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都議会質問記録

2025/03/18 福祉局に来年度予算案について質問しました

2025年3月18日、都議会の厚生委員会で議案である来年度2025年度の予算案や条例案等に対して福祉局に質問しました。高齢者施策、認知症対策、シルバーパス、子どもの医療費、018サポート、児童虐待への対応、学童保育の待機児童解消、産後ケア等多岐にわたって質問しました。

以下、質問と答弁です。

○中村委員 立憲民主党の中村です。令和七年度、二〇二五年度の東京都予算案の福祉局分について質問いたします。
 初めに、高齢者施策について伺います。
 知事は、お一人様高齢者への支援強化を公約しました。単身高齢者の支援をするのは当然必要です。子供が独立した後は夫婦だけになり、連れ合いが亡くなると一人になる場合がこれまで多くを占めていました。今後は、増加する離婚による単身高齢者、さらには結婚しないまま単身高齢者になる人も増えると予想されます。
 多くの単身高齢者について、生活介護、医療、看取り、死後など、一人では死ぬこともできない社会になっています。お一人様高齢者の支援は社会の大きな課題になりますが、都としてどのような認識で施策に取り組むのか伺います。

○花本高齢者施策推進部長 都は、一人暮らし高齢者が地域で安心して暮らせるよう、区市町村が行う見守り事業や高齢者の居場所づくり、単身高齢者等を対象とした総合的な相談窓口の設置などを支援しております。
 来年度は、地域の見守り拠点整備に関わる支援を拡充し、地域での見守り体制の構築に取り組むこととしております。

○中村委員 都市部における孤立、孤独が問題になっています。地域との関わりがある人の方が長寿になるとの研究もあります。社会の様々な制度が家族を前提にしていますが、一人であることが普通になってきたこともあり、変化に対応していかなければなりません。
 人生百年時代といわれる中、長寿は本来喜ばしいことなので、生活の質の向上は重要です。ぜひ、現状に合わせた独居高齢者、お一人様対策の強化をお願いします。
 新規事業として、高齢者の地域見守り拠点等整備促進事業が行われます。見守りは重要ですが、見守りだけにとどまるのでしょうか。相談を受ける場合や対応が必要になる場合があれば、どのように対応するのか伺います。

○花本高齢者施策推進部長 都が区市町村包括補助事業により支援している高齢者見守り相談窓口では、地域の高齢者やその家族などからの相談を受けるか、戸別訪問、地域のネットワークづくりなどを実施しております。
 こうした見守り相談窓口の設置を推進するため、令和七年度、高齢者の地域見守り拠点等整備促進事業として個別事業化し、見守り拠点を中心に、高齢者へのアウトリーチを強化するとともに、様々な主体と連携し、高齢者を見守る地域づくりを促進することとしております。

○中村委員 見守りを行えば、当然、様々な問題も見つけることができます。また、本当に困っている人は声を出せなかったり、声を出さなかったりします。見守りの取組の中でいろんな問題が見つかると思いますので、それが相談窓口につながるような体制構築を求めます。
 具体的な相談窓口は、地域包括支援センターになることが多いと思います。逆に、昨今では、市役所は困ると何でも地域包括支援センターにつなぐ傾向にあります。そうであれば、地域包括の人を増やす必要がありますが、見解を伺います。

○花本高齢者施策推進部長 地域包括支援センターは、介護保険法に基づき設置され、地域支援事業交付金を財源に運営されておりますが、都はこれまで、地域包括支援センターにおける相談支援体制の充実等を独自に支援してまいりました。
 来年度は、専門職の増配置等により、管内のセンターを統括する機能強化型センターや、地域の見守り相談拠点の整備に取り組む区市町村への支援を拡充し、見守り等への対応力を強化するとともに、センターの業務負担軽減を図ることとしております。

