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都議会質問記録

2025/03/17 厚生委員会で保健医療局に来年度予算の質問をしました

2025年3月17日、都議会の厚生委員会で議案である来年度2025年度の予算案等に対して保健医療局に質問しました。都立病院の経営状況、民間病院への補助と感染症対策、災害医療、看護人材確保、認知症対策、在宅医療、自殺対策、花粉症対策等多岐にわたって質問しました。

以下は質問の概要です。

1 都立病院について

Q1:2022年7月1日に都立病院が独立行政法人化し2年半が経過しました。ちょうど新型コロナ流行の時期だったため、そんな時期に体制が変わることへの懸念はありました。とはいえ、現場の方々はコロナ禍に際して懸命に取り組んでいただき感謝します。その後、コロナにより通院控えが起こり、都立病院の経営は厳しくなりました。そこで、まず、病床の利用率、経営状況を伺います。

コメント:コロナ禍という異常な状況があったといえ、56%と、半分近くのベッドが空いていることになります。経営の改善は必要とはいえ、季節、時期の変動を社会全体で調整し、平常時に余力を持っておけるのが公立病院の役割でもあるとは思います。

Q2:来年度予算で都は民間病院への支援として321億円という大きな支援を行います。これは対象が民間病院だけです。都から都立病院への支援は行政的医療の支援だけでしょうか、経営状況が厳しければ補助を出すのでしょうか、厳しい状況をどう乗り切るのか伺います。

Q3:都立病院の役割として行政的医療があり、経営が厳しくても民間病院ではできない役割を果たすことが求められます。どのようにその役割を遂行するのか伺います。

コメント:都立病院が独立行政法人化しましたが、民間病院では受けきれない行政的医療については、今後も堅持していただくよう要望します。

Q4:施設整備費臨時交付金として、独法化以前に計画または着手した事業の物価高騰分の1/2として57億円出すとのことです。資材高騰と人材不足は民間でも多くの事業が苦労しています。都立病院に対して都がどこまで支援するのか伺います。

コメント:医療の内容は独法化したとはいえ行政的医療の継続をして公的な病院の役割を果たしていただきたいのですが、一方では、施設整備や資材購入などは独法化することで低減できる部分でもあります。都が支援するにせよ、着実に進めるのは当然ですが、同時にコスト感覚を持ってやっていくべき部分は適切な対応が必要と思います。

Q5:独立行政法人化についてその結果をしっかりと検証する必要があります。どのように評価しているのか伺います。

コメント:独法化したのがコロナ禍なので多難なスタートでしたが、その前と後でどうなったのかはきちんと検証する必要があります。都の新規事業で常々感じるのは、最初は華々しく打ち出していた割には、その結果どうなったのかは、公開していないとは言いませんが、始めるときに比べると淡々と公表しているだけというものが多いと感じます。独法化のメリットと答弁されましたが、仮にメリットが多かったとしてもデメリットが全くないということはないと思います。検証はよかったことだけではなく、悪かったことも含めて行い、情報公開しているという消極的な姿勢ではなく、積極的に広報していく必要があります。場合によっては最初の判断が誤っていることがあれば、立ち止まったり、見直すことも必要です。是非、そうした視点から独法化の検証を行うことを求めます。

2 民間病院の補助と感染症対策について

Q1:新規事業で注目されたものとして、経営が厳しい民間病院に都は異例の施策として補助をすることにしました。そのことは、本来、国が診療報酬で対応すべきですが、コロナ後、急に入院患者が減ったという特殊要因だからこそ対応したものでもあります。とはいえ、またコロナのような感染症が流行するという異常事態が発生しないとも限らず、だからこそ、異例の補助を行うという側面もあると考えます。コロナ禍の際には病床確保において民間病院とのさらなる連携が必要な部分もありました。こうした補助を行い経営が立ち直ることは、都の施策への協力も募りやすくなると考えますが、都の見解を伺います。

コメント:地域医療に関する調査への協力を支援金の交付要件とするのは重要だと思います。医療の重要性はもちろん承知していますが、他の産業でも物価高騰により経営環境は厳しいため、今回の医療機関の支援が引いては都民全体の利益となることは重要です。調査結果をしっかり分析し今後の地域医療に役立てていただきたいと思います。

Q2:さて、コロナ禍でより民間病院との連携がより必要だったと述べましたが、コロナ後に多くの医療機関と協定を結んだとのことです。来年度予算案において、協定締結医療機関連携システムが新規事業となっていますがどのような事業か伺います。

コメント:法改正を受けてとのことでしたが、今回のコロナ禍の経験を踏まえた改善とも言えます。たびたびコロナ禍における施策の検証を求めてきましたが、万一に備えて検証から改善につなげていただきたいと思います。まだコロナ禍が完全に終わったわけではありませんが、コロナだけではなく、今後の未知なる感染症への備えも必要です。

Q3:未知の感染症が流行した際に円滑に連携できる体制を構築していけるか伺います。

コメント:コロナ禍の経験は大きく今後に活かしていく必要があります。ご答弁では医療機関、医師会、保健所設置区市等との連携とのことでしたが、保健所のない市町村との連携も重要だと考えます。たびたび求めてきましたが、あらためて住民に最も近い自治体との連携強化を求めます。

