浄水場の担当ではさまざまな要望に応えていくのは難しいと思います。財産は水道局であることは理解しますので、建設局に執行委任し、史跡を担当する教育庁も含め全庁横断的な取り組みによる計画を策定して管理すべきではないかと考えますが、見解を伺います。
A9
〇当局では「玉川上水緑の保全事業都・区市連絡協議会」などを活用し、関係各局等と連携した維持管理を行っており、引き続き、改定後の計画に基づき、史跡玉川上水の適切な管理に努めていく
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