○中村委員 市役所も困ると何でも包括にという姿勢は困りますが、それだけ機動的に動ける、頼れる存在でもあると思います。包括の方は様々な地域の現場に出て活動している様子をよく見ますが、敬意を表するものです。ただ、そのため大変多忙で、多くの仕事を抱えているようですので、人員強化など体制拡充の支援を求めます。
 なお、地域包括支援センターは、名前だけ聞くと高齢者の支援とは分かりにくいので、既に愛称をつけている自治体もあるようですが、高齢者が気軽に相談できるよう、入り口がもっと入りやすくするよう工夫が必要だと思います。
 さて、高齢者の居場所が必要になります。市区町村で居場所づくりを行っていますが、月一回や週一回のサロン的なものもありますが、いつでも行ける常設の居場所を設置する必要があります。
 居場所づくりに取り組む市区町村を支援すべきですが、見解を伺います。
 また、あわせて、居場所づくりについて、市区町村だけではなく市民団体が行う場合もあります。市民団体が様々工夫をしてサロンを行う場合もあり、取組が継続できるよう支援する必要がありますが、見解を伺います。

○花本高齢者施策推進部長 都は、平成三十年度から、人生百年時代セカンドライフ応援事業を実施し、区市町村が取り組む地域サロンの設置運営について三分の二を補助しております。令和六年度は、十八区市町村で五十七事業が実施されており、その多くが常設のサロンとなっております。この事業では、ボランティア団体等、地域の民間団体が運営するサロンに区市町村が助成する場合も補助の対象としております。
 なお、区市町村包括補助事業や、介護保険法に基づく介護予防・日常生活支援総合事業を活用して、介護予防や交流などを目的としたサロンを運営している例もございます。

○中村委員 各地域でかなり多くの取組をしていただいてはいます。ただ、高齢者が歩いていける範囲、小学校区に一か所ぐらいあるのが望ましいと思います。全部行政が行うのも大変でしたら、市民が空き家を活用して行う居場所づくりに積極的に支援することも重要です。元気な方に、元気でいていただくことは大切なので、さらに積極的に拡大していただくことを求めます。
 さて、知事は、東京都版介護職員昇給制度を構築を公約しました。新規事業として、介護保険制度における介護職員等の昇給の在り方検討調査事業が六千万円計上されました。人材不足のため、待遇改善は必要です。
 しかし、介護保険は国が制度設計を行っていますが、都独自の制度を構築するのでしょうか、それとも、国に提言するのでしょうか。どのような内容を想定しているとしているのか伺います。

○花本高齢者施策推進部長 介護サービス事業は、国が定める介護報酬等により運営されることが基本でございます。
 都は、国に対して、事業者が人材の確保、育成、定着を図り、事業運営を安定的に行うことができる報酬とするよう繰り返し提案要求をしております。

○中村委員 制度そのものの所管は国ですが、自治体から現場の声を国に届けることは重要です。単独の市区町村からは声を上げにくいので、そうした声も集めて、最大の自治体である東京都が国に提言することは大きな意味を持ちます。ぜひ、働く人が安心して働くことができるよう、そのことは介護を受ける方にも質の向上につながりますので、期待をしたいと思います。
 次に、認知症対策について伺います。
 認知症については、早く発見しても治るというものではないのですが、進行を遅らせることはできますし、地域で対応する体制をつくっていくことができます。
 早期発見のための事業の事例として、神戸市では六十五歳以上の希望する方全員が認知症の検査を受けることができ、神戸モデルといわれているそうです。
 早期発見への取組が必要ですが、見解を伺います。

○梶野高齢者施策推進担当部長 都は、認知症に関する正しい知識の普及啓発や治療方法等に関する情報提供を行うとともに、認知機能検査と検診後支援を行う区市町村の取組を支援しており、今年度からは、検診の対象年齢を原則七十歳以上から五十歳以上に拡大したほか、チラシの配布など、幅広い世代に対する普及啓発の取組も補助対象としております。
 また、診断前の不安を軽減し、早期診断の重要性について伝えるリーフレットを作成しております。