3 災害医療について

Q1:地震や風水害だけではなく、感染症も災害の一つとも言えます。災害時に備え保健所の機能強化の予算が計上されています。コロナ禍では連携が不十分だったため、その後、各保健所に市町村連携課が設けられ、各自治体担当が1名ずつ配置はされました。これは平常時の体制ですが、災害時には1名では足りないとのではないでしょうか。どういう体制をとるのか伺います。

コメント:地震と感染症の複合災害になれば避難所運営はさらに難しく、保健所の専門知識が必要になります。都は避難所改革を行うとしていますが重要なことです。地震で人が亡くなるのは天災ですが、避難所に避難して亡くなるのは必ずしも天災とは言えません。避難所で亡くなる人がなくなるよう、体制の強化をお願いします。

Q2:さて、コロナ禍のような感染症が少しでも早く発見できれば対応もそれだけ早くなります。下水道における汚水の調査に期待するものです。来年度予算案では下水サーベイランスが新規事業になっています。保健医療局として、実施に至るまでのどのような経緯があり、どのように行い、それを感染症対策にどう生かすのか伺います。

コメント:国の基準では1か所ですが、都独自に20か所を対象にするとのことでした。地震でも緊急地震速報により、地震は防げなくとも数秒間速く対応できることで命を守ることができます。下水サーベイランスで少しでも早く感染状況が分かれば、命を救うことになるかもしれません。今後の取り組みに期待します。

Q3:災害時在宅医療提供体制強化事業が新規に出されました。私の地元の三鷹市では、大規模な災害が起こると地域の診療所は閉めて、避難場所に医療資源を集中させることになっています。今回の新規事業とはそうした自治体ごとの体制と違い、訪問診療を行う事業者は災害時にも通常通り在宅避難者への診療を行うというものでしょうか、見解を伺います。

コメント:災害時でも自宅が損傷していなければ避難せずに自宅に留まる方もいますし、避難できない方もいます。災害時にも避難場所での医療提供だけではなく、必要な場合には訪問し医療を提供することができるのは重要です。各市区町村でそれぞれの体制があるので、ぜひ、連携を深めて災害時に備えていただきたいと思います。

4 看護人材確保について

Q1:人手不足が言われる中、介護人材確保で実施したように宿舎借り上げ支援事業は効果が見込めます。現在、都内病院において看護師はどのくらい勤務しているでしょうか。看護人材不足も言われますが、どのくらい不足していると把握しているか伺います。

コメント:看護師が2、3万人不足しているとのことです。看護師不足で診療所が開けなったり、少ない配置で負担が重くなることが懸念されます。

Q2:今回の事業では、39億円の規模で5,215戸としているが、これで不足は解消するのでしょうか、伺います。

コメント:2、3万人の不足に対して5千人ですから、まだまだ足りません。看護師不足の解消は都としても重要課題であり、より一層の取り組みが必要です。

Q3:様々な人手不足が言われる中で対象は看護師だけでしょうか。周辺の看護支援員、調理員、清掃員、事務員等の職種も病院経営には必要となりますが、対象となる範囲を伺います。

コメント:看護人材の確保がもちろん重要ですが、病院の経営には多くの職種の方が働いています。こうした方々の待遇改善ができるような支援が必要となります。

Q4:来年度予算案の中で、災害時に備え、潜在看護師の登録を行うとしています・予算書を見ると事業規模は625人とのことですが、この人数の登録で足りるのでしょうか。都のポイント付与はそのインセンティブになるのでしょうか見解を伺います。

コメント:通常時ですでに2、3万人が不足しています。災害時にはさらに多くの人材が必要となりますので、625人ではまだまだ足りません。様々な事情から現在では就業していないのですが、災害時には多くの人手が必要になりますので、より登録していただけるよう積極的な広報を求めます。

5 認知症対策について

Q1:知事は公約で「都独自の認知症専門病院」を創設するとしました。新年度予算で「認知症医療の実態調査」として福祉局とともに調査をするというのですがどのような調査を行うのか伺います。

コメント:知事が公約はしましたが、詳細は来年度検討ということのようです。すでに認知症に関する医療機関や施設は様々あります。そこでは解決できない問題を新たな病院で対応することになるのですから、医療機関、介護施設、自治体などの現場の声とともに、当事者や家族、支援者の声をよく聞いていただくことを求めます。

6 在宅医療について

Q1:住み慣れた地域で暮らし自宅で最期を迎えたいと思っても、家族への負担が懸念されたり、自宅で医療を受けられないため、その希望通りいかないことが多いのが実情です。来年度予算に区市町村在宅療養推進事業があります。今年度は2億円、来年度は3億円計上されています。実績について伺います。

コメント:住み慣れた地域で暮らし続けるには在宅での医療と介護が重要です。各自治体にとっても大きな課題になります。申請のあったのは35区市町村ということで、全62自治体があるので半分強です。来年度は予算も増えるので、是非、申請する自治体が増え、より一層の取り組みがされることを求めます。