○中村委員 様々取り組んでいただいていることが分かりました。とはいえ、誰もが自分がなるとは思いもよらないものですが、若い方でもなるし、年齢を重ねると誰がなってもおかしくなくなります。過度に負担をあおることはないとはいえ、適切な普及啓発をお願いします。
 さて、認知症の方を施設に入れるのだけではなくて、地域で暮らし続けられるよう、地域の受皿をつくることが重要です。また、認知症の方の居場所をつくり、理解を深め、話し合える場所が必要です。
 支援する市民団体への補助が必要ですが、見解を伺います。

○梶野高齢者施策推進担当部長 都は今年度から、認知症のある方の社会参加について、地域の関係機関や民間企業など多様な主体による話合いの場を設置するとともに、ワークショップの開催や居場所の運営など、社会参加の機会創出に取り組む区市町村を支援しております。
 来年度は、今年度の成果を踏まえたマニュアルを作成することとしております。

○中村委員 高齢者の居場所づくりについては、だんだんと増えてきましたが、認知症の方の居場所はまだそれほど多くありません。特別な病気ではなく誰もがなり得るので、変わるべきは認知症の方ではなく、認知症の方を受け入れる地域社会です。今後、ますます大きな課題となるため、ますます都と市区町村がさらに連携して取り組むことを求めます。
 次に、シルバーパスについて伺います。
 知事は公約で、多摩モノレールのさらなる延伸やシルバーパスの対象にと、シルバーパスの改善を公約しました。今回料金を見直し、十月から二万五百十円が一万二千円になるのは、高齢者の移動の自由を守るために前進しました。まだ段差が大きいので、まずはやってみて、今後さらに見直せたらよいと思います。
 さて、民間バス路線が減少している現状においては、シルバーパスをコミュニティバスに適用しても、民間を圧迫することにはなりません。コミュニティバスは高齢者の利用率が高いので、シルバーパスをコミュニティバスでも使えるようにすることが必要ですが、都の見解を伺います。

○花本高齢者施策推進部長 シルバーパスの利用対象交通機関は、東京都シルバーパス条例及び条例施行規則に基づき都営交通及び路線バスとなっております。
 コミュニティバスは、交通手段の少ない地域の解消や公共施設などへの移動手段の確保のため、区市町村とバス事業者が、路線や運賃、運行経費の負担等について協定を締結し、運行されております。
 コミュニティバスのうち、一般の路線バスと同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者の協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっております。

○中村委員 路線バスと同等の運賃設定が前提ではありますが、市区町村とバス事業者の協議が調えば利用が可能とのことでした。必ずしもコミュニティバスだから利用できないというわけではないことが分かりました。
 基本的に、コミュニティバスは民間では採算が取れない路線を担うので、まさに生活のための足になり、高齢者の方も利用します。必要があれば、都から必要なデータの提供や仲介などを含めて、地域交通について連携して取り組んでいただくことを求めます。
 次に、子供の医療費について伺います。
 子供の医療費については、医療費助成事業が大きく前進しました。しかし、自己負担金については、二十三区では全ての区で取っておらず、市町村では残るところもあり、三多摩格差といわれています。
 子供の医療費について、都としてどの自治体でも同じようにすべきですが、見解を伺います。

○渋谷事業調整担当部長 都は、区市町村が実施する子供の医療費助成事業に対し、子育てを支援する福祉施策の一環として、一定の基準の下で補助しております。
 具体的な実施内容は、実施主体である区市町村がそれぞれの地域の実情を勘案して定め実施しているものと認識しております。

○中村委員 子供の医療費については、乳幼児、義務教育就学児、高校と、順次拡大するたびに二十三区と三多摩の格差が問題になっていました。
 今回、所得制限の撤廃については、市町村総合交付金での対応ではありますが、都全体で撤廃されるのはよかったと思います。
 しかし、自己負担金の問題については残ってしまいました。市区町村がそれぞれ行うとのことですが、財政状況が同じであれば自治体の選択ともいえますが、基本的な財政力が違えば選択したくてもできません。全て公平にはならないから、広域調整を行うべく東京都という広域行政があります。都民として同じサービスが受けられるよう、さらなる取組を求めます。
 次に、〇一八サポートについて伺います。
 〇一八サポートも三年目になります。ゼロ歳から十八歳までの全ての子供約二百万人に年一人六万円支給する事業です。予算額は千二百二十七億円と大変大きくなっています。子供に届けることはよいのですが、これだけ大きな事業なので、事務経費も膨大にかかるため、ここはできるだけかからないようにすることが重要です。
 事務手数料はどのぐらいかかるのでしょうか。また、児童手当の所得制限が撤廃される機会に、配布の業務を市町村に委託するとかなりの経費が節減できると想定されます。見解を伺います。

○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 〇一八サポートは、子供の保護者等が受給する児童手当とは異なりまして、子供一人一人の成長をひとしく支えていく観点から、子供本人を支給対象として実施をしております。
 なお、令和七年度予算案におきます〇一八サポートの事務費につきましては、約四十五億円となっております。

○中村委員 住民票のデータを持っているのは市区町村なので、通常こうした直接給付は市区町村に委託するものだと思います。
 都も、住民票の情報を使うことができるということで直接行っているのですが、積極的に使うのがよいかは疑問です。慣れていないため当初はミスも多く発生しました。事務の負担を市区町村に押しつけるのはよくないのですが、児童手当の所得制限が外れたので、市区町村に委託して児童手当と一緒に給付をすれば、事務経費がかなり安くなると推測されます。ぜひ試算をしてみて、市区町村にも協力をお願いし、大きな事業規模だけに少しでも経費が縮減できるようご検討願います。
 次に、児童虐待への対応について伺います。
 一月二十八日、東京都児童福祉審議会が、令和五年に台東区で発生した四歳児の虐待死亡事件についての報告書が発表されました。その中で、家庭への働きかけが不十分だったとの記載がありました。職員の方々は一生懸命取り組まれているとは思いますが、このような指摘があったということです。
 児童虐待は年々増加しますが、少なくとも虐待死ゼロであるようにすべきです。何度も知事には迫りましたが、ゼロを目指すとはいってくれませんでした。児童虐待死ゼロを目指すべきですが、見解を伺います。

○西尾子供・子育て支援部長 都は、児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、これまで児童福祉司等を増員するほか、虐待対策を担う職員を配置する区市町村を支援してまいりました。
 また、虐待予防の観点から、区市町村の母子保健部門と子育て部門との連携も推進しておりまして、引き続き児童虐待防止に取り組んでまいります。

○中村委員 子供の大切な命は、守らなければなりません。審議会ではゼロを目指すといっているわけですから、都としても児童虐待死ゼロと、目標を明確に掲げて取り組んでいただくことを求めます。そのためにも児童相談所の体制強化が必要になります。
 児童相談所について、早期の職員の基準を満たした配置が求められます。二十三区が児童相談所を開くと人の取り合いになるかと懸念されましたが、ベテラン職員が二十三区に移る傾向があるともいわれて、残された都の児童相談所は大変とも聞きます。職員の配置の状況や課題と改善策を伺います。

○西尾子供・子育て支援部長 都は来年度、児童福祉司の定数を五十人増員し、五百四十九人とすることとしております。
 また、深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、専門職を幅広く確保できるよう、業務の魅力等を発信する動画等を活用したリクルート活動の展開や、専門性を重視した採用選考を行うこととしております。