Q2:在宅療養については、医療と介護の連携が必要ですが、そこが難しいと言われます。医療と介護の相互の理解が不十分とも言われています。改善を図るべきですが見解を伺います。

コメント:それぞれの分野での専門家ですが、他の職種に関しては必ずしも詳しいというわけではありません。制度の違いや、考え方の違いをお互いに理解できるようさらなる取り組みを求めます。

Q3:最近では、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)推進が重要な時代になってきました。都の来年度の予算案でも「最後まで希望する治療・療養を受けられる社会の実現」として、ACPに関する継続事業、新規事業が計上されています。課題の改善に向けて具体的にどのように行うのか伺います。

コメント:治療や療養の内容について、患者や介護者からはなかなか言えないこともあるので、是非、こうした考え方を普及させ、話し合える環境を整えていただきたいと思います。

Q4:一人暮らしの高齢者について在宅で最期を迎えのは、多くの機関の協力が必要になります。結婚していても子どもが自立して夫婦だけになれば、必ずどちらかは一人で最期を迎えることになる。おひとりさまの老後はそれほど特別なことではありません。今後、在宅医療がより促進され、自宅で最期を迎えることができるように取り組む必要がありますが、見解を伺います。

コメント:在宅療養を進めるには国の診療報酬の問題が大きいのですが、自治体としても医療機関と協力しながら体制を構築するのは重要です。社会の変化の中でこれからますます増える「おひとり様」への対応として、在宅医療のさらなる充実を求めます。

7 自殺対策について

Q1:来年度の他局の事業ではありますが、ホームドア柵の設置が促進されることになったのはよかったです。電車の事故がすべて自殺ではないとは思いますが、事故が少しでも減ることを願います。とはいえ、電車での自殺を防いでも原因を取り除かなければ他の手段によって亡くなる方も多いので、様々な原因を分析し、対策を行い、自殺を防ぐことが大切です。原因は様々あると考えますが、自殺者がコロナ禍で増加したようです。傾向と原因を伺います。

コメント:原因は様々あるようですが、減少傾向にあった自殺者がコロナ禍に増えたのは統計上明らかです。コロナの後遺症もあるのかもしれませんが、私はコロナによって人と会うことが減り、孤立孤独が深まったことも原因ではないかと思います。様々要因がありますが、引き続き自殺を防ぐ取り組みを求めます。

Q2:悩んだ人が相談ダイヤルに電話しても、電話が込んでいてつながらないとも言われます。回線を増やすべきですが見解を伺います。

コメント:回線を増やしてはいただいているようですが、まだまだ少ないと思います。対応される方も大変だと思いますが、大切な命を守るためご検討願います。

Q3:都会における孤独孤立が増す中で、自殺を防ぐには居場所や人との接点を増やすよう、地域福祉との連携が重要です。地域で活動する町会の役員や民生委員などに自殺対策の研修を行ってはどうかと考えますが見解を伺います。

コメント:すでに行っていただいているようですが、様々な兆しを見落とさないよう、お願いします。

Q4:来年度中高年男性を対象とするメール相談を開始するそうですが、会って話す方がよいと思いますが、メール相談はどのような内容になっているのでしょうか。メール相談で自殺防止を図ることができるか、見解を伺います。

コメント:自分から悩みを相談しない方もいるなかで、新たな技術によって相談につなげることは効果を期待したいと思います。インターネットには情報があふれていて、自殺サイトなど危険なページに誘導されてしまうことが心配でした。新たな技術でよいサイトに誘導できることは効果を期待したいと思います。今後も自殺の根本原因を取り除くとともに、あらたな手段を用いて防止を図るよう求めます。

8 花粉症対策について

Q1:都民の2人に一人が罹患していると言われている花粉症について、都は各局連携して対策を行っています。根本的には林業の振興により花粉を出さない杉に植え替えていくしかありませんが、時間がかかります。すぐにでも対応してほしいという声が多い出されます。全庁的な体制で取り組んでいますが、医療の側面が重要です。保健医療局の取り組みを伺います。

コメント:私も突然罹患しましたが、年々増えて3人に1人から2人に1人になりました。このままだと増え続けてしまいます。情報提供はまだ発症していない人への予防にもつながりますので、そうした広報もすることが必要です。

Q2:薬を飲んで免疫を整えるには2週間くらいかかるとも言います。早めに対応するよう広報を行う必要があるが見解を伺います。

コメント:花粉の飛散前から薬を飲むのが効果があるようです。早く情報を流すことが重要です。また、いろいろなサイトがあって、サプリの広告につながるものもあります。都のページにもさまざま有益な情報が掲載されているので、よりPRしていただきたいと思います。

Q3:薬だけではなく、さまざまな根治に向けての治療もあります。花粉症による労働力低下の経済的損失は数千億円とも言われる中で、治療に対して補助を出すことはできるか、見解を伺います。

コメント:この時期は多くの方から花粉症を何とかしてほしいと言われます。根本的には花粉を出す杉を切るしかないのですが、解決するにはまだまだ先の話です。新たな手法はないようですが、情報を提供し、セルフケア等を促し、少しでも改善に取り組むしかないようです。より一層の対策を求めて質問を終わります。

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