○中村委員 増え続ける児童虐待に対して、職員の配置が重要です。以前から基準を達成していないことを指摘しましたが、そのたびに専門知識のある人材育成には時間がかかるとの答弁でした。しかし、最初に述べてからかなり時間が経過しています。早期の拡充を求めます。
 今定例会では、一時保護所の基準を定める条例案が提案されました。これまでは定員を超えても入所させていましたが、知事は施政方針で、保護児童への個別的なケアや施設の新たな整備により、一時保護需要の増加に対応すると述べました。
 一時保護体制強化事業が提案されましたが、現在の定員と目標とする定員はどのくらいでしょうか。基準を上回るものになるのか伺います。

○竹中総合連携担当部長児童相談センター次長兼務 都の一時保護所の入所定員は二百五十名であり、現在策定を進めております社会的養育推進計画案では、将来的な一時保護需要を踏まえまして新たな一時保護所を整備し、令和十五年度までに四百十四名の入所定員とすることを目指すこととしております。このほか、都は、民間事業者に委託し、都立施設や民間の物件等を活用した取組により、三か所三十一名の受皿を確保しております。
 職員配置につきましては、近年の一時保護需要の高まりや、ケアニーズの高い児童に対応するため、本推進計画において国基準を上回る配置方針を明記することとしております。

○中村委員 現在の定数が二百五十名で、八年後に倍近い四百十四名というのは、大変な目標ではありますが、ぜひ達成に向けての取組を求めます。
 定員があっても、命に危険があり、家庭から引き離さざるを得ない状況になれば預かるしかないので、現状、施設が逼迫をしている状況にあります。様々な状況で自分の家にいられなくなった子供が、劣悪な環境に置かれることは避けなければなりません。着実な整備を求めます。
 さて、提案された条例案の第十条第二項で入所児童の意見または意向を尊重した支援を行うとありますが、第十一条では正当な理由なく児童の権利を制限しないとしつつも、正当な理由がある場合には制限するとあります。どういう場合でしょうか。制限する場合は、相当な理由がある場合に限定すべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○竹中総合連携担当部長児童相談センター次長兼務 都の一時保護所では、児童の権利を尊重し擁護することを基本方針に、児童が安心して生活できるよう、個々の状況に配慮した支援を行っております。
 保護者による強引な面会や引取りなど、児童の安全や福祉の確保が困難な場合には、一時保護児童の外出、通信、面会等の制限を行うことがございます。児童の権利制限を行う場合にあっては、児童一人一人の状況を十分に勘案した上で判断を行うとともに、その理由について児童に十分な説明を行い、理解を得るよう努めております。

○中村委員 まずは安全が最優先ということは理解しますが、子供の権利を尊重し、できるだけ制限することがないような運用を求めます。
 さて、一時保護所にいても、希望すれば元の学校に通えることが必要だと思います。都の見解を伺います。

○竹中総合連携担当部長児童相談センター次長兼務 都の一時保護所では、入所前に在籍していた学校と緊密に連携をしながら、行事への参加や受験対策への対応を行うとともに、安全が確保できる場合には一時保護所からの通学を支援しております。
 さらに、来年度は、在籍校に児童が継続して通学できるよう、民間事業者を活用した送迎支援を一時保護所二か所で先行的に実施していくこととしております。

○中村委員 養護施設や里親などの受入先の確保が困難であるなど、一時保護所に滞在する期間が長期化しているとも聞きます。安全を守るためとはいえ、突然学校から姿を消すと周りも驚きますが、何より友達や先生と会えなくなるのも大変なことです。
 安全の確保は最優先ではありますが、できれば元の学校に継続して通えるようにしてあげたいと思います。二か所の一時保護所で先行的に実施するというのはよいと思います。虐待を受けた子供の健全な育成のためにも、安全の確保を行い、できるだけ通学できることが望ましいと思います。
 次に、学童保育の待機児童解消について質問いたします。
 知事は、公約で、学童保育の待機児童ゼロと質の向上へとしました。施政方針演説でも、令和九年度末までに待機児童解消と述べました。
 現状の待機児童は何人でしょうか。また、課題は何か伺います。

○西尾子供・子育て支援部長 令和六年五月一日時点の都内学童クラブにおける待機児童数は、三千七百三十一人でございます。
 共働き世帯の増加などにより、学童クラブの需要は増加しておりまして、引き続き学童クラブの待機児童解消に向けて取組を進めていくこととしております。

○中村委員 保育園の待機児童はゼロに近づきつつありますが、卒園して小学校に入れば当然学童保育所がいっぱいになることは想定されていました。都全体ではありますが、三千七百三十一人の待機児童は大きな人数です。待機児童の解消に向けて、量と質の両方を求めることは重要です。
 さて、児童館など既存施設を活用した居場所づくりを支援するともありますが、児童館に行けば待機児童に数えないのでしょうか。学童保育所に入れなかったから児童館に行く場合には、待機児童の数から外すべきではないと思いますが、見解を伺います。

○西尾子供・子育て支援部長 学童クラブの待機児童の定義は、こども家庭庁が実施いたします放課後児童健全育成事業の実施状況調査の調査要領に基づきまして、利用申込みをしたが、登録できなかった児童とされております。

○中村委員 利用申込みをしていれば、児童館に行っても待機児童になるとのことでした。児童館も必要ですが、学童保育と児童館は役割が違うので、児童館などの子供の居場所を支援しつつも、学童保育の待機児童解消には並行して取り組んでいただくよう求めます。
 さて、学童保育所の待機児童解消のために定員を増やすためには、人手不足の解消のために職員の待遇改善が必要となりますが、見解を伺います。

○西尾子供・子育て支援部長 都は、学童クラブに従事する放課後児童支援員の経験年数等に応じた処遇改善を図るため、放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業によりまして、賃金改善に必要な費用の一部を市区町村に補助しております。

○中村委員 学童保育所の人材確保のための待遇改善はずっと求めてきました。都として取り組んではいただいているようですが、まだ足りないといわれます。同種の保育園の保育士さんの処遇とどうしても比較してしまうと、なかなか人材確保ができなくなってしまいますので、今後もさらなる待遇改善を求めます。
 次に、来年度の新規事業である東京都認証学童クラブ事業について伺います。
 待機児童解消のために、量を拡大するのと同時に質の向上を図るものとして、考え方はよいと思います。ただ、自治体の財政や施設の実情などに鑑みると課題があります。
 支援単位当たり定員を四十人としてしまうことで、それだけの規模を確保できないと、待機児童が現状よりも増えてしまうおそれがあります。また、児童一人当たりの面積を将来的には一・九八平米にしてしまうことも同様です。
 質を高めようとしている方向性は評価できますが、現状では待機児をなくす方が優先されるため、都型から認証に移行できる学童クラブは少ないのではないかと予想されますが、都の見通しを伺います。

○西尾子供・子育て支援部長 都は、市区町村の取組促進に向け、認証学童クラブの設置計画の策定等を要件に、三年間の時限で運営費の市区町村負担分を軽減するとともに、賃借建物等を確保するための補助額を拡充することとしております。
 また、多様な事業者の参入が可能となるよう、都にウェブ相談窓口を設置するほか、就職相談会等を実施し、学童クラブで働く人材確保にも取り組むこととしております。
 なお、認証学童クラブの運営基準では、専用区画の面積を、児童一人につき一・六五平方メートル以上確保することとしております。

○中村委員 面積が一・六五平米以上の確保と答弁がありました。将来的には一・九八平米になるわけですから、いつかは問題になります。待機児童解消のために、児童を狭いところに押し込めるわけにいかないので、質の向上は可能であれば望ましいことです。ただ、可能であればということです。もともと財政力が厳しい自治体では、待機児童解消に向けて、量も質もぎりぎりのところで追求してきています。
 令和九年度に都型学童クラブをなくすとしていますが、この補助金がなくなると多くの民間学童で運営が難しくなり、撤退する事業者も出ることが懸念され、多くの保護者と児童が困ることになります。当面の間、都型学童クラブの継続を続け、都型から認証への移行を緩やかに進めてほしいとの声もありますが、見解を伺います。

○西尾子供・子育て支援部長 都型学童クラブにつきましては、三年間の経過措置期間を設けまして、認証学童クラブへの移行を進めていくこととしております。

○中村委員 三年間の経過措置期間を設けて、その間は補助率も引き上げるとのことですが、そもそも施設の面積が不足していれば、新たな場所の確保を含め三年間でできるのか、また、三年たつと運営費の補助も戻ってしまうのではないかと思います。
 繰り返しになりますが、自治体としては、質も上げたいのですが、財政力が追いつかないという状況です。仮に三年で切り替えるということでしたら、さらなる東京都の支援が必要になります。
 二十三区に比べて財政的に厳しい市町村では対応が難しく、既に市長会でも改善を求める動きがあるといいます。市区町村の意見を聞くべきですが、どのような調整を図っているのか伺います。

○西尾子供・子育て支援部長 都は、認証制度の創設に向け、今年度、有識者や市区町村の代表者で構成いたします専門委員会での議論や、学童クラブの運営実態を把握するため市区町村に対する調査などを実施してまいりました。
 また、昨年十二月には、認証学童クラブ事業及び待機児童解消に向けた取組等に関する市区町村向け説明会を実施しております。

○中村委員 市区町村に調査や説明会を行っているとのことですが、現場からは多くの不安の声も出ています。引き続き状況を注視し、三年での移行が難しければ、延長したり、支援の拡大を図ることが必要です。質の確保には賛同するものですが、実情と合っていないと、質を上げたら量の確保ができなくなってしまうという懸念があるということです。
 ぜひ、待機児童解消と質の向上が両方とも図れるよう、現状を的確に把握しての柔軟な対応と、必要があればさらなる支援を求めたいと思います。
 次の項目で、産後ケアについて伺います。
 とうきょうママパパ応援事業について、産後ケア事業に係る改修費補助が次年度拡充されていますが、その背景について伺います。

○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都は、とうきょうママパパ応援事業におきまして、出産後の母子等に対して、心身のケアや育児のサポート等を行う産後ケア事業に取り組む区市町村を支援しております。
 来年度は、区市町村における産後ケアの取組を推進するため、施設等整備費の補助率を二分の一から十分の十に拡充することとしております。

○中村委員 産後ケア事業の拡大は重要なので、ぜひお願いしたいと思います。
 さて、育休明け前の母乳ケアについて、母乳を与える推奨期間を、WHOやユニセフは、生後六か月間は母乳だけで赤ちゃんを育て、離乳食を始めた後も、二歳またはそれ以上まで母乳育児を続けることを勧めています。一歳で断乳した方がいいという科学的な根拠はありません。
 国の産後の定義が一年、東京都の補助制度が産後一年となっています。産後一年以降も母乳ケアについて利用できるように検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 母子保健法では、区市町村は産後ケアを必要とする出産後一年を経過しない女子及び乳児に対して産後ケア事業を行うよう努めなければならないと規定をされております。
 なお、妊娠、出産、子育てに関する情報を掲載いたしました国の母子健康手帳情報支援サイトでは、離乳の時期は子供の成長や発達、離乳の進行の程度や家庭環境によって個人差があること、また授乳の継続は子供や母親自身の状態により判断することが記載をされております。

○中村委員 個人差もあるので一年で打ち切らなければならないということではないと思います。家事支援の派遣は三歳未満まで使えるので、そうしたサービスを利用しながら母乳を続けることはできるとも思いますが、助産師さんのような専門家ではないので、ケアという点では支援の延長があってもよいのかと思います。サービスは各市区町村が制度設計しているようですので、市区町村への都独自のサービスを支援できるよう検討を願います。
 以上で質問を終わります。

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